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		<title>スモールサンニュース</title>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年7月号</title>
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			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第８０回：中東不安・AI革命と世界・日本の経済と市場（SSゼミKYOTOレポート）」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-a6e6b4f2113d74173224da50c23630c59236fadad76471d9cbbdd73070f7169d.png" data-rel="SmartPhoto[6525]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<br />
今月の「現場に行く！」は、6月16日に開催されたスモールサン・ゼミKYOTO第13期初回講義の模様をレポートします！<br />
<br />
今回の講師は、国際金融市場や地政学リスクに詳しいリサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社代表の倉都康行氏。折しも国内では日銀が政策金利を1％へ引き上げ、中東情勢をめぐっても停戦合意に関する報道が相次ぐなど、世界経済が大きく動くタイミングでの開催となりました。<br />
<br />
講義で取り上げられたのは、中東情勢、AI、インフレ、金融市場など、いま経営者が押さえておきたい複数のリスクです。個々のニュースを追うだけでなく、それらがどのようにつながり、自社の仕入れや物流、価格、資金繰りに影響していくのか。そうして見えてきたのは、不確実な時代にこそ、経営者が自社の判断軸を持つことの大切さでした。<br />
タイムリーな情勢を経営の視点で学ぶ、ゼミならではの講義の様子をレポートします。</p>









































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<h3 >いま起きていることを、経営の目線で学ぶ</h3>









































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<p>2026年6月16日、スモールサン・ゼミKYOTO第13期の初回講義が開催されました。<br />
講義冒頭、ゼミ長からは「今日一日だけでも、株価やホルムズ海峡など、いろいろなニュースがあった」として、それらを日々の行動や企業運営に役立てていきたいという言葉がありました。<br />
<br />
この日の開催は、まさに情勢が大きく動くタイミングでした。<br />
国内では、日本銀行が政策金利を0.75％程度から1.0％程度へ引き上げることを決定。政策金利が1％台に乗るのは約31年ぶりのことであり、「金利のある社会」へと移行した日本経済が、さらに新たな段階に入ったことを印象づける出来事でした。<br />
また、開催前後には、トランプ大統領が停戦合意に関する発言を行ったとの報道が出て市場が反応。17日にはアメリカとイランが和平に向けた覚書に署名したとのニュースが報じられました。<br />
<br />
こうした情勢の変化は、すでに多くの経営者が自社への影響として実感しているテーマでもあります。その背景には、原油価格の変動は燃料費や物流費に、円安は輸入価格に、金利上昇は資金繰りや設備投資に影響するという構造があります。世界のどこかで起きた出来事が、時間を置いて自社の仕入れ、販売価格、顧客の購買力、金融機関との関係にまでつながってくる。いま経営者に求められているのは、個々のニュースに一喜一憂することではなく、それらがどのように自社の経営環境へ波及していくのかを考える視点です。<br />
<br />
おりしも、この日講師に招いていたのは、国際金融市場や地政学リスクに詳しいリサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社代表の倉都康行氏。テーマは、中東情勢、AI、インフレ、金融市場など、いま世界経済を揺さぶる複数のリスクをどう捉えるかというものでした。<br />
<br />
スモールサン・ゼミでは、決まったテーマを体系的に学ぶだけでなく、その時々に経営者が押さえておくべき情勢をタイムリーに取り上げることがあります。今回のゼミKYOTOも、中東情勢、AI、インフレ、金融政策という複雑なテーマを、経営者の目線で捉え直す機会となりました。</p>









































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<h3 >中東情勢、AI、インフレをつなげて見る</h3>









































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<p>倉都氏が講義の冒頭で示したのは、世界経済の注目テーマが「関税」から、「地政学」「AI」「インフレ」へと移っているという見方でした。<br />
この三つのテーマは、それぞれ別々のニュースとして報じられることが多いです。中東情勢は国際政治のニュースとして、AIは技術革新や業務効率化のニュースとして、インフレは物価や金利のニュースとして扱われます。しかし、倉都氏はこれらを個別に見るのではなく、互いに影響し合うものとして捉える必要があると強調しました。<br />
<br />
たとえば、地政学リスクはエネルギー価格や物流コストに影響します。中東情勢が緊迫すれば、原油や石油製品の供給に不安が生じ、海運や保険、輸送ルートにも影響が及びます。それは結果として、燃料費や原材料費、物流費の上昇につながり、企業の仕入れ価格や販売価格にも関わってきます。地政学は、遠い地域の政治問題にとどまらず、インフレを押し上げる要因にもなるのです。<br />
<br />
一方、AIもまたインフレと無関係ではありません。AIの進展は、企業にとって新たな成長機会であり、業務効率化や新サービスの創出につながる大きな可能性を持っています。しかしその裏側では、データセンターの建設、半導体需要の拡大、膨大な電力消費など、さまざまな資源需要を生み出しています。AI投資が拡大すれば、電力や設備、関連部材への需要が高まり、それがコスト上昇の一因にもなります。<br />
<br />
さらに、インフレが進めば金利が上がりやすくなります。金利が上がれば、AI関連投資に必要な資金調達コストも高くなります。つまり、AIは経済成長への期待を高める一方で、インフレや金利を通じて金融市場にも影響を与え、その金融市場の変化が再びAI投資の環境を左右するという関係にあります。<br />
倉都氏は、このように地政学、AI、インフレが三角形のように絡み合っていると説明しました。<br />
<br />
新聞やテレビでは、日々さまざまなニュースが個別に流れていきます。しかし経営者にとって重要なのは、そのニュースがそれぞれどのように関わっているのか、そして自社を取り巻く市場や経営環境にどのようにつながるのかを考えることです。今回の講義は、個別の情勢を詳しく知ること以上に、複雑に絡み合う出来事をどう整理し、経営の視点で捉えるかを学ぶ時間となりました。</p>









































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<h3 >ニュースの先にある、仕入れ・物流・価格への影響</h3>









































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<p>中東情勢をめぐっては、アメリカとイランの和平に向けた覚書署名のニュースを受け、金融市場ではひとまず安心感が広がりました。株式市場は終戦ムードを織り込み、原油価格も一時的に下落しました。しかし倉都氏は、そこで楽観しすぎることへの注意を促しました。<br />
<br />
金融市場は、ニュースに素早く反応します。しかし、実体経済はそれほど単純には動きません。ホルムズ海峡の通航が再開されるとしても、船舶の運航、保険、港湾や海運の調整、石油関連施設の修復、各国の在庫補充など、実際にモノが流れ、価格に反映されるまでには時間がかかります。金融市場が見ている原油先物の価格と、企業活動に直接関わる石油製品の価格は分けて考える必要があると倉都氏は指摘しました。<br />
<br />
新聞やニュースでは原油先物価格が取り上げられることが多く、そこだけを見ると「原油価格が下がったから安心だ」と受け止めてしまいがちですが、企業が実際に負担するのは、ガソリン、軽油、重油、ジェット燃料、石油由来の原材料などの価格です。原油先物が下がったとしても、すでに高値で仕入れられた在庫が使われている間は、石油製品の価格がすぐに下がるとは限りません。<br />
この時間差は、中小企業にとって重要な意味を持ちます。原材料や燃料、物流費が高い状態で残れば、そのコストは仕入れ価格に反映されます。仕入れ価格が上がれば、企業は販売価格にどう転嫁するかを考えなければなりません。価格転嫁ができなければ利益が圧迫され、転嫁すれば顧客の購買力や受注への影響も考えなければならない。つまり、国際情勢の変化は、やがて現場の見積もりや価格交渉、資金繰りの判断にまでつながっていくのです。<br />
<br />
質疑応答でも、参加者からエネルギー供給や物不足に関する質問が出されました。中小企業の経営者にとって、中東情勢は遠い国の出来事ではありません。特に石油製品や原材料、物流に関わる業種では、「本当に供給は戻るのか」「どのくらいの期間、影響が続くのか」「自社はどこまで備えるべきか」という問いが、現実的な経営課題になります。<br />
倉都氏は、供給が正常化するまでには時間がかかる可能性を示しながら、川上から川下までモノが流れるには段階があると説明しました。原油が動き、精製され、製品となり、物流を経て、最終的に企業や消費者のもとに届く。そのどこかで目詰まりが起きれば、末端に届くまでの時間はさらに長くなります。だからこそ、表面的な価格の上下だけでなく、供給の流れ全体を見る必要があります。<br />
<br />
今回の講義で印象的だったのは、国際情勢を予測すること以上に、その影響がどのような経路で自社に届くのかを考える視点でした。世界情勢が大きく動く時代には、経営判断の前提も変わります。だからこそ、遠くで起きているニュースを自社の現場に引き寄せて考えることが、これまで以上に重要になっているのだと感じました。</p>









































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<h3 >AI時代の期待と不安をどう捉えるか</h3>









































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<p>今回の講義では、AIも重要なテーマとして取り上げられました。AIというと、業務効率化や省人化、新しいサービスづくりなど、企業がどう活用するかという実務的な関心が先に立ちます。実際、中小企業にとっても、AIをどう取り入れるかは避けて通れない課題になりつつあります。<br />
しかし、倉都氏が示したのは、AIは一つの便利な技術であると同時に、世界経済や金融市場を大きく動かす存在にもなっているという視点です。<br />
<br />
特にアメリカでは、巨大IT企業によるAI関連投資が急速に拡大しています。データセンターの建設、半導体の確保、クラウド基盤の強化、人材獲得など、AIをめぐる投資は非常に大きな規模になっています。こうした投資は、短期的にはアメリカ経済を押し上げる力になります。<br />
一方で、期待が大きいからこそ、そこには不安も生まれます。AI関連企業の株価が大きく上昇すれば、それは成長への期待を反映したものとも言えますが、同時に「期待が先行しすぎていないか」という懸念も出てきます。巨額の投資に見合う収益が本当に得られるのか。投資が過熱し、株価が実態以上に膨らんでいないか。そうした問いが、金融市場ではすでに意識され始めているのだといいます。<br />
AI関連投資が拡大するには、多額の資金が必要になります。その資金は株式市場や社債市場、ファンドなど、さまざまな金融の仕組みを通じて調達されます。投資が順調に進み、期待どおりの成長が続いている間は問題が見えにくくても、どこかで収益見通しが崩れたり、金利上昇によって資金調達コストが高まったりすれば、金融市場に不安が広がる可能性があります。倉都氏は、AIと金融が結びつくことで、これまでとは違う新しいリスクが生まれていると指摘しました。<br />
<br />
中小企業にとって、AIはもちろん活用すべき技術です。人手不足への対応、事務作業の効率化、情報収集、企画や営業の支援など、実務に役立つ場面は今後さらに増えていくはずです。しかし、AIを「自社でどう使うか」という視点だけではなく、「AIによって経済全体がどう変わるのか」という視点も持つことで、これからの経営環境を読み解くための重要な切り口になります。</p>









































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<h3 >供給不足の時代に、自社の判断軸を持つ</h3>









































