スモールサンゼミ名古屋

◆テーマ
「どうなる? 2017年の日本経済と中小企業経営を読む」

◆講師
東京商工リサーチ 取締役 影浦泰一氏

2016年の倒産と失敗事業の事例、売上や利益の推移を知る事から、2017年の経営にどう活かしていくといいのか?
東京商工リサーチ取締役 影浦氏よりお話を伺いました。

【ゼミレポート】


今回のゼミでは、倒産の数字推移、銀行が融資する時に見るポイント、倒産する会社がどんな事をして倒産してしまうのか?
2017年度の経営をする上で、今知っておきたい話題をお話していただきました。

◆    騙す会社は、決算書がしっかりしすぎている
企業に対して、うまい話を切り出し、商品やサービスの取引をもちかけ騙す会社があります。騙す会社は、なぜ騙せてしまうのか?
このような会社は、取材にも99%応じられるので、しっかりした会社だと思われやすい。見極めるポイントして、決算書を見て長年続いていてうまくいきすぎており、不気味に感じたら要注意。


◆    銀行が融資審査時に見る「ローカルベンチマーク」
ローカルベンチマークとは、地域企業証価手法・評価指標の事です。
銀行が融資する際、よく見られるローカルベンチマークのお話がありました。
ローカルベンチマークを見ると、企業の財務状況から会社内部の状態も把握できるためとの事です。
なぜ銀行が見るのか、一番の要因は真剣に経営をする経営者である事。経営計画、財務管理はとても大切な事ですが、何より真剣に経営されているかどうかの判断をするために見られているとの事です。

◆    高齢者が増加する中注目の集まる介護事業の問題
高齢者が年々増えて行く中、介護を必要とされる方は増えています。
そこで介護事業を行う会社は増えているのですが、2016年度の状況を見ると問題点が増えています。

・    ノウハウなしで事業を始める
・    利用者の奪い合い
・    人手不足、人件費、経費高騰、介護者をやりたい人が少ない

以上の問題から、ここ数年増えていた事業数も2014~15年にかけては減少。
利用者が多く、市場があるものの、参入する際には現状を把握しておいていただきたい。
介護事業で好調な会社をみると、小金持ちを対象にサービス展開している所が多い。
「ニーズがある」と「人が集まる」は別に考える必要がある。


◆    倒産する会社が起こしやすい行動・倒産件数
倒産事例より、倒産する会社のデータや起こしてしまう行動についてお話がありました。
売上が上がっていた会社でも、売上が落ち込んだ際、甘い話に乗ってしまい大きな負債を抱えてしまう。
粉飾決済をして一時凌いだものの、後に明るみとなり銀行や取引先などからの信用を失い取り返しがつかなくなる。

2016年度の倒産件数は、2015年度に比べて若干増加。
今後は増えていくと予想され、強みがない、未来がない、先行きが暗いと思われてしまう会社は厳しい。自社の強みを明確にした上で経営をしていきましょう。
というお話がありました。

◆懇親会
恒例の懇親会では、講師の影浦氏にもご参加いただき、ゼミまとめシートの質問に対する回答もいただきました。
主な質問項目として、「倒産」「ローカルベンチマーク」「不気味な会社」について、お答えいただきました。

今回のゼミでは、倒産する会社が起こしてしまう行動の共通点、銀行が融資の際に見られる、ローカルベンチマークの重要性を学びました。
真剣に経営に取り組むために、自社の強みを明確にし、先行きを見据える事はとても大切だと感じました。



スモールサン・ゼミNAGOYA
Pサポーター 関上 直人


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