スモールサンゼミ岐阜

今、地方でも注目されている、成功しているところは、消費者ニーズにあった必要なものをそろえて、いいものをきちんと消費者に伝え販売をしているところ。
食に関していえば、相手側が必要な食のニーズをとらえて生産・販売をしているところです。
さらに、なにより大切なのは、人材育成に力を入れていることです。

今回のゼミでは、持続社会を目指す活力ある地域づくりアドバイス事業、食からの街づくりと商品開発のアドバイス事業、六次産業化と人材育成事業、食育と地域づくりを連携させた食のアドバイザー事業、大学から幼稚園まで各学校での食の講師などもてがける、食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサーの金丸弘美氏をお呼びして、アグリビジネスを切り口に、田舎や地域活性化のキーポイントを、「連携と発想力」による豊富な成功事例で学びました。

地方だから、人がいないから、資源がないから、といった中小企業経営者の悩みを、連携と発想力によって打破する参考としてください。

講師:総務省地域力創造アドバイザー 金丸 弘美 氏
実施日時:2019年5月23日(木)18時30分~開催予定
担当プロデューサー:山内税務会計事務所 山内 新人 氏

ゼミレポート

◆農業を単体で考えていては上手くいかない時代
農業について、活用できる制度や実績は多くある。
ただ、農業単体では事業として成り立たない。
何が売れるのか? どこで売れるのか?
それを学び実践しなければいけない時代。
例:名古屋駅前の朝一、数時間かつ少ないスペースで、売上20万円以上あげ、店舗からの仕入れ要望が起きている。

◆発想を変えるとチャンスがある
通常、厳しい状況でも考え方を変えると成果につながる。
少ないスペース、規格外のモノの活用をしている。
考え方や見方を変えると、こんなモノが…こんな場所で…が、売れるモノや場所に変わる。
ニーズマッチングを起こす。

◆高知県でのお米販売事例
今はお米よりもパンの消費が多い時代。
その中、高知県で現地調査を重ねる中、調査に大学生を巻き込む。
生き物調査を重ね、調査成果を発表。続々と成果が出ており、全国から注文が殺到するようになった。

金額も、市場価格の2倍以上にも関わらず、販売を初めた途端に完売するまでになった。
お米が売れると、どぶろくなど付随するモノも売れるようになった。若い世代を巻き込んだ結果、新聞にも掲載。


◆イタリアの農業とインバウンド
インバウンド5番目、イタリア。日本の国土の5分の1にも関わらず、年間観光客5400万人が訪れている。
1〜4位は、日本より国土ある地域。
イタリアの手法、農家民泊。2万600件にも上る。
農村へ観光した観光客の多くは、農家の家に宿泊している。
農業と宿泊と体験を融合させた観光事業を行っているが、食事が出なくても人気がある。

◆農家民泊は140時間勉強が基礎にある
地元の起業家を招いて、マーケティングの勉強会。140時間勉強に試験に受からないと農民の許可が降りない。
ただし、許可が降りると融資も受けられるようになる好条件がある。
民泊や飲食店では、徹底的なナショナリズム、地産のモノを使う事にこだわりきっている。
その結果、地元にお金が落ちる。

◆日本の農村観光
国が取組み始めているが、イタリアに比べると遅れている。
ただ、一部の地域では行えている所がある。
コミュニティ力「地元」の力をどうして生み出したのか?

大分県大村市シュシュ ジェラート
季節ごとに取れる果物を使い、人気を集める。
単価を上げていくため、ケーキを隣におくなど工夫し年商3億5千万の売上。

大人が参加する農業教室も開催。参加費を取る形式でも人が集まっている。
体験で作った芋焼酎「どっこいしょ」1瓶2000円
2300本売れた。原因は、体験教室にきた生産者の関わりで売れた。

◆人口減の中で生き残る道
人口が減る事を見越し、世の中の現状をリサーチして把握。
そして、今あるものを組み合わせてどんなニーズに応えられるのか?
先を見据えて考え発想し実行。
イベントはゆるキャラとか置かず、地元に根付く風情あるモノを使う。

今までのやり方、組み合わせではいけない。
地域でできる事と新しい組み合わせをする事が必要。
実績を出した方の多くは、一度、どん底に落ちた人が新たな発想を生み出している事が多い。

懇親会


講師の金丸氏にもご参加いただき、懇親を深めました。
質問コーナーでは、発想力と連携するための質問にお答えいただきました。
様子は、Facebookの動画でお伝えしていますので、よろしければご覧ください。
ゼミGIFU Facebookページ

今回のゼミは、地域に今あるモノを活かし、外部で成功している事を取り入れた事での成功事例のお話は、とても刺激になりました。
今流行りの事をやるだけではなく、現地で徹底的にリサーチして、特徴を明確にして、外部の良い仕組みを連携させる。
田舎だからだけでなく、多くの会社で活用できる考え方、発想、連携させ活かせる事だと思いました。



ゼミGIFU サポーター
関上 直人


ページの先頭へ