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<p>講義の終盤で倉都氏が示したのは、日本経済が直面しつつある新しいリスクでした。それは、これまでのような「需要不足」ではなく、「供給不足」が経営の前提になっていくのではないかという視点です。<br />
<br />
長く日本経済では、需要をどう増やすかが大きな課題とされてきました。個人消費をどう伸ばすか、企業の投資をどう促すか、景気をどう下支えするか。そうした問題意識のもとで、金融緩和や財政支出が繰り返されてきました。<br />
しかし、これからの経営環境では、そもそも必要なものが十分に手に入らない、あるいは調達に時間とコストがかかるという供給側の制約が大きくなっていく可能性があります。石油製品、労働力、水、食料品、AI技術、リスクマネーなど、倉都氏はさまざまな不足の可能性を挙げながら、経営者がその変化を実感として捉える必要があると語りました。<br />
<br />
供給不足は、単に「モノが足りない」という問題にとどまりません。原材料が足りなければ仕入れ価格は上がり、人手が足りなければ賃金や外注費が上がります。エネルギーの供給に不安があれば燃料費や物流費に影響し、AIを活用しようとしても技術や人材、投資資金が不足すれば、思うように進められないこともあります。必要なものを、必要な時に、これまで通りの価格で調達できるという前提が揺らぎ始めているのです。<br />
<br />
この変化に対して、経営者が考えるべきことは一つではありません。重要なのは、目の前のニュースに反応するだけでなく、自社にとってどのリスクがどの経路で影響するのかを整理しておくことです。中東情勢はエネルギーや物流へ、AI投資は電力や金融市場へ、インフレは金利や仕入れ価格へ、そして供給不足は人材や原材料、資金調達へとつながっていきます。個々の出来事は別々に見えても、経営の現場では一つにつながって表れてくるのです。<br />
<br />
スモールサン・ゼミでは、経営に関する知識を学ぶだけでなく、いま起きている出来事を自社の経営にどう結びつけるかを考える機会があります。情勢は日々変わります。だからこそ、特定の予測に頼るのではなく、複数の可能性を想定しながら、自社の判断軸を持つことが欠かせません。<br />
今回のゼミKYOTOは、世界情勢を読み解く講義であると同時に、不確実な時代に経営者がどのような視点を持つべきかを考える時間となりました。遠くのニュースを、自社の明日の判断につなげる。その積み重ねこそが、変化の激しい時代を生き抜くための力になっていくのではないでしょうか。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
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			<pubDate>Mon, 06 Jul 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6524.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































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<h2 >「高市積極財政」で長期金利が30年ぶりの高さに!</h2>









































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<p>高市政権は「骨太の方針」から「財政健全化」の文言を消してしまった——そんな高市政権の「積極財政」姿勢を懸念して10年物国債の利回りが上昇、7月3日には2.81％と30年ぶりの高さに至った。この水準が続けば、大手銀行が大企業に貸し出す際の基準金利である「長期プライムレート」は現行の3.15％からさらに大きく上昇する。それにつれて中小企業向けの貸出金利も上昇することになる。今後新規借入や過去の借入の更新をしなければならない中小企業は昨今の人件費や仕入コストの上昇に加えて、金利コストの上昇によっても経営が圧迫されることになる。<br />
「インフレ基調下での積極財政は金利上昇と物価高を引き起こす。これは誰も否定できない経済法則なんです」と、私はかねてより「高市リスク」を訴えてきた。それを聞いても高市政権に大きな期待を寄せて来た人たちは、「そんなことは覚悟の上の支持だった」ということなのかもしれない。そうならば、もはや私には何も言うことはないのだが…<br />
<div align="right">(山口　2026.7.4筆)</div></p>









































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<div class="entry-container"><blockquote><h3>長期金利一時2.81% 30年ぶり高さ リスク意識で債券売り</h3>日本経済新聞2026.7.4 <br />
<br />
3日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、2.81%に上昇（債券価格は下落）した。1996年10月以来およそ30年ぶりの高水準だ。<font color="red">高市早苗政権下での積極財政による財政悪化リスクを意識した債券売り</font>が広がっている。<br />
<br />
96年当時は売買高の多い指標銘柄が長期金利とされていた。政府が6月30日にまとめた「経済財政運営と改革の基本方針（骨太の方針）」の原案で<font color="red">「財政健全化」の文言が消え財政規律が悪化するとの懸念</font>が強まっている。<br />
<br />
同方針では日銀に対し「適切な金融政策運営を行うこと」も求めた。日銀の金融政策が政府の意向に左右されやすくなり、物価高に利上げが追いつかない「ビハインド・ザ・カーブ」に陥るリスクへの警戒感も債券売りにつながった。終値では2.785%と前日より低下した。<br />
(赤字による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
			]]></description>
			<category>知っとこNews</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6524.html</guid>
			<pubDate>Mon, 06 Jul 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>論考　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/ronkou/entry-6500.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「レジリエントな経営者たち<br />
～時代の波にどんなに揺さぶられても<br />
『しなやか』に成長し続ける『したたか』な企業～」</h2>









































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<p>立教大学名誉教授　山口義行(スモールサン主宰)</p>









































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<p>強風に揺れながらもポキンと折れない「しなやかさ」、逆風を順風に変えてしまう「したたかさ」、英語ではこれを「レジリエンス(resilience)」という。近年のビジネス環境の激動ぶりを見ていると、今こそそんな資質を備えた、まさに「レジリエント(resilient)な経営者」が求められていると強く感じる。実はスモールサン会員の中には少なからずそういう経営者がいる。その多くはスモールサンニュースにもすでにご登壇いただいており、その経営実践についてもたびたび紹介させてもらった。以下では、彼らの言動をあらためて思い起こしながら「しなやかで、したたかな会社づくり」のヒントを探っていこうと思う。</p>









































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<h3 >「先生とじっくり経営談義がしたい」</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-7807e23778b9613c583d3a2f9c1f49a6a78fb94814b7e12e4e993d23afde3b66.png" data-rel="SmartPhoto[6500]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/7807e23778b9613c583d3a2f9c1f49a6a78fb94814b7e12e4e993d23afde3b66.png" alt="" width="340" height="485">
	</a>
</div>


































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<p>私が石垣島と東京の二拠点生活を続けていることをご存じの読者諸氏は多いと思う。先日ある経営者が石垣島の拙宅を訪ねて来られた。現在ゼミ千葉のプロデューサー役を担っていただいている<a href="https://www.gojoh.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社五常</a>の代表取締役社長、河野佳介氏である。　<br />
「石垣島への興味」と「先生とじっくり経営談義がしたい」というのが来島の目的だと告げられた。実際、かなりの長時間にわたって五常の経営状況についてお話を聞かせていただいたのだが、その際同氏のお話を聞けば聞くほど、私は「この人こそ、レジリエントな経営者だ」と強く実感したのである。<br />
<br />
私がそう感じた直接のきっかけは、スモールサンニュースでも紹介したことのある同社開発の大型シーリングファンにまつわるエピソードである。<br />
同社はネットを介して台車のレンタルや販売を行って業績を伸ばしてきた会社であるが、ある時期から新たに倉庫や工場の暑熱対策として大型シーリングファンの開発・販売も手掛けるようになった。これが「当たった」。2018年には同社が開発したスマイルファン（SMILE FANS）が大ヒットし、数百という倉庫で導入されるに及んだ。ところが、この好調な歩みを一瞬にして止めてしまう事態が発生したのである。読者諸氏の記憶にもまだ新しい「新型コロナウィルス」である。</p>









































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<div class="entry-container"><blockquote>　「大型シーリングファンは工場・倉庫に設置して、大きく空気を回して熱中症対策を行うというもので、今ではもう本当に何百という倉庫に設置されています。でも、コロナ禍になって以降、多くの企業は暑熱対策にお金をかける余裕がなくなり、好調だった受注も一気にストップしちゃったんです」(2022年に開催されたスモールサン日曜大学での河野氏の発言)。</blockquote></div>









































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<p>当時は日本中の経営者にとって「コロナ禍をどう生き延びるか」が緊急かつ最大の経営課題だった。補助金の活用、金融機関からの緊急融資など、生き延びるための方策を多くの企業が模索していた。当然のことながら、五常でも対策会議が開かれた。<br />
しかし同社の場合、そのテーマは「逆風にどう耐えるか」だけではなかった。「こういう時だからこそ、何か新たなイノベーションに挑もうではないか」という問題意識、つまり「逆風」を「順風」に変えようというのがテーマだったのである。<br />
とはいえ、コロナ不況に日本中があえいでいる時期である。妙案は簡単には出てこない。会議出席者の言葉数も少なくなる。</p>









































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<h3 >「売り先を変えることもイノベーションですよね」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>そんな時、ある社員がこんな発言をした。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「新商品の開発だけがイノベーションではないですよね。既存商品の売り先を変える。これもイノベーションですよね。」</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>この発言には、当然こんな疑問が出される——</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「たしかにそうだが、売り先を変えると言っても一体どこに売るんだ。どの企業もコロナ対応で目一杯。シーリングファンに資金を投じる余裕なんてないんだよ。」</blockquote></div>









































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<p>発言者はこう続けた——</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「企業がだめなら、学校はどうでしょうか」<br />
「コロナで休校騒ぎまで起きているのに、今シーリングファンを買おうなんていう学校があるのか。」<br />
「いや、コロナ禍だからこそ、買ってくれるのではないでしょうか。たとえば体育館で大型シーリングファンを回せば、体育館の中に気流ができて、換気を促進できますから、有効なコロナ対策になります。」<br />
「なるほど。暑熱対策ではなくコロナ対策としてシーリングファンを売ろうというわけだ。」</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>当時の会議でどんなやり取りがなされたかについて、河野氏がその詳細を語ってくれたわけではないが、概ねこんな議論を経て五常は学校向けシーリングファンの売り込みに全社的に取り組むことになった。その結果、何が起きたか。河野氏は言う——</p>









































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<div class="entry-container"><blockquote>「その結果、千葉県勝浦市の全校の小中学校の体育館にこのファンが入ったんです。でも、その用途は熱中症対策ではなくて、コロナ感染を抑制するための換気対策。これで一気に火がついて、その後海上保安庁などの公共部門の工事が増えてきたんです。モノは同じなんですが、「誰の」「どういう悩み」を解消するのか、その視点で見ていくと、また新たな発展が見えてくると思いました」(前掲、日曜大学での発言)</blockquote></div>









































