スモールサンニュース瀧本智恵のシネマノート

瀧本智恵のシネマ・ノート 2025年6月号

『国宝』 血筋に翻弄されて 芸だけに生きる 1960年代、長崎のヤクザ立花組の新年会。余興で組長の一人息子、喜久雄(吉沢亮、少年時代/黒川想矢)は女形を演じ拍手喝采。その場にいた歌舞伎役者の二代目花井半二郎(渡辺謙)も驚くほどの美しさである。と、そこで突如始まった襲撃。喜久雄の目の前で父は死んだ。 喜久雄の才能を見抜いた半二郎は彼を部屋子として引き取る。妻の幸子(寺島しのぶ)は不満気だ。御曹司“俊ぼん”こと俊介(横浜流星、少年時代/越山敬達)と分け隔てなく厳しい稽古をつけられ、やがて「二人道成寺」「二人藤娘」など女形のコンビで舞台に立ちスターへの階段を駆け上がっていく。二人は兄弟であり親友であり良き...

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