スモールサンニュース瀧本智恵のシネマノート

瀧本智恵のシネマ・ノート 2026年7月号

『霧のごとく(原題:大濛 英題:A Foggy Tale)』 あなたたちを決して忘れない 台湾・白色テロの時代 1950年代、国民党政権による戒厳令下の台湾南部・嘉儀。15歳の少女・阿月がサトウキビ畑の中に入っていく。反政府分子として「特務」(秘密警察)から追われる兄・育雲に食事を持ってきたのだ。束の間の兄妹の会話を断ち切るように追手がやってくる。勇敢であれと妹に言い残して兄は連行された。 ほどなくして兄銃殺の知らせが届く。遺体を引き取るため阿月は兄の形見の腕時計となけなしのお金を持ち、一人で台北の極楽殯儀館(斎場)へ向かう。怪しい男に騙されて危うく娼館へ売り飛ばされそうになった時、車夫の趙公道に助けられる。 公...

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