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<h3 >「誰の」「どういう悩み」を解消するのか——それがビジネスの本質</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>一社員の発言を契機に新型コロナという「逆風」を「追い風」へと変えてしまった五常。そこには同社の「しなやかさ」「したたかさ」が端的に示されている。<br />
しかし、上記のエピソードを1人の従業員の「機転の良さ」の話として捉えたら、そこからは何も学べない。せいぜい「そんな機転の利く従業員がウチにもいてくれたらなあ」と嘆くのが精いっぱいである。<br />
<br />
重要なヒントは河野氏の発言の中にある。「モノは同じなんですが、「誰の」「どういう悩み」を解消するのか、その視点で見ていくと、また新たな発展が見えてくると思いました」——これである。<br />
拙宅の庭から石垣島を取り巻く青い海へと目をやりながら、河野氏が繰り返し私に語ったのもこのことである。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「『誰の』『どういう悩み』を解消するのか——わが社では、こういう視点で自分たちのビジネスを常に見る姿勢が従業員の中に浸透しているんです。私があれこれ言わなくても、従業員たちから次々にいろんな案が出されます。『この商品、こんなことで悩んでいる企業に提案したら、きっと喜ばれると思うんですが…』とか、『この商品にもう少し工夫を加えれば、これまでとは違うお客さんからも注文が得られると思うんです…』といった具合です。おかげで最近は私の出番がすごく減ってきました。こんなふうに平日に石垣島にやって来られるのも、実はその成果なんですよ。」(拙宅での河野氏の発言) </blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>「誰の」「どういう悩み」を解消するのか、ここにこそビジネスの本質がある——これは経営者河野佳介の根本思想だといってよい。河野氏はこの根本思想を日常的に従業員に語り続けることが自分の役割だと考えている。「既存商品の売り先を変える。これもイノベーションなんですよね」といって、シーリングファンの新たなビジネス展開を従業員が提案できたのも、実は河野氏のこうした日常的努力の成果にほかならない。<br />
<br />
ところで、従業員たちのこうした実践は、買い手である顧客とっては「五常が“思わぬ解決策”を自分たちに提供してくれた」と映る。そのため、五常は顧客から「感謝」されこそすれ、「値引きを求められる」ことがほとんどない。また、競合他社がこれまでマーケットとしてこなかった分野へと販売を広げることで、「他社との競争上、値引きを余儀なくされる」ということも避けられる。結果的に同社の利益率が高くなる。<br />
高利益率で有名な会社にファナックがあるが、五常は粗利率ではファナックを上回っている。ファナックの高利益は同社の卓越した技術力に起因しているが、五常の場合はそうではない。五常の高利益率は、ただただ従業員のもつ「ビジネス展開力」に寄るものなのである。こうして得られた高利益体質は、財務的な「強さ」となって逆風下でもポキンと折れない同社の「しなやかさ」を生むことになる。</p>









































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<h3 >顧客が本当は「何」を求めているのか<br />
——それを知るための「2つの質問」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>では、この従業員の「ビジネス展開力」はどのようにして培われたのだろうか。河野氏は言う——</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「顧客がなぜ私たちの製品を必要としているのか。それを従業員ひとり一人がどれくらい深く分析できるか、会社の命運はすべてそこにかかっている。このことを、私は口が酸っぱくなるほど従業員に語ってきました。」(同上)</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>顧客のニーズを徹底的に掘り下げる“分析力”、これが五常という会社の強みであり、付加価値なんだと河野氏は言う。彼は、その“分析力”を高めるための五常ならではの「仕組み」も構築した。<br />
といっても、その「仕組み」はきわめて簡単である。台車をネット通販するのが五常の主要ビジネスであることはすでに書いたが、同社の通販サイトにはいわゆる「ショッピングカート」がない。注文は従業員が電話で受ける。その際、注文を受けた従業員は必ず2つのことを顧客に質問するルールになっている。1つは「なんでこの台車を欲しいと思われたんですか？」という質問、もう1つは「今までどうしていたんですか？」という質問である。「仕組み」といってもただこれだけのことだが、「この2つの質問をするだけで、お客様の悩みとか課題の本質が見えてくる」のだと河野氏はいう。<br />
<br />
たとえば「この台車が欲しいんですが…」と、サイトを見た顧客から注文の電話が入ったとしよう。通常の会社であれば、従業員は「ありがとうございます。何台お求めですか?」と対応し、以後注文内容の確認作業に入るだろう。ところが、五常は違う。注文を受けた従業員たちは真っ先に河野氏のいう「2つの質問」をするのである。たとえば、こんな具合である——</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「この台車が欲しいんですが…」<br />
「お客様、失礼ですが、どうして台車がご入り用なんでしょうか？」<br />
「最近女性の従業員が倉庫の製品を運ぶことが増えたんだ。それで、台車を新たに購入しようと」<br />
「これまではどうされていたんですか。御社では女性が台車を使って物を運ぶこと自体あまりなかったんですか。」<br />
「そうなんだ。今まではウチには外国人労働者がたくさんいて、そういう仕事は彼らがしてくれていたから。でも、コロナ禍で外国人労働者が日本に来られなくなった。それで、女性たちにも製品を運ぶ仕事を手伝ってもらおうと。でも女性だと、やっぱり力がないからね。台車が必要になる。そこで、御社から何台か買おうと…」</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<h3 >レジリエンスの根源は従業員が顧客との会話から得る「気づき」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>あらためて指摘する必要もないが、この会話は「モノを売り込む」ための営業トークではない。顧客のニーズの背後に何があるかを知るための会話である。<br />
このケースでいえば、顧客のニーズの背後に「コロナ禍でこれまで頼りにしてきた外国人労働者を使えなくなった」、「そのために女性労働に頼らなければならなくなった」という事情があることを、「2つの質問」を通して従業員は知ることになる。<br />
そして、気づく——電話は「台車が欲しい」というものだったが、この顧客が抱える問題は実は「台車の不足」ではなく「人手の不足」なのだということ、そしてその問題解決のためには「女性が働きやすい職場を作ること」が必要なんだ、と。<br />
そこで、従業員はこう会話を続ける——</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>「お客様、それならお客様が選ばれた台車はやめた方がいいですよ」<br />
「えっ、 なんで?」。<br />
「この台車は動かしにくいし、重い。それに、女性にとってはカゴの背が高くて前方が見えにくいので危険です。御社に今求められているのは“女性が働きやすい職場づくり”です。だったら、その視点で台車をお選びください。わが社には、女性従業員たちが女性のために開発した“天使のカゴ台車”というのがあります。これなら軽くて女性でも使いやすいし、カゴの背も高くなくて背の低い女性でも前方が見えやすくなっています。これを購入されれば、女性たちは「この会社、女性従業員のことを大切に考えていてくれるな」と感じると思いますよ。」</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>上記の会話はコロナ禍の下でのものだが、そこで課題となった「人手不足」はむしろコロナ禍が過ぎた後にこそ本格化する。人手が減れば、人が使う道具である台車へのニーズも減少する。とすれば、本来「人手不足」は五常にとって逆風のはずである。　　<br />
しかし、上記のような顧客との会話から、従業員は「人手不足」が女性向け台車へのニーズを生むことにすでに気づいている。この「気づき」が“ビジネス展開力”を生む。同社はそれを全社的な共通認識にすることで、「人手不足」を “追い風”にして女性向け台車の売上げを伸ばしていった。こうして逆風は順風に変えられた。なんとも「したたか」である。<br />
<br />
顧客のニーズを敏感に感じ取り、それをもっとも深いところで的確にとらえる——日々、五常の従業員はこれを求められ、鍛えられている。そのことが従業員に「ビジネスの展開力」を身につけさせ、それが様々な「提案」となって同社の発展を支えている。<br />
さらに言えば、同社は従業員が顧客との会話の中で得たちょっとした「気づき」を、たちどころに全社的な共有物にして戦略化していく仕組みも構築されている。先月号で話題に上がった同社の「チョレイ」(朝礼)もその仕組みの一つである。数年かけてこういう構造を社内に作りあげた河野社長を私は躊躇なく「レジリエントな経営者」と呼びたい。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/b436a8fea5748463aaa5f4f7e654ea29f71c092d3cbe4b2b0c8eece17c5e2e1d.png" alt="" width="442" height="356">
</div>

































				
				
			]]></description>
			<category>論考</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/ronkou/entry-6500.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>弘中教授の中小企業コラム　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-6497.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「中小企業と大学生の協働：結果よりもプロセス重視で」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>中京大学総合政策学部教授　弘中史子氏（国際経営論担当）</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >1. &nbsp; &nbsp;はじめに</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>昨年から，私は所属先の中京大学で社会連携教育センター長をつとめています。このセンターは，企業や自治体と大学が連携することで，学生に実際の社会課題に取り組む実践の場を提供するとともに，地域社会に貢献することを目的として設立されました。現在，多くの大学でこうした活動が推進されています。<br />
<br />
この1年の間に，私たちのセンターでは様々なプロジェクトを実践してきました。中でも企業との連携においては，多くの地元の中小企業にご協力いただいています。<br />
<br />
こうした取り組みを見ている中で，連携の成果，つまり結果だけではなく，そのプロセスにおいて，中小企業と学生がともに学ぶことにこそ価値があるのではないかと考えるようになりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >2. &nbsp; &nbsp;大学における企業との連携</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>大学と企業との連携活動について，読者のみなさまにイメージしていただくために，センターのプロジェクトの中から，私が関わっていた事例を具体的にご紹介しましょう。<br />
<br />
第一は，地元に本社をおく商社，株式会社シロキホールディングスとの連携プロジェクトです。同社は，環境配慮型の建物改修工事など様々な事業を担うシロキコーポレーションや，紙・板紙事業などを展開する株式会社シロキを傘下に持っています。活動では，同社の新規事業のアイデアを考えるチームと，事業化までのプランを考えるチームに分かれて活動を行いました。<br />
<br />
第二は，名古屋中小企業投資育成株式会社の仲介により，同社の投資先でもあるイイダ産業株式会社と中工精機株式会社にご協力いただいた事例です。イイダ産業株式会社からは，既存製品の他業界への展開可能性や，消費者向け製品のSNSマーケティングについての課題をいただきました。中工精機株式会社からは社内の健康経営を促進する手法や，同社の業務内容を一般の方々に向けわかりやすく紹介するための媒体についての課題をいただきました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >3. &nbsp; &nbsp;企業の課題に向き合う難しさを実感</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>多くの学生は，「実践的な活動をしてみたい」「就職活動でアピールできる経験を積みたい」といった期待で連携プロジェクトに参加しています。<br />
<br />
学生が当初直面するのは，2つの壁です。第一は「企業が求めているものがよくわからない」ということです。大学のレポート課題のように，明快な問いが与えられるわけではありません。むしろ企業側は，学生に自由度を与えるために，細かな条件はつけません。学生は自分たちで課題を改めて言語化していかなければならないことに気づきます。<br />
<br />
第二は，「自分たちが思いつくようなアイデアは，すでに企業ではすべてやっている」ということです。「これだけいろいろ試しているのであれば，果たして自分たちにできることがあるのだろうか？」と懐疑的になります。そして「期限までに，自分たちは課題を解決できるのだろうか」と不安になるのです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >4. &nbsp; &nbsp;プロセスを通じた互いの変化</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>しかし，そこから学生の熱意が高まります。まず「自分たちから積極的に企業にはたらきかけてやり取りしなければ」という気持ちになります。LINEに代表されるような即時的なチャットアプリで育った学生にとって，企業側にメールを送信するだけでも大きなチャレンジです。ましてや適切な敬語・ビジネス用語を使った文面を考えたり，迅速に返信しなければならないことに緊張感を覚えます。<br />
<br />
また，すでに企業が検討・トライしていることをふまえて，「それ以外のアイデアを考えなければ」という気持ちになります。企業が把握していない情報を集めようと，関連する企業や潜在顧客と接触し，生の声を集めようと試行錯誤することになります。<br />
<br />
一方で企業にとっても，学生とのやりとりで気づきがあるようです。まず自社の状況や課題の背景が，なかなか伝わらないことを実感します。そこで企業訪問を受け入れたり，これまでの試みについて改めて資料をまとめたり，サンプル製品を提供したりということになります。<br />
<br />
また，「自由な発想」を期待したものの，実はそれが学生にとって意外に難しいことであるという現実にも直面します。「正解がないと不安になる」「失敗をしたくない」という傾向が強い現代の大学生にとって「固定概念にとらわれない発想」というのはかなりハードルが高いことなのです。つい，生成AIに頼ってしまう学生もいます。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >5. &nbsp; &nbsp;おわりに</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>以上のように，中小企業と大学との連携活動は，課題解決の成果だけではなく，連携活動のプロセスで多くの学びがあります。<br />
<br />
学生側は「就職活動で企業にアピールできる成功体験」を得ることよりも，企業と生の交流を体験し，現実のビジネスの課題解決の難しさを実感し，さらに「自ら考えぬく」ことが財産になるでしょう。<br />
<br />
企業にとっては，大学生と接することで若手世代とのコミュニケーションを学ぶ場となったり，組織に新鮮な風を吹き込む機会となったりすることもあります。<br />
<br />
このように大学と企業との連携活動を，互いの「共育（きょういく）」の場として捉えることでより実りは多くなるでしょう。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/ceba7edbf4ef56142d4b325173d58767dd90fae18eada3ff96a56524780d2d49.png" alt="" width="1069" height="764">
</div>




































