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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年8月号</title>
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			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第８１回：クロボー製菓株式会社」<br />
</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「山口恵里の“現場に行く！”」は、福岡県久留米市にあるクロボー製菓株式会社さんに伺いました！<br />
<br />
大正9年創業、今年で106年を迎えるクロボー製菓株式会社。全国で販売されている看板商品『黒棒名門』で、その名をご存じの方も多いのではないでしょうか。久留米の郷土菓子として親しまれてきた黒棒を中心に、黒糖菓子を作り続けてきた老舗企業です。<br />
その隣に2014年にオープンしたのが、黒糖創作菓子を楽しめる『黒棒茶寮 Doch（ドッホ）』。黒糖になじみの薄い若い世代にもその美味しさを届けたいという思いから生まれたお店です。<br />
<br />
今回お話を伺ったのは、クロボー製菓の次代を担う岡田宗士さん。黒糖米粉ロールケーキや黒糖カスタードプリンなど、一つひとつの商品に込めた工夫や、黒糖、そして商品づくりへの熱いこだわりについて伺いました。<br />
創業時から受け継がれてきた姿勢を守りながら、新たな可能性を広げるクロボー製菓の挑戦をお届けします！</p>








































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	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-4200def38b4797680946871e7ed9a632c222bd7a1b36c0140f5377509fda49cf.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</a>
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<p><b>【会社概要】</b><br />
会 社 名　クロボー製菓株式会社<br />
創　業　大正９年<br />
所 在 地　福岡県久留米市荒木町白口字栗の内1290<br />
製造品目　黒棒・白棒・黒糖丸ぼうろ・他　黒砂糖を使用した和洋菓子<br />
<a href="https://www.kurobo.co.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">久留米黒棒本舗、黒棒茶寮Ｄｏｃｈ（ドッホ）オフィシャルサイト</a><br />
<a href="https://kurobo.stores.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">お取り寄せ</a></p>








































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<h3 >大正9年創業、「作るのが大変な黒棒」を選んだ理由</h3>








































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<div class="column-image-right">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/954647986390efc553fc18f218dfad79fdfe459bb5279bb5a3c89e6b38ebc399.jpg" alt="" width="402" height="305">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　『黒棒名門』といえば、今や全国で食べられる定番の黒糖菓子です。クロボー製菓さんは、今年でなんと創業106年ということで。<br />
<br />
<b>岡田</b>　創業は1920年、大正9年です。現在の社長である父が4代目になります。創業当時は、黒棒や飴玉などを作って売る個人商店のような形だったと聞いています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　黒棒は、もともとこの地域で親しまれてきたお菓子なのですか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　そうですね。この辺りでは昔、小麦が採れて、サトウキビも少し作られていたそうです。農家の方が仕事の合間に食べるおやつとして、各家庭で小麦粉を練り、黒糖蜜につけて食べていたのが始まりだと聞いています。ですから、うちが最初に作ったというよりは、もともと地域の家庭で作られていたお菓子なんです。<br />
<br />
<b>恵里</b>　そこから商品として製造し、販売するようになったのですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　最初は自転車で売り歩いていたそうです。その後、1966年にクロボー製菓という会社になり、流通を通して黒棒を全国へ展開するようになりました。創業当時は飴玉やせんべいなども作っていたようですが、祖父の代に黒棒を中心にしていったと聞いています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　いくつか商品がある中で、なぜ黒棒を選んだのでしょうか。<br />
<br />
<b>岡田</b>　「黒棒が、一番作るのが大変だったから」と聞いています。作るのが大変だからこそ、ほかの人が簡単にはやらない。簡単なものだと、みんなが作るので競争相手も増えますから。それで黒棒に絞っていったそうです。<br />
黒棒の主な原料は、小麦粉、卵、黒糖蜜と非常にシンプルです。こねた生地を帯状に絞って焼き上げ、斜めに切った後、周りに黒糖蜜をつけます。しかし、材料や工程がシンプルだからこそ、その一つひとつが味や食感を大きく左右します。<br />
当社では、現在も黒棒の蜜付けは、機械でまとめて蜜に浸すのではなく、人の手で一本ずつ行ってるんですよ。蜜に浸す時間が長いと中まで染み込みすぎるし、短ければ十分に蜜がつかない。表面だけにちょうどよく蜜をまとわせることで、外側はザクッと、中は柔らかい独特の食感が生まれます。手間はかかりますが、手作業だからこそ、ちょうどよく蜜をつけることができるんです。この蜜付けが当社の黒棒の原点であり、一番の特徴だと思います。ベテランの担当者は、1分間に80本くらい仕上げるんですよ。<br />
<br />
<b>恵里</b>　全国へ展開されてるお菓子なのに、手作業で仕上げされてるんですか！作るのが大変だからこそ、あえてそれを選ぶ。それがクロボー製菓さんの商品づくりの源流なんですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >家業へ戻った次代の担い手に、父が勧めた『洋菓子』</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　岡田さんはこれから5代目を受け継いでいくわけですが、以前から家業は継ぐつもりで考えていたんですか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　いえ、私は大学から北海道に行き、そのまま現地で就職しました。お菓子とはまったく関係のない業界です。当時は家業を継ぐことは全然考えていませんでしたね。<br />
<br />
<b>恵里</b>　そうなんですか。そこから久留米へ戻ろうと思われたのは、何かきっかけがあったんですか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　これというきっかけがあったわけではないんです。向こうで7年ほど働き、仕事にもある程度慣れてきた頃に、このままずっと今の会社で働いていくのかと考えるようになりました。それと同時に、父が会社のことをすごく大事にしているのを見ていました。親が大事にしてきたものは、自分も大事にしたいという思いがあって、戻ろうと決めました。それで家業へ入る決意を父に伝えたところ、言われたのは「まずお菓子の勉強をしてきなさい」ということでした。当時、製菓についての知識は全くありませんでしたから。そこで東京の日本菓子専門学校へ通い、1年目に和菓子、洋菓子、パンの基礎を学び、2年目には洋菓子科で学びました。<br />
<br />
<b>恵里</b>　黒糖がメインなので、てっきり和菓子を専攻されたのかと思いました。<br />
<br />
<b>岡田</b>　黒糖やあんこを使った商品があるので、私もてっきりそうだろうと思っていました。ところが父からは、「洋菓子の方へ行きなさい」と言われたんです。後から考えると、その頃から黒糖を使った新しいお菓子を作りたいという構想があったんだと思います。それで洋菓子科で1年間学んで、久留米へ戻ってクロボー製菓に入社しました。それから約1年後の2014年にオープンさせたのが、黒糖創作菓子のお店『黒棒茶寮Doch（ドッホ）』です。</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-0bb18680aa87da8537cf0a76bd87c015802164edc2b2fc63882ff26d5f01b4c7.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
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<h3 >若い世代に黒糖を届ける、黒糖創作菓子店『黒棒茶寮Doch（ドッホ）』</h3>








































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<p><b>恵里</b>　本店である『久留米黒棒本舗』は黒糖菓子専門店、『黒棒茶寮Doch（ドッホ）』はカフェスタイルで黒糖創作菓子を楽しめるお店としてお隣にオープンされたんですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　はい。洋菓子を中心に、黒糖や含蜜糖を使ったお菓子を作っています。かつて黒糖は、白砂糖よりも身近な存在でした。特に九州では、家庭で日常的に使われていました。しかし、時代とともに白砂糖の方が一般的になり、若い世代にとって黒糖は、次第になじみの薄いものになっていきました。そういった世代が増えてくるというのは、黒糖菓子を専門に扱ってきた当社にとっては大きな問題です。そこで、若い世代にも親しまれやすい洋菓子を入口にして、黒糖の美味しさを知ってもらい、そこから当社の原点である黒棒や他の黒糖菓子にもつながっていけば、と。<br />
<br />
<b>恵里</b>　「Doch（ドッホ）」というのは「やっぱり」という意味のドイツ語ですね。<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-5983.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">山口教授がよく講演で話している</a>のを聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。物事を「わかる」というのは、それを一度否定して、それをさらにもう一度否定すること。「やっぱり○○だ」という言葉が出てやっと本当にそれをわかったと言える。「『わかる』とは“Doch（ドッホ）”だ！」と。<br />
<br />
<b>岡田</b>　実はこの店名は、父が先生の講演でその話に共感して、「うちのコンセプトにピッタリだ」と言って決めたんですよ。黒糖に馴染みのないお客様にも、「来てみて“やっぱり”良かった」と思ってもらえるように。うちのお菓子を食べて、「“やっぱり”黒糖は美味しい」と思ってほしい。また、いつも来てくださっているお客様にも、「黒棒屋さんが変わったことを始めたけど、“やっぱり”黒糖にこだわってるんだね。美味しいね」と。そんな「最上級の“やっぱり”」を感じて頂けるようにという想いを込めています。<br />
また、店舗自体も随所にこだわって設計しています。家具には1960年代のデザインを受け継ぐ「カリモク60」を採用し、窓の配置にもこだわりました。店の奥に大きな窓があって、その向こうに広がるのは、この店のために整備された「ドッホの森」です。もともとは芝生の小山だった場所に木々を植え、苔を育て、長い時間をかけて現在の景観をつくり上げました。春には桜、夏にはセミやカブトムシ、秋にはどんぐりを目当てに子どもたちも訪れるんですよ。<br />
<br />
<b>恵里</b>　お店でゆっくりと過ごす体験も含めて、黒糖のお菓子を味わってもらう。従来とは異なる空間と商品を通して、新しいお客さんとの接点を生み出したんですね。</p>








































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</div>






































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	</a>
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<h3 >「黒糖を使う」のが目的ではなく、より美味しくするために黒糖を使う</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
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</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　でも、洋菓子で黒糖ってあまり使われないですよね。商品開発が大変だったんじゃないでしょうか。<br />
<br />
<b>岡田</b>　そうですね。単純に洋菓子の砂糖をそのまま黒糖に変えればいいかと言うとそうではありません。黒糖って栄養価が高いんですよ。カルシウムやミネラル、カリウムなどが豊富に含まれていて、それが独特のコクや旨味になっています。でも、洋菓子作りにおいては、それらの成分が不純物になってしまい、例えばスポンジが膨らみにくくなったり、食感が重くなったり、洋菓子の仕上がりに影響することがあります。かといって黒糖の量を減らせば、今度は風味も色も弱くなり、「黒糖のお菓子」としての特徴が出ません。とにかく試行錯誤の繰り返し、ようやく完成したのが『Doch（ドッホ）』の看板商品の一つである黒糖米粉ロールケーキです。<br />
<br />
<b>恵里</b>　取材にかこつけて食べさせていただいたのですが、めちゃくちゃ美味しいです！生地に米粉ならではのもちっとした弾力がありつつ、重たくなくて、ふわふわ軽い食感。甘さ控えめのクリームの中にある黒糖ゼリーと一緒に食べると、グッと黒糖の風味が際立って、生地とクリームと黒糖ゼリーの絶妙なバランスが完成されます！まさに黒糖創作菓子の看板商品という感じですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　ありがとうございます。生地には白砂糖を使わず、黒糖を使用しています。最初はクリームにも黒糖を使ってみたのですが、正直なところクリームは白砂糖の方が味のバランスが良くて美味しいんです。それでクリームにはあえて黒糖を使わないことにしました。ただ、生地だけだと黒糖の風味が少し弱い。そこで、クリームの甘さを控えめにして、ロールケーキの中心に黒糖ゼリーを入れています。このゼリーにたどり着くまでにも、わらび餅や黒糖カスタードなど色々試行錯誤しました。ゼリーの硬さも、柔らかすぎれば存在感がなく、硬すぎれば一体感が失われてしまいますので、何度も調整をして、生地とクリームと一緒に食べることで最高のバランスになるようにしています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　ただ黒糖を使うのではなく、より美味しくするためにどう黒糖を使うのか、とても考えられているのが味から伝わってきます。</p>








































