瀧本智恵のシネマ・ノート　2013年8月号

「風立ちぬ」～解釈はいらない。その時代に生きた人々の息づかいに触れるだけでいい。～時代の大きな変化の中で飛行機が大好きなド近眼の少年・堀越二郎は、夢の中でイタリア人の飛行機製作者、ジャンニ・カプローニと出会い、設計技師への道を目指す。進学が決まり群馬県藤岡から東京大学へ向かう途中、関東大震災に遭遇。少女一行を救助する。 時代は大正から昭和へ。世の中には職を求める人があふれ、銀行では取り付け騒ぎ。騒然とする世相の中で、二郎は三菱内燃機株式会社に入社し、愛知へ赴任。親友の本庄、上司の黒川らと共に、軍の依頼で戦闘機を試作するが、テスト飛行は失敗。黒川の計らいで、本庄と一緒にドイツへ視察旅行に旅立つ...