<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td>参考リンク<div><a href="https://www.chukyo-u.ac.jp/news/2026/01/026112.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">（中京大学）現役社員と"一緒に"創る！本気の新規事業開発プロジェクトを実施</a></div><div><a href="https://www.chukyo-u.ac.jp/news/2025/09/025708.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">（中京大学）企業の課題解決案を発表　ユニークな案が評価<br></a></div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>中小企業コラム</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-6497.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>社長のためのメンタルヘルスニュース2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_mental-health/entry-6498.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「中小企業でも始まるストレスチェック制度③」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-4">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/large-a055e0ed5c3c93b0ad1bb70788d5c904e4e771153b272f066bb3694c937a39fd.png" data-rel="SmartPhoto[6498]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/a055e0ed5c3c93b0ad1bb70788d5c904e4e771153b272f066bb3694c937a39fd.png" alt="" width="220" height="211">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<h3 >決めるべきルールは「個人情報」だけではない <br />
～ストレスチェック制度を活かすための運用設計～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>前回は、ストレスチェック制度を始める前に、事業者による方針の表明と社内ルールづくりが重要であることをお伝えしました。<br />
今回は、そのルールづくりについて、もう少し具体的に見ていきたいと思います。<br />
<br />
ストレスチェック制度というと、「個人情報をどう守るか」という点に目が向きがちです。しかし実際には、それだけでは十分ではありません。制度を単なる法令対応で終わらせるのか、それとも職場改善につながる仕組みとして活用するのか。その違いは、実施前にどのようなルールを決めておくかにかかっています。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「結局、何を決めればいいの？」<br />
～まず押さえたい4つのルール～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>前回、「社内ルールづくりが重要」とお伝えしましたが、「具体的には何を決めればいいの？」と思われた方もいるかもしれません。<br />
<br />
中小企業の場合、まずは次の4つを明確にしておくことが重要です（※1）。<br />
<br />
① 個人結果の取扱い<br />
② 高ストレス者への対応<br />
③ 集団分析結果の取扱い<br />
④ 不利益取扱いの防止<br />
<br />
です。<br />
<br />
①と④については比較的イメージしやすいかもしれません。しかし、意外と見落とされやすいのが③の「集団分析結果の取扱い」です。ストレスチェック制度は、実施すること自体が目的ではありません。<br />
従業員一人ひとりが自分のストレス状態に気づくことに加え、職場全体の課題を把握し、改善につなげていくことも大切な目的の一つです。<br />
<br />
そのためには、<br />
<br />
* 集団分析結果は誰が確認するのか<br />
* 管理職にも共有するのか<br />
* 衛生委員会でどのように取り扱うのか<br />
* 改善策の検討は誰が行うのか<br />
<br />
といった点を事前に決めておく必要があります。<br />
<br />
実際には、「ストレスチェックは実施したけれど、集団分析結果は誰も見ていない」というケースも少なくありません。しかし、それでは従業員から見ても、「受けっぱなし」「やりっぱなし」という印象になってしまいます。だからこそ、個人情報を守るためのルールだけでなく、<br />
<b>《結果をどのように活かしていくかというルールも同じくらい重要》</b>なのです。<br />
<br />
なお、集団分析結果の見方や活用方法については、非常に重要なテーマですので、次回以降で詳しくお伝えしたいと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「結果は会社に見られのか？」<br />
～一番トラブルになりやすい個人情報管理～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>ストレスチェック制度について説明すると、多くの企業で必ず出てくる質問があります。それが、「会社は個人結果を見ることができるのですか？」というものです。<br />
<br />
特にストレスチェック制度のマニュアル等を読まず実施している会社ですと、「会社で実施しているのだから見られるのでは？」と勘違いするケースがあります。これは健康診断の結果は会社への提出が義務ということもあるかもしれません。しかし、ストレスチェック制度における個人結果は、本人の非常にセンシティブな個人情報です。そのため、<b><u>本人の同意なく会社がストレスチェックの個人結果を見ることはできません</u></b>。もちろん、上司も見ることはできませんし、実施事務従事者にも厳しい守秘義務が課されています。<br />
<br />
中小企業では、社長と従業員の距離が近いため、社長は「○○さんの結果どうだった？」と、つい聞きたくなる場面もあるかもしれません。しかし、たとえ経営者や管理職であっても、その情報を知ることはできません。制度への信頼を守るためにも、このルールは非常に重要です。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「会社は何も知らない」は誤解です<br />
～本人を守るための情報共有もある～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>ここまで読むと、「では会社は何も知ることができないのですか？」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。会社が把握できる情報もあります。その代表的なものが、先ほどお伝えした「集団分析結果」です。そしてもう一つが、高ストレス者として判定された従業員が医師による面接指導を希望し、その際に本人が会社への情報提供に同意した場合です（※2）。<br />
<br />
従業員側からすると「会社に知られるなんて嫌だ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、この仕組みは会社が従業員を管理するためのものではありません。むしろ、本人を守るための仕組みです。<br />
<br />
特に高ストレス者の方ですと、体調不良となるリスクが高い方ともいえます。そのため<br />
<br />
* 業務量の調整<br />
* 労働時間の見直し<br />
* 業務内容への配慮<br />
<br />
など、必要な対応を行うためには、会社側が一定の情報を把握している方が好ましいとも言えるのです。<br />
<br />
つまり、個人情報は守る。しかし、本人を守るために必要な場合には、本人の意思を尊重したうえで情報共有を行う。これがストレスチェック制度の基本的な考え方なのです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「良かれと思って」が一番危険<br />
～やってはいけない運用とは～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>中小企業では、従業員同士や上司、経営者との距離が近いことが強みでもあります。しかし、その距離の近さが、ストレスチェック制度では思わぬ問題につながることがあります。<br />
<br />
例えば、「心配だから結果を見せてほしい」「ストレスが高いなら異動した方がいいのでは？」「面接指導を受けた方がいいよ」こうした言葉は、本人を心配して発せられることも多いでしょう。しかし、良かれと思って行った行動であっても、制度の趣旨に反する対応になってしまうことがあります。<br />
<br />
また、<br />
<br />
* 個人結果の提出を強要する<br />
* 評価や昇進の判断材料にする<br />
* 高ストレス者を特定しようとする<br />
<br />
といった運用は、制度への信頼を大きく損なう原因になります。<br />
<br />
ストレスチェック制度は、従業員を管理するための制度ではなく、従業員の健康を守るための制度です。だからこそ、会社としては「知ってよい情報」と「知ってはいけない情報」を正しく理解し、運用していくことが大切なのです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >第3回まとめ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>ストレスチェック制度では、<br />
<br />
* 個人結果の取扱い<br />
* 高ストレス者への対応<br />
* 集団分析結果の取扱い<br />
* 不利益取扱いの防止<br />
<br />
について、事前にルールを決めておくことが重要です。<br />
<br />
特に、個人結果は「守るべき情報」、集団分析結果は「職場改善のために活かすべき情報」という違いを理解しておくことが大切です。<br />
<br />
なお、ストレスチェック制度の価値は、実はこの「集団分析結果の活用」にあると言っても過言ではありません。<br />
<br />
<br />
次回は、集団分析結果をどのように読み取り、職場改善につなげていくのかについて詳しくお伝えしたいと思います。<br />
<br />
なお、ストレスチェック制度の導入にあたり、<br />
「自社では何から整理すればよいかわからない」<br />
「社内ルールをどう作ればいいのか悩んでいる」<br />
という場合は、スモールサン会員の方に限り、初回無料でご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><div><b>注釈</b></div>※1　社内ルールづくりは今回記載した4つだけではありません。詳細は<a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69680.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">厚生労働省のマニュアル</a>をご確認ください。&nbsp;<div>※2　「医師面談の申し出と同時に会社への情報提供に同意する」という内容についても、事前に衛生委員会等でこれらの運営方法を取り決め、従業員へ周知する必要があります。</div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><b>咲江プロフィール
</b><div>公認心理士（国家資格）、産業カウンセラー、キャリアコンサルティング2級技能士（国家資格）
</div><div>厚生労働省委託事業　東京産業保健総合支援センター促進員、（社）日本産業カウンセラー協会　認定講師、タッピングタッチインストラクター
</div><div>総合不動産会社、外資系ラグジュアリーブランドで人事総務庶務として、健康診断・給与・人事考課・社会保険・休復職・就業規則・メンタルヘルスなどに16年携わり、その後　独立。
</div><div>現在はカウンセラー、キャリアコンサルタントとして様々な企業でメンタルヘルス・ストレス対策・リラクセーション・コミュニケーションなどの研修や、メンタルヘルスの相談業務、メンタルヘルス制度構築などを行っている。また、小・中学校で不登校児童の支援、震災後に心のケアとして注目を集めているタッピングタッチのインストラクターとしても活動中。
<a href="mailto:sakie_zaki@yahoo.co.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">sakie_zaki@yahoo.co.jp </a></div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>社長のためのメンタルヘルスニュース</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_mental-health/entry-6498.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「トランプがイランに全面譲歩！<br />
～日銀利上げ、今年中に『再利上げ』も～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　今回は6月に実施された2つのビッグイベントを中心にお話を伺おうと思います。その1つは6月16日に発表された日本銀行の金利引き上げです。政策金利が0.75%から0.25%引き上げられて、とうとう１%に達しました。その背景や影響、それから今後の金融動向などについてお話を伺いたいと思います。今1つは17日に行われたアメリカとイランとの和平に向けた覚書の調印です。これで本当に戦争は終結するのか、経済的影響はどうなのかなど、お伺いしたいことは沢山あります。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日銀の利上げで政策金利が１％に<br />
～31年ぶりの金利水準～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、1点目の利上げについてですが、今回なぜ日銀が利上げに踏み切ったのか。まずはそのあたりから教えてください。<br />
<b><br />
山口</b>　利上げの理由はいうまでもなく物価上昇への懸念だ。一般論で言えば、インフレ基調の時に低い金利水準を維持していると、そのことによってインフレが助長されてしまう。インフレ抑制のためには利上げは不可避だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、たしか4月の消費者物価上昇率は前年同月比1.4%でしたし、5月も同じ1.4でした。物価はかなり落ち着いてきていたように見えます。日銀はこれまで2%程度の物価上昇率が望ましいとしてきましたから、「2%を切っている」状態が続く現状で金利を引き上げる必要はないように思うのですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　非常に理にかなった指摘だけど、そもそも4月や5月の「上昇率1.4%」という数字そのものが金融政策の判断基準としてはちょっとあやしい。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どういうことですか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-8894e9724c977df53ad30e0798b6e79681cc29ed1ec68219e075d4a96a138092.png" data-rel="SmartPhoto[6501]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/8894e9724c977df53ad30e0798b6e79681cc29ed1ec68219e075d4a96a138092.png" alt="" width="340" height="435">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　この数字は物価上昇の基調的な鈍化を示すものではなく、ガソリン補助金や電気・ガス代支援といった政府が4月から実施した政策的な押し下げ効果による面が強い。こういう特殊要因を除けば、4月の上昇率は2.8%に跳ね上がるという試算もある(図1)。そもそも政策による物価押し下げ効果は1年限りだ。来年度にはその効果が剥がれて、一気に上昇率は1%以上底上げされてしまう。その時になって慌てて金利を引き上げても、「手遅れ」になりかねない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。それで日銀は今のうちに金利を引き上げて、物価上昇率の高まりを未然に抑制しようとしたわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それからもう1つ、最近そういう日銀の判断を後押しするような数字が出てきた。それは5月の企業物価だ。これがイラン戦争を背景に前年同月比6.3％と、3年2カ月ぶりの高い伸びを示した。企業物価というのは、言い換えれば「仕入れ価格」だよね。それが高い伸びを示したということは、今後その高い仕入れ価格が徐々に販売価格に転嫁されていくから、やがては消費者物価率を引き上げることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そういうことを見越して、日銀は利上げに踏み切ったということですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >今年10月には再利上げか?!<br />
～日銀は来年には1.75%まで引き上げるつもり?～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　政策金利の引き上げは、中小企業からすれば変動金利で借りた借入金の利払費が膨らむことを意味しますから、一方的に経営が圧迫されます。そこで、気になるのがこれからの見通しです。日銀の利上げは今回をもって「打ち止め」なのか、それとも今年中にまた上げるのか。先生の予想はどうですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　はっきり言えば、今年中にもう1回引き上げを実施するのではないかと予想している。今回植田総裁が政策決定会合に病気で欠席したので、替わって内田副総裁が記者会見をしたんだけど、その際内田副総裁は今後も「利上げを続けて基調的な物価上昇率を2%に着地させる」と強調した。この会見を受けて、多くの市場関係者は今年10月の政策決定会合で日銀はさらに0.25%引き上げて1.25％にするのではないかと予想している。その点は僕も同じだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中小企業にとっては厳しいですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　10月にも「再利上げ」がありそうだという予測の背景には、円安基調が止まらないということがある。円安が進めば、輸入物価が上がって、やがて消費者物価が上がることになる。だから、日銀としては円安を止め、できれば円高方向にもっていきたいんだけど、0.25％の引き上げを一度実施しただけでは為替の基調を変えるのは難しい。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の利上げによっても、為替はほとんど動いていませんものね。むしろ直近では少し円安が進んでいます。<br />
