吉原准教授の中小企業コラム 2025年9月号
「陶芸家が育つまち、笠間」 山形大学人文社会科学部准教授 吉原 元子氏(中小企業論担当) 個人陶芸家を中心とした産地 笠間焼で知られる茨城県笠間市は、栃木県益子町と並び、東日本屈指の陶磁器産地です。笠間焼には少なくとも250年の歴史があるとされます。六古窯(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)と呼ばれる古来の産地に比べると後発ですが、やきものの産地として独自の特色を形成してきました。 現在、笠間市周辺では約300人の陶芸家や窯元が活動しています。笠間焼は「特徴がないことが特徴」といわれるほど、これといった代表的なデザインが存在しません。陶芸家はそれぞれの個性と自由な発想にもとづいて制作をしており、そう...