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	</a>
</div>


































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<p><b>岡田</b>　同じく看板商品の黒糖カスタードプリンは、下がカスタードプリン、上が黒糖プリンという二層仕立てになっています。これも最初から二層にしようと考えていたわけではなく、最初は普通のプリンの砂糖を黒糖に変えるところから始めました。でも、それだけではいまひとつで、色々と試していくうちに今の形になりました。単純に黒糖だけのプリンにするのではなく、二つを重ねることで、味の違いと黒糖らしさをより分かりやすくしています。しかも、凝固剤で固めて重ねるのではありません。まずカスタードプリンを緩い状態まで蒸し焼きし、その上に黒糖プリンを重ねて、もう一度蒸し焼きしています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　上の黒糖プリンはやさしい甘さと黒糖の香り。下のカスタードプリンはとろりと柔らかな口当たり。二つの層が味だけでなく食感も異なっていて、別々に味わっても、一緒にすくっても楽しめますね。上に添えられた黒糖ゼリーと、底の自家製カラメルが加わるとさらに味の輪郭がはっきりして、黒糖のコクとカスタードのまろやかさがちょうどよく重なってすごく美味しいです！</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>岡田</b>　ありがとうございます。生菓子ではもう一つ、黒糖生シュークリームがあります。こちらも中のクリームにはあえて黒糖を使わず、フレッシュな生クリームをブレンドした濃厚なカスタードクリームに仕上げました。その代わり、焼き上げたシュー生地に黒糖蜜をかけ、さらにもう一度焼く製法を選びました。黒糖が最初に舌へ触れるため、使用量が多くなくても風味がしっかり伝わります。<br />
<br />
<b>恵里</b>　二度焼きされたシュー生地のやや硬めな食感と表面の香ばしさが、黒糖蜜の風味としっかり合わさって、濃厚なカスタードクリームとの相性が抜群ですね！どれも何度でも食べたくなる美味しさです。ただ、こだわって作られている商品だけあって、賞味期限が当日中ということでお取り寄せはできないのですが、福岡県に来られた際には、ぜひお店で味わっていただきたいです。</p>









































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<p><b>岡田</b>　福岡市内にある黒棒本舗の高宮店でも販売していますのでぜひ。また、焼き菓子の人気商品の黒糖リーフパイは全国からお取り寄せいただけます。詳しい製法は非公開なのですが、フレッシュバターの風味を最大限に活かし、香ばしく焼き上げたざっくりと厚みのあるバター生地が特徴です。焼き上げたパイに塗る黒糖蜜は、毎回パイが焼き上がる時間に合わせて、その都度蜜を炊いて、一枚ずつ手で塗っています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　こちらも手作業なんですね！ちょっと硬めのザクっとしたパイと黒糖のコクと甘味がこれ以上ないくらいマッチしていて、しかもサイズが大きめなのも嬉しいところです。どこに、どのように使えば黒糖の魅力が最も伝わるのか。その答えを探し続けた結果が、『Doch（ドッホ）』の商品一つひとつに表れていますね。</p>








































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	</a>
</div>






































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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<h3 >変え続けるから、百年続く<br />
〜ぶらさないのは「黒糖」と「大変だからこそ、それを選ぶ」という軸〜</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　『Doch（ドッホ）』では新しい商品を次々と開発されていますが、昔から作り続けている黒棒も、製法は変わらないのでしょうか。<br />
<br />
<b>岡田</b>　黒棒や黒糖丸ぼうろなど、どの商品も日々ブラッシュアップしています。新しい機械や粉、製法、オーブンなどが出てくるので、その都度、一番いいものを作るために見直しています。厳密に言えば、味も少しずつ変化していると思います。<br />
また、小麦粉も農作物なので、毎回同じではありません。去年の同じ時期に、どのくらいの数値の粉を、どの配合で使って、どんな生地ができたのかというデータもあります。それを見ながら、実際の生地に合わせて少しずつ変えています。黒糖も同じ。沖縄では複数の島で黒糖が作られていますが、島によって色や味が異なり、年によっても出来が変わります。そのため毎年状態を確かめ、必要な量を確保できる産地の中から、商品に合うものを選んでいます。<br />
<br />
<b>恵里</b>　一番美味しい状態にするために、変えていくことも必要なんですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　もちろん絶対に変えない部分もあります。例えば、当社では黒糖は大きなブロックの状態で仕入れ、必要な分だけその都度自社で砕きます。あらかじめ粉砕されたものを仕入れる方が当然効率はいいのですが、砕いてから時間が経てば経つほど風味が落ちていってしまいます。焼き上げた黒棒に使う黒糖蜜も、一度に大量に作って保管するのではありません。これも時間が経つと風味や状態が変わるため、作業中に何度も炊いて、出来たての蜜を製造現場へ運びます。原料がシンプルなので、一つひとつが仕上がりに大きく影響するんです。<br />
<br />
<b>恵里</b>　効率だけを考えれば、省ける工程は少なくない。それでも、仕入れや製造の効率だけを優先せず、原料の状態を見極め、必要な工程には人の手をかける。創業以来の黒棒から、『Doch（ドッホ）』で生まれた新しい商品まで、「手間をかけて、ここにしかないものを作る」という一貫した姿勢を感じます。今後、新しい店舗や事業を広げていく構想はありますか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　今のところ、新しいお店を出すことはそこまで考えていません。どちらかというと、これまでお世話になってきた地元の方に来ていただきたいという思いがあります。当社が100年以上続いてきたのは、黒糖が好きな方がいて、求められるものに応えてきたからだと思います。時代の変化には対応しながらも、黒糖や健康志向という大きな軸はぶらさず、これからも作っていきたいと思っています。<br />
実は2年ほど前に、『Doch（ドッホ）』の店内に『黒棒茶寮 Gesund（ゲズント）』というパン工房をオープンしました。ゲズントは、ドイツ語で「健康的」という意味です。白砂糖を基本的に使わず、黒糖や含蜜糖を取り入れたパンを展開していて、うちの黒糖蜜を使った出汁に漬け込んだ明太子で作る明太フランスが一番人気です。<br />
<br />
<b>恵里</b>　変わり続けることと、変えないこと。その両方を積み重ねてきたからこそ、クロボー製菓の味は100年以上にわたって愛され続けているんですね。本日はありがとうございました！</p>








































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			<pubDate>Wed, 05 Aug 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年8号</title>
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			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h2 >トランプに妥協を迫るアメリカの事情<br />
～アメリカの戦略的原油備蓄が1983年以来の低さに～</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">先月号の「景気を読む」</a>で、「6月の米イラン合意が無に帰したかのような激しい戦闘が続いているが、遠からずトランプは大幅な妥協を余儀なくされる」という見通しを述べた。その根拠の１つとして挙げたのが、アメリカの原油在庫の減少である。日本をはじめ多くの国が中東原油の代替措置としてアメリカからの原油輸入を拡大し、その結果アメリカの民間在庫が減少。アメリカのガソリン価格が再び急騰しかねない状況に至っている。その価格急騰を少しでも抑制しようと、アメリカ政府は備蓄原油を放出してきたが、下記の記事はその備蓄がとうとう43年ぶりの低い水準にまで低下してしまったことを報じている。<br />
この状態が長引けば、ガソリン価格が再び急騰し、11月の中間選挙でトランプ共和党は大敗を喫することになる。とすれば、遅かれ早かれトランプはイランに大幅に譲歩してもホルムズのタンカー通航を再開させ、ガソリン価格を引き下げようとするだろう。下記の記事はそんな私の「読み」を後押ししてくれるものである。アメリカの原油在庫のひっ迫は日本の原油調達にも多大な影響を及ぼす。日本の中小企業経営者としても今後の動向から目を離せない。<br />
<div align="right">(山口　2026.8.4筆)</div></p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote><h3>米戦略石油備蓄、43年ぶり低水準　日本の輸入にも影響か</h3>日本経済新聞2026年7月31日<br />
<br />
米エネルギー情報局（EIA）が29日発表した週間の米石油在庫統計で、戦略石油備蓄（SPR）の原油在庫が減少し、1983年以来43年ぶりの低水準を更新した。減少は18週連続。民間の商業在庫も減った。…<br />
<br />
SPRの原油在庫は24日までの週が3億765万バレルと、1983年3月以来の低水準に落ち込んだ。減少は3月下旬から毎週続いている。調査機関の石油アナリストは「<font color="red">もはや在庫の余裕がない状況だ</font>」と指摘する。…<br />
<br />
<img src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/1c21897926a023a9656e6a2457cd0d495323509926a14c538f1efb6287903bb6.png" class="alignrleft" width="500"><br />
<br />
<font color="red">米国内の民間企業の商業在庫も減っている</font>。EIAによると24日までの週は4億450万バレルと、<font color="red">18年9月以来の低さ</font>だった。…<br />
<br />
米国からの原油の輸出が減ることによる、<font color="red">日本のエネルギー供給への影響</font>も意識されている。中東情勢の緊迫を受け、日本は米国からの輸入を増やしている。経済産業省がまとめた5月分の石油統計速報によると、5月の原油輸入量は中東依存度が73.9%で、前年同月から16.6ポイント下がり、8カ月連続で前年を下回った。米国の比率は22.4%で、4月の7.7%、昨年5月の7.9%と比べても大きく上昇した。<br />
(赤字による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
			]]></description>
			<category>知っとこNews</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6556.html</guid>
			<pubDate>Wed, 05 Aug 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>対談　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-6546.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「アンバサダーに聞く“中小企業のDX”<br />
～「困りごと」を洗い出すことから始めよう!～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>One Kyushu DXアンバサダー入江展親氏<br />
(Jfp株式会社常務取締役兼技術開発部長｜ネクスフォージ株式会社代表取締役CEO) <br />
聞き手　立教大学名誉教授　山口義行（ｽﾓｰﾙｻﾝ主宰）</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-f94c7b4e691da11fd6fa9202fe6a0cd9faa3efc5d394b769004791889006441d.png" data-rel="SmartPhoto[6546]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/f94c7b4e691da11fd6fa9202fe6a0cd9faa3efc5d394b769004791889006441d.png" alt="" width="340" height="300">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>「中小企業もDXを進めなきゃあダメだ」——これはもう耳にタコができるくらい聞かされてきたし、実際にもDXを推進したことでいろいろな意味で「成功」を収めている企業もたくさんある。しかし、他方ではまだ「何から始めればいいのかわからない」とか、「ウチみたいな零細企業にはDXなんてピンと来ない」という中小企業が少なくないのも現状である。一言で言えば、「DX格差」が広がっているのである。<br />
<br />
そこで、今回はそんな「DX格差」を埋めるべく、公益財団法人九州先端科学技術研究所が運営する<a href="https://okdx.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">地域DX支援コミュニティ「One Kyushu DX」</a>でアンバサダーとしてご活躍の入江展親氏にお話を伺うことにした。専門的知識のまったくない状況で勉強を始め、実際に社内でのDXを進めてこられた入江氏ならではの「中小企業目線のDX論」、会員諸氏にも大いに参考になるものと思われる。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>【入江展親氏のプロフィール】</b><br />
<a href="https://www.jfp-web.co.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Jfp株式会社</a> 常務取締役 兼 技術開発部長、<a href="https://nex-forge.co.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">ネクスフォージ株式会社</a> 代表取締役CEO。<br />
建築外壁の補修分野に10年以上携わり、現場で生じる課題を解決するための外壁補修工法や専用工具、機材の発明・開発に取り組んできた。これまでに7件の特許を取得し、Jfpで使用する機材の開発・設計を手がけている。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-9ebedb680745ce4248af0111f0b0496cfe5798ddc4fd2d41ac90e392b72a7527.png" data-rel="SmartPhoto[6546]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/9ebedb680745ce4248af0111f0b0496cfe5798ddc4fd2d41ac90e392b72a7527.png" alt="" width="340" height="243">
	</a>
</div>






































