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		<title>スモールサンニュース - 山口恵里の”現場に行く！”</title>
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		<copyright>Copyright (C) 2026 スモールサンニュース All rights reserved.</copyright>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年5月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6422.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７８回：株式会社Tropical Ketchups」</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<br />
<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-700.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2016年</a>、岐阜県山県市の田中金属製作所を訪ねた私は、ウルトラファインバブルシャワーブームの火付け役であり、シャワーヘッド「ボリーナ」を武器に下請け町工場から自社ブランドメーカーへと大きく踏み出していく田中和広さんの姿を取材しました。<br />
あれから10年。田中さんは、大手の参入にも負けず二度のV字回復を経てファインバブル事業を大きく伸ばし、そして会社の未来を託す一つの手段としてM&amp;Aを選択しました。今回の取材では、この10年の歩みをあらためて伺いました。<br />
<br />
見えてきたのは、M&amp;Aには「成功」や「失敗」だけで語れない様々な側面があるということ。事業承継や成長戦略として有効な戦略である一方で、実際に経験してみて初めてわかる難しさもある――。現在は<a href="https://tksjapan.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社Tropical Ketchups</a>の代表として、キッチンカーをメインとした唐揚げ販売の『岐阜せんから』を展開し、第16回からあげグランプリでは東日本バラエティ賞金賞も受賞されている田中さん。今回はシャワーヘッドで起死回生を果たした時代を振り返りつつ、その先にあったM&amp;Aの「光」と「影」を辿っていきます。</p>








































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<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/9440a15251abe6a67ad90999ca17546f7d3304195cb68d60796a7ce2e89f94d6.png" alt="" width="2272" height="1193">
</div>

































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<!-- テキスト -->

<h3 >下請け町工場から、自社ブランドへ<br />
〜田中さんが切り開いた“売るものづくり”〜</h3>








































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<p>田中さんの家業は、水栓バルブなどの真鍮部品を手がける町工場でした。岐阜県山県市という、水栓バルブの地場産業が根付く土地で育ち、家業を引き継いでからは設備投資を進めながら、より上位の取引先との直接取引を目指していきました。<br />
そうした中で強くなっていったのが、下請けのままではなく、自分たちで価値を決められる商品を持ちたいという思いでした。節水器具の市場を知った時、もっと良いものを、もっと適正な価格で届けられるのではないか――。そんな発想から、自社商品の開発に踏み出していきました。最初のきっかけは節水用のアダプターで、そこから東急ハンズとの接点が生まれ、やがて節水シャワーヘッド、さらにファインバブルのシャワーヘッドへと発展していきます。<br />
<br />
ただ、商品は作っただけでは売れません。店頭に置けば売れるほど甘くはなく、良いものを作っても、それを伝えなければお客さんには届かない。節水シャワーヘッドは当初東急ハンズに置いてもほとんど売れなかったと言います。田中さんは節水への意識が強い業種であるホテルへの営業を細々と続けながら、その後ご縁があったテレビショッピングでブレイクしたことでようやく売れるようになりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >実演販売とメディア戦略で二度のV字回復<br />
〜ファインバブル事業を伸ばした力〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>そのブレイクぶりは凄まじく、1日で1万5000本が売れた日もあったと言います。しかし、そんな追い風も長くは続きませんでした。なんとベンダーが節水シャワーヘッドとは無関係な商品でリコール騒ぎを起こしてしまったのです。結果、そこを通していた販売先には商品を出せなくなり、予定していたテレビショッピングの契約も白紙に。更には、当時長く取引していた水栓メーカーの廃業まで重なり、会社は債務超過を抱えていつ倒れてもおかしくない状態まで追い込まれてしまいました。<br />
<br />
そんな中で起死回生をかけ新たに開発したのが、ウルトラファインバブルのシャワーヘッドだったのです。しかし、当時はまだ「シャワーヘッドに1万円近く払う」という感覚が一般的ではなく、商品を持ち込んでも店側にはなかなか相手にしてもらえませんでした。そこで田中さんが選んだのが、自ら売り場に立つことでした。東急ハンズの店頭で実演販売を行い、自分で商品の良さを直接伝える。そこから少しずつ販売実績が積み上がり、やがてメディアにもつながっていきます。『ガイアの夜明け』で取り上げられたことが大きなきっかけとなり、債務超過を脱して見事V字回復を遂げたのです。<br />
<br />
しかし、ウルトラファインバブルのシャワーヘッドが一躍ブームとなったことで、今度は美容シャワーヘッドに大手が続々と参入してくることとなりました。資本力の強い競合の台頭によって再び業績が急速に落ち込んでいきました。<br />
しかし、そこでも田中さんはメディア戦略に活路を見いだしました。田中さんは自身の販売スタイルを「アーティスト理論」と表現します。路上ミュージシャンが自分の歌を自分で届けるように、経営者も自分の商品を自分で語り、自分で広げていかなければならないと言います。そうした積み重ねがやがて大阪の『ほんわかテレビ』や『モーニングショー』へとつながり、二度目のV字回復を果たしていきます。この田中さんの“売るものづくり”の姿勢こそが、自分の足で市場を切り開き、ファインバブル事業を大きく伸ばした原動力なのだと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >成長の先で、なぜM&amp;Aを選んだのか<br />
〜事業承継と次のステージへの期待〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　ファインバブル事業が伸びていった一方で、その先の会社の形というのもその頃から考え始めていたんですか。<br />
<br />
<b>田中</b>　そうですね。一度目のV字回復の後、一気に会社が伸びた時に思ったんですけど、会社って一気に伸びると多分「成長」じゃないんですね。「膨張」になってくるんです。お客さんも増えるし、売上も上がるし、周りもわっと来る。でも、その分だけ組織強化とか社員教育とか、仕組みづくりが追いついていかない。だからその頃は、社内を整えなきゃいけないとか、次の世代にどうつないでいくかとか、そういうことをかなり考えていました。その時はIPOの話も来ていたんですが、年間3,000万ぐらいコストがかかると聞いて、それなら社員の給与を増やした方がいいと思ってお断りしました。また、ホールディングスを作ったこともあったんですけど、社員の理解をあまり得られなくて、結局は数カ月で解散して元の形に戻しました。M&amp;Aの話も来ていましたが、そうこうしている内に二度目の業績の悪化でサーっと消えていきましたね。<br />
<br />
<b>山口</b>　その後また二度目のV字回復を果たされるわけですが、そうした流れの中で、改めてM&amp;Aが現実的な選択肢になっていったと。<br />
<br />
<b>田中</b>　事業承継って中小企業の大きな課題ですよね。うちは娘が三人で、それぞれ別のことをやっていましたから、このまま自分の代で終わらせるのか、それともどこかに託して続けていくのかを考えないといけなかった。「会社は経営者の器以上には大きくならない」という言葉もあるじゃないですか。実際、社員との考え方の差もあったし、僕が一人で先頭を走り続けることに対する迷いもありました。そういう意味では、会社の未来を考えた時に、M&amp;Aは十分ありだと思いました。大きな会社の資本力や内部統制といった組織力を借りて、会社を次のステージへ持っていけるんじゃないかという期待があったんです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >売却後に見えた現実<br />
〜「続投」の難しさと、分割新設が突きつけたもの〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　M&amp;Aを選んだ時点では、会社を次のステージへ進めたいという前向きな期待があったわけですが、実際にやってみていかがでしたか？ <br />
<br />
<b>田中</b>　強く感じたのは、やはり「売った時点で自分の会社ではない」ということですよね。そこは頭では分かっていたつもりなんですけど、現実になると全然違う。僕は社長を続投する前提で話が進んでいましたし、向こうからも「やってくれるのが条件です」と言われていました。だからそのままバリバリやるつもりだったんですが、例え代表であっても実際は自分の思うようにできるわけではありません。<br />
<br />
<b>山口</b>　以前の講演で、「続投という言葉に騙されてはいけない」とおっしゃっていましたね。<br />
<br />
<b>田中</b>　僕は三年はやってくれと言われていたけど、結果的には二年半で終わりました。勿論それは仕方ないことです。売った以上もう僕の会社ではないんだから、そこは割り切らなきゃいけない。でも、経営者ってやっぱり仕事がしたいんですよ。自分で作って、自分で広げてきたわけですから。M&amp;A後もアパホテルに全室導入してもらえたことや、社員の努力もあって過去最高の経常利益を出すことができました。ただ、それもやり過ぎたのかなと今になると思います。以前ある社長さんに聞いたことがあるんですが、雇われ社長として長く残るなら、赤字にせず、かといって黒字にもしすぎないことが一番だって言ってましたね。<br />
<br />
<b>山口</b>　結局当初の3年を待たずに退任の話をされたと。<br />
<br />
<b>田中</b>　最初に退任してほしいという話を受けたんですが、その後で今度はシャワー部門と部品加工の受注部門を分けたいと言われたんです。で、僕にはその受注部門をやってほしいと。シャワー部門は収益性が高かったですが、受注部門はそこまでではありませんでしたから、要は分割新設して「いいとこどり」をしたいという話ですよね。というのも、私が M&amp;A した時の社長はその時点で既に退任されていて、別の方が社長をされていたんです。前社長からは「申し訳ない」という言葉をたくさんもらいました。<br />
受注部門には当時１２人の社員がいて、それまで賞与も出ていたわけです。でも分割新設してこの部門だけ別会社になったら賞与だって出なくなる。僕は創業者利益をいただいているから、極端に言えば辞めても食べていけます。でも社員は違う。彼らは巻き添えを食ったようなもので、だからこれはM&amp;Aをした僕の責任だなと思いました。会社を残すための手段としてM&amp;Aを選んだはずなのに、結果として社員全員が同じ未来を共有することはできなくなってしまった。この現実は重かったですね。個人としてM&amp;Aが成功しても、会社の歴史や社員みんなの流れまで、そのまま残るとは限らない。そこは本当に覚悟しておかないといけないと思いました。<br />
<br />
<b>山口</b>　それで、その受注部門を引き受けたんですね。<br />
<br />
<b>田中</b>　はい。ただ、実際には受注部門もそれほど収益性が悪い事業ではないんですよ。新設後も経常利益5％くらいは出し続けていましたから。それで現在は弟に社長を引き継いで、僕は今年1月に会長も退任しています。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >それでもM&amp;Aに意味はあった<br />
〜「何を守るか」を決めて臨むために〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　ここまでリアルなM&amp;Aの現実を聞かせていただきましたが、田中さん自身はM&amp;Aそのものを否定しているわけではないんですよね。<br />
<br />
<b>田中</b>　勿論です。実際、ちゃんと創業者利益が確保できたことは大きかったと思います。今思うと安売りし過ぎたかなという感覚はありますけど、それでも会社の価値をきちんと認めてもらえたという意味では良かったと思っています。そして、経営者として次の挑戦ができる土台になりました。食べていくだけなら食べていけるけど、やっぱり経営者マインドって捨てられないんですよ。「何かやりたい」という気持ちがある。僕は見切り発車で唐揚げ事業を始めましたが、M&amp;Aをすることで次に何をするかをゆっくり考えることができると思います。僕自身としてはM&amp;Aは成功したと思っています。<br />
<br />
<b>山口</b>　想定とは違う部分もあった一方で、ちゃんと成果もあったということですね。<br />
<br />
<b>田中</b>　そうですね。むしろ中小企業がなくしてはいけない技術や事業を残していくためには、大事な手段だと思います。でも、その時に自分の思いまで全部残ると思ったら、それは違うよということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　会社や技術を残す手段としては有効だけれど、創業者が抱いていた理想や空気感まで、そのまま引き継がれるとは限らない。<br />
<br />
<b>田中</b>　そうです。だからこそ、やる前に何を守りたいのかをはっきりさせておかないといけないんです。事業を残したいのか、社員の雇用を守りたいのか、自分は売却後も残ってやりたいのか、それとも創業者利益を確保して次に行きたいのか。そこが曖昧なまま入ると、あとで苦しくなると思います。M&amp;Aは目的じゃなくて手段ですから、まず自分が何のためにやるのか、そこを決めることが大事なんだと思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　講演でも、「条件交渉が大事」と何度もおっしゃっていましたね。<br />
<br />
<b>田中</b>　そこは本当に最後の最後までやらないといけないと思います。売ると決めた以上、後はいかに会社の価値をちゃんと見てもらって、きちんと対価をもらうかですから。続投するなら、どこまでの権限があるのか、途中で退任となった時はどうなるのか、そこまで含めて考える必要があると思います。言葉ではいくらでもいいことを言えますからね。<br />
特に創業経営者は、自分でやってきた人ですから、残った後もしっかりやりたくなるんですよ。でも、売った時点でもう自分の会社ではない。そこを受け入れられるかどうかは大きいです。だから僕は、残るなら心と体を分ける覚悟が要ると思ってますし、それができないなら、きっぱり辞めるという選択もあると思います。</p>









































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<h3 >M&amp;Aのその先へ<br />
〜ゼロから挑む、唐揚げ事業という新たな現場〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/afab7c6ff86a1ba75f6d9fe5b73d2ff1c18939bb70339c41319d246d4f627e9c.png" alt="" width="340" height="340">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　先ほど次の挑戦という言葉が出ましたが、現在はこれまでと打って変わって唐揚げ事業を展開されているんですよね。<br />
<br />
<b>田中</b>　はい。今はキッチンカーをメインに『岐阜せんから』という唐揚げ屋さんをやっています。実際にやってみると、これがまた大変で。僕は二代目だったから、もともと会社には機械も人も資産もあったんです。でも今回は飲食ということで、ゼロからイチをつくる大変さをひしひしと感じています。<br />
<br />
<b>山口</b>　どういう経緯で始められたんですか。<br />
<br />
<b>田中</b>　元々は浅草で唐揚げ屋さんをやっている若い人を少し支援してあげてくれないかという話があって、最初は出資する形で関わっていたんですが、結局は自分でもやる形になりました。自分で言うのもなんですけど、これ本当に美味しいんですよ。というのも、唐揚げグランプリで最高金賞を2年連続、金賞を5回受賞した「ケンティのからあげ」のたれを使い、さらに浅草の素焼き煎餅をヒントにお煎餅を衣にして揚げたのが「せんから」という唐揚げなんです。お煎餅を細かく割って、それをコーティングして揚げてますから、冷めてもサクサクでとにかく美味しい。僕はそこに地元の岐阜県山県市で無農薬で育てられたブランド鶏「清流美どり」を使用して唐揚げにしています。<br />
<br />
<b>山口</b>　なるほど、それで<a href="https://senkara.tksjapan.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「岐阜せんから」</a>なんですね！今はキッチンカーでの販売が中心なんですか？<br />
<br />
<b>田中</b>　岐阜市に店舗もオープンしましたが、収益性でいうとキッチンカーがメインですね。また、僕はやっぱり製造業の人間ですから、単に店売りをするだけでなく、卸販売にも力を入れたいと思っています。苦心して完成させたんですけど、これ揚げてから特殊な方法で急速冷凍することで、湯煎するだけでサクサクジューシーにできるんですよ。「【湯煎でからあげ串】清流美どりからあげ串」として岐阜県山県市のふるさと納税返礼品に採用されています。また、名古屋で開催される<a href="https://cte.jp/hawaii-fes/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">ハワイフェスティバル(5月)</a>や<a href="https://tebasaki-summit.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">手羽先サミット(6月)</a>にも出店予定です。良かったらぜひ食べに来てください。<br />
<br />
<b>山口</b>　ぜひ行きたいです！今の事業にも、田中さんらしい「作る」「売る」「広げる」という発想がそのまま生きている感じがしますね。<br />
<br />
<b>田中</b>　結局、唐揚げも競合が多いじゃないですか。その中でどうやって自分たちの商品を選んでもらうかを考えないといけない。そこはシャワーヘッドの時と同じです。早すぎてもダメだし、遅すぎてもダメ。だから、変わったことをやるのは好きなんですよ。冷やし唐揚げ串とか、そういうのも考えています。<br />
<br />
<b>山口</b>　これからの展開も楽しみにしています。本日はありがとうございました！</p>








































				
				
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			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6422.html</guid>
			<pubDate>Thu, 07 May 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
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		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年4月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6382.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第７７回：三星刃物株式会社」</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<br />
今月の別刊ニュースでは、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-702.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2016年5月号</a>以来10年分ぶりに岐阜県関市にある三星刃物株式会社を訪ね、ゼミNAGOYA/GIFU合同メンバーである有限会社梅村工務店の梅村 裕子さん、アーボ株式会社の杉村 和敬さんと一緒に工場見学を体験してきました！<br />
<br />
三星刃物は、明治6年創業、刀鍛冶の流れをくむ老舗刃物メーカーです。長年OEM生産を手がけてきた一方で、自社ブランド「和 NAGOMI」を育て、近年は工場見学や体験を通じて、包丁の魅力だけでなく関という“刃物のまち”の価値そのものを伝えようとしています。<br />
<br />
今回の取材では、三星刃物の歩みや「和 NAGOMI」誕生の背景に加え、工場見学を通して見えてきたものづくりの現場、そして渡邉隆久社長が今描いている地域への広がりと未来についてもお話を伺いました。<br />
一本の包丁の背景にある歴史や手仕事、そして関の未来への思いまでレポートします！</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/982f812b8a903c492c631135ff791705bb7889eabe5b28644f9aa80d99022afb.png" alt="" width="700" height="557">
</div>

































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<p><b>【会社概要】</b><br />
会社名 &nbsp; &nbsp;三星刃物株式会社<br />
所在地 &nbsp; &nbsp;〒501-3217 岐阜県関市下有知5178番地<br />
代表者 &nbsp; &nbsp;取締役社長　渡邉 隆久<br />
創業年月 &nbsp; &nbsp;明治6年5月<br />
従業員 &nbsp; &nbsp;35名<br />
<a href="https://mitsuboshi-cutlery.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">企業オフィシャルサイト</a><br />
<a href="https://nagomi.mitsuboshi-cutlery.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「和　NAGOMI」ブランドページ</a></p>








































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<!-- テキスト -->

<h3 >関はなぜ刃物の町なのか</h3>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/large-34d1dfbaf0f2f932867ccbf6c6e37edd2840c546fe53fd947ec83980f9d8ed11.png" data-rel="SmartPhoto[6382]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































