瀧本智恵のシネマ・ノート 2025年5月号
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』(原題:LEE) 女性写真家は何を見たのか 事実を伝えたい 1977年、イギリス・イーストサセックス。70歳になるアメリカ人報道写真家リー・ミラー(ケイト・ウィンスレット)は、若いジャーナリスト(ジョシュ・オコナー)の取材を受けている。目の前には数々の戦場写真。そして彼女の回想が始まる。 1938年、南仏。シュルレアリストの芸術家や詩人の仲間とピクニックを楽しむミラー。そこでイギリス人の芸術家のローランド(アレクサンダー・スカルスガルト)と出会い恋に落ちる。第二次大戦の脅威が迫る中、二人はローランドの故郷ロンドンに移住。ミラーは英国「VOGEU」誌で写真家の職を得る。そしてナ...