スモールサンニュース瀧本智恵のシネマノート

瀧本智恵のシネマ・ノート 2016年12月号

「この世界の片隅に」~片隅にある、本当の声。~すずという女性昭和8年(1933年)、広島市江波(えば)。海苔すき業を営む家の長女、浦野すず。8歳。頬に黒子があり、絵を描くことが好きな、ちょっとボーっとした女の子は、両親と兄、妹と仲むつまじく暮らす。 昭和19年(1944年)、18歳になったすずに縁談が舞い込み、軍港の町・呉市に住む北條周作のもとへ嫁ぐ。夫と義理の両親、加えて、夫と死別し出戻りとなった周作の姉・径子(けいこ)とその娘・晴美が新しい家族だ。 戦時下。食糧はますます厳しさを増す。海軍勤務の夫と義父を朝送り出し、配給の列に並び、すずは、家族の食事作りに奮闘の毎日。小姑との葛藤。頭にはいつ...

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