<br />
<b>山口</b>　だから、日銀は「今後も継続的に利上げを実施していきますよ」と言わざるをえないんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。今後、政策金利はどれくらいまで上がっていくとお考えですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　今年中に1.25％まで引き上げて、来年にはさらに2回利上げを実施して、1.75％までもっていく、そういう見方が強まっているね。そうなると、注目されるのが不動産価格の行方だ。投資家は金利動向に敏感だから、高くなり過ぎた不動産価格が金利の段階的引き上げの過程で調整局面を迎える——センセーショナルな言い方をすれば値崩れを起こす——可能性もある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「ゼロ金利政策」が終わって日本は「金利のない社会」から「金利のある社会」に移ったと言われましたが、最近になってそれがさらに「金利が頻繁に上がる社会」に移行したという感じですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　まさにそうだね。これからは金融情勢に詳しい経営者じゃないと、会社に思わぬ負担を背負わせることになりかねない。スモールサンでしっかり学んでいってもらいたいね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >トランプがイランに全面譲歩<br />
～覚書調印なければ、米ガソリン価格は暴騰しかねなかった～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、2つ目のテーマである「米イランの覚書調印」に話を進めたいと思います。「6月19日にスイスで調印」と発表されていたんですが、それが2日早まって17日にリモートでの調印となりました。いずれにしても、6月中に終戦に向けて大きな一歩を踏み出したことになります。そのニュースを見て、最初に頭に浮んだのは「6月タイムリミット」説を唱えられていた先生の予想が「見事に的中したな!」ということです。<br />
先生は<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6406.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">4月号</a>ですでに「こんなことを言うと『見通しが甘すぎる』と批判されそうだけど、僕はタイムリミットは6月末なんじゃないかと思っている」と発言されています。<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6444.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">5月号</a>でも「6月タイムリミット」説に立って、トランプ側がイランに譲歩を重ねて行く様子を述べられていました。メディアによると、今回の「合意」もその延長線上でやはりトランプ側の大幅な譲歩によって成立したといわれています。この間、先生が述べられていた通りの展開だったように思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はニュースだけでなく、講演でも「6月中に和平に向けて大きく一歩踏み出す」と繰り返し言ってきた。でも、皆さん疑心暗鬼で「先生が言うようになればいいんですけどねえ」という感じでちょっと冷たくあしらわれてきた。皆さん「あんまり甘い見通しを持たない方がいい」と自重されていたのかもしれないけどね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、今回の合意は最終的な「和平合意」というわけではないんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。60日の停戦期間を置いて、そのうちに「どういう問題を課題として議論するか、その最終的な到達点はおよそどのようなものであるべきか、またどういうプロセスを経てそこに到達すべきか」といった点について、双方で「覚書」を交わしたにすぎない。　<br />
<br />
<b>北嶋</b>　この「合意」がきちんと履行されるかどうかを不安視する声もありますが。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-f71b9d75f2aa4f5d8a48aa40f246d2f1cf88e0dca67c5a5a0c62f6570c58713b.png" data-rel="SmartPhoto[6501]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/f71b9d75f2aa4f5d8a48aa40f246d2f1cf88e0dca67c5a5a0c62f6570c58713b.png" alt="" width="340" height="274">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　その点については、僕はあまり心配していない。まずアメリカ側について言うと、仮に合意をぶち壊すようなことをすれば、せっかく下落した原油価格が再び急騰してトランプは決定的な窮地に立たされてしまう。だから、少なくとも11月の中間選挙までは、アメリカ側は合意の履行に尽力せざるをえない。図2を見てごらん。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　アメリカの原油在庫ですね。4月以降すごい勢いで減っています。<br />
<br />
<b>山口</b>　ホルムズの代替調達に世界中が走った結果、アメリカの原油は引っ張りだこになった。でも、アメリカの原油生産は増えていない。つまり、在庫を減らして需要に対応してきたということだ。そのため、図2に明らかなように在庫がどんどん減ってきてしまった。このままだと、あと2、3週間もすれば「在庫が歴史的な低水準」に達して原油価格が1バレル160ドルくらいにまで暴騰するかもしれない。アメリカの石油業界はそう訴えていた。「そうなりそうだ」ということを、わざわざトランプに進言に行くということまでやっていた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　仮にそうなったらガソリン価格も暴騰してしまいますから、どうしてもトランプさんは6月中の調印に漕ぎつけなければならなかったというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。だから仮に今回の「合意」を壊すようなことをアメリカがすれば、ガソリン価格は暴騰してトランプは一体何のために大幅に譲歩してまで「6月合意」を成立させたのか分からなくなってしまう。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ほぼ要求を通したイラン</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　イランの側はどうなんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　今回の「合意」を読むと、イラン側の要求はほとんど受け入れられている。だから、イランが自らこの「合意」を壊す理由がない。<br />
たとえば、アメリカはホルムズ海峡の外側に軍艦を置いてイラン船の通航を武力で止めてきたけど、今回の覚書では「本覚書の署名後直ちに、米国はイランに対する海上封鎖、ならびにあらゆる妨害行為や障害の除去に着手し、３０日以内に海上封鎖を完全に終了する」となっている。実際、調印翌日の18日には、アメリカはこの封鎖を解除した。<br />
他方、イラン側はホルムズ海峡について「商船の安全な通航を６０日間に限り無料で確保する」ことに合意したけど、それ以降については「ペルシャ湾の他の沿岸諸国と協議しつつ、ホルムズ海峡における将来の管理と海事サービスを定めるため、オマーンと対話を行う」としている。つまり、イランが今後ホルムズ海峡を「管理」することを容認するかのような内容になっている。「よくもまあトランプがこれを認めたなあ」と思うね。何が何でも「合意」に持ち込みたかったトランプ側の事情が透けて見える内容だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「トランプの敗北、イランの勝利」とマスコミが書くのも分かりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　さらに、アメリカがイランに課してきた「制裁措置」についても、「合意」文書には「米国は…イランに対するあらゆる種類の制裁を解除することを約束する」と記されている。しかも、「米国は、凍結または制限されているイランの資金および資産を完全に利用可能にすることを約束する」という文言もある。この文言を素直に読めば、アメリカの銀行に預けてあるイランの預金だけでなく、イランが各国の銀行に預けたドル預金——これらは各国銀行の名義でアメリカの銀行の預金になっている——も「署名後直ちに」使えることになる。要するに、数百億ドルに及ぶとされる凍結資産(図３)がすべてイランの手に戻される。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/5ff7a5f64ec757fb9dd6d007cc0d4214eecb2abf705629b83873f2efea499ff5.png" alt="" width="808" height="605">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　それはイランにとって大歓迎ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それだけじゃないんだ。今回の「合意」文書の中には「米国は地域のパートナーと共に、イランの復興と経済開発のため、少なくとも３０００億ドルの規模で、確定的かつ相互に合意した計画を策定することを約束する」という文言もある。「凍結資産」はもともとイランのお金なんだけど、この「合意」はそれとは別にアメリカが各国に呼び掛けて新たな「復興資金」を用意しましょうというもの。本当に「至れり尽くせり」という感じだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そう言えば、先生は5月号で「たとえば、ホルムズ海峡を多用する国々が復興資金を出し合ってイランの今後を支援するといった仕組み」をイランに提案すれば、終戦に向けた合意も可能になると発言されていました。その通りになったということですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかにこんな好都合な「合意」をイランの方から潰しにかかるというのはちょっと考えにくいですね。ところで、大きな争点になっていた濃縮ウランの廃棄問題や今後のウラン濃縮については今回の「合意」ではどうなっているんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　事実上の「先送り」だね。その辺りを突っ突きはじめたら、いつまでたっても「合意」には至れないからね。濃縮イランについては「ＩＡＥＡの監督下で現地において希釈（ダウンブレンディング）を行うこととする」とあるけど、濃縮ウランをイランがどれくらい保持しているかをどうやって調べるのかとか、今後のウラン濃縮についてどんな規制を加えるのか——未来永劫ウランを濃縮しないということなのか、たとえば今後20年間はやらないといった「期間」の取り決めにとどめるのか——、こういうことは何ら明記されないまま「合意」が結ばれた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　先生のお話を伺っていると、先送りした重要問題はあるけど、だからといって今回の「合意」が破棄されてしまうということはなさそうですね。その意味では今回の「合意」によって戦争終結に向けて大きな一歩が踏み出された感じはします。<br />
<br />
<b>山口</b>　ただ1点懸念されるのはイスラエルの動きだね。合意項目の中には「レバノンを含む全て‌の前線での軍事行動を即時かつ恒久的に終了することを宣言する」とある。ところがイスラエルは「自分には関係ない」とばかりにレバノンのヒズボ攻撃を続けている。「アメリカはイスラエルに武力攻撃を辞めさせろ」という抗議をこめて、イランが「合意」にもとづく話し合いをボイコットするということが度々起こるかもしれない。まあ、それでもアメリカもイランも「合意」を壊して「元の木阿弥」にしてしまうようなことははしないだろうけどね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >すぐには戦争前に戻れない</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　最後にお聞きしたいのは、今後の経済的影響についてです。1バレル100ドルを超えていた原油価格(WTI)が、この「合意」発表後は70ドル台にまで下がっています。これからもこの調子で下がっていって、戦前の60ドル程度の水準まで下がるとみていいのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　ペルシャ湾内にとどまっていたタンカーがすでにホルムズ海峡を少しずつ通過しはじめているし、今後もタンカーの通航は増えて行くと思われる。だから、傾向としては原油価格は下落していくだろうとは思う。でも、戦前の状態にもどるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　まず原油の需要面で言えば、各国政府が減ってしまった在庫を補充しようとするし、各国企業も在庫の補充を急ぐ。とくに中国が減った在庫を戻そうとすると、これはかなりの需要増になる。<br />
それから供給面だけど、中東諸国の石油関連施設のいくつかがイランの攻撃で破損していて、その修復に時間がかかる。これが供給ネックになる。それから先にも言ったようにアメリカの在庫が減少してしまっているから、それを補充しようとすればアメリカは原油輸出を減らしはじめる。さらに、イスラエルの動き次第でイランが再びホルムズを封鎖する可能性も否定できない。こういう要素を勘案すると、今年原油価格は1バレル70～80ドル程度で高止まりないしは「下がってもまた上がる」ということを繰り返すことになって、今年一杯は戦前の状況に戻れないということも考えられる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >価格転嫁はこれからが本番</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　日本の中小企業への影響という点ではどうでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　モノが入って来ないという状態は急速に解消されていくと思うけど、元売りが原油を戦前の5割高とか場合によっては2倍近い値段で仕入れてしまったから、その高い在庫を使う以上石油製品はまだしばらくは高い状態が続く。石油由来の材料や燃料を高い値段で購入した中小企業もそのコスト増を販売価格に価格転嫁して行かざるをえない。それが上手く行かないと、中小企業経営は相当厳しくなる。そう思うと、価格転嫁はむしろこれからが本番なんじゃないかという気がしてくる。それから、こうした価格転嫁の動きは消費者物価を上昇させることになるから、消費者の購買力が減少して景気が悪くなる可能性もあることを頭に入れておく必要がある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「合意」には至ったものの、経済的にはまだまだ安心できないということですね。今後の景気動向、しっかり注視していきたいと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.6.20</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>瀧本智恵のシネマ・ノート　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_takimoto/entry-6502.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >『<a href="https://gaga.ne.jp/hakononakanohitsuji/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">箱の中の羊</a>』</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><h1>見えなくてもそばにいる</h1></p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ヒューマノイドの息子</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-4f6a392c4ca36d428ff7d799d2a4aab7816018423b07706d56cd2748335a9e7e.jpg" data-rel="SmartPhoto[6502]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/4f6a392c4ca36d428ff7d799d2a4aab7816018423b07706d56cd2748335a9e7e.jpg" alt="" width="340" height="227">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>“そう遠くない未来”の北鎌倉。建築家の音々（おとね、綾瀬はるか）と工務店社長の健介（大悟）夫婦は、2年前に7歳で亡くした息子・翔（かける）とそっくりなAIヒューマノイドの〈翔〉（桒木里夢）をロボット開発会社から無償レンタルする。喜々として迎え入れる音々に対し、ただの機械だと否定的な健介。だが亡き息子が好きだった江ノ電の駅名を暗唱する〈翔〉の姿に思わず嬉しさが込み上げる。<br />
<br />
公園に出かけたある日、黒ずくめの青年が〈翔〉に親しげに近づく。音々が声をかけるとすぐに姿を消すが、折しも近隣では少年の行方不明事件が相次いで発生。踏切事故で死んだ翔が実は誘拐事件に巻き込まれたのではないかとの疑念を夫婦は拭えないでいた。<br />
<br />
日毎に〈翔〉への愛情を深める音々。広島から突然やってきた音々の母（余貴美子）は〈翔〉を見て驚愕。みっともないと非難する母親に音々はムキになって反発しつつ、心の奥底には微かな迷いも生じるのだった。<br />
そんな頃、どこからともなく現れたヒューマノイドの子供たちが〈翔〉と接触し始める。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >喪失感とどう向き合うか </h3>









