<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/15a6251e9a1c8c49bd2682a9f173d7507b0ac9d11dfbbf9125a0e8ad8dd99647.png" alt="" width="340" height="227">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>Jfpでは、ペーパーレス化を起点に、在庫管理・総務などのバックオフィス業務から、営業や顧客対応などのフロントオフィス業務まで、社内業務全体のDXを推進してきた。現在では、全国の施工パートナーとの現在では、全国の施工パートナーとの案件管理、情報共有、業務連携も、共通のプラットフォーム上で一元管理している。<br />
こうした自身の実践と試行錯誤の経験を生かし、現在はOne Kyushu DXアンバサダーとして、中小企業の立場に寄り添ったDXの普及にも取り組んでいる。<br />
2026年5月には、宇宙技術と建築・インフラ分野の現場知見を融合するスペーステックスタートアップ、ネクスフォージ株式会社を設立。準天頂衛星「みちびき」などの高精度測位技術と、AI、ロボット、クラウド技術を活用し、建物外壁の診断結果を位置情報とともに継続的に蓄積する「建物のカルテ」の実現を目指している。現在は、外壁診断を自動化・データ化するスマート診断システム「MICHIDAS」の研究開発と事業化を進めている。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >「困りごと」を洗い出すことからDXは始まる　　　　　　　　　　　　　　　</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>DXという言葉を知らない経営者は今やほとんどいないように思うんです。でも、私なんかもそうですが、「DＸと言われても、何から始めてどこに向かって進んでいけばいいのか」とか、「DXを進めることで本当に会社の利益増に繋るのか」といった疑問が払しょくできず、「なんか実感としてピンと来ていない」という経営者も少なくないと思います。入江さんはアンバサダーとしてそんな中小企業の方々にいろいろアドバイスをされる立場だと思うんですが、DXを巡る現状をどんな風に見ておられますか。<br />
<br />
<b>入江：</b>たしかに DXって、先生がおっしゃるように、言葉だけがどんどん流行りのように広がっているんですが、実際には「何かソフトを入れればいいのかな」程度のレベルの会社も少なくないような気がします。私がそんな方々に言うのは、「仕事上の困りごとはありませんか。DXはそこから始まるんですよ」ということです。<br />
<br />
<b>山口：</b> 「困りごと」ですか。<br />
<br />
<b>入江：</b>例えば町の商店街にあるお花屋さん、一見DXに関心がなさそうなお店の経営者さんに「仕事上何か困りごとありませんか?」と聞いてみる。すると、例えば「お花をトラック便で送る時の箱詰めが手間なんだよな」といった答えが来る。「今は1日に出荷が10件しかできていないけど、どうにかして15件くらいできないか。そうしたら売上げも上がるのになあ」といった声が聞こえてきます。<br />
<br />
<b>山口：</b> デジタルとかアナログとかといったこととは関係なしに、ともかくなんでもいいから「困りごと」を洗い出していくわけですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そこからだんだんと掘り下げて行く。そこでまず「じゃあ出荷を5件プラスするにはどうしたらいいと思いますか」と聞いてみる。すると、「現状じゃとても無理だな。時間がない」という返答が来ます。<br />
<br />
<b>山口：</b> 出荷を5件増やすには、それに必要な時間を捻出しなければいけないということですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうなんです。そこで、1日の仕事を振り返って「どこに時間が取られているかを点検してみましょう」ということになります。それを洗いざらい点検してみて、例えば、受注内容の転記や送り状の作成、在庫確認などに時間がかかっていることが分かれば、受注データから送り状を自動で作成するだけでも、出荷件数を増やせる可能性があります。実は、これがDX(デジタル・トランスフォーメーション)の始まりなんですね。DXというのは、まさにその繰り返しなんです。中小企業の皆さんにまずもってこのことを理解してもらうのが、アンバサダーとしての私の役割です。<br />
<br />
<b>山口：</b>DXというと、ついついどんなシステムを導入するかというところから考えてしまいますが、そうじゃなくて「困りごと」の解決、これが出発点だということですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>ツールはいろいろあるんです。エクセルでもいいですし、無料のツールも世の中にはたくさんある。何でもいいんですよ。お花屋さんの例で言えば、ただその「プラス5件の出荷」さえ上手くできれば、これはりっぱなDXの成功事例ということになります。小さなデジタル化が、仕事の流れや組織の動き、顧客への価値提供まで変えていけば、それがDXにつながっていきます。あまり大げさに構えるのではなく、デジタルツールを使って「困りごと」を一つひとつ解決していく、DXはそんな小さなことの繰り返しなんだという捉え方をすることが大切だと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ペーパーレス化から始めたDX</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>入江さんがDXに取り組もうと思ったきっかけは何だったんですか。<br />
<br />
<b>入江：</b>私がDXをやろうと思ったのは、単純に「会社の中から紙を一掃したい」と思ったからです。<br />
<br />
<b>山口：</b>紙を使わない会社にしようと。<br />
<br />
<b>入江：</b>はい。建築業というのは紙だらけなんです。図面を紙に描く、それから山のように紙の報告書を作らなければならない。エクセルとかワードで作成したものを一々紙に印刷するわけです。印刷した後で一文字でもタイプミスが見つかったら、全部印刷のやり直しです。それだけでも、無駄が一杯出ますよね。<br />
<br />
<b>山口：</b>そうですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>例えば10枚で一綴りの報告書があったとする。その5ページ目の2ヶ所だけミスがあったとします。そのページだけ差し替えればいい場合もありますが、場合によっては全部印刷をやり直さなければならないこともありますよね。とにかく、無駄な紙が一杯出ますし、手間もかかります。<br />
<br />
<b>山口：</b>紙も労力も無駄が多い。<br />
<br />
<b>入江：</b>これってSDGs的にもよくないですよね。「資源を無駄遣いするなよ」って環境省から怒られるような話です。そこで、「紙を使わなくていいようにしよう」と。私の場合、そこから入っていきました。<br />
<br />
<b>山口：</b>いわゆる「ペーパーレス化」ですね。でも、これは全社的に取り組まないと達成できませんよね。結構ハードルが高いように思うんですが、先ほど言われていた「小さなことから始めよう」というのとは随分違うように思うんですが。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうなんです。私はまっ先に「紙をなくす」っていうゴールを作ってしまったために、もっと簡単にできること、やるべきことを飛ばしちゃったんですね。そのためにめちゃくちゃ苦労したんですよ。<br />
<br />
<b>山口：</b>といいますと?<br />
<br />
<b>入江：</b>紙を無くすためには、ともかく「何かのシステムを入れなきゃあ」っていう発想になっちゃったんです。でも、どういうソフトがいいかなんてまったくわからない。良さそうなシステムを適当にピックアップしてこれを使ってみようって、そんなところが最初でした。結構お金も使ったんですが、いろいろやってみて実はそのシステムは必要なかったなんてこともありました。<br />
<br />
<b>山口：</b>社員の皆さんはすでにエクセルやワードは使われているんですよね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうです。ですから、ペーパーレス化するためにはそれぞれの社員のパソコンの中に入っているエクセルとかワードを、まとめて一定の場所（ネット空間）に置いて皆がそれを見られるようにする、それが第一段階です。ところが、そういうプロレスを吹っ飛ばして新しいシステムを入れる話になっちゃったんで、随分苦労しました。DXを急いで、「手っ取り早くシステムを入れて…」という会社が、そのシステムが会社としてやりたいこととうまくマッチしなかったために結局DXに挫折したって事例もたくさんあります。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >情報共有化のメリットを皆で実現する</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>先ほど、すでにエクセルやワードは皆さん使っているという話がありましたが、それ自身がすでにデジタル化だと言えなくもないですよね。では、それといわゆるDXとの違いはどこか。先ほどのお話を伺っていると、その１つは「それぞれの社員のパソコンの中に入っているエクセルとかワードを、まとめて一定の場所（ネット空間）に置いて皆がそれを見られるようにする」ところ。つまり、情報の共有化というところにありそうですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そのとおりです。そこでまず何を共有すればいいのか、そのことでどういう利点があるのかという点を社内でしっかり話し合って、「情報共有化によって仕事もこんなに効率化するし、売上げ増や利益増にも繋がる」といったことを皆さんに理解してもらうことが必要です。もちろん、それでも「面倒だな」と感じる人たちもいます。そこで、この情報の共有化をできるだけ「自動化」して、個々人の手間を省いていくことが必要になります。この場合、そのための仕組みづくりがDXということになります。それは「情報共有化のメリットを皆で実現しましょうね」という一種の社内運動のようなものだと言えます。<br />
<br />
<b>山口：</b>そうなると新たなコンピューターシステムを導入することも必要になるでしょうが、同時に会社の組織や仕事の流れのようなものも改革して行くことが必要になりますね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そういう「改革」を伴うところがDXの大変さでもあるんですが、同時にそういう「改革」につながるからこそDXに意味があるともいえるんです。<br />
<br />
<b>山口：</b>大きな組織になればなるほど、情報を共有するということがうまくできません。その分、DXを進めて自動的に情報共有できるようになれば、会社全体の効率性は大きく向上します。大企業が進んでDXを進めようという理由もそこにあるんでしょうね。でも、大きな組織だと、そういう「改革」に向かって皆が協力していくという態勢を作っていくこと自体が大変ですよね。<br />
<br />
<b>入江：</b>大企業では関係部署や調整事項が多く、DX担当者が板挟みになって疲弊してしまうことも少なくないようです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >社長は大きな方針を示し、小さな改革の推進者としてDX担当者に伴走する</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>その点、中小企業はやり易いと。<br />
<br />
<b>入江：</b>そう思います。中小企業は経営者と社員の距離が近いので、目的をきちんと共有できれば、意思決定から実行までを速く進められる強みがあります。<br />
<br />
<b>山口：</b>だからこそ社長がDXの意味をきちんと理解して、率先してやっていくっていうところがないと。人任せではダメですよね。<br />
<br />
<b>入江：</b>おっしゃる通り、人任せでやっている会社で成功しているところはあまりないです。DXを進めるに当たっては、社長が果たすべき役割は大きいです。<br />
<br />
<b>山口：</b>社長はどんなふうに関わっていくべきでしょうか。<br />
<br />
<b>入江：</b>まずは大きな方針を示して、ぶれないということ。なぜDXに取り組むのか、その点を明確にしてそれを全社的な課題として明示することです。<br />
それからもう一つは——私はこれが大切だと思っているんですが——、社長自らが推進者となって「小さな改革」を積み重ねていくことです。<br />
たとえば情報の共有化について言えば、業務上共有すべき情報は、社内チャットやグループウェアに残すようにする。もちろん、面倒だと感じる社員さんもいるでしょう。でも、そうすることでやり取りが記録に残りますから、そこから改善すべき課題を見つけることができます。そして実際に問題が解決できれば、面倒だと思っていた社員さんも「やってよかった」と感じるようになります。<br />
<br />
<b>山口：</b>「この間現場でこんなトラブルがあって、お客さんとちょっと揉めたんだ」といった愚痴にも似たような会話が社員間であったとします。これまでだったら「へぇ～、そんなことがあったんだ」とか言って終わっちゃっていた。でも、そういう会話も社内チャットやグループウェアに残すことで記録になり、社員の皆さんが情報として共有できるようになる。そうすれば、それを見た他の社員が「そういえば、自分の担当する現場でも同じようなことがあったな」と書き込むかもしれない。社長がそういう状況を知って、「じゃあ次回の会議でこの問題を取り上げて皆で話し合おう」と言ってくれれば、社員さんは「情報の共有化って結構いいねえ」ということになる。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうそう。まさにそういう「小さな改革・小さな体験」がDX推進の原動力になっていくと思うんです。社長はそういう意識を持って、DX担当者の努力に付き添ってあげる。つまり伴走ですね。これが必要です。「ぜったいに担当者任せにしない」、これはもう鉄則だと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >DX担当者をどう育てるか</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>「担当者」という言葉が出てきました。そこで、ぜひお聞きしたいんですが、中小企業の場合DX担当者をどうやって育てていけばいいんでしょうか。中小企業はそもそも人手不足ですから、「ウチにはDXを担当してくれるほどコンピューターに詳しい社員なんていない」という会社も少なくないと思うんです。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうでしょうね。かく言う私も、全く知識がない状態でDX担当の役割を担いましたから。<br />
<br />
<b>山口：</b>入江さんは公益財団法人九州先端科学技術研究所が運営する<a href="https://okdx.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">地域DX支援コミュニティ「One Kyushu DX」</a>でアンバサダーとしてご活躍されています。ですから、もともとそっち方面の知識は相当豊富な方だと思っていましたが。<br />
<br />
<b>入江：</b>いえいえ、全然ダメでした。もちろん、DXを担当者として進めていこうと思ったら、やはり勉強が必要なことは間違いありません。<br />
<br />
<b>山口：</b>どうやって勉強されたんですか。<br />
<br />
<b>入江：</b>本などで独学的に勉強される方もいるんでしょうが、私の場合は「One Kyushu DX」というコミュニティに参加することによって勉強しました。DX推進担当になった人が悩み始めて「どうしようか」と思う。そこで、「すみません、ちょっと勉強させてください」と言って入ってくる。そんな「駆け込み寺」のような組織です。九州だけでなくて、いろんな地方にあると思うんですが、宣伝もしませんから、皆さんあまり知らないですね。<br />
<br />
<b>山口：</b>「入りたいですけど」って行けば、入れるんですか？<br />
<br />
<b>入江：</b>もちろん入れますよ、タダで入れます。<br />
<br />
<b>山口：</b>でも、予備知識が希薄な人が入っても勉強にならないのではないですか。<br />
<br />
<b>入江：</b>私なんかは本当に「レベルゼロ」だったんです。メンバーさんたちの多くは、そこそこ勉強している人たちです。そういう人達を対象にして講義が行われているものですが、当初は私にとってはもうチンプンカンプンでした。私は「レベルゼロ」でしたが、「レベル1」とか「レベル2」ぐらいの人たちも含めて、最初は「場違いなところに来てしまったな」と思うんです。でも、「こういうもんだ」って自分に言い聞かせて、5回か6回繰り返し参加していると「ああ、そういうことか」って気づきはじめます。最初はちょっとハードルが高いかもしれませんけど、でもそれを続けていると、ある時期から急に理解できるようになってきますから、それまでの我慢です。<br />
<br />
<b>山口：</b>英語がしゃべれなくても、アメリカに行くと半年ぐらいでだんだん何を言っているかわかるようになってくるっていうのと同じですよね。<br />
<br />
<b>入江：</b>まったく一緒です。ストレスですが、それでもともかく通い続ける。それが大事ですね。私はそうしてきました。<br />
<br />
<b>山口：</b>その会では、具体的に何をやってるんですか？<br />
<br />
<b>入江：</b>セミナーです。今日はAIの勉強をしますとか、今日はプログラムの勉強をしますとか。毎回講師がやってきて、私たちはそれを受講するわけです。<br />
<br />
<b>山口：</b>でも、予備知識がなければ講師の言っていることもわからないですよね。それでも、我慢して数ヶ月聞くんだと。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/77306125ee6a245c807f6dc66eb052ff49215fb2b64528455be346443a0cf006.png" alt="" width="340" height="240">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>入江：</b>そうです。たとえば、ソフト開発に関連する専門用語で「アジャイル」というのがあるんですね。ある時「ゼロから始めるアジャイル」みたいな講義があったから、ともかく受けてみようと思って、それに参加したんです。「ゼロから」ってなっていますが、受けてみると「1くらいのレベルから」というのが実際で、私などはまったくついて行けない。そもそも単語の意味がわからないわけですから。それでも通い続けていると、6回目ぐらいから「もしかしてこういうことか？」っていうことが頭に浮んでくる。そこで、「もしかして先生、こういうことですか？ 自分の解釈ではこういうことなんじゃないかと思ったんですが、合っていますか？」と。そんな話をすると「入江さん、それで合っていますよ」って言われて。そうなると嬉しいから、また勉強を続けるってことになります。こうして3年ぐらいやって、今やアンバサダーをさせていただいているというわけです。<br />
<br />
<b>山口：</b>その間社長さんを筆頭に社員さんたちが、入江さんのそういう努力の意義を認めて見守ってくれていたからできたんでしょうね。担当者を育てるというのは、担当者が学びの機会に積極的に参加できるようにすることでもあるわけですね。それに、その担当者の努力を理解すれば、その努力が報われるように皆さんも協力してDXを進めていこうということになります。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうでなければ、どこかのシステム会社に丸投げして「DXやりました」ってことで終っちゃっていたでしょうね。それでは、会社のDXが自立的に進化して行くというのは難しいように思います。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >AI化をどうみるか<br />
～オリジナリティの源泉は「問題発見能力」だ!～</h3>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>最後にもう一つお伺いしたいのは、AIの活用についてです。最近は、DXというよりもAIをどううまく活用するかということに多くの人々の関心が移っているようにも思うんですが、AIについて入江さんはどのように捉えられていますか。<br />
<br />
<b>入江：</b>AIは漠然とした質問をすると漠然とした返事しか返ってきません。冒頭でお話ししたような「困りごと」についても、AIに「どうしたら解決できるか」と聞いても、質問の仕方が曖昧だと曖昧な返事しか返ってこないんです。ところが、「困りごと」の中でその一番のポイントをピンポイントで質問すると、かなり的確な答えが返ってきます。<br />
<br />
<b>山口：</b>そうすると自分の「困りごと」を、どれぐらい具体的にきちっと把握できているか、これがAIの活用においても非常に重要だということですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうですね。だから逆に例えば、「困りごと」がはっきりしない時は、AIに「私の困りごとがわからないので、どうやって困りごとを探せばいいか、アドバイスをしてくれ」なんて質問する。そうすると「じゃあ考えましょう」と言って、何らかの返答を出してくれる。ただその返答が的確なものかどうかを判断するのは、やはりAIを使う人間の側ですけどね。<br />
<br />
<b>山口：</b>やっぱり重要なのは、人間の「問題発見能力」ですね。<br />
<br />
<b>入江：</b>そうですね。<br />
<br />
<b>山口：</b>AIは便利だと言って、最近は「猫も杓子も」というと失礼ですが、ともかくAIを使おうとか、AIが出した答えだから大丈夫だといった風潮が生まれてきているように思います。そこでお聞きしたいんですが、AIのデメリットというか、その活用において警戒しておかなきゃいけないことというと、どんなことでしょうか。<br />
<br />
<b>入江：</b>わが社は、ビルなどの外壁補修に使う工法や専用工具を開発しているメーカーです。私は、実際の現場で「ここが不便だ」とか「この方法ではうまくいかない」といった課題を見つけて、それを解決するための工法や工具を考え、形にする仕事をしています。<br />
AIは、アイデアを整理したり、すでにどんな技術があるのかを調べたりするには、とても役に立ちます。ただ、現場で本当の問題を見つけて、実際に作って試して、失敗しながら完成させていくのは、やはり人間だと思うんです。AIが出してきた案を見て、「これは新しい発明だ」と、そのまま思い込んでしまうのは危険ですね。<br />
<br />
<b>山口：</b>なるほど。<br />
<br />
<b>入江：</b>それから、以前「One Kyushu DX」のセミナーで「DXに関する事業計画書」を作るという課題が出されて、皆さんそれぞれがAIを使って作ってきたんです。そうしたら、皆さんの答えがほとんど同じになっちゃった。独自性というものが出てこない。<br />
<br />
<b>山口：</b>AIが出した答えは「答え」ではなくて、たんなる情報なんだということ。これを使用者は認識する必要があるということですね。<br />
私はAIを活用して文章や画像を作っている人たちに「AIを使うのはいいけど、それで作ったものを提出する前に必ず「出来上がったもののどこに自分らしさがあるか」と自問してみてくださいと言っています。「そうでないと、やがてあなたの存在価値はなくなってしまって、いずれAIに置き換えられてしまう。また、いつまでたっても他者との競走上優位に立つこともできません」と。<br />
<br />
<b>入江：</b>その通りだと思います。ちゃんと自分の脳みそを使って仕事をする、そうやってオリジナリティを確保する。この努力を怠ってAIにばかり依存していると、どこにでもある会社と一緒になっちゃうということです。<br />
<br />
<b>山口：</b>そのオリジナリティの源泉は、やはり「問題発見能力」。入江さんの言葉を使えば「困りごと」の把握だということになります。今日は興味深いお話をありがとうございました。読者の皆さんには、今日のお話を参考にしながら、ぜひデジタル時代を賢く生き抜いていって頂きたいと思います。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><b>【参考：入江氏が紹介されている記事リンク】</b><div><div>DX関連：<a href="https://okdx.jp/news/eventreport20260421" target="_blank" style=";">https://okdx.jp/news/eventreport20260421</a></div><div>スペーステック関連：<a href="https://note.com/kurumespacebiz/n/nbbee4f838fe8" target="_blank">https://note.com/kurumespacebiz/n/nbbee4f838fe8</a></div></div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>




