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<p><b>渡邉：</b>関が「刃物の町」ということは、皆さんご存知なんですけども、どうして刃物の町かというと文献も少なく、意外と知られていません。<br />
<br />
<i>一般には良質な水や炭、周辺の自然環境などが理由として挙げられますが、そうした地域は日本中どこにでもあると渡邉さんは言います。では、なぜ関だったのか。渡邉さんが強調したのは、関という土地の持つ地理と歴史的な背景でした。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>関というのは、関東と関西の真ん中の関所です。戦国の世を終わらせるためには、京に上って天皇陛下から勅令をいただいて全国を治められる。つまりここは戦さの通り道だったわけです。『美濃を制すものは世も制す』とも言われた程で、そこで武器としての刀の需要が高かった。関に刀を伝えたのは元重公という人物で、鎌倉時代に九州から来たと言われています。なんで九州からわざわざここまで来るのかというと、ここに来れば飯が食える。大きな需要があるんだから、侍からも取り立ててもらえるわけです。<br />
<br />
<i>関はものづくりに適した土地だったというだけでなく、戦の時代に刀が強く求められる場所だったからこそ、全国から技術を持った人物が集まり、一大産地として発展していったのです。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>刀というのは分業じゃないと作れません。刀匠や研ぎ師、鞘師など色々な人が集まって、この地で分業で刀を作るようになったと言われています。その分業制を近代的な形に変えながら現在まで受け継がれているのが、今のこの関です。関では今も分業制で、これから見ていただく私どもの工場は最後の工程になりまして、その前の工程までは分業制でやっています。<br />
<br />
<i>現在の包丁づくりもまた、関の分業の中で成り立っていると渡邉さん。三星刃物の製品も、焼き入れや冷却、研削、ハンドル加工などを地域の外注先と連携しながら進めていくそうです。焼き入れ後は歪みを取り、さらにマイナス90度以下で冷却すると再び歪みが出るため、一本ずつ職人が確認しながら修正していきます。一部にロボットも導入されていますが、最後は刃付けも磨きも人の手で行われており、最終的には三星刃物の工場で職人が一本ずつ手で仕上げていきます。現代のものづくりの中にも、関ならではの分業と手仕事が息づいているのです。</i></p>









































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<h3 >創業153年、刀鍛冶の流れをくむ刃物メーカー『三星刃物』</h3>









































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<p><b>渡邉：</b>三星刃物は明治6年、1873年の創業で、今年153年。私が5代目になります。創業者は曽祖父の渡邉善吉氏で、もともとは「渡邉善吉商店」として始まりました。祖父、そして父の代を経て現在の「三星刃物」という社名になりました。これは渡邉家の家紋に由来しています。お皿の上にお団子が3つ乗ったような渡邉紋というものなんですけども、これは別名三星紋と言いまして、そこから取ったのが現在の社名です。<br />
<br />
<i>さらに家系を遡ると、三星刃物のルーツは刀鍛冶に行き着くといいます。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>曽祖父の代は鍛冶屋で作った打ち物、例えばハサミだとか糸通しといったものを販売していたようです。その後、祖父の代にはアジアを中心に販路を広げ、父の代では戦後の高度成長期を背景に、いち早くアメリカ向けのOEM生産へと事業を広げていきました。OEMはお客様から注文いただいた数量を作れば在庫を持たなくていいし、自社での販売もしなくていいため、ビジネスモデルとしては理想的でした。<br />
ただ、その一方で競争が激しくなるほど利益は削られていきます。1985年のプラザ合意をきっかけに中国に生産拠点をつくり、20年ほど製造を続けてきたものの、現地メーカーの力がついてくるにつれて状況は厳しくなっていきました。<br />
<br />
<i>粗利が少なくなり、競争が激しくなるとともに注文も減っていく。なんと、ある日には取引先の上位3社の注文が一気になくなったと言います。</i></p>









































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<h3 >OEMメインの会社が、自社ブランド「和 NAGOMI」を生むまで</h3>









































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<p><i>そんな中で、自社ブランドづくりのきっかけになったのは、意外にも奥様の一言でした。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>家内はパン教室を開いているのですが、ある日生徒さんから「いい包丁が欲しい」と言われたんだそうです。ところが、OEM生産がメインの当社には、そういう時にお勧めできる自社ブランドの包丁がない。それを「１５０年以上続く老舗企業なのに、なんで自社ブランドがないの？」と聞かれたんです。それで「じゃあ作ろう！」と決めたんです。<br />
<br />
<i>ここで意外だったのは、渡邉さん自身がその時「『いい包丁とは何か』が分からなかったんです」と話したこと。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>OEMをやっていると、その定義がないんですよ。お客さんからスペックをもらって、その通りに作る。その中でコストを安くできればそれだけ利益になる。それがOEMビジネスです。だから、いざ「いいもの」を作ろうとしても、まず「いいもの」の定義が分からないんです。それで関の刃付けで有名な私の師匠の工房に毎日通いました。そこには師匠に刃付けをしてもらうために関の有名な包丁が集まってくるので、「それを見て、自分で刃をつけて、感じろ」ということです。そうした中で出会ったのが、440Aモリブデン鋼という鋼材です。近年は切れ味を重視する硬度の高い鋼材が主流ですが、440Aは錆に強いだけでなく、粘りのある特性を持っています。この鋼材を一枚刃として砥ぎ出し、巧みな焼き入れと刃付けを行うことで、鋭い切れ味でありながら、しなやかな刃身を作り上げることができました。<br />
また、刃だけでなく、ハンドルにもこだわりました。手に馴染むように緩やかな丸みを帯びた持ち手は、刃身とハンドル、リベットの境目が分からないほど滑らかになるよう自社工場で一つひとつ手作業で仕上げています。耐水性の高いスペイン製の強化合板を使うことで、防水の塗装を施さず、木目が美しい仕上がりになっています。その他にも刃との重量バランスなど、関の職人さんたちの叡智を集めて完成したのが「和 NAGOMI」の包丁です。<br />
食というのは人と人をつなぐコミュニケーションです。家族での団らんの食事や友達との食事など、コミュニケーションが弾む中で「和み」が生まれる。この包丁で料理することによって、もっと楽しいコミュニケーションが、和みが生まれるようにという想いから「和 NAGOMI」と命名しました。</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://nagomi.mitsuboshi-cutlery.com/" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/aa74978e297df70fc7ab9af1dd1f3dc73d4a7571fed5b84fb849b7f26697cbe3.png" alt="" width="700" height="326">
	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p><i>こうして、いよいよ形になった「いい包丁」。しかしここからがまた大変だったと、渡邉さんは振り返ります。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>OEMしか作ってこなかった工場で、高品質な自社ブランド包丁を作れというのは、軽自動車の量産品を作っている工場で急にBMWのプレミアムシリーズを作れと言ってるのと同じなんですよ。実際、出来上がった製品を私が1本ずつ検品すると、95％がやり直しになる。当然現場からの反発も凄くて、「俺たちは美術工芸品作ってるんじゃない」「こんなんで飯が食えるわけない」「社長、検品に何分かけてるんですか？」と凄い剣幕で怒られる。それでも一歩も妥協せず、「社長があんだけやるんなら仕方ないか…」と何とか納得してもらって出来上がりました。<br />
ところが、今度は中々売れないわけです。OEMをやってたんで売り方を知らないんですよ。それで夫婦で百貨店の売り場に立って販売しましたが、1日せいぜい5本、10本売れたら大成功。売れないから、当然社内の反発もより強くなる。そんな中でも諦めず、海外の展示会にも積極的に参加しました。そこで転機になったのが、フランクフルトの展示会でした。ドイツ人からこの包丁の品質はBMWだ！でもBMWはドイツの企業がつくるもので、「日本企業は日本らしい包丁を作れ」と言われショックを受け、隣のブースのフランス人に相談したところ、「今フランスでは日本人のシェフが活躍してて、フランス人のシェフはすごく尊敬してるよ。彼が使ってくれたら面白いかもしれないね」と言って、フランス・リヨンの日本人シェフ、新居 剛氏の本を見せてくれたんです。<br />
勿論彼とは何のコネも繋がりもありませんでしたが、とにかく藁にもすがる気持ちで「一度使ってみてもらえませんか？」と彼のお店にメールを送ったんです。すると、使ってみてもいいと返事が来たんです。「ただし僕はプロだから厳しいよ」と。それで本当に包丁を送ってみたところ、「日本の包丁としての凛とした佇まいがあって、僕は好きだ。応援するから頑張れ」と評価してくださって、何と新居さんと仲間のシェフが「和 NAGOMI」を使っている写真を無償で送ってくれたんです。<br />
<br />
<i>社内の反発にも妥協せず、覚悟と信念を持って挑んだものづくりが功を奏した瞬間です。この出来事が大きな自信になり、「この人が認めてくれたんだから、きっと売れる」と販売にもより力が入る。すると少しずつ売れるようになり、次第にテレビや雑誌にも取り上げられるようになりました。こうしてブランドが成長していくことで、最も変わったのは社員の意識だったと言います。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>社長がいくらブランドの重要性だとかお客様を大事にとか言っても響かないでしょ。でも、お客様からお礼の手紙や電話をいただいたり、自分が使ってみて良かったから大切な人への贈り物にしたいといった注文が入るようになったんです。そうした声に触れると、もう手は抜けなくなる。若い子からどんどん変わっていきましたね。ブランドって何かと言うと、やっぱり自分が本当に愛して、そして「ありがとう」と言ってもらえるのがブランドなんだと私は思います。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >工程を知ると、一本の包丁の見え方が変わる</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>ここでいよいよ工場見学へ。広報の佐藤さんから、まずは展示された工程サンプルの説明を聞きます。<br />
プレスで型を抜く、焼き入れをする、先に向かって薄く加工する、ロゴを入れる、ハンドル材を組み合わせる、研磨をかけて仕上げていく等。実際にはもっと多く細かい工程が、<br />
関市内の様々な企業との連携で進められています。一本の包丁が地域の分業の中で作られていることがよく分かりました。<br />
<br />
特に印象的なのは、ハンドル部分の仕上げです。完成品からは想像できないほど、最初はピンが大きく出っ張った状態になっていて、そこから少しずつ削って滑らかにしていきます。佐藤さんによると、磨きの工程は職人がやるところだけでも6工程。職人一人当たり大体1日20本できるかどうかと言います。美しい持ち手の裏に、これだけ細かな手仕事が積み重なっているのかと驚かされました。</p>








































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<!-- 画像 -->
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</div>






































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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p>工場内では、ロボットを使った工程も見せていただきましたが、そこでも人の手は欠かせません。「機械を購入しただけでは動かせなくて。職人の動きを真似させるような設定をして、なんとか使えるようになっています」と佐藤さん。ハンドルを組み合わせた後、まずは人の手でピンの部分を削り、その後ロボットがサンドペーパーに当てて全体を整え、さらにその後の仕上げは再び人の手に委ねられます。</p>








































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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p>仕上げの磨きも、工程ごとに分かれての流れ作業ではなく、一人が最初から最後まで担当しているそう。何故かというと、それが職人のモチベショーンになるから。「流れ作業にした方が生産性は上がるかもしれませんが、やっていて楽しくないじゃないですか。最後まで一人が責任を持って仕上げる方がやる気も出るし成長できます。現場からの意見で採用されました」と佐藤さん。<br />
<br />
さらに刃付けの工程では、「和 NAGOMI」ならではの工夫も教えていただきました。持続性を高めるため、先端を二段に分けて刃付けしているのだそう。最後は牛革でバリを取り、一本一本切れ味を確認して仕上げていくそうです。実際に、バリが残った状態のものと仕上がったものを比べさせていただくと、その差は一目瞭然でした。見た目にはほとんどわからないのに、切れ味はまるで別物です。</p>








































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</div>

































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<!-- テキスト -->

<p>そして今回の見学では、一般向けの通常プランにはまだ入っていない研ぎ体験も、特別に体験させていただきました。渡邉さんに指導していただきながら、まだ刃付けをされていない小さな刃を自分で研いだのですが、これがなかなか難しい！直前に職人による刃付け工程を見たこともあり、あの切れ味鋭い包丁はまさに職人の技術で出来ているのだと体感できました。出来上がったものは、何と名入りのペーパーナイフに！ 研ぎ前は全然切れなかった紙がスパッと切れて感動しました。この研ぎ体験もゆくゆくはプランに入れたいと渡邉さん。ぜひ多くの人に体験して欲しいなと思いました！</p>








































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	</a>
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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p>こうして、一本の包丁が完成するまでの工程を追っていくと、多くの手間と判断の積み重ねの上に成り立っていることがよく分かります。工場見学を終える頃には、「和 NAGOMI」の見え方だけでなく、関の刃物づくりそのものの見え方も、少し変わっていました。</p>








































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<!-- テキスト -->

<h3 >「関の刃物」に、もう一度価値をつくりたい</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p><i>そしてここからは、三星刃物一社の話ではなく、もっと大きな視点で「関の刃物」のこれからを見据えた取り組みについてお話いただきました。今、渡邉さんは「関の刃物」をもう一度地域のブランドとして育て直すための働きかけを始めているといいます。この工場見学を始めたこともその一環。その背景にあるのは、人口減少の進行と地域の衰退に対する危機感です。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>これを今やらなかったら地域は衰退し、最後に残るのは大手の強烈なブランドだけです。しかし、彼ら大手はどこでもモノが作れる。別に関でなくても、日本でなくたっていい。でも我々は違います。地域全体としての力が弱まれば、この土地ならではの刃物産業の土台そのものが揺らいでしまう。世界的に有名な刃物産地であるドイツのゾーリンゲンにはヘンケルという強いブランドがあるが、彼らはベトナムでも生産しています。イギリスのシェフィールドでは、刃物産業そのものが厳しくなる中で、高級品や医療用などに特化した企業が生き残りました。じゃあ我々、関はどうするのか？私は「刃物の街」として残るべきだと思っています。なぜなら、関には「刀鍛冶から紡いだ街」という歴史があるからです。<br />
<br />
<i>“歴史”は、単なる昔話ではありません。他の地域にはない価値であり、世界に向けて発信できる資産であり、武器になるものです。しかし、同時に渡邉さんは既存の地域ブランドへの違和感を語ります。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>関にはすでに「関の刃物」というロゴもあり、地域ブランドとしての取り組みはありました。でも誰もそのロゴを使っていないんです。何故かというと、価値がないから。色んな企業にロゴを使ってもらうために基準を下げた結果、自分のブランドを持ってる老舗は地域のロゴを使う意味がないんです。それでロゴ自体の価値が下がり、誰も使わなくなってしまっている。現に「和 NAGOMI」も使っていません。<br />
ただ組合が何となく地域ブランドを作って、「皆さん使いましょうね」とやったところで訴求力もないし告知にもなりません。必要なのは、歴史認識も含めて「関の刃物」とは何か？から始めて、自分たちの真の強みとは何か、今やらなければならないことは何かを勉強し直すこと。そして何より、それを「勉強して終わり」にしない実行力です。<br />
そこで今電通名鉄さんや名鉄観光さんも巻き込んで、「実行」を念頭においた地域ブランドの再構築をしようと取り組んでいます。今はまだ刃物組合を何とか口説いて今度説明会をやらせてもらうという段階ですが、その後は全６回の勉強会、その先には夜間鍛錬イベントの開催や東京のポップアップショップなどを実現していきたいと思っています。<br />
<br />
<i>三星刃物の工場見学もまた、その取り組みの第一歩だと言います。関の包丁を知ってもらうことはもちろん、関という土地そのものに関心を持ってもらう入口をつくること。また、自分が先行事例として動くことで、他の企業が真似して始めやすくなればと語りました。</i></p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >若い社員が動かした、三星刃物のDXと組織改革</h3>








































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	<a href="https://www.instagram.com/nagomi.mitsuboshi/" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/c354e38d394846d4685bed3435ef0d3f27e5a6720d3a60a78385f6355db698db.png" alt="" width="340" height="231">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><i>こうした地域や未来を見据えた取り組みに挑戦できている背景には、社内で若い社員たちが育ち、現場を動かし始めていることが大きいと言います。実際、10年前に三星刃物さんを取材させていただいた時とは、社内の風景も雰囲気も大きく変わり、若い職人さんが生き生きと働いている様子が伝わってきました。これには「和 NAGOMI」がブランドとして成長したこともあると言います。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>「『ものづくりがしたい』という若い人が入ってくるようになりました。インスタを見て入ってきた人もいます。彼らが自分たち主導でDXや効率化を積極的に進めてくれています。例えば、工場見学で話があったと思いますが、現場ではあえて分業制にしない。一人の職人が1本の包丁を作ることでモチベーションを保てるし、何か問題があった時には自分でどこが悪かったのか分かる。そういう育て方をしないと職人は育たないって職人頭に怒られたんですよ（笑）。でもそうすると固定費は上がるし、職人が育つまで売り上げも落ちるのを覚悟しなきゃいけない。それで、若い社員たちが中心になってどうしたら効率を上げられるかを本気で考え始めたんです。<br />
まず彼らはデータを集め出すんですよ。工程ごとに職人一人ごとの仕上げの秒数まで計算するんです。コストをかけないようGoogleのアンケート機能を使って、誰がどの工程に何秒かかったか、品質のランクはどうか、不良率はどうか、さらに不良がどの工程で出ているのかまで分析しました。それで一番効率の良かった人のやり方を全員でシェアし、逆に効率が落ちている部分も理由を一つずつ探っていく。すると「ここの工程で不良率が高いのは、どうやた彼の目が悪いからだ。じゃあ、彼は別の工程をやってもらおう」となる。<br />
<br />
<i>こうした地道な分析の積み重ねが、現場を変えていったのだといいます。ある程度現場の理解が進むと、本格的なソフトやタブレットも導入されました。変化は工場の中だけにとどまらず、営業と工場が連携し、販売計画に合わせて生産を考える体制ができてきたそうです。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>年間計画を立てて、そのためには月ごとに何をやっていくのか。営業担当が「ここでこういうプロモーションを打ちたいから工場に相談しよう」とか、「ここで新製品を入れた方がいいよね」といった計画が自主的に動いていくわけです。今は元々大手でバイヤーをしていた人が、自分でブランドを作りたいと言ってうちに入ってくれて、予算設定や在庫管理、人事評価なんかも整い始めています。そんな最中私がポッと出て「新しくこれやりたいんだけど」とか言うと、年間計画に入っていません、みんな忙しいのです！社長の思いつきはやめてください。と皆からブーイングを食らうわけです（笑）。じゃあ、わかったと。俺は組合とか関の刃物ブランドのことをやるから、お前たちは会社で利益出してくれと話しています。<br />
<br />
<i>現場改善から営業連携、組織づくりまで、若い社員たちが中心となって会社を動かし始めている。だからこそ渡邉さん自身も、会社の外へと視野を広げ、地域に向けた新しい挑戦に力を注げるようになっているのだと感じました。</i></p>









































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<h3 >体験を入口に、関の刃物と地域の未来をひらく！</h3>









