<!-- テキスト -->

<p>原案・脚本・監督・編集を自ら務めた是枝裕和監督の最新作。これまでも扱ってきた家族をモチーフにAIヒューマノイドというSFの要素を加え、子供を亡くした親のグリーフケアの過程を描こうとする。<br />
<br />
たとえロボットでももう一度会いたいと願う音々の切実さ、共感はできないが妻に寄り添うと決めた健介。綾瀬はるかとお笑い芸人の大悟が真摯に演じる。〈翔〉役の桒木里夢（くわきりむ）も映画初出演だそうだがヒューマノイドの設定によく似合っている。余貴美子のやさぐれ感は少々大げさだが母娘の関係を印象づけるには必要だったのかも。早く次の子供を作れだのと無神経なセリフを吐くが、娘を案じる母親の心情がヒシヒシと伝わってくる。<br />
<br />
〈翔〉と暮らす中で少しずつ気持ちが整理されていく音々と健介を丁寧に描き出す。タイトルは小説「星の王子様」からの連想。小説の中の羊は、目には見えないけれど大切なものの象徴。絵本の読み聞かせをしてもらった〈翔〉は、「見えなくてもそばにいる」と言い、音々が大切な存在であると教えて去っていく。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >映画の主題は何だったのか</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>養子も含む血のつながらない家族の在りようや児童虐待など、家族という閉じられた関係の中に存在する様々な悲劇や問題にも触れ、鋭く繊細な目配りは是枝監督らしくさすがと感じつつ、背景のように羅列しただけにも見えて違和感が残る。また、人間の身勝手さは伝わってくるがヒューマノイドたちの行動がわかりにくく理解が追いつかなかった。ミステリータッチにする必要はあったのだろうか。映画の主題はグリーフケアではなくて、ヒューマノイドと人間は共存できるのかと問いかけだったのかもしれない。それはそれで別の作品として観たい。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td>評者：瀧本智恵（シネマエンジェル代表）
<div>映画好きな中小企業のおじさんたちが設立した小さな映画会社を譲り受け、個人商店主として独立。奮闘中。デイプロモーター。
</div><div>映画上映会をしませんかを合言葉に「ホーム・スイートホーム」シリーズ、「休暇」BOK袴田事件～命とは」等々フィクションからドキュメンタリーまで、秀作・佳作を非劇場配給。応援よろしくお願いいたします。
</div><div>スモールサン会員、東京中小企業家同友会会員。</div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>瀧本智恵のシネマノート</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_takimoto/entry-6502.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:53 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>金融マンのひとり言　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_hitorigoto/entry-6499.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「形式知と暗黙知」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-6829bb85c3207313785489fc60406917dc1935ea7d3d57ad9dbe25ba9a42fd18.png" data-rel="SmartPhoto[6499]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/6829bb85c3207313785489fc60406917dc1935ea7d3d57ad9dbe25ba9a42fd18.png" alt="" width="340" height="267">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>言葉にできない　想いがある<br />
<br />
何かわからないけど　そう思う<br />
<br />
想い（思い）が　うまく伝わらない<br />
<br />
何を言いたいか　わからない<br />
<br />
<br />
日常的な　あるある　です<br />
<br />
人と人の　関わり合いには<br />
<br />
言葉（言語）が　欠かせません<br />
<br />
しかし　内面にある　すべてのものが<br />
<br />
言語化　できるとは　限りません<br />
<br />
<u>ミス</u>コミュニケーションは　日常化しています<br />
<br />
しかし　ビジネスの　高度化には<br />
<br />
『言語化』『論理的』が<br />
<br />
欠かせない　キーワードとなっています<br />
</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >言語と非言語</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>言語化する　ということは　<br />
<br />
想い　思い　を　<u>言語</u>という　<b>法則</b>にのせ<br />
<br />
誰にでも　通用するよう<br />
<br />
一般化する　ということです<br />
<br />
一般化される　ということは<br />
<br />
他との　差が　薄まることであり<br />
<br />
差別化が　見えにくくなる　という<br />
<br />
コモディティ化が　おこり<br />
<br />
価値が　希薄化してしまいます<br />
<br />
<br />
一般化されている　『言語』に<br />
<br />
抽象的な　『想い』や『思い』を<br />
<br />
重ねるためには<br />
<br />
身体的　要素である<br />
<br />
『非言語』が　必要です</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >対話と場</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>『言語』も『非言語』も<br />
<br />
伝達が　目的ですから<br />
<br />
伝わるまで　繰り返す<br />
<br />
『対話』と『場』が　必要で<br />
<br />
特に『場』は　空気感として<br />
<br />
身体的要素の　感情に　<br />
<br />
影響を与えます<br />
<br />
<br />
人の行動に影響を与える<br />
<br />
感情の震源は<br />
<br />
無意識下にある『暗黙知』です<br />
<br />
『暗黙知』は<br />
<br />
外部からの刺激によって　発動され<br />
<br />
経験に　よって　積み上げられます<br />
<br />
『暗黙知』は　発信により<br />
<br />
『形式知』となり　<br />
<br />
『暗黙知』の　入口となります</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >SECIモデル</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>経営学者の　野中郁次郎氏が提唱した<br />
<br />
SECI　モデルは<br />
<br />
組織の『場』で<br />
<br />
『暗黙知』と『形式知』を回して<br />
<br />
組織も　人も<br />
<br />
発展していくという　仕組みです<br />
<br />
ゼミ横浜では<br />
<br />
野中幾次郎氏の　愛弟子である<br />
<br />
川田英樹氏を　招聘し<br />
<br />
SECIモデルの　講義を開始しました</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-8add36ea167d06e8b9d858bdbd8e51bcf0a4c0b97e2d0856e77dcce3237af34b.png" data-rel="SmartPhoto[6499]" data-caption="【野生の経営　極限のリーダーシップが未来絵を変える　野中郁次郎　より】">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/8add36ea167d06e8b9d858bdbd8e51bcf0a4c0b97e2d0856e77dcce3237af34b.png" alt="" width="700" height="389">
	</a>
	<p class="caption">【野生の経営　極限のリーダーシップが未来絵を変える　野中郁次郎　より】</p>
</div>




