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——2026.6.29対談</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>対談</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-6546.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>遠山教授の中小企業コラム　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-6544.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「トヨタ・アメリカ工場発の『現場の底力』」</h2>









































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<p>立教大学経済学部教授　遠山恭司氏（中小企業論担当）<br />
</p>









































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<p>アメリカの製造現場から、興味深い経営実践をお届けします。トヨタ自動車の北米ミシシッピ工場（TMMMS）で起きた「品質の奇跡」と、その背景にある「ハッピー・クロスチェック（Happy Cross Check）」という活動です。これは、単なる改善手法の導入ではなく、働く人々の魂を呼び覚まし、組織文化を大きく変革しうる「現場に根ざした実践」の物語です。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >どん底が一躍トップに</h3>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>2024年10月、トヨタの全世界拠点トップが集うグローバル生産会議で一つの衝撃的なデータが共有されました。北米の車両工場群の中で、かつては品質問題に苦しんでいたミシシッピ工場が、ついに「不良率ゼロ」を達成したのです。この結果は、決して偶然の産物ではありません。ある時点を境に品質が安定し、確かな足取りから生み出された、必然の帰結でした。<br />
会議でデータを示したのは、北米トヨタをはじめ世界の工場を指導している、平岡雄二氏（TMNA Senior Vice President）です。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/5e08a0368ffd69a92f94c9da0c188201b351df9877631967cfe4be94dc9523c1.png" alt="" width="700" height="481">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>かつて、製造現場における「不良」は、厳しい管理と改善の「鞭」によって押さえ込むものと考えられてきました。しかし、ミシシッピで起きたことはその逆です。彼らは、管理を強める代わりに、作業者の「幸福」と「発言権」を現場の真ん中に据えました。その中核を担ったのが、「ハッピー・クロスチェック」と呼ばれる活動です。</p>








































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<h3 >Why Happy?</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p>もともと「クロスチェック」とは、作業者同士がお互いの作業を観察し、標準作業との乖離を見つける活動を指します。しかし、北米トヨタを指導している平岡氏は、あえてこの活動に「ハッピー」という冠をつけました。<br />
<br />
その理由は明確です。「クロスチェック」という言葉は、往々にして「間違い探し」や「監視」というネガティブなニュアンスで受け取られがちです。しかし、この活動の本質は、作業者が日々の業務で抱えている「困りごと（作業のやりにくさ、違和感、気づき）」を浮き彫りにし、それを自らの手で解決する喜びを分かち合うことにあります。<br />
<br />
「会社の利益のためではなく、作業者の幸せの追求です」。このメッセージが、アメリカの現場作業者たちの心に深く刺さりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >沈黙する現場の5cm</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p>なぜ、プロのエンジニアや熟練の班長がいても、現場から不良はなくならないのでしょうか。平岡氏は、そこに「現場の沈黙」という大きな壁があることを指摘します。<br />
<br />
世界中のどの工場でも、作業者は「難しいことをやるから給料をもらえるのだ」と考え、作業のしにくさを口にしません。例えば、部品を取る際の手の交差や、わずか5cmの部品棚のズレ。数回のトライアルでは気づかないような「小さなストレス」も、1日に何千回、何万回と繰り返せば、蓄積して大きな疲労とミスに繋がります。<br />
<br />
しかし、作業者は「これが仕事だ」と言い聞かせ、黙って「アホな作業（非効率な作業）」を続けてしまう。これを打破するのがハッピー・クロスチェックです。類似のラインや反対直（夜シフト）から「しがらみのない」パートナーを呼び、お互いの作業を観察させます。「なぜあの人はあんなに苦労して部品を取っているのか？」という素朴な疑問が、長年放置されてきた「困りごと」を可視化するのです。</p>








































<hr class="clearHidden">





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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/5137d4419bed8bb4660076555ba5f334b28ac4d4b172491842d76c6a5b35912f.png" alt="" width="700" height="764">
</div>

































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<!-- テキスト -->

<h3 >動機づけの劇的な転換</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p>ミシシッピ工場の成功の鍵は、発見された問題の「対策」までも作業者自身に行わせたことにあります。<br />
<br />
平岡氏がかつての赴任先（STM：トヨタのタイ・エンジン工場）で実施した際は、スピードを優先し、対策はリーダーやエンジニアなどのプロが行いました。しかし、ミシシッピでは、1週間に1工程という「引くほどゆっくりとしたペース」で、作業者が主体となって改善案を練り、サポーターの助けを借りながら自ら形にしていきました。<br />
<br />
このプロセスが、作業者のモチベーションを劇的に変えました。自分の意見が会社に聞き入れられ、改善され、最後には工場の社長に直接報告して褒められる。この「認められる体験」が、現場に爆発的なエネルギーを生んだのです。導入するやいなや、口コミやSNSで工場中に知れ渡り、さまざまな部署で自主的に活動が始まりました。<br />
<br />
「あんたがこれを導入したのか？ ありがとう、握手してくれ。これは最高だ！」 </p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/34ac577f491b2d9a2b6652aa4d37bf5095cb67740d77d1fcdb982578e98bed48.png" alt="" width="700" height="559">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>巨漢のアメリカ人作業者が、平岡氏に歩み寄り、感謝の握手を求める――そんな光景が複数の現場で繰り返されました。作業者はもはや「言われたことをやるだけ」ではなく、自らの職場をより良くする「主体」へと変化したのです。</p>








