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<p><i>今回の工場見学では、三星刃物一社の取り組みだけではなく、関という地域全体の未来についても聞くことができたのが印象的でした。</i><br />
<br />
<b>渡邉：</b>うちでもこれだけできるんだから、他の企業さんもできるよというシグナルになればと思っています。皆がそれぞれ工夫すれば、もっと面白いことができる。ここに来てもらう理由になるのは、やはりここにしかないものがあること。関市には「刀鍛冶から続く刃物の街」というここにしかない歴史あります。<br />
<br />
<i>現代の包丁づくりも、その根っこには刀鍛冶の歴史がある。その物語ごと伝えていくことが、地域の価値を高めることにつながるのだという考えが、一貫していました。渡邉さんが見据えているのは、自社だけがブランドや工場見学で人を呼ぶことではなく、地域の企業がそれぞれの強みを生かして人を迎え入れる流れをつくること。その先に、関という地域全体のにぎわいや、刃物の町としての新しい魅力が生まれてくるのだと思います。動き始めた三星刃物と地域の未来への取り組みを、引き続き楽しみにしています。ありがとうございました！</i></p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/large-ded21f81d3a2b2da2004b87ded273290ea2554f6a2e1801593d9244c94879da7.png" data-rel="SmartPhoto[6382]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/ded21f81d3a2b2da2004b87ded273290ea2554f6a2e1801593d9244c94879da7.png" alt="" width="700" height="485">
	</a>
</div>

































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6382.html</guid>
			<pubDate>Mon, 06 Apr 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年3月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6348.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７６回：ゼミKYOTOレポート 〜“がんばらない効率化”が会社を変える〜」</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「山口恵里の“現場に行く！”」は、ゼミKYOTOの模様をレポートします。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202603/large-7ab51678185651632aff11e2a1fb699832a89e8bf7c698efbfa5941d09e63501.png" data-rel="SmartPhoto[6348]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>今回ご登壇いただいたのは、千葉県を拠点に“食の一気通貫モデル”を築き上げてきた株式会社諏訪商店 代表取締役の諏訪寿一氏。<br />
千葉県産の食材にこだわった直営店舗「房の駅」を16店舗展開し、自社農場での生産、味噌や佃煮などの製造、県内外への卸売、通販、さらには牛乳配達網を活用したラストワンマイル配送まで――農業から製造、卸、小売、配送までを自社でつなぐ独自の経営を実践されています。<br />
<br />
戦略的なM&amp;Aによって事業を拡大しながらも、その根底にあるのは「頑張る」のではなく「仕組みで回す」という思想。<br />
今回のテーマは、著書のタイトルでもある『がんばらない効率化』です。<br />
皿洗いの実験から始まった90分の講義は、経営の“思い込み”を静かに、しかし確実に揺さぶる時間となりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >千葉の“食”をつなぐ経営者──諏訪寿一氏の原点</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>諏訪さんが家業である諏訪商店に入社したのは1996年。大学卒業後は大手食品卸会社に勤務し、現場で流通の仕組みを学びました。学生時代から勉強を続けていた中小企業診断士の資格を取得し、結婚を機に帰郷。当時の諏訪商店は、観光土産品の卸売が主力事業で、製造機能も一部ありましたが、ビジネスの軸足はあくまで“卸”にありました。<br />
入社当時、会社は決して順風満帆ではありませんでした。既存の卸売事業は頭打ちの傾向が見えはじめ、新たに始めた小売事業もうまく軌道に乗っているとは言えない状況。そんな中で迎えたのが、東京湾アクアラインの開通でした。観光需要が一気に高まり、売上は急伸。いわば“神風”が吹いた瞬間です。<br />
<br />
しかし、その追い風は永遠には続きませんでした。翌年以降、売上は再び減少へと転じます。<br />
「神風は永遠には吹かない」<br />
この経験が、諏訪さんの経営観を大きく形づくりました。環境に左右されるのではなく、自ら構造を変えなければならない。卸売だけでは限界がある。何か新しい柱をつくらなければならない──。そうした危機感が、次の一手へとつながっていきます。<br />
<br />
そして2002年に立ち上げたのが、千葉県産の食材にこだわった直営店舗「房の駅」です。特徴的だったのは、観光客をメインターゲットにしなかったこと。あくまで主役は地元のお客さま。地元の方が日常的に利用する店を目指すことで、結果として観光客も「地元に愛される店」を求めて集まる──そんな戦略でした。<br />
また、諏訪さんは早い段階で、卸と小売では“DNAが違う”と気づきます。卸の論理だけでは小売は回らない。そこで、小売経験のある弟を呼び戻し、店長として現場を任せました。組織に異なるDNAを取り入れたことは、その後の展開に大きな影響を与えます。<br />
こうして房の駅は1店舗、2店舗と拡大。現在では16店舗を展開するまでに成長しました。地元密着型の店舗運営を徹底しながら、千葉の名産品を磨き上げ、自社農場や製造部門との連携も強化。単なる小売ではなく、地域資源を活かす拠点として進化していきます。</p>









































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<h3 >M&amp;Aで広げた“食の一気通貫モデル”</h3>









































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<p>房の駅の展開と並行して、諏訪さんが次に打った一手がM&amp;Aでした。<br />
最初のM&amp;Aは2009年。得意先でもあったナカダイという卸売会社から「会社を引き継いでほしい」という話が持ち込まれたことがきっかけです。ナカダイは千葉県外の量販店や質販店に商品を卸しており、諏訪商店とは商圏が重なっていませんでした。<br />
当時、諏訪商店の卸売は県内中心。ナカダイを取得することで、県外への販路を一気に広げることができる。しかも、生協など品質基準の高い取引先が多く、結果的にグループ全体の商品力の底上げにもつながりました。<br />
<br />
次に大きな転機となったのが、2016年の小川屋味噌店のM&amp;Aです。<br />
諏訪さんは当時、小売と卸だけでなく、より強い“メーカー機能”を持たなければならないと考えていました。ちょうど自社農場の法人化も進んでおり、「農業―製造―販売」を自社内で完結できる体制を構想していた矢先に、小川屋味噌店の話が舞い込みます。<br />
実際に現地を訪れて驚いたのは、欲しかった機能がすべて揃っていたことでした。味噌の醸造設備だけでなく、野菜の加工室、発酵室、パッキング設備。これがあれば、味噌に限らず佃煮や漬物、瓶詰、甘酒など、さまざまな加工食品に展開できる。まさに製造のハブとなる拠点です。<br />
小川屋味噌店は、自社農場とも、房の駅とも、卸売部門ともつながる存在となりました。単体の工場取得ではなく、グループ全体の構造を強くするM&amp;Aだったのです。<br />
<br />
その後も、佃煮メーカーの統合、ピーナッツ菓子の自社工場設立と、メーカー機能を着実に強化。現在ではグループで扱う商品の約2割を自社製造できる体制を整えています。<br />
さらに一昨年には、牛乳配達網を活用した卸売会社、アーネスト・エフツーをM&amp;Aしました。<br />
牛乳配達と聞くと縮小市場のように思えますが、実際には全国で約300万世帯が利用しているとも言われます。15世帯に1世帯が牛乳配達を取っている計算です。諏訪さんは、この“ラストワンマイル”の配送機能に可能性を見出しました。<br />
牛乳配達店が既存顧客にチラシを配布し、注文を取りまとめる仕組みは、在庫リスクが少なく、販促コストも抑えられるビジネスモデルです。自社商品を直接エンドユーザーへ届ける新たなチャネルとして、戦略的に位置づけられました。<br />
<br />
こうして農業、製造、卸、小売、通販、そして配送までが一本につながっていきます。<br />
諏訪さんのM&amp;Aは、単なる規模拡大ではありません。隣接異業種をつなぎ、シナジーを最大化する構造づくり。事業を広げながら、千葉の“おいしい”をつなぎ続ける経営。<br />
その背景には常に「どうすればもっと効率よく、無理なく回る仕組みにできるか」という問いがありました。「もっと頑張る」ではなく、「頑張らなくても回る仕組みづくり」へ。それが今回の講演テーマでもある「がんばらない効率化」でした。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td>諏訪さんへのインタビュー記事はこちらからお読みいただけます。&nbsp;<div><a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-4986.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">別刊スモールサン・ニュース2023年8月号</a></div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>




































<!-- テキスト -->

<h3 >ゼミKYOTOで語られた「がんばらない効率化」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>講演は、こんな問いから始まりました。<br />
<br />
「皿を10枚洗うとき、皆さんどうやっていますか？」<br />
A：全部を洗剤で洗ってから、まとめてすすぐ。<br />
B：1枚ずつ洗剤で洗い、その都度すすぐ。<br />
<br />
多くの人は感覚的に「まとめてやった方が効率が良い」と思いがちです。<br />
しかし、実験結果はB。1枚ずつ完結させる方が約20％速いというのです。会場からは「え、なんで？」という声が自然と漏れました。<br />
<br />
効率が落ちる原因は“まとめる”ことによって発生する余計な動作にあるのだと諏訪さんは言います。取って、置いて、また取る。この“中間の動き”こそが無駄なのだと。<br />
そこで、参加者全員で1円玉を使った実験も行われました。10枚をためて処理する方法と、1枚ずつ完結させる方法。実際に計測してみると、多くの参加者が「ためない」方が速くなることを体感しました。これまで130人以上に検証してきたデータでも、約9割が生産性向上を確認しているそうです。<br />
<br />
キーワードは、「ためない」「まとめない」。<br />
効率化というと、コスト削減や人員削減を連想しがちです。しかし諏訪さんの話は違います。現場を疲弊させず、無理をさせず、それでも生産性を上げる。そのための“仕組み”の話なのです。<br />
日々の作業や仕事、ある程度「たまって」から「まとめて」やるという人は多いでしょう。しかし、「ためない」「まとめない」を実践することで、生産性は2割近くも変わるのだと諏訪さんは言います。<br />
「『ためる』やり方で仕事をしている会社さんは多いです。社長がためるなと言っていても、現場に行けば行くほどしています。この2割の違いが会社の中で起きてると思うとゾッとしませんか」<br />
この視点こそが、今回のゼミの核心でした。</p>









































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<h3 >生産性を2割変える「5つの型」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>「ためない」「まとめない」。この二つのキーワードを軸に、その後も1円玉を使った実験を交えて講演は進みます。<br />
紹介されたのは、生産性向上のための「5つの型」。<br />
<br />
<b>① 一人分業からの一気通貫法<br />
</b>皿洗いの例がこれです。<br />
一つの仕事を「まとめて処理する」のではなく、1件ずつ完結させる。途中で置かない。取ったら最後までやる。この“取って置く”という動作が減るだけで、生産性は2割近く変わる。<br />
<br />
<b>② 複数人分業からの一気通貫法<br />
</b>続いて紹介されたのは、郵便物の開封実験。<br />
一人が封筒を切り、もう一人が中身を取り出す。いかにも効率が良さそうな分業ですが、実際は一人で「切る→出す」を完結させた方が速い。実験では36％もの差が出たそうです。<br />
さらに、バケツリレーの例。人が増えれば増えるほど、中継の回数が増え、かえって遅くなる。町内会の櫓づくりや、物流現場の積み込み作業にも同じ構造が潜んでいると指摘します。<br />
「協力＝効率アップ」と思い込んでいないか。ちょっとドキリとする指摘でした。<br />
<br />
<b>③ 大から小に変換法<br />
</b>「ためる」ことが起きるのは、そもそも「ためられる環境」があるから。<br />
そのため諏訪商店グループでは、あえて作業台を小さくしています。大きなパレットや大型カゴ台車をやめ、小さな単位に切り替えることで、余白が減り、通路が生まれ、無駄な載せ替え作業も減ったといいます。米袋も30キロではなく10キロに。重さを小さくすることで、より多くの人が作業できるようになり、結果的に生産性が上がりました。<br />
「うちは『大は小を兼ねる』ではなく『小は大を兼ねる』と言っています」<br />
<br />
<b>④ 時間ピボット法<br />
</b>なんと諏訪商店グループでは、１０社の経理をほぼ一人で回しているのだそうです。それを可能にしているのも、「ためない」「まとめない」仕事の仕方。<br />
通常は1社ずつ完結させてから次へ進む。しかしそれでは“待ち時間”が発生し、仕事がたまっていく。そこで9時〜10時はA社、10時〜11時はB社、11時〜12時は…と、これを毎日繰り返す。毎日少しずつ完結させることで、仕事をためない。<br />
製造現場でも同じ。大量ロットを生産し、在庫をためて出荷するのではなく、小ロットで生産機会を増やす。そうすることで繁忙期でもギリギリまで注文を受け付けることができ、欠品リスクが減るのだと言います。<br />
<br />
<b>⑤ ボトルネック解消法<br />
</b>最も遅い工程以上に、生産量は増えない。にもかかわらず、その手前で仕事をためるから無駄が増えて生産性が悪くなる。「だから、うちではボトルネック以上に速くやってはいけないことになってるんです。ボトルネックのところに人を厚くしていくけど、機械だともうどうしようもないじゃないですか。だから、この一番遅い機械に合わせて仕事をする。登山でも遅い人を隊列の先頭に置くでしょう」と諏訪さん。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >DXの3つの型と、その先にある“がんばらない経営”</h3>









































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<p>生産性向上の「5つの型」に続いて説明されたのが、DXへの取り組みにおける「3つの型」。<br />
まず一つ目は「つなげる」。分業は非効率を生むこともありますが、情報の世界では“適切につなぐ”ことで生産性は飛躍的に向上します。採用管理、労務管理、勤怠管理、給与計算、銀行振込、会計処理――これらが分断されていれば、同じデータを何度も入力し直すことになります。しかしAPIなどを活用して接続すれば、データは自動で流れていく。<br />
二つ目は、データ分析とAI活用。需要予測、テキストマイニング、売上構造の分析など、日々の意思決定にデータを活かす取り組みを進めています。<br />
三つ目は、「一瞬で仕事を片づける」。社内にある繰り返し業務やExcel作業を洗い出し、プログラムやツールを活用して短時間で終わらせる。半日かかっていた業務が数分で終わる例もあるといいます。<br />
<br />
こうして講演は続き、最後は質疑応答へ。「社員とパートの役割分担はどう考えるべきか」「フルスクラッチで組んだシステムをどう改善するか」「M&amp;A後のチェック体制はどこまでやるのか」などなど、参加者から次々と具体的な質問が飛びました。諏訪さんは一つひとつに丁寧に答え、中には自社で実際に使っているデータを見せてくださるシーンも。<br />
その回答は様々ながら、軸となる考えは一貫しています。規模や業種によっても自社への取り入れ方は変わってきますが、大事なのはただ頑張るのではなく、まず構造を見直すこと。分業を当たり前にしていないか。まとめることを前提にしていないか。ボトルネックを無視していないか。人の努力に頼りすぎていないか。<br />
講演の中で、諏訪さんはこうも語りました。「7割の人は納得してくれます。でも、2〜3割は元に戻ります。」だからこそ、作業台を小さくしたように環境や仕組みを変える。そうすることで生まれる「がんばらない効率化」は、従業員の働きやすさ、仕事のしやすさにも関わってきます。固定観念にとらわれない「問う力」の大切さもまた改めて感じました。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6348.html</guid>
			<pubDate>Thu, 05 Mar 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年2月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6329.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第７５回：ゼミNAGOYA／GIFU合同レポート〜『人を見る力』を経営に活かす〜」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「山口恵里の“現場に行く！”」は、1月に開催されたゼミNAGOYA/GIFU合同の模様をレポートします！</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/86229fcd69b4ad7cdf257333d2332e6348a6278ea5023bae1b98c7bc7988f44f.png" alt="" width="340" height="248">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>スモールサン・ゼミは、全国各地で毎月１回、年１２回開催されている中小企業経営者のための勉強会です。毎月専門家の講師を招き、中小企業の経営課題を解決するためのヒントや実践的な学びを得るだけでなく、ゼミ生同士が交流し、仲間として連携したり切磋琢磨できる場としても大切にされています。<br />
<br />
今回レポートする2月のゼミNAOYA/GIFU合同では、講師に元警部として長年、詐欺や横領などの知能・経済犯を担当してきた一般社団法人日本刑事技術協会 理事長の森透匡氏をお迎えし、「人間心理」と「ウソの見抜き方」についてご講演いただきました。刑事として培われた人を見る視点は、採用や商談、社内マネジメントなど、経営の現場にも直結します。<br />
<br />
本レポートでは、その学びの内容を振り返ります。</p>









































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<h3 >雪の夜に行われたゼミNAGOYA/GIFU合同<br />
〜不確実な時代に「人を見る力」を問い直す〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>１月のゼミNAGOYA/GIFU合同は、あいにくの天候のなかでの開催となりました。「最強寒波」ということで名古屋市内はかろうじて雪を免れていたものの、岐阜方面ではすでに降雪が始まっていて、会場参加を断念してオンラインに切り替えた参加者も少なくありませんでした。開始早々、戸田ゼミ長と杉村ゼミ長からは、そうした状況への気遣いとともに、移動や体調管理への注意が呼びかけられました。<br />
<br />
しかし、こうした悪天候以上に、冒頭で共有されたのは「いま、経営者を取り巻く環境そのものが非常に不確実である」という認識でした。杉村ゼミ長は、衆議院総選挙を控えた政局の流動性に触れつつ、「選挙の行方は見守るしかないが、我々の経営は止められない」と語りました。戸田ゼミ長からは、金利高や円安の進行について具体的な数値を挙げながら、中小企業、とりわけ製造業にとって無視できない影響が出始めていることが指摘されました。<br />
<br />
外部環境が大きく揺れるなかで、経営者に求められるのは、単なる情報収集ではなく、「何を信じ、どう判断するか」という姿勢そのものです。そうした問題意識の延長線上で、この日のテーマとして据えられたのが、「人間心理」そして「ウソの見抜き方」でした。<br />
<br />
本日の講師は、元警部として長年、詐欺や横領といった知能・経済犯を扱ってきた一般社団法人日本刑事技術協会　理事長の森透匡氏です。刑事としての現場経験から導き出された人間観察の視点は、一見するとビジネスとは距離があるようでいて、実は経営判断や組織運営と深く結びついています。取引先、社員、採用候補者──経営者は日々「人を見る」判断を迫られているからです。<br />
<br />
「不確実な時代に、経営者は何を拠り所に判断すべきなのか」という問いを、深く掘り下げる場として幕を開けることとなりました。</p>









































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<h3 >元刑事が語る「人間心理」のリアル<br />
〜言葉よりも雄弁なもの〜</h3>









































