スモールサンニュース瀧本智恵のシネマノート

瀧本智恵のシネマ・ノート 2025年9月号

『遠い山なみのひかり』 記憶を抱きしめて生きていく 悪夢の正体は何か 1982年、イギリスに暮らす緒方悦子(吉田羊)。戦後、長崎から渡英。長女・景子を自死で失くしている。初老の年齢に差し掛かり、近頃は悪夢にうなされる日もある。再婚したイギリス人の夫との子、次女のニキ(カミラ・アイコ)は大学を辞めジャーナリストを目指すライター。ニキに請われて悦子は長崎時代の思い出を語り始める。それは同世代の友人・佐知子(二階堂ふみ)とその娘・万里子とのことであった。 1952年、長崎。夫・二郎(松下洸平)と高台に建つ団地に暮らす悦子(広瀬すず)。初めての子を妊娠中。ベランダからは川の畔に佐知子の住むあばら家が見え、近所...

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