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<h3 >管理を超えた成果</h3>








































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<p>興味深いことに、ミシシッピ工場は、トヨタが定める管理基準において、必ずしも最高ランク（三本柱活動のゴールド認定（注1））ではありません。しかし、実際の品質や生産性といったKPI（重要業績評価指標）では、すでにゴールドレベルを超越しています。<br />
<br />
これは、形式的な「やらされ仕事」の改善ではなく、現場が本気で、心から取り組んでいるからこそ得られる成果です。形式を整えることに汲々とする日本の工場とは対照的に、ミシシッピでは「メンバー・ファースト」の精神が、結果として最高の品質を生み出すという逆転現象が起きています。</p>









































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<h3 >問われる「場」の設定</h3>









































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<p>ハッピー・クロスチェックが私たちに問いかけるのは、「現場をどう管理するか」ではなく、「現場がいきいきと働ける場をどう設定するか」という経営の本質です。<br />
<br />
「作業者に工程のことなど分かるはずがない」という傲慢さを捨て、現場の「困りごと」に真摯に耳を傾ける。そして、改善のための「権限」と「時間」を作業者に与える。このシンプルな、しかし勇気のいる決断が、組織を、そして人の人生を変える力を持っています。<br />
<br />
ミシシッピで起きたことは、海の向こうの偶発的な事象として片付けることはできません。日本の製造現場は、すでにさまざまな世代や国内外の出身者など多様な構成メンバーで運営されています。会社に必要とされ、円滑なコミュニケーションと職場への参画、達成感などが得られなければ、定着も覚束ない状況です。<br />
事実、国内の中堅部品サプライヤーで、ハッピー・クロスチェックの試行的導入が始まっています。</p>









































<!-- テキスト -->

<p>注1：中小企業コラム2023年1月号の<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-4696.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「トヨタの３本柱活動」</a>を参照ください。<br />
<br />
<b> 【付記】<br />
</b>本コラムの情報は、わたしが参画した共同研究チームによる北米トヨタ工場調査（2022年）、およびTMNA Senior Vice Presidentの平岡雄二氏インタビュー（2024年）、国内中堅サプライヤー調査（2026年）に基づいています。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>中小企業コラム</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-6544.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「米・イランは全面戦⁠争へ逆戻りするのか?<br />
～中小企業を悩ます円安と金利上昇の同時進行～」</h2>









































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<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　6月17日に米・イランの覚書調印がなされたんですが、最近になってまたドンパチが始まって全面戦争に逆戻りしそうな雰囲気です。今回は何よりもまずその点からお話しいただけたらと思います。その後で、皆さんが気にされている円安や金利の動向についてもお話し頂けたらと思います。</p>









































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<h3 >なぜ再び戦闘が始まったのか</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先月号で先生は、アメリカとイランの「覚書調印」は「和平に直結しないけれど、大きな一歩だ」として前向きに評価されていました。ところが、最近になって双方が空爆を繰り返しています。イランはまたホルムズ海峡を封鎖したと言っていますし、アメリカは再びホルムズ海峡の外側に軍艦を並べてイランの船を通さないよう海上封鎖をしています。「覚書調印」はもう意味を失っちゃったんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　空爆合戦・封鎖合戦がまた始まったという現象面を見る限りでは、「覚書調印」はもはや実質的な意味を失ったといっていい状態だ。しかも、戦闘はだんだんとエスカレートしている。たとえば今回のイランの攻撃によってアメリカの兵士2名が死亡した。その報復としてアメリカ軍はイラン革命防衛隊の部隊そのものを標的にした攻撃を実施した。軍事施設ではなく、部隊そのものを狙うというのはこれまでなかったこと。戦闘が少しずつレベルアップしている感じがする。<br />
でも、こういう戦闘行為をもって6月に合意がなされたことがもはや無に帰してしまったと判断していいかというと、それも単純すぎる気がする。そこで、まずはなぜこんなことになったのか、その経緯や背景についてみておくことにしよう。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい、お願いします。<br />
<br />
<b>山口</b>　きっかけはイランがホルムズ海峡を通ろうとした船を攻撃したことにある。これに対して、アメリカが「合意」違反だとして報復攻撃をイランに対して行った。するとそれに対してまたイランが中東のアメリカ軍の基地などを攻撃した。それでまたアメリカがイランを空爆。今はこんなことを繰り返している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　先月号で6月の合意事項について解説いただいたんですが、イラン側は「商船の安全な通航を６０日間に限り無料で確保する」という項目がありました。それなのにイランがホルムズ海峡を通ろうとした船を攻撃したというのは明らかに合意違反に思えるんですが、そういう理解でいいんですか。</p>









































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<h3 >曖昧さを残したホルムズ管理を巡る「合意」</h3>









































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<p><b>山口</b>　それもちょっと微妙なところがある。というのは、イランは船の「安全な航行」を確保するつもりがなかったわけでないからだ。ただ、イランは通航ルートを指定していた。「ホルムズ海峡の中のイラン側を通るように」というのがそれ。ところが攻撃された船はオマーン側を通ろうとしたんだ。それで撃たれた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　オマーン側と言いますと?</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-89a201514537fb59e8a5729c430f6f3ea9882ec65e358d1faa215fd04b3d495a.png" data-rel="SmartPhoto[6545]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































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<p><b>山口</b>　図1の地図を見て。ホルムズ海峡のイランの反対側に<font color="red">赤い□</font>を付けたんだけど、わかるかな。この<font color="red">赤い□</font>の所はUAEの端っこにあるオマーンの飛び地なんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。それでUAE側じゃなくて、「オマーン側」という言い方をするんですね。そのオマーン側を船が通ろうとしたと。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。「自分たちの管理の下で安全な航行をさせるんだから、イラン側を通れよ」というのがイランの主張。もしも船がオマーン側を勝手にスイスイ通るようになったら、イランがホルムズ海峡を管理していることにはならなくなっちゃうからね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そりゃそうですね。それでオマーン側を通ろうとした船を攻撃して、「勝手なことをするなと脅したんですね」。アメリカはなぜイランのこの行為に報復したんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　アメリカには、「イランにホルムズ海峡を管理されてたまるか」という意図がある。そこで、イランの行為は「安全な通航を…確保する」とした「合意」への違反行為だという理由で報復攻撃に踏み切った。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、前月号で先生は、「合意」はイランがホルムズ海峡を管理することをアメリカが事実上容認したかのような内容になっていると言われていましたよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。ホルムズ海峡についてはイランが「安全な通航を６０日間…確保する」というだけでなく、それ以降についてはイランが「ホルムズ海峡における将来の管理と海事サービスを定めるため、オマーンと対話を行う」となっている。この「合意事項」にアメリカが調印したということは、イランがホルムズ海峡を今後も「管理」することをアメリカが容認したということになる。イランはその解釈に立って、今になってアメリカがイランによるホルムズ海峡の管理を許さないとして攻撃してくるのは、アメリカこそ「合意」違反だと主張している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ホルムズ海峡を巡る「合意」なるものが、元々曖昧だったんです。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。アメリカとしてはホルムズ海峡を管理する権限をイランに与えた覚えはないというんだろうけど、「じゃあ、なんでそれを匂わすような合意事項に調印したんだ」ということになる。この曖昧さが火種になって衝突が再び起きている。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >全面戦⁠争へ逆戻りするのか?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　もともとあった火種に火がついていよいよ赤々と燃え始めたという感じですね。これからどうなっちゃうんでしょうか。また全面戦争に逆戻りするんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　前月号でも言ったけど、アメリカには逆戻りできない事情があることも忘れちゃいけないよね。それがガソリン価格。6月合意が完全に破棄されたとなれば、ガソリン価格が再び急騰しかねない。<br />
戦争勃発後1バレル=110ドルまで上昇した原油価格(WTI)が、6月の「合意」ともに急落して70ドルくらいまで低下した。ところが、この「合意」が危うくなったことで、今やすでに80ドルくらいにまで戻ってしまっている。その結果、ガソリン価格も再び1ガロン=4ドル台に向けて上昇しつつある。さらに忘れてならないのが、アメリカの原油在庫の問題だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-8ffb4db17477120a9bcef0badda8501be5f6187aaa6c01aff7ca52b761317a78.png" data-rel="SmartPhoto[6545]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>で先生は図2を示されて、「ホルムズの代替調達に世界中が走った結果、アメリカの原油は引っ張りだこになった。でも、アメリカの原油生産は増えていない。つまり、在庫を減らして需要に対応してきたということだ。そのため、図2に明らかなように在庫がどんどん減ってきてしまった」と言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。6月にはあと数週間で「歴史的低水準」に達しかねない。もしそうなったら１バレル=150ドルにまで原油価格が上昇するだろうと、アメリカの石油業界から声が上がっていた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そのことを石油業界の人達がわざわざトランプ政権にまで伝えに行ったと言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はこのことがトランプに6月合意を急がせた大きな要因の１つだと思っている。このままホルムズの封鎖が続けば、この6月の危機的状況が再現されることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、トランプさんはまたどこかで譲歩せざるをえないと。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう思うね。ホルムズを武力で解放できない以上、この勝負はどう考えてもトランプに不利だからね。ただ、6月合意は「事実上のアメリカの降伏」だとして共和党内の強硬派からトランプにかなり批判が出ているので、まだしばらくは軍事パフォーマンスで強気姿勢を示し続けるとは思うけどね。それでもどこか抑制が働いて、再び全面戦争ということにはならないと思っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「合意」に基づく協議が順調に進んでも、経済的なマイナスの影響は秋以降も続くと前月号で言われていましたが、こんなことになってなかなか協議に入れないとなると、さらに影響は長引くことになりそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。石油関係品の仕入れコストや燃料コストはなかなか下がらない。コスト上昇に耐えきれない中小企業が多発して、倒産が増えたりしないか大いに心配だね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >金利が上がっているのになぜ円安?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　中小企業にとってコスト増につながるという意味でもう１つ心配なのが、円安の進行です。とうとう1ドル=162円まで達しました。<br />
<br />
<b>山口</b>　4月末に為替介入が実施されたらしく、一時1ドル=155円台にまで円高に振れたんだけど、その後すぐに円安に戻して今や162円台に達している(図3)。これからもじりじり円安が進んでいく雰囲気だね。</p>








