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<p>森透匡氏は、警察官として27年間勤務し、そのうち約20年を詐欺や横領、贈収賄、選挙違反といった知能・経済犯を扱う刑事として過ごしてきた人物です。2,000人以上の取調べや事情聴取を通じて培われたのは、「ウソを見抜く技術」というよりも、「人間はどこに本音を隠し、どこにそれが表れるのか」という、人の本質を見極める視点でした。<br />
<br />
講義の冒頭で森氏は、「ウソには種類がある」と語りました。コミュニケーションを円滑にするための「調和のウソ」、自分をよく見せるための「着飾りのウソ」、相手を陥れるための「だましのウソ」、そして自分や他者を守るための「防御のウソ」です。とくに経営者が注意すべきなのは、言うまでもなく「だましのウソ」だといいます。<br />
<br />
では、そのウソはどこに表れるのでしょうか。森氏が強調したのは、「言葉よりも、言葉以外の情報に目を向けること」の重要性でした。人は言葉では簡単にウソをつくことができます。しかし、表情、視線、姿勢、足の向き、仕草といった非言語の部分は、意識的にコントロールしきれないことが多いのです。<br />
<br />
「目は口ほどにものを言う」「顔に書いてある」。こうした表現が昔から使われてきたのも、人が本能的に“言葉以外”から相手の心理を読み取ってきた証拠だと森氏は語ります。刑事の現場では、まさにその非言語情報こそが、相手の本音を探る手がかりになります。<br />
<br />
講義では、取調べの現場や職務質問、捜索時のエピソードが次々と紹介されました。汗をかく、手が震える、視線が不自然に動く、足先が出口を向く──それらはすべて、本人が何かを隠そうとしたときに無意識に表れるサインだといいます。重要なのは、ひとつの仕草だけで判断しないことです。複数の違和感が重なったとき、そこに「見るべきもの」が浮かび上がってきます。<br />
<br />
こうした話は、決して刑事の世界だけのものではありません。採用面接、商談、社内のトラブル対応など、経営者が人と向き合うあらゆる場面に通じるものです。相手の言葉をうのみにするのではなく、「その言葉と態度は一致しているか」という視点を持つこと。その積み重ねが、経営判断の質を左右します。<br />
<br />
この日のゼミは、早くも参加者に対して、「人を見るとはどういうことか」という根本的な問いを突きつける形となりました。</p>









































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<h3 >観察力が真実を浮かび上がらせる<br />
〜刑事の視点を体感するワーク〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>講義の中盤では、森氏の話を「聞く」だけでなく、「体感する」時間が設けられました。写真を使ったワークを通じて、参加者自身が人間心理を読み取る側に立つ試みです。<br />
<br />
画面に映し出されたのは、何気ない日常の一場面を切り取った写真。そこに写る人物が「どのような関係性にあるのか」「どんな心理状態なのか」を、言葉の説明なしに読み取っていきます。選択肢を前に、参加者からはそれぞれの直感や理由が語られました。<br />
<br />
このワークで森氏が強調したのは、「正解を当てること」そのものではありません。重要なのは、なぜそう感じたのかを言語化し、どこを見て判断したのかを自覚することだといいます。視線の向き、手の置き方、身体の距離感、姿勢のわずかな違い──そこに現れるのは、言葉では隠せない本音です。<br />
<br />
たとえば、笑顔を浮かべていても、視線が合わない、身体が相手からわずかに離れていることがあります。あるいは、言葉では親しげでも、手の置き場に迷いが見られることもあります。こうした微細な違和感を拾い上げることで、表面的な印象とは異なる関係性が浮かび上がってくるといいます。<br />
<br />
森氏は、「人は、興味のあるものしか見ていない」とも語りました。刑事が現場で目を配るのは、犯人が「何を見ているか」です。一般の人が商品を見る場所で、犯人は別のものを見ている。その視線の違いが、行動の意図を教えてくれるといいます。<br />
<br />
この話は、参加者にとって決して他人事ではありませんでした。営業の現場での商談、部下との面談、採用面接など、相手が何を語っているか以上に、「どこに視線が向き、どんな態度を取っているか」を見ることで、判断の精度は大きく変わります。<br />
<br />
ワークを通じて浮かび上がったのは、「観察すること」は特別な才能ではなく、意識の持ち方次第で誰でも鍛えられるスキルだということでした。普段、何気なく見過ごしている仕草や態度に目を向けるだけで、人の心理は想像以上に多くの情報を発しているのです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ウソはこうして見抜かれる<br />
〜質問・態度・証拠の使い方〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>講義が核心に入っていったのは、「では、実際にどうやってウソを見抜くのか」という実践的な話題に移ってからでした。ここで示されたのは、勘や経験に頼るのではなく、刑事が現場で用いてきた“手順”としての考え方です。<br />
<br />
まず前提として語られたのは、「ウソをついている人の頭の中は、非常に忙しい状態にある」という点でした。つじつまを合わせながら話を組み立て、相手がどこまで知っているのかを探り、疑われていないかを気にし続ける。そのため、そこに“負荷”がかかると、無意識の反応が表に出やすくなるといいます。<br />
<br />
その負荷を与える手段として、森氏が重視するのが「質問」です。ただし、単なる直球の問いかけは必ずしも有効ではありません。二度目、三度目の質問になるほど、相手は否定の答えを用意してくるからです。そこで鍵になるのが、相手の想定を外す質問や、思考を揺さぶる聞き方でした。<br />
<br />
講義では、実際の取調べをもとにした事例を通じて、「質問を繰り返す」「聞いていない情報を付け足す」「過度に詳しく説明する」「急に感情的になる」といった、話し方に表れるウソのサインが紹介されました。とくに印象的だったのは、「明確に否定しない」という反応です。やましいことがない場合、人は自然に「違います」「していません」と即答できます。しかし、言い切れずに言葉を濁すとき、そこには何らかの引っかかりがある可能性が高いといいます。<br />
<br />
さらに踏み込んだ技法として紹介されたのが、「可能性質問」。「あなたがやったかどうか」を問うのではなく、「見られていた可能性はありますか」「そういうことが起きる余地はありましたか」といった形で問いを投げかけます。やっていない人は即座に否定できますが、やっている人は「見られたかもしれない」という方向に思考が引きずられ、反応に変化が生じます。このわずかな揺らぎを、刑事は見逃しません。<br />
<br />
また、経営者にとってとりわけ示唆的だったのが、「証拠の使い方」に関する話でした。多くの場合、人は証拠を見つけた瞬間に相手に突きつけてしまいます。しかし、それは相手に考える時間と逃げ道を与える行為でもあります。刑事の現場では、証拠は最後まで見せません。雑談や質問を重ねて外堀を埋め、言質を取ったうえで、矛盾を説明してもらいます。いわば“後出しジャンケン”の発想です。<br />
<br />
この考え方は、社内不正やトラブル対応だけでなく、採用や取引先との関係にも通じます。大切なのは、早く白黒をつけることではなく、「判断を誤らないための材料をどう集め、どう使うか」という視点です。</p>









































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<h3 >経営者に突きつけられる現実<br />
〜リスクの時代にゼミが果たす役割〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>講義の終盤では、森氏から現代の経営者を取り巻くリスクについても言及がありました。とりわけ注意が促されたのが、年々巧妙化する詐欺の存在です。警察官をかたる手口や、SNSを通じた投資詐欺など、その多くが「相手を信じたい心理」を巧みに突いてきます。経営者は資金や信用を持つがゆえに、狙われやすい立場でもあります。<br />
<br />
さらに、近年の法改正によって、私生活を含めたリスク管理の重要性も増しています。知らなかった、悪気はなかったでは済まされない時代において、経営者にはこれまで以上に高い倫理観と自己管理が求められています。森氏の話は、犯罪を防ぐための知識にとどまらず、「経営者としてどう振る舞うべきか」という姿勢そのものを問いかけるものでした。<br />
<br />
質疑応答では、営業や商談の場面で相手の心理をどう読み取るか、部下との面談や指導にどう活かせるかといった、より身近なテーマについての質問が寄せられました。森氏が一貫して強調したのは、「ウソかどうかを決めつけるのではなく、普段との違いに気づくこと」の大切さです。日常をよく観察しているからこそ、わずかな違和感に気づけます。その積み重ねが、判断の精度を高めていきます。<br />
<br />
今回のゼミNAGOYA/GIFU合同は、不確実な時代において、経営者が何を拠り所に判断すべきか、「人を見る力」という原点に立ち返る機会となりました。知識やノウハウを得るだけでなく、考え続ける視点を持つこと。地域や立場を越えて、経営者同士が学びを共有すること。そうした場としてゼミが果たす役割は、今後ますます重要になっていくと感じました。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6329.html</guid>
			<pubDate>Thu, 05 Feb 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年1月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6287.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７４回：ストレスチェック制度　中小企業も義務化でどう変わる？」</h2>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/large-29e7e0e3aeed702bf30146a44ee49a7c6aecd94d5b6ee9fb0cfa1a87ab23a3a6.png" data-rel="SmartPhoto[6287]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>これまで従業員50人以上の事業場が対象とされていた従業員のストレスチェック制度が、2025年5月の労働安全衛生法改正により、「従業員50人未満」の中小企業でも義務化されることに決まったのは、これまでスモールサン・ニュース<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/series_mental-health/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">『社長のためのメンタルヘルスニュース』</a>やSSインターネットラジオ<a href="https://www.smallsun.jp/radio/wednesday/sakie/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">『咲江のメンタルタフネスへの道』</a>でも度々お伝えしてきました。<br />
<br />
とはいえ、施行は「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日」ということで、詳細な施行時期はまだ未定（2028年4月1日までには施行される見込み）ということもあり、まだまだ意識していない経営者さんも多いのではないでしょうか。<br />
<br />
しかし、この施行までの3年間はあくまでも準備期間。<br />
何しろ2023年の労働安全衛生調査（実態調査）によれば、50人未満の事業場でのストレスチェック実施率は34.6％。実に7割近くの中小企業が新たにストレスチェック制度を導入し実施しなくてはならないわけです。<br />
<br />
そこで今回は、産業カウンセラーでスモールサンのメンタルヘルスプロデューサーの咲江さんに、中小企業のストレスチェック制度について詳しくお聞きしました！<br />
そもそもストレスチェックって何をすればいいの？<br />
実施することで企業にとってどんなメリットがあるの？<br />
などなど、制度の基本的な仕組みから、中小企業ならではの課題、そして組織づくりへの活かし方までお届けします。<br />
皆さん、ぜひ読んでしっかり備えてくださいね！</p>








































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<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td><b>咲江さんプロフィール
</b><div>公認心理士（国家資格）、産業カウンセラー、キャリアコンサルティング2級技能士（国家資格）
</div><div>厚生労働省委託事業　東京産業保健総合支援センター促進員、（社）日本産業カウンセラー協会　認定講師、タッピングタッチインストラクター
</div><div>総合不動産会社、外資系ラグジュアリーブランドで人事総務庶務として、健康診断・給与・人事考課・社会保険・休復職・就業規則・メンタルヘルスなどに16年携わり、その後　独立。
</div><div>現在はカウンセラー、キャリアコンサルタントとして様々な企業でメンタルヘルス・ストレス対策・リラクセーション・コミュニケーションなどの研修や、メンタルヘルスの相談業務、メンタルヘルス制度構築などを行っている。また、小・中学校で不登校児童の支援、震災後に心のケアとして注目を集めているタッピングタッチのインストラクターとしても活動中。
<a href="mailto:sakie_zaki@yahoo.co.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">sakie_zaki@yahoo.co.jp </a></div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>




































<!-- テキスト -->

<h3 >ストレスチェック制度とは何か<br />
〜「うつ病を見つける制度」ではない〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>まず前提として、ストレスチェック制度って、そもそも何のための制度なのか、改めて教えていただけますか。<br />
<br />
<b>咲江：</b>まずお伝えしたいのは、そもそもストレスチェックは「うつ病を見つけるための制度」ではないんですね。ここが一番誤解されやすいところなんですけれども。会社で働いている方が「今の自分のストレス状態がどんな感じなのか」を知って、自分で整えるために使ってもらう、いわば「予防のための制度」です。<br />
<br />
<b>山口：</b>なるほど。チェックされて引っかかったらアウトといったものではないと。<br />
<br />
<b>咲江：</b>言ってみれば健康診断とすごく近い考え方です。健康診断って、年に一回受けて、血圧が高いなとか、体重ちょっと増えたなとか、自分でチェックして「そろそろ食事に気をつけようかな」とか考えますよね。ストレスチェックもそれと同じ。ただ、今までメンタルの状態って目に視える形で把握する手段がなかったんです。それで５７の質問に答えていくことで、自分の働き方やメンタルの状態を数字やグラフで客観的に把握できるようにしようという仕組みです。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/03d8119ba71515b9d6a5b6b91e2ce793e57a32878a11f39a41919577b187309f.png" alt="" width="1344" height="857">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>「今のコンディションはこうですよ」というのを可視化することで、自分で少し整えたり、生活を見直したりするためのものなんですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>そうなんです。勿論、結果として数値がかなり高く出る、いわゆる「高ストレス者」と判断される方がいることもあります。ただ、その場合でもすぐに何かを強制されるわけではありません。高ストレスの状態にある方に対しては医師面談の機会が用意されますが、これもあくまで任意です。メンタル不調の場合、なかなか自分から医療機関に行くのってハードルが高いですよね。でも、こうやって数値として「今、ちょっとしんどい状態ですよ」と出ることで、「一度話を聞いてもらおうかな」と思えるきっかけになる。そこに意味があります。<br />
<br />
<b>山口：</b>なるほど。制度としてはかなり配慮されているんですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>とてもセンシティブな制度なので、本人の同意なしに個人の結果がそのまま会社に伝わることは基本的にありません。高ストレスで医師面談を受ける場合は結果提供の同意の下で会社側に開示されますが、面談内容については就業上必要な配慮を行うための「意見書」として伝えられますので、詳細な相談内容がそのまま伝わることはありません。<br />
<br />
<b>山口：</b>まずは「自分の状態を知る」「悪くなる前に気づく」ための予防の仕組みが、ストレスチェック制度なんですね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >ストレスチェック実施の流れを整理<br />
〜「実施者」「実施事務従事者」〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>ストレスチェック制度について、「目的は予防」というのは分かったのですが、実際に実施する場合誰が担当するのか、会社はどこまで関わるのかといった仕組みについても教えていただけますか。<br />
<br />
<b>咲江：</b>大まかな流れとしては、以下の通りです。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/72aa5241ae0300e8d395aeec89e3b911036b62c366fbe01e2d1d8f3d6aa4373f.png" alt="" width="700" height="761">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>重要なのは、ストレスチェック制度自体は会社の義務であり責任ですが、実際にストレスチェックを行う「実施者」は医師や保健師、あるいは私のような公認心理士といった厚生労働省令で定められた有資格者でなければいけないということです。<br />
<b><br />
山口：</b>健康診断と同じように、ちゃんと専門家に見てもらわないといけないんですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>とはいえ、じゃあ保健師さんに全て丸投げできるかというと、そういう訳にもいきませんよね。質問票の配布と回収、未回答者へのフォロー、結果の記録や通知といった運営上必要な実務があります。これらについては、会社の中で「実施事務従事者」という役割の人を立てていいことになっています。<br />
<br />
<b>山口：</b>実施者の補助をする人という感じですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>そうですね。実施事務従事者は、あくまで事務を行う人であって、結果を判断したり、高ストレス者かどうかを決めたりする立場ではありません。そのため特別な資格は必要ありませんが、かといって誰でもいいという訳でもありません。非常にプライベートな情報を取り扱うことになりますので、守秘義務に則って適切にデータを扱えることは勿論、ストレスチェックを受ける人の人事に関して直接権限を持つ人（人事権者）は、実施事務従事者になってはいけないことになっています。<br />
<br />
<b>山口：</b>なるほど。人事権があると、ストレスチェックの結果で「ちょっとメンタルに問題ありそうだな。これ以上役職を上げるのはやめとこう」とかできちゃいますもんね。やるやらないは別としても、可能性がゼロでなければ回答する側も警戒して素直に答えられなくなりそうです。<br />
<br />
<b>咲江：</b>ストレスチェックは、工場や現場作業が中心でパソコンを使いづらい職場では紙で実施しているところもありますが、多くは効率を考えてWeb上での回答が主流になっています。厚生労働省が無料で使えるツールを提供していますので、それを使えば費用をかけずに実施することも可能ですが、その場合でも実施者や実施事務従事者をどうするか、プライバシーをどう守るか、という点はきちんと整えなければなりません。「無料だから簡単」というわけではないことは念頭に置いておいてほしいですね。<br />
<br />
<b>山口：</b>なるほど。ちゃんと理解していないと「やっているつもりで、実はできていない」ということにもなりかねないですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>そうなんです。だからこそ、まずは制度の仕組みを正しく理解することが、義務化に向けた第一歩だと思います。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >中小企業にとって何が一番大変なのか<br />
〜想定される課題と必要な情報〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>ここまで制度について整理してきましたが、いざ実施しようと思うと結構大変な気がしますね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>正直に言うと、私も「50人未満の小規模事業場で本当にこれを回せるのかな」という不安は、かなりあります。例えば、50人以上の事業所では必ず産業医を選任しなくてはいけないので、おそらく殆どの企業でその産業医さんが実施者になっていると思います。でも、これが10人や20人といった規模の会社だったりすると、前提条件がまったく違いますよね。産業医がいない、専門職とのつながりもない、そもそも制度を運用するための人手が足りない、という会社さんが多いんじゃないかと思います。<br />
<br />
<b>山口：</b> 50人以上の事業場ではある程度それまでの延長線上で対応できていたけれど、これからはゼロから導入しなくてはいけない企業がたくさん出てくるということですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>実際「ここからが本番だな」と感じています。厚生労働省でも、50人未満の事業場向けの運用については、まだ審議中なんです。私自身、厚生労働省の外郭団体で中小企業を支援している産業保健総合支援センターに所属しているので、今日も確認したんですが、「決定事項はまだ何もありません」というのが正直な回答でした。（2025年10月取材時点）できるだけ中小企業の負担が少なくなるように、という前提では話が進んでいるようですが、実施者に専門職が関わるといった大枠はおそらく変わらないと思います。<br />
<br />
<b>山口：</b>そこは簡単には緩められないですよね。プライバシーの問題もありますし。<br />
<br />
<b>咲江：</b>これは私の推測ですが、産業医の選任義務のない50人未満の小規模事業場を対象に労働安全衛生法に基づいた産業保健サービスを無料で提供する地域産業保健センター（地さんぽ）という機関があるので、おそらくストレスチェックの実施者がいない場合はこの地さんぽの医師につなぐ形か、外部の専門業者に委託することになるんじゃないかなぁと想像しています。とはいえ、地さんぽが十分な受け皿になるかどうかは微妙なので、私のような公認心理士や保健師がいかに中小企業の皆さんと繋がりを持てるかもこれからの課題だと思っています。<br />
それでも不安はあって、私たちはストレスチェックの実施はできても、高ストレス者が医師面談を希望した場合の面談はできません。現状希望があった場合には1ヶ月程度を目安に速やかに医師面談を行うとなっているのですが、これがもし半年待ちとかってことになってしまうと、その間に状況が悪化してしまう可能性もあります。<br />
<br />
<b>山口：</b>義務化となって慌てて対応すると更に大変そうです。事前にしっかり情報を入れておくことが大切ですね。実施していない場合の罰則というのはあるんですか？<br />
<br />
<b>咲江：</b>今のところ未実施に対する直接的な罰則はありませんが、ストレスチェックの結果についての報告義務を怠ったことには罰則が設けられています（※1）。また、未実施の会社で適応障害やうつ病などメンタル不調になった従業員が出た場合、安全配慮義務を怠ったとして責任を問われる可能性がありますし、それこそ訴訟問題になればまず会社が負けることになります。最近は労災認定も急激に増えていますから、そういう意味でも実施しないことで会社としてのリスクはより大きくなります。<br />
<br />
<b>山口：</b>経営者の方がちゃんと知っておかないと、「こんなはずじゃなかった」ということになりかねませんね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>だからこそ、施行までに一定の準備期間が設けられているんだと思います。いざスタートしてから慌てないように、今のうちから心構えをしておいてほしいな、というのが正直なところです。</p>








