<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><div><img src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202309/f3e535314e58334fc1f5cca9488366f5.png" class="alignright" width="200">
川島和仁（かねかす　ガイ）
</div><div>ゼミ横浜プロデューサー
</div><div><br></div><div>東京都内信用金庫で支店長、企画部、融資部などを歴任（勤続30年超）
</div><div>高校卒業後、外食産業・フレンチレストラン勤務の後、大学を経て信用金庫に入庫
</div><div>中小企業経営者向け講演会で山口名誉教授と出会い、金融論を再学習する。
</div><div>2011年10月から『金融マンの独り言』を執筆中。
</div><div>現在は金融機関勤務傍らゼミ横浜プロデューサーとして、『哲学とアート』をテーマに経営者の学びを追究するとともに中小企業と金融機関の在り方を模索してる。</div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>金融マンのひとり言</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_hitorigoto/entry-6499.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:53 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>スモールサン事務局便り　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/office_news/entry-6503.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！<br />
スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<br />
私たち日本の中小企業にも多大な影響を及ぼしている中東情勢ですが、トランプがイランに全面譲歩する形で覚書調印。6月中に終戦に向けて大きな一歩を踏み出したことになります。<br />
しかし今回の合意は最終的な「和平合意」というわけではなく、まだまだ今後の動向を注視する必要があります。<br />
また、日銀の利上げは今年もう一度される予想もあり、厳しい状況も続いています。<br />
詳しくは今月の景気を読む<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「トランプがイランに全面譲歩！～日銀利上げ、今年中に『再利上げ』も～」</a>をチェックしてくださいね。<br />
<br />
こうした不安定な情勢を見ていて、私ももっと勉強しなくてはいけないなと日々痛感しています。<br />
先を読む力、そしてそれを多くの中小企業に伝えていく力を磨いていきたいです。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>2026年6月22日<br />
スモールサン事務局<br />
山口恵里</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>事務局便り</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/office_news/entry-6503.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:01 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6468.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７９回：三重化学工業株式会社（ゼミOSAKA見学会）」</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「現場に行く！」は、ゼミOSAKAで開催された三重県松阪市の三重化学工業株式会社の工場見学の模様をレポートします！<br />
<br />
三重化学工業株式会社は、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-4291.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2022年3月号の本刊ニュース対談</a>にもご登場いただいた企業です。当時は、コロナ禍のなかで始まった「ミエラボ」という取り組みを中心に、社外人材や副業・兼業人材を巻き込みながら、新しい商品開発や働き方に挑戦する中小企業の姿をお届けしました。<br />
<br />
そこから数年が経ち、今回は実際に現地へ。<br />
ゼミOSAKAの皆さんとともに松阪を訪れ、三重化学工業の山川大輔社長にご案内いただきながら、会社の歴史や事業内容、製造現場、そして現在のミエラボの取り組みについてお話を伺いました。<br />
そうして見えてきたのは、変化を恐れず、外部の知恵や地域の人たちを巻き込みながら進化し続ける中小製造業の姿でした。</p>








































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<h3 >創業70年、松阪から“守るもの”をつくる三重化学工業</h3>








































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<p>三重化学工業は昭和31年創業。今年でちょうど70周年を迎える老舗企業です。<br />
同社の事業を一言で表すなら、「“守るため”のモノづくり」。<br />
<br />
<b>代表取締役社長 山川大輔氏：</b>何のために三重化学があるのか。それは、“守るため”です。作業者の手を守る工業用の手袋、それから食品の鮮度を守る業務用保冷剤、そして人の命を守る医療用の罨法製品。この 3つが当社の核としてあって、これらで三重から“守るもの”をつくっていきたいと思っています。<br />
<br />
ミエローブを代表とする作業用手袋は、防寒や耐油・耐切創など工場や作業現場で働く人の手を守るもの。保冷剤は、ケーキや惣菜など、私たちが普段何気なく持ち帰っている食品の鮮度を守るもの。特に「スノーパック」のパッケージは多くの人が見たことがあるのではないでしょうか？そして医療分野の商品は、医療やリハビリの現場で人の身体を冷やしたり温めたりすることで、患者さんを支えるものです。<br />
日頃何気なく手にしている保冷剤や手袋。普段の生活の中で、その背景にある会社のことまで考える機会はあまりないかもしれません。しかし、その一つひとつの製品には、長年積み重ねてきた技術と、時代の変化に合わせて事業を変化させてきた中小企業の歩みがありました。</p>








































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<h3 >混ぜる技術で洗濯糊から硬くならない保冷枕、そして日本初の小型保冷剤へ</h3>








































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<p>三重化学工業のものづくりの出発点は、現在の主力商品からは少し意外な「洗濯糊」でした。<br />
今ではあまり使う機会が少なくなりましたが、昔は衣類をパリッと仕上げるために洗濯糊が広く使われていました。山川社長がスライドに映し出したのは、創業当時につくられていた白い液体の洗濯糊。そこから同社は、「混ぜる」という技術を応用し、硬くならない保冷枕へと展開していきます。</p>








































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<p>さらにその技術は、今では私たちの生活に欠かせなくなっている「小型保冷剤」へとつながっていきました。なんと三重化学工業は、小型の保冷剤を日本で初めてつくったメーカーなのだそうです！<br />
今でこそ、ケーキ屋さんやデパ地下で商品を買うと、ごく当たり前のように保冷剤が入っています。しかし、かつては氷やドライアイスが主流で、小型の保冷剤というものはまだ一般的ではありませんでした。同社は、保冷枕で培った技術とその端材を活かし、小さな保冷剤を開発。テイクアウト文化の広がりとともに、その需要は少しずつ大きくなっていきました。<br />
「すごくニッチな市場をやっている」と山川社長は言います。確かに、保冷剤だけで大きな売上をつくるメーカーは全国で10社もないくらいだと言います。けれども、ニッチだからこそ、そこには専門性があります。温度、持続時間、素材、袋の強度、用途に応じた形やサイズ。見た目にはシンプルな保冷剤も、実はお客様の使い方に合わせて細かく設計されているのです。<br />
<br />
ただし、この事業も決して順風満帆だったわけではありません。<br />
かつてドラッグストアなどの店頭向けに保冷枕を展開していた頃、某大手メーカーの商品との競争で「めちゃめちゃ負けた」と山川社長は振り返ります。「しかもこの業界って、夏場に一生懸命つくったやつが、シーズン過ぎると売れないからって返品されてくるんです。知名度で負ける中小企業にはかなり厳しい。」<br />
そこで、保冷枕に関しては、培った技術やノウハウを活かしてOEMへと大きく舵を切ったのだそうです。現在、大手製薬メーカーやスポーツ用品メーカー、ファッションブランドなど、さまざまな企業の商品を三重化学工業が企画・製造しています。なかには、誰もが名前を知っているような有名企業の商品も。表に出るブランド名は別の会社であっても、その中身には三重化学工業の技術が使われている。そうしたOEMの取り組みは、同社にとって今も大切な収益の柱になっています。</p>









































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<h3 >雇用を守るための新規事業。冬場の作業用手袋、そして医療分野へ</h3>









































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<p>同社の事業展開は、単に「新しい商品を作った」という話だけではありません。そこには、地方の中小製造業として、社員の雇用をどう守るか、会社をどう継続させていくかという切実な課題がありました。<br />
テイクアウトが盛んな今でこそ冬場にも使用することはありますが、保冷剤といえば基本的には暑い時期に需要が高まる商品です。暑い季節には忙しくても、秋から冬にかけて仕事が減ってしまう。そうなると、夏の繁忙期に働いてくれた社員やパートさんに、冬になると辞めてもらわなければいけない。<br />
<br />
そこで、雇用を安定させるための「冬にできる仕事」としてたどり着いたのが、作業用手袋。特に力を入れたのが、冬の現場で使われる暖かい生地やボアがついた防寒機能の高い手袋でした。<br />
現在では、大手自動車メーカーをはじめとする工業系の現場で使われる耐油手袋や、刃物で手を切らないようにする耐切創手袋など、さまざまな作業用手袋を扱っています。今でも防寒手袋については、手袋業界の中でも高いシェアを持っているそうです。<br />
<br />
さらに三重化学工業は、医療分野へも事業を広げていきました。<br />
というのも、時代の変化とともに、作業用手袋の生産は中国へと移管することになったのです。手袋で冬場の仕事をつくっていたものの、国内で担う仕事がまた減ってしまう。そこで、年間を通じて取り組める新しい分野として、医療分野の商品開発に挑戦するようになったのです。<br />
ここで活かされたのが、三重化学工業が長年培ってきた「冷やす」「温める」技術でした。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>保冷枕や保冷剤で培ったノウハウは、医療やリハビリの現場でも活用できます。しかし、市場が全く分からない。販売先もない。そこで、OEMの取り組みを始めた時と同じように、とにかく病院や整骨院に足を運び、「どんなアイシング剤が必要ですか」「どんな保温材だったら患者さんに使ってもらえますか」と、現場の声を聞いて回りました。<br />
<br />
そうして様々な罨法製品が開発され、まだ他部門より売上げは少ないながらも、目立つ部門になってきているといいます。2017年には医療機器ブランド「メディアン」を立ち上げられました。<br />
透析時の血管痛や化学療法における痛みの緩和などを目的に、透析現場の看護師の声から誕生した温熱パックの「バリアホット」。タオルウォーマーで温めるだけで使用でき、温めると身体に柔らかくフィットします。また、「ぷるCUREアイスパック」は、マシュマロのように柔らかい特殊なふわぷるゲルで、発熱時や乳腺炎、術後の患部、スポーツ後など、敏感な箇所や患部にやさしくフィットするのが特徴です。どれも、単に「冷やす」「温める」だけではなく、医療や介護の現場で実際に使う人の声をもとに、形状や柔らかさ、使いやすさまで考えられた製品です。<br />
<br />
洗濯糊から始まり、保冷枕、小型保冷剤、工業用手袋、医療分野の商品へ。扱う商品は変わっても、その根底にあるのは、目の前の課題に向き合い、自社の技術をどう活かせるかを考え続ける姿勢。そしてその変化の中心には、いつも「人」がありました。</p>








