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<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/637e5eda08b01682e1b327e9d24639ce2e1a3535a6792ce729e00907f13ae178.png" alt="" width="2129" height="1425">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　6月には日銀が政策金利を引き上げましたし、長期金利の指標とされる10年物国債の利回りも上がってきています。<br />
<br />
<b>山口</b>　10年物国債の利回りは去年11月から上昇テンポを高めて、6月末には2.8%に達した(図４)。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　こんな風に金利が上がってきているのなら、日米金利差は縮小傾向にあるということになりますよね。だったら、為替は円高に戻してもよさそうに思うんです。それなのに円安が進んで行っているのはどうしてなんですか。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/07813c883bde9534bf0c101febfd0df2a911427ae51854668da0eadbd93aad34.png" alt="" width="2004" height="1314">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>山口　読者諸氏の中にも同様の疑問をお持ちの方もおられると思うけど、同じような問題意識で日経新聞が興味深い記事(2026年7月18日付け)を書いている。その記事の見出しは——</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote><strong>「高市円安」の様相じわり　積極財政インフレ懸念</strong></blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>——というもの。<br />
この記事は、「外為市場関係者を対象とした7月のQUICK月次調査（6～8日実施、60人が回答）によると、高市政権の『責任ある積極財政』が円安要因になっているとの回答が83%にのぼった」として、最近の円安を「高市円安」だと断定している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「高市円安」ですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　「高市円安」という捉え方は、今や市場関係者のコンセンサスになっている。少し論理的に説明すると、①高市政権が進める「積極財政」は財政収支を悪化させ、国債増発を余儀なくさせる。そこで国債の価格が下がって利回りが上昇する。②他方「積極財政」がインフレを促進するから、そのことで円の価値が低下する。この予測が円安を呼ぶ。<br />
つまり、金利上昇と円安は高市政権の「積極財政」という同じ根を持つ１つの現象、その二側面なのだというわけだ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >高市リスクが中小企業を襲う</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先生はかねてから、金利上昇と円安が共存する「高市リスク」について警告を発してこられましたが、そういう認識が市場関係者や日経新聞などにも共有され始めたということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。それが中小企業経営者の間でも共通認識になっているかどうかはわからないけどね。でも、毎日新聞の7月の世論調査では高市政権の支持率が41%まで落ちて、不支持率が4４％に上昇するという逆転現象が起きた。国民の「高市政権」の政策への疑問が広がってきているのかもしれないね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　心配なのは、先ほど先生も触れられましたが、中小企業の倒産が増えるのではないかということです。<br />
<br />
<b>山口</b>　仕入コスト高、金利高、それに人手不足と中小企業にとっては三重苦だからね。力尽きる企業も増えそうだ。中小建設業の間ではこれはもう現実のものとなってきている。商工リサーチによれば、「コスト高や人手不足などでハウスメーカー（木造建築工事業）の倒産が急増している。2026年上半期（1-6月）は118件発生し、前年同期から約9割増えた」(図5)ということだ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/f8841e0919ed1687439e6c20a69b22d112c5bb32208f48e4dc66df8268cad539.png" alt="" width="948" height="618">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　9割増というのはすごいですね。前半にお話を伺ったイラン情勢も含めて、中小企業にとってはしばらく危険な環境が続きそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　景気ウォッチャー調査(表1) を見ると、景気の現状は「下降」というより「低迷」。でも、こうした数値の背後には中小企業を巡っていろんな悲劇的なドラマが起きているかもしれないという気がしてならない。スモールサン会員の皆さんには情報収集に怠らず、「しなやかに」「したたかに」そして「しぶとく」経営実践を積み重ねていってもらいたいね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/c3cd42b4d64b8001dc3e8b4371aca7478e89e8578ac122ef2da2e04eddc17e81.png" alt="" width="916" height="547">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.7.20</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>社長のためのメンタルヘルスニュース2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_mental-health/entry-6542.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「中小企業でも始まるストレスチェック制度④」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-4">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/large-3238f8c5d0e11350f167e75e7daaf44e278c3c678ec65f10e07321b599e91cbf.png" data-rel="SmartPhoto[6542]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/3238f8c5d0e11350f167e75e7daaf44e278c3c678ec65f10e07321b599e91cbf.png" alt="" width="220" height="211">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<h3 >集団分析結果は「通知表」ではありません <br />
～職場改善につなげるための見方と話し合い方～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>前回は、ストレスチェック制度を活かすためには、「個人結果の取扱い」「高ストレス者への対応」「集団分析結果の取扱い」など、実施前にルールを決めておくことが重要であることをお伝えしました。今回は、その中でもストレスチェック制度の価値を大きく左右すると言われる「集団分析結果の活用」についてお話しします。<br />
<br />
実際に制度を導入した企業からは、<br />
「集団分析結果は届いたけれど、どこを見ればいいのかわからない。」<br />
「数値が悪かった部署には、どのように伝えればよいのでしょうか。」<br />
というご相談をいただくことがあります。<br />
<br />
しかし、集団分析結果は、部署の順位をつけたり、管理職を評価したりするためのものではありません。結果をどのような視点で読み取り、どのような対話につなげていくかによって、その後の職場改善は大きく変わってきます。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >見るべきは「高ストレス者の人数」ではなく"項目"</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>前集団分析結果を見る際、多くの企業が最初に目を向けるのが、「高ストレス者が何人いたのか」という数字です。もちろん、この人数も一つの指標ではあります。しかし、その数字だけを見て一喜一憂しても、職場改善にはつながりません。<br />
<br />
例えば、高ストレス者が前年より減っていたとしても、それだけで「改善した」と判断することはできません。逆に人数が増えていたとしても、「この部署は問題だ」と決めつけることもできません。<br />
<br />
では、何を見ればよいのでしょうか。そこで重要になるのが、各評価項目です。<br />
　・ &nbsp; &nbsp;仕事の量的負担<br />
　・ &nbsp; &nbsp;仕事のコントロール度<br />
　・ &nbsp; &nbsp;上司からの支援<br />
　・ &nbsp; &nbsp;同僚からの支援<br />
　・ &nbsp; &nbsp;仕事のやりがい<br />
など、どの項目に特徴が表れているのかを確認します。<br />
<br />
例えば、「仕事の量的負担」が高いのであれば、人員配置や業務の進め方を見直す必要があるかもしれません。一方、「上司からの支援」が低いのであれば、管理職とのコミュニケーションの取り方や相談しやすい環境づくりを検討することが改善につながる場合もあります。<br />
つまり、集団分析結果は、「ストレスが高い人を探す資料」ではありません。<u>職場で何を改善すればよいのかを教えてくれるヒント集なのです。</u></p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >部署の比較や"犯人探し"は逆効果になります</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>集団分析結果を見ると、「一番結果が悪い部署はどこか。」「○○部だけ数値が悪い。」と、部署同士を比較したくなることがあります。しかし、この見方には注意が必要です。<br />
営業部、製造部、総務部では仕事内容も繁忙期も異なります。部署ごとに置かれている状況が違うため、単純に数値だけを比較しても、本当の課題は見えてきません。<br />
<br />
また、「この部署の結果が悪いのは管理職のせいではないか。」「○○部長だから部下がついてこないのではないか。」というような"犯人探し"になってしまうこともあります。しかし、ストレス要因は一つではありません。<br />
人員不足、業務量の増加、急な欠員、繁忙期、新人教育、組織変更など、さまざまな要因が重なって結果として表れていることがほとんどです。数値だけを見て原因を決めつけてしまうと、本当の課題を見誤るだけでなく、管理職が防衛的になり、改善に向けた本音の話し合いが難しくなってしまいます。<br />
<br />
集団分析結果は、「誰が悪いか」を探すためではなく、「職場で何が起きているのか」を知るための資料として活用することが大切です。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >管理職の「通知表」にしてはいけません</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>私は、ストレスチェック後の集団分析結果について、管理職の方と一緒に振り返る事をしています。<br />
その際、結果が思わしくなかった部署の管理職ほど、<br />
「私のマネジメントが悪かったのでしょうか。」<br />
「部下に申し訳ないです。」<br />
「私の部署だけ結果が悪くて恥ずかしいです。」<br />
と、自分を責める言葉を口にされることがあります。<br />
<br />
集団分析結果を、まるで学生時代の通知表のように受け止め、「結果が悪い＝管理職として失格だった」と感じてしまうのです。しかし、実際にじっくりお話を伺ってみると、そのような管理職ほど、決して手を抜いているわけではありません。<br />
　✓ &nbsp; &nbsp;プレイングマネージャーとして自ら多くの業務を抱えながら部下の相談にも対応している<br />
　✓ &nbsp; &nbsp;慢性的な人員不足の中で、何とか部署を回している<br />
　✓ &nbsp; &nbsp;部下の育成に時間をかけたい気持ちはあるものの、目の前の仕事に追われ、その時間すら十分に確保できない。<br />
そんな状況で毎日必死に頑張っている管理職の方が、本当に多いのです。だから私は、集団分析結果を見ながら、いきなり改善策を考えることはしません。<br />
<br />
まずは、管理職自身の苦労や葛藤に耳を傾けることから始めます。すると、それまで張り詰めた表情だった方が、ふっと表情を緩め、「実は……」と、これまで誰にも話せなかった現場の状況を話してくださることがあります。<br />
「本当はもっと部下と面談したいんです。」<br />
「相談しやすい雰囲気を作りたいと思っているんです。」<br />
「でも、自分自身が毎日仕事に追われてしまって……。」<br />
そんな言葉を伺うたびに、私は改めて感じます。集団分析結果だけでは、職場で起きていることのすべては分からないということを。数字の背景には、それぞれの職場の事情があり、管理職の思いや悩みがあります。<br />
<br />
だからこそ、私は結果だけを見て原因を探すのではなく、「その数字の背景には何があるのか」を一緒に考えることを大切にしています。<br />
その上で、<br />
「今の状況の中で、無理なくできそうなことは何でしょうか。」<br />
「100点を目指すのではなく、まず一つだけ変えるとしたら何ができそうですか。」<br />
そんな問い掛けをしながら、一緒に改善策を考えていきます。最初から大きな改革を目指す必要はありません。管理職自身が「これならやってみよう」と思える小さな一歩を見つけること。その積み重ねが、結果として職場全体の改善につながっていくのです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「評価」ではなく「対話」が改善につながる</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>集団分析結果について話し合う際、衛生委員会などで結果を共有することも大切ですが、その進め方には十分な配慮が必要です。<br />
話し合いが、<br />
「この部署の数値が悪い。」<br />
「原因は○○部長ではないか。」<br />
「管理職がもっと頑張るべきだ。」<br />
というような原因追及型になってしまうと、管理職は自分を守ろうとして本音を話しにくくなります。<br />
<br />
すると、本当に改善すべき課題ではなく、「誰が悪いのか」という議論になってしまい、前向きな改善策は生まれにくくなります。<br />
一方で、管理職が安心して現状を話せる場では、<br />
「実は人手不足が続いている。」<br />
「新人教育と通常業務が重なっている。」<br />
「業務の優先順位が曖昧になっている。」<br />
など、数字だけでは見えなかった背景が少しずつ見えてきます。<br />
<br />
そして、「誰が悪いか」ではなく、「今の状況で何ならできそうか」。この視点で一緒に考え始めると、管理職自身が改善への第一歩を踏み出せるようになります。<br />
<br />
私自身も、第三者という立場だからこそ、管理職の方が安心して本音を話せる場づくりを大切にしています。管理職を評価するのではなく、伴走しながら一緒に改善策を考えていく。そのような対話を重ねることで、管理職の表情が少しずつ前向きに変わり、「まずはこれをやってみます」という言葉が自然と出てくる場面を何度も見てきました。<br />
<br />
集団分析結果は、管理職を評価するための"通知表"ではありません。職場をより良くするための"対話のきっかけ"であり、"作戦会議の資料"なのです。<br />
<br />
<br />
　なお、「集団分析結果をどのように読み解けばよいかわからない」「管理職との話し合いをどのように進めればよいか悩んでいる」という場合は、スモールサン会員の方に限り、初回無料でご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。<br />
<br />
次回は、<br />
「高ストレス者への面接指導をどのように勧めればよいのか」「会社として配慮すべきこと、やってはいけない対応」について、具体的に解説していきます。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><b>咲江プロフィール
</b><div>公認心理士（国家資格）、産業カウンセラー、キャリアコンサルティング2級技能士（国家資格）
</div><div>厚生労働省委託事業　東京産業保健総合支援センター促進員、（社）日本産業カウンセラー協会　認定講師、タッピングタッチインストラクター
</div><div>総合不動産会社、外資系ラグジュアリーブランドで人事総務庶務として、健康診断・給与・人事考課・社会保険・休復職・就業規則・メンタルヘルスなどに16年携わり、その後　独立。
</div><div>現在はカウンセラー、キャリアコンサルタントとして様々な企業でメンタルヘルス・ストレス対策・リラクセーション・コミュニケーションなどの研修や、メンタルヘルスの相談業務、メンタルヘルス制度構築などを行っている。また、小・中学校で不登校児童の支援、震災後に心のケアとして注目を集めているタッピングタッチのインストラクターとしても活動中。
<a href="mailto:sakie_zaki@yahoo.co.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">sakie_zaki@yahoo.co.jp </a></div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>社長のためのメンタルヘルスニュース</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_mental-health/entry-6542.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>金融マンのひとり言　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_hitorigoto/entry-6543.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「コミュニケーション<br />
～見えないもの　聴こえないもの～」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-552389ee3779bd78131f19f97ca7f2cd2d7e869744fbc6235ea35cf6927493f0.png" data-rel="SmartPhoto[6543]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/552389ee3779bd78131f19f97ca7f2cd2d7e869744fbc6235ea35cf6927493f0.png" alt="" width="340" height="346">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>コミュニケーション不足<br />
<br />
コミュ力が高い<br />
<br />
コミュニケーション能力を高める<br />
<br />
ビジネスシーンを問わず<br />
<br />
コミュニケーションという　言葉は<br />
<br />
日常化していますが<br />
<br />
使い手の　定義づけは　あいまいで<br />
<br />
発信者と　受信者の<br />
<br />
ミス　コミュニケーションは<br />
<br />
日常化しています<br />
</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >言語</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>コミュニケーションの　語源は<br />
<br />
「共有すること」「分かち合うこと」<br />
<br />
などといわれています<br />
<br />
発信者は　「伝えたい」を<br />
<br />
受信者と　共有する　ために<br />
<br />
言語を　使い<br />
<br />
受信者との　距離を縮めようとします<br />
<br />
双方の　定義づけが　共有されていないと<br />
<br />
意識的な　言語の力だけでは　距離は埋まらず　<br />
<br />
身体的な　非言語の力を<br />
<br />
活用します<br />
<br />
<br />
コミュニケーションで利用される<br />
<br />
言語には<br />
<br />
書き言葉　話し言葉　手話言語など　があります<br />
<br />
書き言葉の　やり取りは<br />
<br />
記号の　片側通行で　<br />
<br />
溝を生み出しやすく<br />
<br />
対面で　双方通行の　<br />
<br />
話し言葉・手話言語で<br />
<br />
補わざるを得ません</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >伝えたい</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>発信者は<br />
<br />
内面にある　「伝えたい」を<br />
<br />
言葉に　乗せますが<br />
<br />
言葉に乗り切らない　<br />
<br />
ニュアンスを　伝えるためには<br />
<br />
受信者の　身に　なり代わり<br />
<br />
言葉の　つなぎを　文脈に乗せ<br />
<br />
物語を　創り上げ<br />
<br />
その世界を　共有すること　ではないでしょうか<br />
<br />
内面にある　「伝えたい」は<br />
<br />
暗黙知であるので<br />
<br />
体内の　身体感覚を<br />
<br />
意識で作られた　言語に<br />
<br />
変換　しなければならないため<br />
<br />
身体感覚の　感受性が　豊かなほうが<br />
<br />
受信者の　体内へ　響き<br />
<br />
言葉の引出しが　豊かなほうが<br />
<br />
相手の意識の　琴線に　振れやすくなり<br />
<br />
「伝えたい」の共有に<br />
<br />
近づけるのではないでしょうか</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >非言語でおぎなうもの</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>「伝えたい」を　伝えるために　<br />
<br />
共通言語として<br />
<br />
余白が　そぎ落とされた<br />
<br />
記号（コード）を<br />
<br />
多発すると　<br />
<br />
体内にある　想いや　気持ちなどの<br />
<br />
微妙な　ニュアンスが　<br />
<br />
こぼれ落ちてしまいます<br />
<br />
受け手は<br />
<br />
コンピュータのプログラミングのように<br />
<br />
命令（コマンド）と　受け止めがちになります　<br />
<br />
発信者の　思い通りには<br />
<br />
なるかもしれませんが<br />
<br />
分かち合う　という目的の<br />
<br />
コミュニケーションから　遠ざかってしまいます<br />
<br />
共通コードとして使われる<br />
<br />
記号は　<br />
<br />
あくまでも道具であり<br />
<br />
使い手は　<br />
<br />
相手がどう受け止めるか<br />
<br />
想像力を　発揮して<br />
<br />
記号の外にある　<br />
<br />
身体的行為の<br />
<br />
表情や声色<br />
<br />
感覚的表現の<br />
<br />
比喩や擬音<br />
<br />
などを駆使しながら　発信し<br />
<br />
受け手は　<br />
<br />
発信者の　想いを<br />
<br />
汲み取ろう　とする　<br />
<br />
推理力が　求められます<br />
<br />
コード化された言語が<br />
<br />
行き交う　マニュアル化された　組織では<br />
<br />
コミュニケーションは　成就されません</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >パズルを完成する場</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>コミュニケーションは　<br />
<br />
想いの共有化という　パズルの完成図を<br />
<br />
伝え手と　受け手が　共同で<br />
<br />
埋めていく作業　ともいわれます<br />
<br />
昨今は<br />
<br />
核家族化の進行<br />
<br />
個の過度な尊重　<br />
<br />
個（プライバシー）の過保護で<br />
<br />
共同作業を　経験する場が　減ってきています<br />
<br />
人は　共同作業（生活）を通じて<br />
<br />
一人の力では　成しえないことを<br />
<br />
成就し　進化してきたといわれ<br />
<br />
言葉も　進化発展してきたそうです<br />
<br />
過度な　個の尊重は<br />
<br />
共同から得られる　利益の放棄にもなりかねず　<br />
<br />
ソーシャルスキルの<br />
<br />
体得機会の減退と　なってはいないでしょうか</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。<br />
きこえるものは、きこえないものにさわっている。<br />
感じられるものは、感じられないものにさわっている。<br />
おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているのだろう。<br />
<br />
ノヴァーリス</blockquote></div>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><div><img src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202309/f3e535314e58334fc1f5cca9488366f5.png" class="alignright" width="200">
川島和仁（かねかす　ガイ）
</div><div>ゼミ横浜プロデューサー
</div><div><br></div><div>東京都内信用金庫で支店長、企画部、融資部などを歴任（勤続30年超）
</div><div>高校卒業後、外食産業・フレンチレストラン勤務の後、大学を経て信用金庫に入庫
</div><div>中小企業経営者向け講演会で山口名誉教授と出会い、金融論を再学習する。
</div><div>2011年10月から『金融マンの独り言』を執筆中。
</div><div>現在は金融機関勤務傍らゼミ横浜プロデューサーとして、『哲学とアート』をテーマに経営者の学びを追究するとともに中小企業と金融機関の在り方を模索してる。</div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>金融マンのひとり言</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_hitorigoto/entry-6543.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:55 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>瀧本智恵のシネマ・ノート　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_takimoto/entry-6547.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >『<a href="https://www.afoggytale.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">霧のごとく</a>（原題：大濛　英題：A Foggy Tale）』</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>あなたたちを決して忘れない</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >台湾・白色テロの時代</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-b9ced6fca187fa0d6b40bfe16dc5580cc8210b952df0376bf48bb55f93feb837.jpg" data-rel="SmartPhoto[6547]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/b9ced6fca187fa0d6b40bfe16dc5580cc8210b952df0376bf48bb55f93feb837.jpg" alt="" width="340" height="255">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>1950年代、国民党政権による戒厳令下の台湾南部・嘉儀。15歳の少女・阿月がサトウキビ畑の中に入っていく。反政府分子として「特務」（秘密警察）から追われる兄・育雲に食事を持ってきたのだ。束の間の兄妹の会話を断ち切るように追手がやってくる。勇敢であれと妹に言い残して兄は連行された。<br />
<br />
ほどなくして兄銃殺の知らせが届く。遺体を引き取るため阿月は兄の形見の腕時計となけなしのお金を持ち、一人で台北の極楽殯儀館（斎場）へ向かう。怪しい男に騙されて危うく娼館へ売り飛ばされそうになった時、車夫の趙公道に助けられる。<br />
<br />
公道は中国・広東省出身の元国民党兵士だが、故郷に帰ることも叶わずその日暮らしの生活を送っている。白色テロで軍仲間を失い、自身も疑われ特務が付きまとうためにきちんとした職に就くこともできないのだ。それでも阿月を気の毒に思った公道は行きがかり上、放ってはおけず手助けをすると決める。<br />
<br />
阿月は、一度も会ったことのない姉の阿霞を訪ねる。幼い頃に養子になって家を出た阿霞は歌劇団の歌手。お金の工面に奔走し妹と一緒に遺体を引き取りにいく。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >不寛容が招く悲劇は過去のものではない </h3>









