<hr class="clearHidden">



<!-- テーブル -->
<div class="column-table-">
	<div class="entry-container">
	<table class="table-">
	<tr>
		<td>※1　労働基準監督署への報告は労働安全衛生法第 100 条に基づくものであり、違反の場
<div>合には罰則があります。50 人未満の事業場については、現段階では報告義務はありません。</div></td>
	</tr>
</table>

	</div>
</div>




































<!-- テキスト -->

<h3 >「義務だからやる」ではもったいない！<br />
〜やるなら「経営に活かす」使い方を〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>ここまでお話を聞いていると、「正直、大変そうだな…」というのが率直な感想なんですが、ストレスチェックをすることのメリットはあるんでしょうか？<br />
<br />
<b>咲江：</b>勿論あります。義務化と聞くと、どうしても「やらされる」「負担が増える」というマイナスの印象になりがちですが、きちんと使えば会社にとって大きなヒントになる制度なんです。それが「集団分析結果」というもので、ストレスチェックでは個人個人の結果を見ることはできませんが、10名以上の母数があれば全体や一定のグループ単位での傾向を分析して見ることができるんです。<br />
<br />
<b>山口：</b>ストレスチェック制度の実施手順で「努力義務」となっていた部分ですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>これは何が分かるかというと、メンタル不調に限らず、上司や職場の支援がどれくらいあると感じてるのか、仕事の量や質による負担感はどれくらいなのか、従業員が実際にどう感じているのかをデータとして見れるようになる訳です。これって経営者さんからすると普段は見えづらい部分で、「最近ちょっと元気がないな」「雰囲気が重いな」と感じていても、それが業務量の問題なのか、人間関係なのか、感覚だけでは分からないことが多いですよね。私も色んな会社さんの集団分析結果を見ていて、「あ、ここなんだな」というポイントが見えてくることが多々あります。<br />
<br />
<b>山口：</b>どんなケースがあるんですか？<br />
<br />
<b>咲江：</b>例えば、「業務量は平均値に比べてかなり多いんだけど、全体のストレスチェック結果は悪くない」という会社さんがあって、「何故だろう？」と思って見ていくと、上司の支援や同僚のサポートの数値がとても高かったりするんです。要は人間関係がすごく良いから、業務量が多くてもストレスにつながっていないんですね。これとは逆のパターンで、仕事量はそれほどでもないのに調子の悪い人がちらほらいて、よく見ていくと人間関係に問題があることが分かったりする。そうすると、「何から手を付ければいいか」が分かるんです。業務量の調整なのか、配置の見直しなのか、それとも管理職の関わり方なのか。それを感覚ではなく、根拠を持って話ができるというのも大きいと思います。社長の感覚で「ここを変えよう」と言うのと、「こういう結果が出ているから、ここを見直そう」と言うのでは、説得力が全然違いますね。<br />
<br />
<b>山口：</b>集団分析結果は、職場改善のスタート地点。「悪い結果が出た＝ダメな会社」ではなくて、「課題が見えた」と考えるのが大切ですね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>厚生労働省も「集団分析結果を出せますよ。生かしてくださいね」と言ってはいるんですが、それだけだとやっぱり難しい部分があるので、私は色々な会社さんでストレスチェックを見せていただく時に「まず結果の読み解き方を管理職研修でやりませんか」と提案しています。管理職の人たちが結果を見て、「うちの会社は今こういう傾向なんだね」と理解した上で、「じゃあ、どう変えていこうか」と話し合う。それだけでも、職場の空気は少しずつ変わっていくと思います。<br />
実際にストレスチェックを実施する場合、実施事務従事者の負担がかなり大きくなるので、おそらく外部委託を選ばれるケースが多いと思います。委託業者さんも様々なので、こういった分析までしっかりやってくれるところもあれば、ストレスチェックの結果だけ出して終わりというところもあります。何をどこまでやってくれるのか、委託する際はしっかり確認することが大切です。安いと思ってお願いしたら、「うちはツールを提供するだけです。実施者はそちらでご用意ください」なんてケースもあるので注意が必要です。<br />
<br />
<b>山口：</b>一言で「義務化」と言っても、義務対応としてだけやるのか、経営の材料として使うかで、意味合いがまったく変わりますね。<br />
<br />
<b>咲江：</b>本当にそうです。確かに準備は大変ですし、負担もあります。でも、「やらなきゃいけないから仕方なく」ではなく、「会社をよくするために使おう」という視点を持っていただければ、結果として人が辞めにくい職場づくりにつながっていくと思います。<br />
<br />
<b>山口：</b>この義務化をきっかけに、制度を上手に使って、会社の財産にしてほしいですね。今日はありがとうございました！</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6287.html</guid>
			<pubDate>Mon, 05 Jan 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2025年12月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6256.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第７３回：ゼミCHIBAレポート<br />
〜『ゼミCHIBA－１グランプリ』後編〜」</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6230.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">１１月号</a>に引き続き、「ゼミCHIBA－１グランプリ」後編のレポートをお届けします！</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-cfc8b88b43eb3d3a43f619891f731bd26a956dd9eecc64a283d08052e919de1a.png" data-rel="SmartPhoto[6256]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/cfc8b88b43eb3d3a43f619891f731bd26a956dd9eecc64a283d08052e919de1a.png" alt="" width="340" height="240">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>10月のゼミCHIBAは、いつもと少し趣を変えた特別な回でした。<br />
なんと各ゼミメンバーがエントリーし、それぞれが自社の事業や強み、そしてゼミCHIBAでの学びを自社でどう活かしているかを発表し、さらにはそれを参加者全員で採点投票するという本格的なグランプリ企画。<br />
<br />
題して「ゼミCHIBA－１グランプリ」！<br />
<br />
スモールサン・ゼミでは毎月中小企業の抱える様々な課題に対応した専門家を招き、講師の講演やワークショップを通して実践的に学んでいます。<br />
その一方で業種や業態、事業規模によらないゼミメンバーとのフラットなつながりやネットワークもまたゼミの魅力なのですが、インプット型の講義だけではお互いの会社のことまでは詳しく分からないものです。そこでゼミによっては、毎回冒頭でゼミメンバーの自社紹介をしたり、ゼミとは別に企業訪問企画を立てたりといった取り組みも行っています。<br />
<br />
今回の「ゼミCHIBA－１グランプリ」も、「せっかく長く顔を合わせているのに、お互いの会社のことをあまり知らないのはもったいない」とゼミ長の竹嶋さんが感じたことから始まった企画でした。<br />
<br />
<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6230.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前回</a>の第５位、４位、プロデューサー賞に続き、今回はいよいよ第３〜１位のレポートです！</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >【第３位】株式会社諏訪商店―“千葉の味”を世界へつなぐ</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/large-bd08ed825ff544bac10dbf34b369ac24b476f2b7b1c7f0081681d7d287a2c45b.png" data-rel="SmartPhoto[6256]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/bd08ed825ff544bac10dbf34b369ac24b476f2b7b1c7f0081681d7d287a2c45b.png" alt="" width="340" height="257">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>第３位に輝いたのは、株式会社諏訪商店の諏訪寿一さん。<br />
ゼミCHIBA第1期から参加し続けている諏訪さんのプレゼンは、これまでの歩みと未来への展望が凝縮された堂々たる内容でした。<br />
<br />
先代が千葉の観光土産の卸売業として設立し、今年で55期目。現在は８社の事業会社を抱え、千葉県の特産品を中心に農業、醸造、製造、卸、そして「房の駅」という旗艦店での小売までグループで一貫して行う体制を構築しています。<br />
その大胆な経営戦略を実現させたのがM&amp;Aで、スモールサンで学んだ「隣接異業種」という言葉をヒントにこれまでに６件のM&amp;Aを行い、それぞれの企業の強みを生かす形で新しい事業を展開してきました。<br />
<br />
「自社の強みは商品開発力です。年間300アイテム、大体１日に１商品を生み出しています」と話す諏訪さん。売上の自社製造比率は20％を超え、新商品の売り上げが終売商品の売り上げを上回ることを一つの指標に日々新商品を開発しているそうです。これを実現させているのが原料から製造、販売まで自社グループで管理できる6次化産業で、安心して製造できるし、自信を持って販売することができると言います。<br />
DXやSDGsにも積極的に取り組んでいて、ゼミCHIBAの仲間と毎年アメリカやスウェーデンなどへ視察に行き、世界の変化や動きを意識した経営の転換をできていると語りました。<br />
<br />
また、M&amp;Aだけでなく自分たちでの創業もされていて、若手社員の麻薙さんが運営している「もりもりカンパニー」では「ラスグル」という新規事業にも挑戦しているそうです。今回のゼミCHIBA-１グランプリの賞品は、このラスグルからたくさんのお土産をご提供いただいたとのことで、ゼミの最後にラスグルについても紹介をしていただきました。<br />
ラスグルは賞味期限の迫った食品を社内向けアウトレットとして再流通させる仕組みで、現金の他に誕生日にもらえるバースデーポイント等でも購入できることで、社員の福利厚生とフードロス削減を両立できるというもの。先日は福祉に携わる竹嶋さんとも連携し、子ども支援活動にも活用されたそうです。家庭に事情がある子ども達は、お小遣いを持って自分の予算内で買い物をするといった体験自体が不足しがちです。そこでラスグルの仕組みが活用されました。<br />
「自社にとっての課題は、他社にとっても課題なんじゃないか」と話す麻薙さん。今後は同じく食品ロスを課題にする企業から商品の提供を受けることや、ラスグルの仕組み自体を展開していくことで、食品ロスに取り組んでいけたらと語りました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >【準グランプリ】株式会社ベストサポート <br />
― 学びを武器に社会課題に挑む“福祉の活動家”であり“福祉の経営者”</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/large-cc939509135d7eeeb7a041cbd13387e34df2e4499a3d4bc46a562ffae9d1d0dd.png" data-rel="SmartPhoto[6256]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/cc939509135d7eeeb7a041cbd13387e34df2e4499a3d4bc46a562ffae9d1d0dd.png" alt="" width="340" height="255">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>準グランプリに輝いたのは、ゼミCHIBAのゼミ長でもある株式会社ベストサポートの竹嶋信洋さんです。<br />
「スモールサンに入ったとき『自分は経営者に向いてない』と思っていました。でも十数年お世話になって、今は経営者になれたかなと思っています」<br />
冒頭でそう語った竹嶋さん。ドラマ『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』が大好きだそうで、竹嶋さん自身もまた「目の前で困っている人の命を救う」ことを使命に掲げ、福祉の現場で地域のそして社会の課題解決に挑み続けています。<br />
<br />
今年で創業15年目。児童発達支援や放課後等デイサービス、生活介護や相談支援など、重度障害者を子どもから大人まで複数の福祉事業で支援しています。<br />
中でも近年力を入れているのが、社会的養護下の若者のアフターケア。全国で親と暮らせない子どもは約4万2,000人。そのうち９割が虐待によるものと言われ、児童虐待通報件数は年間21万件、最新値だと22万件にもなります。親から虐待を受けて児童養護施設などで生活している子ども達やそこから独り立ちした若者達のシェルターや居場所づくり、そして将来の選択肢を広げるための就労支援など、様々な機関や企業とネットワークを作りながらサポートされています。<br />
<br />
スモールサンで学んだ「問う力」「つなぐ力」が原動力になったという竹嶋さん。「重度障害者の生活はこれでいいのか」と問い続け、彼らが地域の中で役割を持ち、ちゃんとお金を稼ぐことのできる仕組みづくりをしてきました。お年寄りのごみ出し代行など地域の困りごとを解決する御用聞きや駄菓子屋さんなど地域の人たちと関わりながら福祉の仕事として形にしています。人をつなぐために地域再生や街づくりもされていて、今年やったお祭りでは4,000人が訪れたとか。<br />
さらにSNSやYouTubeなどの発信にも積極的です。スモールサンでの学びを活かして立ち上げたという「YouTu部」では、チャンネル登録者1,000人を突破。就職希望者が動画を見て応募してくるなど、学びを即実践する姿勢が結果に結びついています。<br />
こうした活動の中で様々な取り組みが注目を集め、NHKニュース『おはよう日本』など様々なメディアに取り上げられた他、市長や厚生労働省も見学に来たそうです。<br />
<br />
プレゼン終盤、竹嶋さんは「私たちは『福祉労働者』ではなく『福祉の活動家』だ」と語りました。そして「今は『経営者』にしてもらった」と言い、「事業活動を通じてこうした人達の役に立っていきたい」「自覚者は責任者」と最後に掲げて締めくくりました。<br />
<br />
自らの行動に責任を持ち、社会課題に向き合う。その姿勢は、「学びを実践に変える力」の大切さを教えてくれたように思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >【グランプリ】株式会社五常 <br />
― 「自分の学び」を「みんなの学び」に！学びを“自社の力”に変える共有力</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/large-0be03289a282c307b4d77030a885011eb28d9dde205e1082ef6e52ff3ec793f2.png" data-rel="SmartPhoto[6256]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/0be03289a282c307b4d77030a885011eb28d9dde205e1082ef6e52ff3ec793f2.png" alt="" width="340" height="214">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>栄えあるグランプリに輝いたのは、株式会社五常！<br />
ゼミプロデューサーである河野さんの会社ということもあり、プレゼンを担当したのはゼミメンバーとして参加もしている営業部の宇井亘さんと石井佑紀さんの若手社員ペアでした。明るく息の合った掛け合いで始まった発表は、学びを「自分たちのもの」に変えていく実践そのもの。会場の空気が一瞬で前のめりになりました。<br />
<br />
お客様の現場での悩みの声から生まれたオリジナル製品の「天使のカゴ台車」や「乗れる電動台車」、大型シーリングファンの「スマイルファン」など様々な製品を取り扱う五常。<br />
しかし、二人の口から最初に出た言葉は、「私たちはこれを販売していません」でした。「悩み解消」を企業理念に掲げる五常にとって、製品はあくまでも手段。「物を売るのではなく、顧客の悩みを解消し、新たに事業を作り続ける会社。それが私たち株式会社五常です」。冒頭のこの一言に、五常の本質が凝縮されていました。<br />
<br />
そんな同社の強みの一つが、“ノーショッピングカートモデル”という独自の販売スタイル。Webで集客しながら、通常のECサイトの様に買い物カゴを置かず、必ず問い合わせや見積りを経て顧客と会話を交わす仕組みです。一見不便そうなこの仕組みがあるからこそ、そこで初めて顧客の課題を聞き、最適な解決策を提案することができる。「売る」よりも「寄り添う」ことを重視するこの姿勢が、五常の信頼を支えています。「五常が何屋さんなのかは、お客さんによって変わってくる」という言葉がとても印象的でした。<br />
<br />
発表の後半では、スモールサンでの学びをどのように社内で共有しているかが紹介されました。宇井さんは「自分の学びを、みんなの学びに変えることを意識しています」と語ります。スモールサンよりも更に小さな「マイクロサン」と名づけ、月に一度の全体会議の中で10〜15分ゼミでの学びを共有する時間をつくっているのだそうです。<br />
その結果、普段の仕事の中では社員が考える機会のないことを考えるきっかけになっていると言います。また、この学びの共有をすることで、宇井さん自身もまた人の話を聞いて「自分ごと化」する能力、そしてそれを「言語化」する能力がとても高まったと語ります。<br />
この他にも、整理整頓をテーマにした講義を受けた後は、昼休み後の５分間を「全員で片づけタイム」にする仕組みを導入したり、AIやコーチングなどの講座も社員全員で受講するなど、学びを実践に変える力強さを感じました。<br />
<br />
担当プロデューサーであり五常の代表取締役である河野さんも、最初にゼミCHIBAに参加した時は営業部長でした。スモールサン・ゼミは経営者勉強会ですが、経営者だけが学べる場ではありません。社員もまたが学び、発信し、会社を動かしていく——五常が実践する「学びの共有」は、スモールサン・ゼミの理想形の一つでもあると感じました。<br />
</p>









