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<h3 >社員の幸せを起点に、人が活きる会社へ。ミエカガクの働き方と人づくり</h3>








































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<p>三重化学工業は、創業者が立てた経営理念を現在も踏襲しています。しかし、山川社長が就任する際、一つだけ修正した部分があるのだそうです。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>昔はお客様の利益や満足というのが一番に来ていたんです。でも私が社長になる時に、「社員の幸せを高めていく」ということを一番に持ってきました。会社はお客様のためではなく、社員のためにある。それを、社長就任の時に皆さんの前で話しました。<br />
<br />
世の中の多様化が進む中で、幸せの形も人それぞれ同じではありません。とにかく稼ぎたい人もいれば、休みが欲しい人、趣味が生きがいの人など、全てを100％満たすことは難しい。けれど、給与、休日、働き方など全部の水準を上げていくことで、80％満たすことはできると言います。実際に、給与面はもちろん、少なかった休日も毎年少しずつ増やしてきました。働き方についても非常に柔軟で、子育て中の時短勤務など、それぞれの事情に合わせた働き方を取り入れています。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>本来、製造業は朝から夕方まで時間が決まっている方が効率はいいと思います。でも、地方で人に働いてもらおうと思うと、それくらい柔軟な時間配分をしないとなかなか集まらないんです。<br />
<br />
松阪市には大手企業もあり、優秀な若い人材は県庁や銀行、市役所、あるいは愛知県の大手企業へと流れやすい。山川社長も、かつては「会社の知名度が上がれば人が来てくれるのではないか」「規模が大きくなれば応募が増えるのではないか」と考え、メディア露出や地域向けの発信にも力を入れてきたそうです。しかし、それでも思うように人が来ない。</p>








































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<p>そこで、「自社に足りない人材を採用する」のではなく、「やりたいことに必要な知恵や経験を、外部の人に借りる」という発想から生まれたのが、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-4291.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2022年3月号のスモールサン・ニュース</a>でも取り上げた共創の拠点づくり『ミエラボ』です。<br />
ミエラボは、三重化学工業が社外の人たちと一緒に新しい商品や事業を考えるためにつくった共創の場です。社内だけでは足りない知識や経験を取り入れるために、大手企業で働く人材や専門家、学生、大学関係者など、さまざまな人がプロジェクトごとに関わっています。コロナ禍には、副業人材がオンラインで商品開発やマーケティングに参加し、社員と一緒に新しいアイデアを生み出してきました。<br />
この取り組みは、単純な人手不足対策にとどまりません。ミエラボを通じて集まった多様な人材との協働は、「こんな考え方があるのか」「自分たちももっと挑戦してみよう」と社内で新たな視点や発想が生まれ、自分たちの仕事の進め方や考え方を見直す機会になっているのだと言います。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>これまでは、自分たち数人で商品を開発して、提案して、通るか通らないかというやり方でした。でも、そこに外部人材で第三者の意見が入ってくるんです。大手企業の方の市場調査やプレゼン資料を見ると、本当にレベルが高いんですよ。それを見て、社員たちもすごく刺激を受けたんです。研修に何回も行くより、一回そういう方々とセッションする方が大きいんじゃないかと思うくらい。ミエラボは人手不足をきっかけに始めた取り組みでしたが、結果的に社員が育ち、自分で考えて主体的に動ける人が増えてきたと感じています。<br />
<br />
人手不足をきっかけに始まった取り組みが、新規事業の創出や商品開発、社員の成長、そして社外とのネットワークづくりへと広がっていく。ミエラボは、単なる外部人材活用の仕組みではなく、三重化学工業の未来をつくる共創の場として機能しているのだと感じました。<br />
<br />
同社では、現在年齢も国籍もさまざまな人が働いています。最年長は75歳ほどで、午前中だけ働くベテランの方もいれば、高校卒業後に入社した若い社員もいます。さらに、中国、ベトナム、タイ、台湾など、海外出身の社員も加わっています。<br />
山川社長は、ダイバーシティを早く進めたかったと言います。多様な人が関わることで、自由な発想や新しいアイデアが生まれやすくなる。だからこそ、年齢や国籍、働き方の違いを会社の力に変えようとしているのです。</p>









































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<h3 >視線を変えれば、視点が変わる。新社屋に込められた経営の仕掛け</h3>









































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<p>さて、ここまで三重化学工業の取り組みを伺った後、山川社長に工場と新社屋を案内していただきました！<br />
<br />
三重化学工業では、2022年に現在の本社を購入し、30年ほど経った建物をフルリノベーションしました。中に入ってまず驚いたのは、一般的な製造業の事務所とは少し違う、開放的で自由な雰囲気です。<br />
天井は抜かれ、床も素材を活かした仕上げ。フリーアドレスの席に加えて、畳のコーナーやスタンディングで話せる場所、少しこもって考えられるスペースなど、場所ごとに雰囲気が変わるつくりになっていました。<br />
<br />
山川社長がこの空間づくりで意識したのは、「視線を変えること」だそうです。<br />
社員の皆さんは毎日同じ場所に座るのではなく、違う場所で仕事をします。今日は見える景色が違う。隣にいる人も違う。そうして物理的に視線を変えることで、考え方や会話にも変化が生まれるのではないか。そんな狙いが込められています。<br />
実際、約20人が働く空間に対して席は80席ほどあるそうで、「結局いつも同じ場所に座ってしまう」ということが起きにくいように設計されています。</p>








































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<p>また、社屋の中には開発室もあり、保冷剤のサンプルづくりや検査などを行う様子も見せていただきました。通常、開発室というと奥まった場所にあるイメージですが、三重化学工業ではあえて人の動線上に配置されています。営業や事務の方、お客様が通りながら自然に開発の様子を目にできることで、ちょっとした会話やアイデアが生まれやすくなるのだそうです。<br />
<br />
開発室では、色や形の違う保冷剤のサンプルも見せていただきました。保冷剤といえば青色のイメージが強いですが、企業カラーや商品のイメージに合わせて色を変えたり、用途に応じて形を変えたりすることもできるそうです。また、素材によって水分の抜けやすさや持ちの良さも違うとのことで、普段何気なく使っている保冷剤にも、細かな品質の違いや工夫があることを知ることができました。<br />
さらに、保冷剤は冷やすだけでなく、お湯で温めて保温材として使えるものもあると聞き、参加者からは驚きの声も上がっていました。</p>








































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<p>新社屋は、ただおしゃれなオフィスというだけではありませんでした。<br />
社員同士が自然に交わること。開発の現場が見えること。来客や外部人材とも一緒に考えられること。そして、工場ともオンラインでつながり、離れた場所にいてもリアルタイムで情報を共有できること。<br />
ミエラボや柔軟な働き方と同じように、この新社屋にも「人がつながり、アイデアが生まれる」ための仕掛けが随所に込められていました。</p>








































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<h3 >質疑応答から見えた、地域と人材を巻き込む中小企業の可能性</h3>








































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<p>新社屋や開発スペースを見学した後は、ゼミOSAKAのメンバーからも次々と質問が上がりました。<br />
<br />
ミエラボについては、「外部人材を集める基準はあるのか」「プロジェクトありきで人を呼ぶのか、それとも外部から提案が来るのか」といった質問がありました。<br />
山川社長によると、最初の頃は「海外展開をしたいから英語ができて人脈のある人」「この分野の商品開発をしたいから専門性のある人」というように、プロジェクトごとに必要な人材を探すことが多かったそうです。一方で、現在では外部からの商品開発の相談が、通常のコラボレーションとして広がるケースも増えているといいます。<br />
ここから見えてきたキーワードは、やはり「共創」です。<br />
社内に足りないものを補うためだけでなく、社内外の人が同じプロジェクトメンバーとして一緒に考える。その関わり方が、三重化学工業の商品づくりや社員の成長につながっていました。<br />
<br />
また、地域貢献についても話が広がりました。<br />
山川社長は、最初の5年は会社が生き残るために利益率を高めることに集中し、その後、共創の取り組みへ進んできたと振り返ります。そして今は、地域や社会にどう価値を返していくかを考える段階に入っていると話されました。<br />
子どもたちにものづくりを体験してもらうこと、学校や大学で授業を行うこと、地域企業や行政と連携すること。会社が持つ技術や場、人とのつながりを地域に開いていくことが、三重化学工業らしい地域貢献なのだと感じました。<br />
<br />
人材の話では、リファーラル採用にも触れられました。社員の友人や知人が入社につながることもあるそうで、ゼミメンバーからは「友達を呼ぶというのは、相当職場が好きでないとできないことですよね」という声も上がりました。<br />
外部人材を巻き込むだけでなく、社員自身が人を呼びたくなる会社であること。それもまた、三重化学工業の大きな力なのかもしれません。<br />
<br />
さらに話は、若い経営者や事業承継にも及びました。山川社長は、「会社を大きく変えるタイミングとして、社長交代はとても大きい」と話されます。そこから、伊勢神宮の式年遷宮にも通じる「常若」という言葉も出てきました。<br />
古いものをただ残すのではなく、大切な技術や思いを次の世代へ受け継ぐために、新しく作り替えていく。三重化学工業の変化も、まさにその考え方と重なるように感じました。<br />
洗濯糊から保冷剤へ、手袋へ、医療分野へ。そして、社内だけで完結する会社から、社外人材や地域、海外人材を巻き込む会社へ。<br />
<br />
今回の工場見学では、三重化学工業の製品や製造現場だけでなく、変化し続ける中小企業のあり方を学ぶことができました。<br />
現場を見て、経営者の言葉を聞き、参加者の問いかけからさらに話が深まっていく。ゼミOSAKAの工場見学は、まさにスモールサン・ゼミらしい「現場で学ぶ」機会となりました。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
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			<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
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