<!-- テキスト -->

<p>監督・脚本はチェン・ユーシュン（陳玉勲）。1962年、台湾・台北生まれ。コメディの名手としてユーモラスに現代社会を描いてきた監督が自国の過去を題材に、完成まで4年の歳月をかけて製作。台湾では昨年11月公開、大ヒット。台湾最高峰の映画賞・金馬奨で最優秀作品賞や脚本賞を含む4部門を受賞。国家権力の横暴の恐ろしさを描きながらも残酷な描写は避け、重苦しいだけのものにはせずエンタテインメントとして作り上げた。だがそこには、ひどい時代の犠牲者たちのことを絶対に忘れないとの作り手の決意がある。<br />
<br />
阿月を演じる方郁婷（ケイトリン・ファン）はアメリカ生まれで現在20歳。幼い頃に台湾へ戻る。阿月の姉・阿霞には台北生まれアメリカ育ちのアーティスト9ｍ88（ジョウエムバーバー）。本作の主題歌も担当。彼女たちは台湾語が話せず本作のために習得したそうだ。趙公道を演じる柯煒林（ウィル・オー）は香港出身。人懐っこい笑顔と大きな声が頼もしい。多様なバックグラウンドを持つ俳優たちの活躍が明るさをもたらす。阿月の兄・育雲に會敬驊（ツェン・ジンホア）。出番は少ないが作品全体の“魂”のような存在になったと陳監督が言う通り、本作の真の主人公なのだと思わせるほどに深い印象を残す。<br />
<br />
因みに鑑賞後にいろいろと調べると、映画の言語は台湾語、台湾華語、広東語などが使われているそうだ。日本語字幕では一切区別がないので分からない。この言語の違いは台湾の複雑な歴史、政治史に深く関わることを遅ればせながら知った。中国語（北京語／普通語）と台湾語は英語とドイツ語くらい違うそうだ。<br />
<br />
70年ほど前の台湾を描いた本作には、違いを恐れ不寛容になることが招く悲劇と、そんな中でも善意と優しさを失わない勇敢さ、辛抱強く生き抜いた人々への敬意が描かれる。それは台湾だけの過去ではなく世界の様々な場所の現在の姿でもある。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td>評者：瀧本智恵（シネマエンジェル代表）
<div>映画好きな中小企業のおじさんたちが設立した小さな映画会社を譲り受け、個人商店主として独立。奮闘中。デイプロモーター。
</div><div>映画上映会をしませんかを合言葉に「ホーム・スイートホーム」シリーズ、「休暇」BOK袴田事件～命とは」等々フィクションからドキュメンタリーまで、秀作・佳作を非劇場配給。応援よろしくお願いいたします。
</div><div>スモールサン会員、東京中小企業家同友会会員。</div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>



































				
				
			]]></description>
			<category>瀧本智恵のシネマノート</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_takimoto/entry-6547.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:53 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>スモールサン事務局便り　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/office_news/entry-6549.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！ <br />
スモールサン事務局です。 <br />
<br />
7月も下旬を迎え、いよいよ夏本番の厳しい暑さが続く毎日となってまいりました。<br />
皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。<br />
<br />
8月から<a href="https://www.smallsun.jp/business_semi/zemi/okinawa/entry-6511.html">スモールサンゼミ沖縄第14期</a>、<a href="https://www.smallsun.jp/business_semi/zemi/sapporo/entry-6528.html">スモールサンゼミ札幌第12期</a>が始まります！<br />
スモールサンゼミでは、山口名誉教授によるマクロ経済の講義の他、スモールサンのネットワークを活かして各分野の専門家を講師にお招きしています。<br />
コスト高・人手不足の中で中小企業の倒産がハイレベルで続いていますため、中小企業は強い覚悟をもって自己変革に挑まなければなりません。<br />
中小企業の様々な経営課題に対応した、自社の経営に活かすことのできる実践的な勉強会となっていますので、お近くの方は是非ご参加くださいませ。<br />
勉強会の様子をお知りになりたい方は、スポット（ゲスト）参加も可能でございます。<br />
詳細は、スモールサン事務局までお問い合わせください。<br />
<br />
厳しい暑さが続きますので、皆さまにおかれましてもどうかご自愛くださいませ。 <br />
<br />
2026年7月 <br />
スモールサン事務局</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>事務局便り</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/office_news/entry-6549.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6525.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第８０回：中東不安・AI革命と世界・日本の経済と市場（SSゼミKYOTOレポート）」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-a6e6b4f2113d74173224da50c23630c59236fadad76471d9cbbdd73070f7169d.png" data-rel="SmartPhoto[6525]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/a6e6b4f2113d74173224da50c23630c59236fadad76471d9cbbdd73070f7169d.png" alt="" width="340" height="225">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<br />
今月の「現場に行く！」は、6月16日に開催されたスモールサン・ゼミKYOTO第13期初回講義の模様をレポートします！<br />
<br />
今回の講師は、国際金融市場や地政学リスクに詳しいリサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社代表の倉都康行氏。折しも国内では日銀が政策金利を1％へ引き上げ、中東情勢をめぐっても停戦合意に関する報道が相次ぐなど、世界経済が大きく動くタイミングでの開催となりました。<br />
<br />
講義で取り上げられたのは、中東情勢、AI、インフレ、金融市場など、いま経営者が押さえておきたい複数のリスクです。個々のニュースを追うだけでなく、それらがどのようにつながり、自社の仕入れや物流、価格、資金繰りに影響していくのか。そうして見えてきたのは、不確実な時代にこそ、経営者が自社の判断軸を持つことの大切さでした。<br />
タイムリーな情勢を経営の視点で学ぶ、ゼミならではの講義の様子をレポートします。</p>









