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<h3 >“学びを活かす”とは</h3>









































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<p>全17社がそれぞれの学びと挑戦を語り終えたあと、会場には晴れやかな空気が広がっていました。発表者一人ひとりが、自社の価値を言葉にし、他社の発表に真剣に耳を傾けたこの時間そのものにゼミCHIBAの学びの歴史を感じることができました。<br />
<br />
河野プロデューサーは最後にこう語りました。<br />
「こういうゼミの中で一番成長する人って誰かというと、実は講師が一番成長するんですよ。皆さんに何を伝えようか、何を気づいてもらおうかということを考え抜いているからです。私たちはそれを受け取り、自分ごと化していくわけです。今日のように、自社の取り組みを考え抜き、言語化し、他者に伝える。経営者もまたその過程で成長していくし、経営者が伸びることで社員も一緒に伸びていくんじゃないかと思います。<br />
また、今回色んな学びの活用の仕方がありましたね。何を学ぶかも重要ですが、ゼミCHIBAではそれ以上に誰と学ぶかも重要だと思っています。ここでの学びは本当に未来をつくっていくものだと思っていますので、これからも皆さんと一緒に力を合わせてゼミで学んでいきたいと思います。」<br />
<br />
スモールゼミはただ知識を得るだけの場ではなく、学びを共有し、活かするための場でもあります。そうして一つ一つの企業が成長することで、中小企業全体ひいては地域や社会がより良くなっていく力が育っていく。今回ゼミCHIBA－１グランプリを通して、改めてスモールサンの意義や原点を感じることができました。私自身もこの学びをまた共有し、活かしていきたいと思います。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6256.html</guid>
			<pubDate>Fri, 05 Dec 2025 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2025年11月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6230.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７２回：ゼミCHIBAレポート<br />
〜『ゼミCHIBA－１グランプリ』前編〜」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「山口恵里の“現場に行く！”」は、１０月に開催されたスモールサン・ゼミCHIBAの模様をレポートします！</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-bf4d12c08eba5ac26e2cd3b8beaded3801a2a637582ecb9028a9bbff9deaa636.png" data-rel="SmartPhoto[6230]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/bf4d12c08eba5ac26e2cd3b8beaded3801a2a637582ecb9028a9bbff9deaa636.png" alt="" width="340" height="240">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>10月のゼミCHIBAは、いつもと少し趣を変えた特別な回でした。<br />
なんと各ゼミメンバーがエントリーし、それぞれが自社の事業や強み、そしてゼミCHIBAでの学びを自社でどう活かしているかを発表し、さらにはそれを参加者全員で採点投票するという本格的なグランプリ企画。<br />
<br />
題して「ゼミCHIBA－１グランプリ」！<br />
<br />
スモールサン・ゼミでは毎月中小企業の抱える様々な課題に対応した専門家を招き、講師の講演やワークショップを通して実践的に学んでいます。<br />
その一方で業種や業態、事業規模によらないゼミメンバーとのフラットなつながりやネットワークもまたゼミの魅力なのですが、インプット型の講義だけではお互いの会社のことまでは詳しく分からないものです。そこでゼミによっては、毎回冒頭でゼミメンバーの自社紹介をしたり、ゼミとは別に企業訪問企画を立てたりといった取り組みも行っています。<br />
<br />
今回の「ゼミCHIBA－１グランプリ」も、「せっかく長く顔を合わせているのに、お互いの会社のことをあまり知らないのはもったいない」とゼミ長の竹嶋さんが感じたことから始まった企画でした。<br />
そこで今回はそのレポートをお届けしたいと思います！</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ゼミCHIBA－１グランプリ<br />
〜ゼミでの学びを形に〜</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-6a9d146aa8aa1d9721c819a1ff78512af8e0e0c978d9c933f32340cee2551b90.png" data-rel="SmartPhoto[6230]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/6a9d146aa8aa1d9721c819a1ff78512af8e0e0c978d9c933f32340cee2551b90.png" alt="" width="340" height="251">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>「千葉県には法人が11万4,000社あります。今夜はその頂点を決めます！」<br />
司会の竹嶋ゼミ長の軽妙な開会宣言に笑いが起こり、温かい緊張感に包まれてグランプリがスタートしました。<br />
今回エントリーしたのはゼミメンバーから実に１７社！プレゼンを控えた皆さんの表情はとても真剣です。各社４分半の持ち時間で、自社の学びと取り組みを発表します。参加者には全員のQRコードが配られていて、一社発表するごとに５項目（満点25点）を採点するという方式です。<br />
<br />
面白いのは、その準備段階から「ゼミでの学び」を意識していること。<br />
あらかじめエントリーフォームに自社の事業や強み、ゼミでの学びと変化などについて入力してもらい、そのデータを元に各自でAIサービスを活用してスライドを作成することが提案されました。使用されたサービスは「<a href="https://gamma.app/ja" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Gamma（ガンマ）</a>」。ゼミではAI活用についての講義もありますが、なかなかすぐに自分も使ってみるというとこまではいかないもの。もちろん人によって自分で資料を作り込んだり、すでに持っているデータを使ったりもOKとのことでしたが、こうして実際にAIで資料を作成し、それを元にプレゼンするという機会をゼミで設けるのはとても面白い取り組みだと感じました。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-13c7f5415e835e6216d4571201b06621343a4043d77fb8b2f9063fbc92bfb60e.png" data-rel="SmartPhoto[6230]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/13c7f5415e835e6216d4571201b06621343a4043d77fb8b2f9063fbc92bfb60e.png" alt="" width="340" height="260">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>「今日は聞く側も“天使の聞き方”を実践していきましょう！」<br />
冒頭では、河野プロデューサーからそんな呼びかけもありました。「真剣な顔で聞かれると怖いです。うんうんと頷きながら聞いてもらえると話し手はめちゃくちゃ乗れますから、面白くなくても“いいね”と頷いていただければと（笑）」<br />
ゼミCHIBAの特徴は、「何を学ぶか」だけでなく「誰と学ぶか」も大切にしている点です。そして「言語化すること」もまた大きなテーマです。今回のグランプリ企画はまさにその実践の場でした。発表者にとっては自らの歩みを整理する機会であり、聞き手にとっては新しい気づきを得る時間でもあります。<br />
どの発表も興味深く盛り上がったのですが、今回のレポートでは上位５社とプロデューサー賞を受賞した６社の発表を前後編の2回の分けて紹介したいと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >【第５位】株式会社シアン<br />
〜「魂を揺さぶる映像体験」を作るクリエイティブカンパニー〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-6fee3b17a98537b710bec266dc6bc3ddbdb066b10786b5ad6da8a21284900c78.png" data-rel="SmartPhoto[6230]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>第５位に選ばれたのは、株式会社シアンの齊藤　駿さん。<br />
創業７年目の若い企業ながら、「映像で人の心を動かす」という理念を軸に、ドローンやVR、プロジェクションマッピングなど、テクノロジーを活かした新しい映像表現に挑戦し、「魂を揺さぶる映像体験」を作るクリエイティブカンパニーです。</p>









































<!-- テキスト -->

<p>スライド1枚目には「病室から最後の鎌倉旅行」という写真が映し出されました。寝たきりで余命一週間といわれた祖父を母が「もう一度地元の鎌倉に連れて行きたい」と願い、シアンがVRゴーグル等を用いて遠隔でその思いを叶えたという齊藤さん自身の体験談です。「この体験をしたことで、私はシアンに入社を決めました」と語る声には、若手らしいまっすぐな熱がこもっていました。<br />
<br />
同社は経済産業省と連携した認知症の方向けのVR旅行の制作をはじめ、能登半島地震では避難所生活で離ればなれになっている人たちを映像でつないでメンタルケアをしたり等、大手企業や自治体と協力し多くの実績を積んできました。その強みは映像というソフト面で期待を超えるだけでなく、映像を映すスクリーンや台座の制作などハード面も含めてワンストップで対応できること。現在も東京都との共同プロジェクトで江戸の文化を対話型で学べるシステムを開発しているそうです。<br />
一方で課題としては、こうした実績の多くが依頼を受けて制作しているものであり、「自社製品」といえるものがないこと。昨年からは超大型・可動式ダイナミックディスプレイの「恐竜大スクリーン」の開発など、現在も挑戦を続けているとのことです。<br />
<br />
「ゼミの活用法は、ここで色々なことをインプットさせていただき、それをどんどん “言語化”して、自分たちの事業や経営理念に活かしていくことです。それが、「映像で人の心を動かす」や「魂を揺さぶる映像体験」というところにつながりました」そう語る姿に、まさにスモールサンの実践が息づいていました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >【第４位】株式会社カワイチ・テック<br />
〜挑戦と前進を続ける、ものづくりの情熱〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-3c34df1d5be2acc9c1eced6f5fa717273c0239f6b6d368c393dbda817490ef3e.png" data-rel="SmartPhoto[6230]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>第４位は、創業70年を超えるプラスチック原料メーカー、株式会社カワイチ・テックの川口 秀一さん。<br />
スライド1枚目、AI生成で作った某ファッション雑誌の表紙を飾ったかのような自身の写真で笑いを誘いながら始まったプレゼンでしたが、その内容は驚くほど深く、多くのメンバーが息をのんで聞き入りました。<br />
<br />
1954年創業の同社は、コーヒーカップの蓋やペットボトルのキャップ、上履きの靴底など、私たちの身近な製品に使われているプラスチック製品が成形される前の原料の製造販売を手掛けています。環境負荷の少ないものづくりを目指し、今年は何と製造しながらほぼCO₂排出ゼロを実現されたそうです。<br />
産学官連携にも力を入れていて、東京大学との南鳥島のレアアース泥の凝縮や大阪大学との海の中で溶ける海洋生分解プラスチックの生産、その他にも千葉大学や立命館大学とも連携して様々な製品の研究開発にも挑戦されています。<br />
社内では働き方改革にも早くから取り組み、週休３日制を導入。DX化や少子化、多様性への対応も積極的に進め、これまで様々なメディアに取り上げられてきました。<br />
現在は、9年後の創業80周年を見据え、「プロジェクト2034」と題して人手不足を乗り越えるための「ロボット化」に挑戦されているのだそうです。<br />
<br />
そんな多岐にわたる発表の中、特に会場がどよめいたのは「人生修行」と称したご自身の歩み。インドでのウイルス感染により一度両目の視力を失いながらも日本での治療で復活されたことや狭心症の手術など、驚きの体験を明るく笑いを交えながら語る姿がとても印象的でした。<br />
長年ゼミCHIBAに参加されてきた川口さん。そのバイタリティやパワフルさに、活気にあふれ前向きなゼミCHIBAの精神を感じました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >【プロデューサー賞】株式会社ALL BLUE <br />
〜成長の裏にある貪欲な学びと実践〜</h3>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/large-42a967a50277a51e6d10934733f00659ee3de256c8eaecf2f1c429ff7aa6d320.png" data-rel="SmartPhoto[6230]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>ここで第３位の発表の前に、河野プロデューサーの選考による「プロデューサー賞」が発表されました。<br />
今回「プロデューサー賞」に選ばれたのは、株式会社ALL BLUEの平野竜仁さん。<br />
受賞理由は、圧倒的な成長スピードと、何より貪欲な学びとそれを実践に変える姿勢にあります。<br />
<br />
創業者であり代表の平野さんは32歳という若さ。元々OA機器や事務機器の営業会社に勤めていたところから、「もっとお客さんのためにできることがあるんじゃないか」という思いから仲間と2人で独立。2021年に資本金100万からスタートし、ゼミCHIBAへ参加したのも設立1年目の頃。「スモールサンで学んだことは、もうほぼ取り入れてます」と語ります。設立から丸4年が経ち、今期は何と売上６億円を達成した勢いある企業です。<br />
<br />
しかしその一方で、「OA機器や事務機器の市場自体はこの10年で4割縮小している」と続けます。特にコロナ禍をきっかけに急速にペーパーレス化やテレワークが進展し、コピー機・ビジネスフォンといった従来の主力商材は大きく需要を減らしています。「このままでは先がない」と感じた平野さんは、ゼミでの学びを通じて自社のビジネスモデルを“再定義”しました。<br />
そもそもこの業界は、文房具等を売っていた時代からコピー機等のOA機器へと変化してきました。その中でお客さんが本当に必要としているのは、機器そのものではなく社内の変革や業務の効率化です。そこで他社が今でもコピー機を売ろうとしている中、平野さんはITやDX商材を取り入れ、社内の変革や業務の効率化のため最適な提案をできる企業へと変化してきました。<br />
ビジョンに「時代をとらえ、変革の先に価値を創造し続ける」を掲げ、「これからもスモールサンで勉強していこうと思いますのでよろしくお願いします」と締めました。<br />
<br />
河野プロデューサーは、こう語ります。「これだけ成長していると、組織がついてくるというのが大変なんです。平野君は毎回ゼミに来る度に『これどうしたらいいですか？』と私や周りの経営者に真剣に相談してくる。うちの会社を見に来てくれたり、自分の会社を良くしようというパワーが凄いんです。毎回本当に悩んでいて、だからこそ学びを吸収し行動に移すスピードがずば抜けているんです」<br />
変化の時代に、柔軟に学び、変わり続けること。伸びている企業ほど、学びに貪欲であることを平野さんの姿勢から改めて感じました。<br />
<br />
残る第３位〜１位の３社は12月号でお届けします！お楽しみに！</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6230.html</guid>
			<pubDate>Wed, 05 Nov 2025 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2025年10月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6161.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７１回：ゼミTOKYOレポート〜『人と絆の金融』〜」</h2>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/large-0681a00e7b9637fda46b1c293afa6c1fe82b17e66b917f2404cccf350fee172f.png" data-rel="SmartPhoto[6161]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「山口恵里の“現場に行く！”」は、8月に開催されたスモールサン・ゼミTOKYOの模様をレポートします！<br />
<br />
スモールサン・ゼミは、全国各地で毎月１回、年１２回開催されている中小企業経営者のための勉強会です。毎月専門家の講師を招き、中小企業の経営課題を解決するためのヒントや実践的な学びを得るだけでなく、ゼミ生同士が交流し、仲間として連携したり切磋琢磨できる場としても大切にされています。<br />
今回はその中からゼミTOKYOの様子をお届けすると共に、8月講師としてお招きしていた元第一勧業信用組合理事長で、開智国際大学客員教授、笑顔のコミュニティー会社会社代表の新田信行氏による講演「人と絆の金融」もレポートしたいと思います！ </p>









































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<h3 >スモールサン・ゼミTOKYOとは 〜経営者が主体的に関わり共に学ぶ場〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/large-b91092f517dd675039909dd4b511d679ce9f4063b125160fe69fe5b85f665a29.png" data-rel="SmartPhoto[6161]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>スモールサン・ゼミは、全国で地域ごとに運営され、現地の経営者が運営に携わることで自分達に必要な学びを主体的に取り入れています。それにより、それぞれのゼミが独自のカラーを持ちながら、「中小企業を強く元気にする！」という共通の理念のもとに活動しています。<br />
<br />
その中でもゼミTOKYOは、首都圏の経営者や専門家が集う場として最初に開設されたゼミです。様々な試行錯誤をしながら長年運営され続け、今年で17期目。スモールサン・ゼミは18時30分からのスタートが多いのですが、前期では試験的に15時から始めるというチャレンジもしていました。その結果少し早すぎるということで、今期は16時からになっています。自分達が学ぶ場としてこうした試行錯誤ができるのもスモールサン・ゼミの特徴の一つです。<br />
<br />
ゼミTOKYOでは、勉強会の冒頭で「GOOD＆NEW」と呼ばれるセッションが行われます。メンバーがいくつかのグループに分かれ、それぞれが最近の「良かったこと」と「新しい出来事」を短く報告し合います。<br />
この日は「家族旅行で四国を巡り、ポケモン電車やフェリーを楽しんだ」「お盆休みに岩手で大谷翔平の田んぼアートを見て元気をもらった」といったプライベートの話題から、「効率化によって利益率が改善し、決算賞与を出せそうだ」といった経営上の成果まで、さまざまな報告がされました。小さな喜びや成果を共有し合うこの時間は、会場の雰囲気を温めるだけでなく、互いの挑戦や努力を知る貴重な機会となっています。<br />
加えて、このアイスブレイクでは、毎月配信しているスモールサン・ニュースの『景気を読む』を題材に軽い意見交換も行っています。この時期はやはりトランプ関税の不透明さが話題の中心になり、「情報を鵜呑みにせず、自ら学び続けることが重要」「何が起こるか分からないからこそ、自社の体力をつける必要がある」と改めて認識を深目ました。</p>









































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<h3 >自社発表から広がる学びと共感</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/db44e25c7ff421994226fc6e1182a0a194bda0b04c041ef6c4dcc6ce8fa834a1.png" alt="" width="340" height="393">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>さらにゼミTOKTOでは、ゼミ生による「自社発表」の機会も設けられています。自社の事業や取り組みを発表することで自社を客観的に見直すきっかけになり、また日頃詳しく聞く機会のないメンバーの事業について知る機会になります。<br />
<br />
この日の自社発表を担当したのは、株式会社クニイ代表取締役の木村 達也さん。スモールサン・ゼミへの参加は、現在ゼミTOKYOの担当プロデューサーになっている滝瀬さんの紹介がきっかけだといいます。<br />
今回の発表では、グループ会社の日本メガケアの事業から説明がありました。病院で使用される医療用酸素の供給を担う同社は、コロナ禍でパルスオキシメーターの需要が急増し、酸素の供給が社会的使命と直結することを改めて実感したといいます。一方で酸素の薬価は国によって一律に定められており、仕入れ価格が上昇しても販売価格には転嫁できない構造的な厳しさも抱えています。<br />
木村さん自身は、日本メガケアに入社した当初、医療ガス設備工事の現場で右も左も分からない状態からのスタートでした。現場に入り、理不尽な要求を受けることも少なくなかったと振り返りますが、その経験が結果的に自分を鍛え、独立心と判断力を育ててくれたと語りました。そうした経緯を経て、５年前にクニイの代表に就任。日本メガケアとしては初の新規事業として空調事業を立ち上げ、クニイをグループの子会社化するという大きな決断を実行しました。<br />
<br />
就任当時「中はしっちゃかめっちゃかで、今にも潰れそうな状態」だったといいます。しかし木村さんは思い切って経営改革に着手しました。「失うものはない。やって駄目ならまた考えればいい」と挑戦を重ねた結果、少しずつ業績は改善されてきました。現在は、既存の取引先で空調設備の仕事を受注しつつも、そこに依存するのではなく、日本メガケアが持つ病院ネットワークを活かした新しい展開に挑戦しているとのこと。酸素という主力分野が価格規制で利益を出しにくくなる一方で、病院に必ず備わる空調設備には確かな需要があり、グループ全体のシナジー効果を生み出せる可能性があります。<br />
木村さんは「最後はクニイを自立した会社として残し、見届けたい」と力強く締めくくりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「人と絆の金融」 〜新田信行氏の問題提起〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/large-c5cdb8665300e4f7c944903b703eb6f4b55a9e11312d8e979c6f58e3f927a7f4.png" data-rel="SmartPhoto[6161]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>さて、自社発表の後はいよいよ講師の講演です。<br />
8月の講師は、元第一勧業信用組合理事長で、開智国際大学客員教授、笑顔のコミュニティー会社会社代表の新田信行氏。講演テーマは、4月に上梓された自身の著書のタイトルでもある「人と絆の金融」。<br />
<br />
講演の冒頭、新田氏は「金融とは本来、人と人、企業と社会をつなぐ“絆”をつくるもの」と語りました。金融機関に長く身を置き、地域金融や中小企業支援に深く携わってきた新田氏だからこそ、その言葉には重みがあります。<br />
「資金を貸し出すだけが金融ではありません。目先の数字や担保だけを見るのではなく、経営者の思いや、そこに働く人々の力、地域社会との関わりを踏まえてこそ金融の役割は果たされるのです。」<br />
新田氏は、現在の金融の大きな課題として“点数主義”を挙げました。財務諸表や格付けといった数値に頼りすぎるあまり、企業の未来を見抜く目を失っているのではないかと指摘します。「決算書に載っているのは過去に採れたリンゴ。私たちが本当に知りたいのは『来年リンゴがいくつ採れるか』です」という言葉がとても印象的でした。<br />
<br />
バブル崩壊後、銀行は不良債権処理に追われ、数値による厳格な評価を強めました。確かに「数字に基づく客観性」は必要ですが、その一方で数字での評価が難しい部分は軽視され、その結果、潜在力のある中小企業がその力を十分に活かせないまま淘汰されるケースも少なくありませんでした。<br />
新田氏は「雨が降ったら傘を取り上げるのが今の格付け金融」と表現します。そのうえで、「銀行が本当に見るべきは、経営者の目の輝きや社員の表情、地域との結びつき。決算書の数字に表れない部分にこそ未来の可能性が宿っている」と強調しました。</p>









































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<h3 >事業性評価と簿外資産 〜未来を見抜く視点〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>今回の講演の中で新田氏が強調したのは「事業性評価」という考え方です。財務諸表や格付けに依存するだけではなく、企業の未来をどう見抜くかという視点が不可欠だといいます。<br />
決算書は過去の成果を写す鏡に過ぎません。未来を見通すには、土壌や根にあたる「簿外資産」に目を向ける必要があると新田氏は説きました。簿外資産とは、従業員の力（従業員資産）、顧客との関係（顧客資産）、地域との結びつき（社会関係資産）、そして経営者自身の資質（経営者資産）など、数字では表れない経営資源のことです。これらこそが次の果実を実らせる源泉だと新田氏はいいます。<br />
講演では、決算書上は赤字続きで格付けも低い企業が、従業員の士気と顧客からの厚い信頼を力に、数年後には見事に再生を果たした事例なども紹介されました。「数字だけを見れば支援は難しいと判断されがちですが、企業の潜在力をどう評価するかが大切なのです」と語るその言葉に、会場の経営者たちは大きくうなずいていました。<br />
<br />
一方で、簿外資産を評価することの難しさにも言及されました。定量的な基準があるわけではなく、評価する側の経験や感性に左右されやすいからです。「土壌、木の根を見るというのは、数値化できないもの、感覚的なものですか？」というメンバーからの質問に対し、新田氏はこう回答しました。<br />
「数値化をあえてしなくてもいいと思っています。ただ、できるならしたらいいです。たとえば第一勧信では、地域の祭りへの参加回数をゼロから年間600回にまで増やしました。祭りに参加することが地域との絆の全てではないですが、わかりやすい指標にはできるじゃないですか。それで、どれだけ地域のお祭に出たかというのも業績評価として認めるよということをアナウンスしたわけです。そうしたら、もう全店一斉に祭に出はじめました（笑）」<br />
さらに第一勧信では、創業50周年を機に各店に予算を割り当て、地域や顧客の要望に応える施策に充てた事例も紹介。これらは「簿外資産への投資」であり、管理会計上、会社の中だけは会計原則を無視して投資に置いてもいいのではと言います。<br />
「数値というのはしょせん割り切りだけど、今まで出していなかった数値を持ち出す手はありますよね。視野を広げていくと打つ手は無限にあるんです。閉塞感があって真っ暗だと言っている人は視野が狭いだけだと私は思います。視野を広げれば、今はむしろチャンスです。」<br />
簿外資産を評価する難しさを認めつつも、行動や貢献を定量化する工夫によって組織を動かし、未来を見抜く視点に結びつけることができる。その実践知が参加者に深い示唆を与えていました。<br />
<br />
こうした「簿外資産の評価」という考え方は金融機関への提言であると同時に、中小企業経営者への問いかけでもあります。人材育成や顧客との関係づくりに投資することこそが、長期的な収益を生む「根っこ」になる。経営者自身が自社の「根っこ」を見極め、育てることが未来を切り拓く力になります。そしてそういった自社の価値をどう伝えるか、どのように信頼を築くか。数字で示すことはもちろん必要ですが、それだけでは伝わらない強みや可能性をどう表現するかは、すべての中小企業に共通する課題です。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >幸せの４因子が示す組織の力</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</a>
</div>


































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<p>今回の講演では、金融の役割を「人と企業、地域をつなぐ絆」と捉える視点に始まり、数字によらない事業性評価の他にも様々なテーマや事例が共有されました。<br />
・資金調達のフレーム：三つのカネ（自助・公助・共助）と四つの渡し方（負債・資本・売上・寄付）をどう組み合わせるか<br />
・資金繰りの基本：運転資金は回転に合わせて更新、設備資金は償却期間に合わせる。赤字資金は原則避ける<br />
・資本調達の注意点：「誰から資本を受けるか」が肝心。短期で騒ぐVCより、地域で腰を据えた資金が力になる<br />
・組織づくりの技法：承認の言葉「さ・し・す・せ・そ」や、理念（パーパス）と裁量による自発性の引き出し方<br />
その中で、「幸せの４因子」という切り口が印象的でした。<br />
<br />
金融庁や財務局から「目利き力や事業性評価について話してほしい」と依頼されることが多いという新田氏。地域金融の基本指針に「事業性評価をしろ」「目利きが大事」と書いても、彼ら自身が実際にはどういうことなのか分からないからだと言います。50年にわたり中小企業融資の現場にいて、何千人もの経営者と会ってきた新田氏は、その経験から社長に会って2時間も話をすれば、その会社にお金を貸していいかどうかは大体分かると言います。ですが、それでは当然相手は納得しません。<br />
そこでどう説明すればいいのかと考え抜いた末に、自分なりに「この四つのポイントだな」と整理したところ、後からそれが「幸せの４因子」と言われるものと重なっていたことを知ったのだそうです。<br />
<br />
1. やってみよう（自己実現）<br />
2. ありがとう（人とのつながり、感謝）<br />
3. なんとかなる（前向きな楽観性）<br />
4. ありのままに（自己受容）<br />
<br />
新田氏は「この４因子が満たされている人や組織ほど、チャレンジ精神が高く、生産性も向上する」と語ります。<br />
例えば、「やってみよう」が欠けている組織では、新しいことに挑戦する社員が育たず、次第に成長力を失ってしまいます。一方で「ありがとう」が組織に根づいていると、社員同士の関係性が強まり、困難に直面しても支え合える風土が生まれる。「なんとかなる」という前向きな空気は、不確実な時代において挑戦を続ける力になり、「ありのままに」が尊重される環境では、多様な人材が力を発揮しやすくなるのです。<br />
経営者との会話の中でこの４因子を感じられるかどうか。会計の数字では見えない、組織の健全性や成長力を知る手がかりとして、経営者自身もまた自分や自社を振り返ることができるのではないでしょうか。</p>









































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<h3 >全国に広がるスモールサン・ゼミの輪</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>スモールサン・ゼミは、今回ご紹介したTOKYOをはじめ、全国各地で毎月開催されています。地域ごとに特色は異なりますが、「中小企業を元気にする」という共通の理念のもと、経営者が学び合い、共に成長していく場であることに変わりはありません。<br />
<br />
ゼミTOKYOも、この９月から新たな期がスタートしました。これまで参加してきたメンバーに加え、新しい仲間を迎えて再び１年間の活動が始まります。毎月の講師講演や自社発表、そして会員同士の交流を通じて、経営の知恵と人脈を広げられる貴重な機会です。<br />
<br />
スモールサン・ゼミには、初めての方でも気軽に参加できる「体験参加」の制度があります。「どんな雰囲気なのか知りたい」「講演や発表を実際に聞いてみたい」という方は、ぜひ一度足を運んでいただきたいと思います。<br />
<br />
経営の現場は日々変化し、答えのない課題に直面することも少なくありません。だからこそ、一人で悩むのではなく、仲間と共に学び合える場所が必要です。今回のゼミTOKYOでの学びも、その大切さを改めて実感させてくれるものでした。興味を持たれた方は、ぜひ次回のゼミに体験参加してみてください！</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6161.html</guid>
			<pubDate>Mon, 06 Oct 2025 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2025年9月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6127.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第７０回：株式会社オリビオ<br />
〜建設と福祉を結ぶ「建福連携」の新しい挑戦〜」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>株式会社オリビオは、2023年11月29日香川県高松市で設立された「就労継続支援A型事業所」の会社です。現在、同社では障がいを持つ17名のメンバーと、6名の支援スタッフが共に働いています。<br />
<br />
人口は年々減少していく中で、障がい者の人数は増え続けています。就労支援需要の高まりと政策の後押しによりA型事業所の数は増加してきた一方で、その実多くの事業所が赤字状態であると言われています。2024年には報酬改定によりスコア評価の厳格化が進み、事業所の閉鎖や利用者の解雇が急増しました。<br />
<br />
そんな中で株式会社オリビオが今注目を集めている最大の理由は、建設業と福祉を組み合わせる「建福連携」という独自の仕組みを核に据え、社会課題を解決するビジネスとして落とし込んでいる点にあります。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/large-db654bac7e2c73961e28de69324d7fc8bd4283e62c0bc5e90b2ec5125a2751e0.png" data-rel="SmartPhoto[6127]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































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<p>建築物の天井材を吊り下げる材料として全国どこの建設現場でも大量に使用される「吊りボルト」。しかし、その組み立ては長年職人自らが行っており、大きな負担となっていました。そこで、オリビオではこの吊りボルトの組み立てを委託。事業所で働くメンバーが現場に合わせた部材のカットや組み立てを行い、納品した完成品が建設現場で活用されています。これは、建設業界が抱える人手不足や生産性低下の課題と、福祉事業所が直面する収益不足の課題を同時に解決するものです。<br />
<br />
さらに、オリビオの活動は「建福連携」にとどまりません。農業分野との「農福連携」、さらにはKIRITORIデザインとの連携によるオリジナルデザインの自社商品開発と販売など、幅広く展開をしています。単なる福祉活動としてではなく、社会課題の解決とビジネスを両立させる取り組みについて、詳しくレポートしたいと思います。</p>








































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<!-- テキスト -->

<p><b>【会社概要】</b><br />
会社名 &nbsp; &nbsp;株式会社オリビオ<br />
所在地 &nbsp; &nbsp;〒７６１－８０５７　香川県高松市田村町３２２－１<br />
代表者 &nbsp; &nbsp;代表取締役　福原孝悟<br />
就労継続支援A型　指定事業所番号：3712021991<br />
従業員：メンバー（利用者）１７名、スタッフ６名<br />
事業内容：<br />
・建福連携からの生産活動<br />
・建築資材の管理業務<br />
・PCからの物販作業<br />
・水耕栽培によるハーブなどの栽培<br />
・事務代行業務<br />
・清掃・ハウスクリーニング及びリフォーム業務など<br />
オフィシャルサイト：<a href="https://olivio-kagawa.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://olivio-kagawa.com/</a><br />
オリビオオンラインストア：<a href="https://mds.shopselect.net/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://mds.shopselect.net/</a></p>








































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<h3 >香川大学でのプロジェクト研究から始まった福原氏の挑戦</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p>株式会社オリビオの挑戦は、代表取締役の福原孝悟氏が入学した香川大学大学院地域マネジメント研究科でのプロジェクト研究が始まりでした。元々左官工事の専門会社に勤め職人不足という業界の課題を常に感じていた福原氏は、全国的に連携がなかった建設業と福祉を結びつける研究に着手したのです。<br />
<br />
福祉側の課題として、全国に約4200あるA型事業所の内、実に56％が指定基準を満たしていないという問題がありました。この指定基準というのは、生産活動の収益が利用者の賃金総額を上回ること。つまり、多くの事業所で仕事の売上が賃金を下回っているという現状にあります。一方、建設業の側では、職人の高齢化と若手不足、さらに2024年からの残業上限規制といった要因により、生産性向上が強く求められています。しかし、職人の作業の中には、職人でなくてもできるものが多く存在していて、それらは生産性を阻害する要因になっていました。そこで福原氏は、そうした単純かつ反複作業を建設現場から切り離し、福祉の生産活動に提供することで両者の不足を補えるのではないかと考えました。<br />
<br />
福原氏は事業運営に成功している全国のA型事業所を訪問した他、香川県庁へもヒアリングを行い、共通となる成功要因や行政との連携不足といった課題も調査。さらに研究の中で、静岡県のA型事業所に協力してもらい、建福連携の生産活動の実証実験も行いました。実施したのは吊りボルトの製作、石膏ボードのカット、鋼製下地材のカットという３つの作業。協力作業所の障害を持つ社員が作業可能であるか、また内装工事会社の社員との製作時間を比較なども行った結果、どの作業においても障害者が作業可能であり、また作業環境を整えたり、作業に慣れてくれば更なる生産性の向上も期待できることが分かりました。作業単価についても工事会社との打合せを行い、作業時間から製作できる個数を計算しところ、香川県の最低賃金を上回ることが分かりました。上述のように生産性の向上ができれば、更なる収入の増加も見込むことができます。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >そもそも就労継続支援A型とは？〜B型との違いや背景〜</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>就労継続支援A型事業所は、一般企業で働くことが難しい障害者を雇用契約のもとで受け入れ、一緒に働く機会を提供するとともに、能力の向上のために必要な訓練を行うというもの。一方、B型事業所は雇用契約を結ばず、就労する機会の提供とそれに必要な訓練を行う事業です。両者の大きな違いは「雇用」で、A型事業所では利用者と雇用契約を結ぶ以上、最低賃金の保障や社会保険への加入義務も発生し、労働と福祉が交差する事業と言われています。<br />
<br />
近年、日本では障害者の数は増加し続けています。高齢化に伴って身体に障害が出るということもあるが、身体障害だけでなく、精神障害、知的障害、どの区分においても増加傾向にあります。結果として、国民の約1割が障害を抱え、その家族を含めると実に2割以上が関係人口となります。こうした中で「親亡き後の自立」は深刻な課題であり、安定した就労の場を確保することは社会課題となっています。<br />
<br />
A型事業所は雇用契約を結ぶことで最低賃金が保証されますが、その反面事業所側には一定の生産性と収益性が求められ、現状実に6割近くの事業所が赤字状態であると言われています。2024年には報酬条件の改定により閉鎖や解雇が急増しました。また、福原氏は他県に比べて香川県はA型事業所が少ないと言います。同規模の都市である富山市や宮崎市、岐阜市では30前後のA型事業所があるのに対し、高松市はわずか12カ所程度だとか。こうした社会背景を踏まえ、オリビオの「建福連携」の取り組みが注目されています。</p>









































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<h3 >吊りボルト製造で「建福連携」<br />
〜建設の人手不足と福祉の収益性の課題を解決〜</h3>








































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<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/b8aca1d5d143d1842547475237dc40091279974e1d2acef19ff991968dbca322.png" alt="" width="700" height="205">
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p>吊りボルトは、天井材を支えるための金具で、全国どこの建築物でも延床面積に応じて大量に必要とされます。例えば、香川県立中央病院では5万4,000本が使用されているそうです。この吊りボルト、材料であるボルトとナットとハンガーを組み立てることで完成するのですが、それぞれメーカーが異なるため、もう20年以上前から現場の職人が組み立てを行ってきたのだそうです。作業は単純かつ反復的で、長さ1メートル以上のボルトを現場で使用するサイズに切断し、ナットやハンガーを組み付ける。これ毎日一万本、二万本と作らなくてはならず、職人の貴重な労働力を消耗させていました。任される若手の職人や海外実習生にとっては離職理由にもなりやすく、建設業界が抱える慢性的な人手不足に拍車をかける要因の一つともなっていました。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/large-b2a137d5f41d54282a081654ea2727a557d3f01fb81c1a33cee10f85b8e10442.png" data-rel="SmartPhoto[6127]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>福原氏はこの課題に着目し、事業所内で吊りボルトを事前に製作し、完成品を現場に納品する仕組みを構築しました。その効果は数字にも表れています。ある工場建設現場では、吊りボルトのカットとセット、そして現場での取り付けで従来305人工かかっていたところ、オリビオとの「建福連携」によってカットとセット、さらに現場の天井での下準備がなくなり、212人工に短縮されました。実に約30％の工数を削減し、職人という限られた人材をより専門的な業務に集中させることを可能にしたのです。<br />
<br />
勿論この取り組みは事業所にとっても大きな効果がありました。本格的に始まった昨年5月から今年の3月までで、23現場で合計10万本を超える吊りボルトを製作してきました。多くのA型事業所で課題となっている指定基準（生産活動の収益が利用者の賃金総額を上回ること）をクリアし、安定的な仕事を確保することができています。<br />
また、社内には吊りボルトが使用される現場の一覧が貼られており、中には家族とその建物を見て回り「この建物に自分が携わったんだ」と嬉しそうに話すメンバーもいます。事業としての収益性だけでなく、「社会に参加している」という実感を得られることも、この取り組みのもう一つの成果ではないでしょうか。<br />
<br />
建設には多くの業種があり、他にも単純作業だが必須の工程は多く存在しています。今後は建設27業種で「建福連携」をもっと広げていきたいと福原氏は言います。また、吊りボルトはどこも同じ部材が使用されており、どこのA型事業所でも同様の作業が可能です。この取り組みは他地域からの注目も集め、関西など香川県外からの多くの事業所が見学に訪れているそうです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >自社の商品開発で拓く新たな可能性〜KIRITORI ×OLIVIO〜</h3>









































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<p>現在オリビオでは農業分野との連携、いわゆる「農福連携」にも取り組んでいます。カーネーションの苗づくり、キウイの摘果や袋掛け、桃の選別、米作りなど、多様な農作業を請け負っています。農作業は時期に合わせて一度に大量の労働力が必要になるため、どこも人手不足や高齢化に悩んでいます。地域の農家と連携できるA型事業はまだ高松市にはなく、その先行事例をつくっていきたいと福原氏は言います。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/large-a94f917496ffeacb9324217851cdf8a60dc44235fee7433c197fa5811f791616.png" data-rel="SmartPhoto[6127]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>また、オリビオの取り組みは、建設や農業の分野だけにとどまらず、自社商品の開発という新しい挑戦にも広がっています。<br />
きっかけは、2025年2月に開催された「ヨロコビバザール」への出店。知り合いに誘われ野菜やおむすび、水耕栽培のサラダなどの他、オリジナルコースターを販売したところ、意外にもコースターが注目を集め3日間で70枚が売れたそうです。<br />
このコースターは、元左官業の福原氏の経験を活かし、研ぎ出し工法という技術を駆使してオリビオのメンバーが手作りをしています。セメントを主素材としつつ、地元の飲食店から回収した空き瓶の欠片や、ビーチクリーン活動で集めたシーグラスを練り込み、硬化後に表面を丁寧に研磨することで、シンプルでスタイリッシュながら自然で柔らかな風合いに仕上げられています。<br />
そうしていざ販売してみると、次にそのまま手渡しをしていることが気になります。そこで友人の紹介で出会った「キリトリデザイン」の大藤雅幸氏と協働し、コースターの袋を開発しました。キリトリデザインは、全国の福祉施設で「絵の出張授業」を実施し、そこで生まれた絵をデザインに活用し、施設が自分たちのオリジナル商品を販売できる仕組みを提供する障害者支援施設との実験ブランド。この出会いから、毎月１度デザインの製作を行い、メンバーが描いたイラストや模様から、Tシャツやトートバッグ、マグカップなどの商品が開発・販売されています。</p>








