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<h3 >いま起きていることを、経営の目線で学ぶ</h3>









































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<p>2026年6月16日、スモールサン・ゼミKYOTO第13期の初回講義が開催されました。<br />
講義冒頭、ゼミ長からは「今日一日だけでも、株価やホルムズ海峡など、いろいろなニュースがあった」として、それらを日々の行動や企業運営に役立てていきたいという言葉がありました。<br />
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この日の開催は、まさに情勢が大きく動くタイミングでした。<br />
国内では、日本銀行が政策金利を0.75％程度から1.0％程度へ引き上げることを決定。政策金利が1％台に乗るのは約31年ぶりのことであり、「金利のある社会」へと移行した日本経済が、さらに新たな段階に入ったことを印象づける出来事でした。<br />
また、開催前後には、トランプ大統領が停戦合意に関する発言を行ったとの報道が出て市場が反応。17日にはアメリカとイランが和平に向けた覚書に署名したとのニュースが報じられました。<br />
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こうした情勢の変化は、すでに多くの経営者が自社への影響として実感しているテーマでもあります。その背景には、原油価格の変動は燃料費や物流費に、円安は輸入価格に、金利上昇は資金繰りや設備投資に影響するという構造があります。世界のどこかで起きた出来事が、時間を置いて自社の仕入れ、販売価格、顧客の購買力、金融機関との関係にまでつながってくる。いま経営者に求められているのは、個々のニュースに一喜一憂することではなく、それらがどのように自社の経営環境へ波及していくのかを考える視点です。<br />
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おりしも、この日講師に招いていたのは、国際金融市場や地政学リスクに詳しいリサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社代表の倉都康行氏。テーマは、中東情勢、AI、インフレ、金融市場など、いま世界経済を揺さぶる複数のリスクをどう捉えるかというものでした。<br />
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スモールサン・ゼミでは、決まったテーマを体系的に学ぶだけでなく、その時々に経営者が押さえておくべき情勢をタイムリーに取り上げることがあります。今回のゼミKYOTOも、中東情勢、AI、インフレ、金融政策という複雑なテーマを、経営者の目線で捉え直す機会となりました。</p>









































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<h3 >中東情勢、AI、インフレをつなげて見る</h3>









































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<p>倉都氏が講義の冒頭で示したのは、世界経済の注目テーマが「関税」から、「地政学」「AI」「インフレ」へと移っているという見方でした。<br />
この三つのテーマは、それぞれ別々のニュースとして報じられることが多いです。中東情勢は国際政治のニュースとして、AIは技術革新や業務効率化のニュースとして、インフレは物価や金利のニュースとして扱われます。しかし、倉都氏はこれらを個別に見るのではなく、互いに影響し合うものとして捉える必要があると強調しました。<br />
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たとえば、地政学リスクはエネルギー価格や物流コストに影響します。中東情勢が緊迫すれば、原油や石油製品の供給に不安が生じ、海運や保険、輸送ルートにも影響が及びます。それは結果として、燃料費や原材料費、物流費の上昇につながり、企業の仕入れ価格や販売価格にも関わってきます。地政学は、遠い地域の政治問題にとどまらず、インフレを押し上げる要因にもなるのです。<br />
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一方、AIもまたインフレと無関係ではありません。AIの進展は、企業にとって新たな成長機会であり、業務効率化や新サービスの創出につながる大きな可能性を持っています。しかしその裏側では、データセンターの建設、半導体需要の拡大、膨大な電力消費など、さまざまな資源需要を生み出しています。AI投資が拡大すれば、電力や設備、関連部材への需要が高まり、それがコスト上昇の一因にもなります。<br />
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さらに、インフレが進めば金利が上がりやすくなります。金利が上がれば、AI関連投資に必要な資金調達コストも高くなります。つまり、AIは経済成長への期待を高める一方で、インフレや金利を通じて金融市場にも影響を与え、その金融市場の変化が再びAI投資の環境を左右するという関係にあります。<br />
倉都氏は、このように地政学、AI、インフレが三角形のように絡み合っていると説明しました。<br />
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新聞やテレビでは、日々さまざまなニュースが個別に流れていきます。しかし経営者にとって重要なのは、そのニュースがそれぞれどのように関わっているのか、そして自社を取り巻く市場や経営環境にどのようにつながるのかを考えることです。今回の講義は、個別の情勢を詳しく知ること以上に、複雑に絡み合う出来事をどう整理し、経営の視点で捉えるかを学ぶ時間となりました。</p>









































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<h3 >ニュースの先にある、仕入れ・物流・価格への影響</h3>









































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<p>中東情勢をめぐっては、アメリカとイランの和平に向けた覚書署名のニュースを受け、金融市場ではひとまず安心感が広がりました。株式市場は終戦ムードを織り込み、原油価格も一時的に下落しました。しかし倉都氏は、そこで楽観しすぎることへの注意を促しました。<br />
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金融市場は、ニュースに素早く反応します。しかし、実体経済はそれほど単純には動きません。ホルムズ海峡の通航が再開されるとしても、船舶の運航、保険、港湾や海運の調整、石油関連施設の修復、各国の在庫補充など、実際にモノが流れ、価格に反映されるまでには時間がかかります。金融市場が見ている原油先物の価格と、企業活動に直接関わる石油製品の価格は分けて考える必要があると倉都氏は指摘しました。<br />
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新聞やニュースでは原油先物価格が取り上げられることが多く、そこだけを見ると「原油価格が下がったから安心だ」と受け止めてしまいがちですが、企業が実際に負担するのは、ガソリン、軽油、重油、ジェット燃料、石油由来の原材料などの価格です。原油先物が下がったとしても、すでに高値で仕入れられた在庫が使われている間は、石油製品の価格がすぐに下がるとは限りません。<br />
この時間差は、中小企業にとって重要な意味を持ちます。原材料や燃料、物流費が高い状態で残れば、そのコストは仕入れ価格に反映されます。仕入れ価格が上がれば、企業は販売価格にどう転嫁するかを考えなければなりません。価格転嫁ができなければ利益が圧迫され、転嫁すれば顧客の購買力や受注への影響も考えなければならない。つまり、国際情勢の変化は、やがて現場の見積もりや価格交渉、資金繰りの判断にまでつながっていくのです。<br />
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質疑応答でも、参加者からエネルギー供給や物不足に関する質問が出されました。中小企業の経営者にとって、中東情勢は遠い国の出来事ではありません。特に石油製品や原材料、物流に関わる業種では、「本当に供給は戻るのか」「どのくらいの期間、影響が続くのか」「自社はどこまで備えるべきか」という問いが、現実的な経営課題になります。<br />
倉都氏は、供給が正常化するまでには時間がかかる可能性を示しながら、川上から川下までモノが流れるには段階があると説明しました。原油が動き、精製され、製品となり、物流を経て、最終的に企業や消費者のもとに届く。そのどこかで目詰まりが起きれば、末端に届くまでの時間はさらに長くなります。だからこそ、表面的な価格の上下だけでなく、供給の流れ全体を見る必要があります。<br />
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今回の講義で印象的だったのは、国際情勢を予測すること以上に、その影響がどのような経路で自社に届くのかを考える視点でした。世界情勢が大きく動く時代には、経営判断の前提も変わります。だからこそ、遠くで起きているニュースを自社の現場に引き寄せて考えることが、これまで以上に重要になっているのだと感じました。</p>









































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<h3 >AI時代の期待と不安をどう捉えるか</h3>









































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<p>今回の講義では、AIも重要なテーマとして取り上げられました。AIというと、業務効率化や省人化、新しいサービスづくりなど、企業がどう活用するかという実務的な関心が先に立ちます。実際、中小企業にとっても、AIをどう取り入れるかは避けて通れない課題になりつつあります。<br />
しかし、倉都氏が示したのは、AIは一つの便利な技術であると同時に、世界経済や金融市場を大きく動かす存在にもなっているという視点です。<br />
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特にアメリカでは、巨大IT企業によるAI関連投資が急速に拡大しています。データセンターの建設、半導体の確保、クラウド基盤の強化、人材獲得など、AIをめぐる投資は非常に大きな規模になっています。こうした投資は、短期的にはアメリカ経済を押し上げる力になります。<br />
一方で、期待が大きいからこそ、そこには不安も生まれます。AI関連企業の株価が大きく上昇すれば、それは成長への期待を反映したものとも言えますが、同時に「期待が先行しすぎていないか」という懸念も出てきます。巨額の投資に見合う収益が本当に得られるのか。投資が過熱し、株価が実態以上に膨らんでいないか。そうした問いが、金融市場ではすでに意識され始めているのだといいます。<br />
AI関連投資が拡大するには、多額の資金が必要になります。その資金は株式市場や社債市場、ファンドなど、さまざまな金融の仕組みを通じて調達されます。投資が順調に進み、期待どおりの成長が続いている間は問題が見えにくくても、どこかで収益見通しが崩れたり、金利上昇によって資金調達コストが高まったりすれば、金融市場に不安が広がる可能性があります。倉都氏は、AIと金融が結びつくことで、これまでとは違う新しいリスクが生まれていると指摘しました。<br />
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中小企業にとって、AIはもちろん活用すべき技術です。人手不足への対応、事務作業の効率化、情報収集、企画や営業の支援など、実務に役立つ場面は今後さらに増えていくはずです。しかし、AIを「自社でどう使うか」という視点だけではなく、「AIによって経済全体がどう変わるのか」という視点も持つことで、これからの経営環境を読み解くための重要な切り口になります。</p>









































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<h3 >供給不足の時代に、自社の判断軸を持つ</h3>









































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<p>講義の終盤で倉都氏が示したのは、日本経済が直面しつつある新しいリスクでした。それは、これまでのような「需要不足」ではなく、「供給不足」が経営の前提になっていくのではないかという視点です。<br />
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長く日本経済では、需要をどう増やすかが大きな課題とされてきました。個人消費をどう伸ばすか、企業の投資をどう促すか、景気をどう下支えするか。そうした問題意識のもとで、金融緩和や財政支出が繰り返されてきました。<br />
しかし、これからの経営環境では、そもそも必要なものが十分に手に入らない、あるいは調達に時間とコストがかかるという供給側の制約が大きくなっていく可能性があります。石油製品、労働力、水、食料品、AI技術、リスクマネーなど、倉都氏はさまざまな不足の可能性を挙げながら、経営者がその変化を実感として捉える必要があると語りました。<br />
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供給不足は、単に「モノが足りない」という問題にとどまりません。原材料が足りなければ仕入れ価格は上がり、人手が足りなければ賃金や外注費が上がります。エネルギーの供給に不安があれば燃料費や物流費に影響し、AIを活用しようとしても技術や人材、投資資金が不足すれば、思うように進められないこともあります。必要なものを、必要な時に、これまで通りの価格で調達できるという前提が揺らぎ始めているのです。<br />
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この変化に対して、経営者が考えるべきことは一つではありません。重要なのは、目の前のニュースに反応するだけでなく、自社にとってどのリスクがどの経路で影響するのかを整理しておくことです。中東情勢はエネルギーや物流へ、AI投資は電力や金融市場へ、インフレは金利や仕入れ価格へ、そして供給不足は人材や原材料、資金調達へとつながっていきます。個々の出来事は別々に見えても、経営の現場では一つにつながって表れてくるのです。<br />
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スモールサン・ゼミでは、経営に関する知識を学ぶだけでなく、いま起きている出来事を自社の経営にどう結びつけるかを考える機会があります。情勢は日々変わります。だからこそ、特定の予測に頼るのではなく、複数の可能性を想定しながら、自社の判断軸を持つことが欠かせません。<br />
今回のゼミKYOTOは、世界情勢を読み解く講義であると同時に、不確実な時代に経営者がどのような視点を持つべきかを考える時間となりました。遠くのニュースを、自社の明日の判断につなげる。その積み重ねこそが、変化の激しい時代を生き抜くための力になっていくのではないでしょうか。</p>








































				
				
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			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
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			<pubDate>Mon, 06 Jul 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
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