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<div class="column-image-left">
	<a href="https://mds.shopselect.net/" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/1cfc4c5a5d45985c407b0ccbce23dfebccba1d5850e3452c74e81a10550d639e.png" alt="" width="700" height="345">
	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p>こうした展開を通じて、自社のブランドイメージを刷新する事ができたと福原氏は言います。自社の商品があることで会社をPRしやすい環境が整ってきました。また、こうした商品をきっかけに就労継続支援A型事業所という存在を知ってもらい、理解を広げる役割も担っています。<br />
現在、オリビオやキリトリデザインの活動を多くの人に知ってもらうため、KIRITORI ×OLIVIOのブックカバーを無料でダウンロードできます。印刷することで文庫本サイズのブックカバーとして使用できますので、ぜひダウンロードしてみてください。</p>








































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<div class="column-image-left">
	<a href="https://kiritori-design.stores.jp/" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/5990077b31156c9aa409c7459a3da7ed23e38b902d66f6710dbf9220d600d66d.png" alt="" width="700" height="305">
	</a>
</div>

































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<h3 >障がい者と共に働くことの意味と可能性</h3>








































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<!-- テキスト -->

<p>最後に、社会的な課題にもなっている人手不足の解決法として、海外人材やシルバー人材、そして障害者雇用の他に、これから自分たちA型事業所の活用という方法もあることを多くの人に知ってほしいと福原氏は語ります。<br />
その効果には上述したような労働力としてのメリットの他にも、「業務整理の効果」があると言います。障がい者に任せる業務を選定する過程で、企業は自社の業務を棚卸しすることになります。どの仕事が専門性を要し、どの仕事が切り分け可能かを精査することで仕事の見える化に繋がり、その結果社員の生産性が向上します。<br />
また、適切なマッチングと支援さえあれば、障がい者は安定した労働力になると福原氏は言います。オリビオで働く17名のメンバーも、たとえば英語が堪能な若者、土木の学科を卒業し現場経験を持つ人、フルマラソンを5回完走した人、30年間大手工場で勤務し管理職も務めた人など様々なキャリアとバックグラウンドを持ち、自らハローワークで求人を探したり、相談支援員と共に就職活動を経て、現在オリビオで仕事をしています。こうした障害者の労働力というものも認識してもらい、多くの企業で活用してほしいと語りました。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6127.html</guid>
			<pubDate>Fri, 05 Sep 2025 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2025年8月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6071.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第６９回：株式会社ミツイバウ・マテリアル」</h2>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/large-5559c8bee17baa09fd5dab52a38b0cd5ec39d1616f917d46b6f436e3fdb1215c.png" data-rel="SmartPhoto[6071]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/5559c8bee17baa09fd5dab52a38b0cd5ec39d1616f917d46b6f436e3fdb1215c.png" alt="" width="340" height="281">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
「山口恵里の“現場に行く！”」第６９回は、三重県松阪市にある株式会社　ミツイバウ・マテリアルの代表取締役社長、三井陽介さんにお話をお聞きしました！<br />
<br />
ミツイバウ・マテリアルは1951年創業で、鍋ややかんの物々交換から始まり、ガルバリウム鋼板の屋根や外壁材といった鉄鋼二次製品の卸売業、製造業、さらに施工へと時代に合わせて進化を続けてきました。<br />
かつては超ブラックだったという社内の劇的な改善・改革、そして外国人材の育成と戦力化、さらに彼らのためのベトナム現地法人の設立など、「社員の幸福」を一番に掲げた取り組みで地域を代表する企業へと成長されてきました。<br />
同社の創業からの歩みと、三井さんの人や地域を活かす未来戦略に迫ります！</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/large-b255e72fc3871e1d13a6c484342baa0bbd28822333bfa28cbdf005f87c070bf8.png" data-rel="SmartPhoto[6071]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/b255e72fc3871e1d13a6c484342baa0bbd28822333bfa28cbdf005f87c070bf8.png" alt="" width="340" height="250">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>【会社概要】</b><br />
会社名 &nbsp; &nbsp;株式会社ミツイバウ・マテリアル<br />
所在地 &nbsp; &nbsp;〒515-0104　三重県松阪市高須町3460番地125<br />
代表者 &nbsp; &nbsp;代表取締役社長　三井陽介<br />
設立 &nbsp; &nbsp;昭和49年（1974年）11月19日<br />
従業員 &nbsp; &nbsp;66名（2025年3月20日）<br />
事業内容　金属系外装建築資材・環境商品・住宅設備機器・建材などを三重県内全域のユーザー約500社に製造・加工・販売・施工している<br />
URL &nbsp; &nbsp;<a href="https://mitsuibau.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://mitsuibau.com/</a></p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >創業から74年、進化を続ける「金属系建材の総合企業」</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/large-44c23b76e19c8ee0e24ff372b0670dcadbdc66b182e1383fa38c0cf65ce6633b.png" data-rel="SmartPhoto[6071]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/44c23b76e19c8ee0e24ff372b0670dcadbdc66b182e1383fa38c0cf65ce6633b.png" alt="" width="340" height="256">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>三井さんは三代目でいらっしゃいますね。<br />
<br />
<b>三井：</b>はい。創業は1951年に私の祖父がしています。なので、今年で創業74年目になります。最初は鍋ややかんを販売していて、大阪に仕入れに行って物々交換みたいな形でやっていたようです。たとえば食料を持って行って鍋ややかんを手に入れて、地元で売る、みたいな。最初は完全に卸売業で、そこから住宅設備とか、鉄の釘やなまし線などの建築資材に移っていきました。その後、やはり卸売だけではなかなか商売が…ということで、父の代になって製造業を始めました。工場を建て、仕入れた鉄のコイルを加工して、鉄鋼二次製品を製造するようになりました。<br />
<br />
<b>山口：</b>ガルバリウム鋼板というのは鉄の原材料名なんですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>そうです。昔は亜鉛鉄板などでしたが、今はガルバリウム鋼板というものが主流になり、金属製の屋根材や外壁材に使用されています。この事務所の壁も見た目は木に見えますけど、木目の模様を入れてあるだけで全部鉄です。そういった鉄の屋根や外壁材の製造メーカーという立ち位置で、現在はそれがメイン業種になっています。大手メーカーさんのOEMも、自社オリジナルの商品も両方取り扱っています。それに加えて卸売、問屋機能も持っていて、いろんなメーカーさんの商品を仕入れて、地元の職人さんに卸すこともしています。<br />
父の代からは、施工も少しずつ請け負うようになりました。ただ、やっぱりお客さんとバッティングしないようにという配慮もあって、当時は施工は控えめでした。<br />
<br />
<b>山口：</b>では、本格的に施工をやるようになったのは三井さんの代からなんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>そうですね。私が戻ってきたのが2010年なんですが、その頃は物販が8割、工事が2割くらいの割合でした。でも、物販だけでは厳しくなってきたのと、職人さんが減ってきていたということもあり、これからは付加価値として施工管理もしっかりやっていく必要があると思ったんです。それで施工管理といった資格等もその頃から積極的に取り始めました。いつも建材を買っていただいている職人さんに声をかけて、施工もそのお客さんにやってもらおうという形に変えていきました。私が戻ってきた頃ってリーマンショック直後で一人親方が増えている時代で、彼らは保険に入っていなかったり、職人さんによって品質がバラバラだったりなど色々な問題があるんです。なので、当社が施工を請け負った場合は、当社で保険をかけてちゃんと職人さんの安全を守りますと。また、元請けさんに対しては、我々がちゃんと品質を管理しますと。<br />
<br />
<b>山口：</b>持ちつ持たれつの協力体制なんですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>はい。私たちは職人さんの仕事を取りたいのではなくて、職人さんとの協力体制で一緒に地域の仕事をやっていこうと。最初は29社からスタートしたのですが、口コミで広がって、今は70社近く加盟してくれています。実は物販の売上はここ十何年あまり変わっていなくて、この施工の売上が伸びたことで全体の売上が倍以上になっています。今の売上でいうと、もう半分強が施工請負になっています。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >外国人材との共創で「労働力」から「戦力」へ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口：</b>御社は外国人材の活用でも先進的な取り組みをされていますよね。最初に実習生を受け入れたのはいつ頃だったんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>実習生自体は、もう20年以上前、父の代から工場にはいたんです。でもその頃はいわゆる単純労働者という扱いで、3年で国に帰ったらまた別の実習生を採用してというのが前提でした。お蔭様で施工の仕事は順調に進んでいましたが、施工現場で人を集めるのが年々追いつかなくなっていきました。屋根の長さが50メートルとか100メートルとかの大きな現場が増えてきたんですが、その時に人が集まらないんです。それで、当社の営業が一緒に現場に入ったりしていたんですが、本来営業の仕事ではないんですよね。<br />
<br />
<b>山口：</b>それはそうですよね・・・。<br />
<br />
<b>三井：</b>それで2020年頃ですね。ちょうど建設業での技能実習生の受け入れ基準の強化など色々あったタイミングで、当社で技能実習生を採用して、職人さんをサポートすることにしたんです。当時協力会社さんは50社くらいで、それだけいれば助けて欲しい人もいるだろうと。人を採用するには保険に入れなきゃいけないとか色々な法規制があって、人件費がかかるから職人さん達はなかなか人を雇えない。でも、当社でそれをやってくれるなら、協力会社の人たちからすればただ助かるって話なので、うちがいいなら取り敢えずやってみるかという感じで始めました。<br />
<br />
<b>山口：</b>とはいえ言葉の壁もありますし、大変だったんじゃないですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>そうですね。最初は私も一緒に現場に行ってたんですが、「言葉も通じないしどうなの？」という話をされることもやっぱりありました。それで、私はまず仕事よりも先に日本語を覚なさいと実習生にはずっと言っています。日本語さえ覚えてしまえば、周りが変わるんですよ。言葉が通じれば周りは仕事を教える気になるし、言葉が分かれば当人ももっと仕事を覚えることができる。<br />
<br />
<b>山口：</b>そこから外国人材の教育方針が変わっていったんですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>彼らを「労働力」としてではなく「戦力」として育てたかったんです。私は2018年に代表になったんですが、2021年に完全に私が代表ひとりの体制になりました。それで、そのタイミングで、外国人材にもきちんと昇給制度を導入しました。日本人社員の場合、最初の頃は1年目、2年、3年目と社歴で昇給させるので、外国人材もそれと同じように昇給させるよと。基本給というベースが上がれば残業代も上がるので、長くいればより稼げる仕組みをつくりました。また、日本語のレベルに応じた「日本語手当」も導入しました。こちらが「日本語を覚えなさい」と言ってるのに、それに対して対価がないのでは誰も覚えませんからね。日本語能力試験のN4（基本的な日本語を理解することができる）ならいくら、N3（日常的な場面で使われる日本をある程度理解することができる）ならいくらと段階的に月給を上げる形で設定しました。お金がたくさん欲しいなら、日本語を勉強して長く働くのが一番だよと。<br />
<br />
<b>山口：</b>やる気が出ますよね。<br />
<br />
<b>三井：</b>それだけでみんな勝手に勉強し始めました（笑）。結果、それまではN４取るのが精一杯だったところから、現在はN1（幅広い場面で使われる日本語を理解することができる）を取った子まで出ました。N2（日常的な場面で使われる日本に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる）も2人、N3はゴロゴロいます。<br />
<br />
<b>山口：</b>ホテルとかの接客業ならまだしも、建設業でN1は本当にすごいですね！<br />
<br />
<b>三井：</b>だから皆、会議でも私の言ってることとか全部ちゃんと理解していますよね。社歴も一番長い子が特定技能で8年目になります。逆に日本人の子には「もう日本人というアドバンテージはないよ」と話しています。だって彼らも日本語ペラペラなんだから、仕事の能力が高い方が昇給するし、管理職にもなっていく。それが当たり前。実際、外国人財にも役職をつけていますし、管理の仕事も教えています。</p>









































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<h3 > “人のため”の海外展開でベトナム現地法人を設立</h3>









































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<p><b>山口：</b>現地法人をベトナムに設立されたのも、そうした流れの中で？<br />
<br />
<b>三井：</b>そうですね。最初は、2018年に会長が「ベトナムに会社をつくる」と言い出したんです。自分のお金でやると言うし、正直その時は「第二の人生でやるのもいいんじゃないか」くらいの感覚でした。ところが、ベトナムの実習生の子たちと面談した時に、「社長ベトナムに会社つくるんですか？」って皆質問してくるんです。それで話を聞いたところ、皆いい会社で働けて満足していると。で、ベトナムに戻ってもいい会社に就職したいし、せっかく学んだことも活かしたい。本当にベトナムに会社をつくるんなら、そこで働きたいと言い出したんです。とは言っても、現地で会社なんてすぐにつくれるもんじゃないし、最低でも5年くらいかかる。あと5年間ここで働く気あるの？と聞いたら、「いや全然働きます！」と。彼らがそう言ってくれるなら、むしろちゃんと事業計画を立てて会社として出資してやるべきなんじゃないかと考え直したんです。<br />
<br />
<b>山口：</b>実習生の人たちの声で風向きが変わったんですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>私は会社の基本方針に「社員の幸福」というのを掲げているのですが、実習生たちの幸福ってこういう事なんじゃないかと思ったんです。それから市場調査とかを始めて、彼らとも「サポートはするけど現地でやってくのは貴方達なんだから、向こうの社長は貴方達の誰かがやらなきゃいけないよ」という話もしました。ただ単に仕事ができるだけじゃダメで、管理とか教育のこととか全部必要だからねと。それと、向こうでも日本語能力試験の手当はつけると約束しました。<br />
<br />
<b>山口：</b>ベトナムでも手当がつくんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>はい。N1まで取る子が出てきたというのは、それもあっての嬉しい誤算でしたね。私はもともとN3でもいいと思ってたんです。まさかN1取るとは思ってなくて、まあまあな金額に設定しましたから（笑）。そういう感じで、全部がトータル的にいい方向に動いたんだと思うんですけど、今年2025年1月にようやく現地で有限会社ミツイバウ・ベトナムを設立できました。<br />
<br />
<b>山口：</b>有言実行ですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>ただ、ベトナムってちょっと特殊で、まず事務所を借りないと会社の申請ができません。さらに工場用地を取得しないと製造業として申請できないんです。でも工場用地をいきなり買うのはリスクがあったので、まず事務所を借りて商社として設立しました。今は土地の交渉中で、契約ができたら製造業を申請して、業種形態を変えてやっていこうというところで、まだ本当に動き出したばかりです。私も頻繁にベトナムと日本を行き来していて、ちょっとずつ進めていっているというのが現状ですね。<br />
<br />
<b>山口：</b>コンサルは入れてないんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>現地の信頼できるパートナーはいます。長年うちの実習生を面倒見てくれていたベトナム人の子なんですが、故郷のバクザン省に日系企業を誘致したいという思いを持っていて、それなら一緒にやろうと。バクザンはハノイから1時間半くらいの場所で、隣のバクニン省は日本企業がたくさん進出していて、今工業団地がすごい勢いで増えています。でもバクザンはまだ20社程度で、次に来ると言われています。うちは工場の屋根が得意なので、それで今、日系企業と一緒にやれないかなと思って色々営業をかけたりしています。コンサルを入れてしまえば楽なんでしょうが、実際に自分で動くことで信用できる人脈を築くことができますし、そうした実体験を人に話すこともできます。私はベトナムで儲けようと考えているわけではないので、長い目で見て少なくとも10年以上、私の代では撤退しないぞという気持ちでゆっくりと進めています。<br />
<br />
<b>山口：</b>こうしてお聞きしていると、全部「人のため」ですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>そうですね。でも、日本の会社にとってメリットがないかというとそんな事はなくて、まさに人材面でプラスになっていると思います。今の日本は最低賃金で韓国にも負けるでしょう。それで待遇の良くない会社も多いし、日本は人気がないんです。でもうちは賃金も改定しましたし、残業代も1分単位で払うし、寮だってちゃんと一人一部屋与えています。そして、国に帰ったとしても働ける会社がある。こういったことが安心材料になって、ベトナムの斡旋会社さんからも「日本は不人気だけど、ミツイバウだったら来るよ」と言われています。実際、日本人も外国人も毎年しっかり採用できていて、ほとんど辞める人もいないので、人手不足で困ることがなくなりました。<br />
<br />
<b>山口：</b>外国人材の活躍と現地展開が、ちゃんとつながっているというのがすばらしいですね。</p>









































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<h3 >「社員の幸福」を軸に進めた改革とDX推進で「ブラック企業」からの脱却</h3>








































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	</a>
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<p><b>山口：</b>「社員の幸福」という基本方針が、垣根なくベースとしてしっかり根付いていますね。<br />
<br />
<b>三井：</b>でも、実は私が戻った当時は超ブラック企業だったんですよ。<br />
<br />
<b>山口：</b>えっそうなんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>サービス残業は当たり前で、平均残業時間は60時間超え。ちなみに営業赤字で社員が怒って事務員さんは泣いてるみたいな。離職率は9割で、最短2時間で辞めた人もいました（笑）。当初先代からは営業課長で戻って来いと言われたんですが、私はまず平社員で工場から始めて現場を全部署回ったんです。すると、どこもとにかく「見て覚えろ」の世界。さらに超アナログで、ヒューマンエラーの嵐。工場に行くと手書きの伝票が流れてくるわけです。加工成形で1mm単位で注文を聞いてくるのに、そもそも0か6かも分からない。それでいちいち聞き直してって、もう時間の無駄ですよね。<br />
<br />
<b>山口：</b>そこからどうやって変えていかれたんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>とにかく人を採らないと未来はないと思って、中途で一人ずつ採用していたんですが、まあ一人採っては辞めての繰り返しです。先代は人を採用して売上上がらなかったらお前ら給料ないぞみたいことを言うんですが、私は当時の幹部社員と相談して、とにかく人を採用すれば売上は上がるからと言って、新卒で4人採用することにしました。それまで若手がおらず話し相手もいなかったので、同期をつくるようにしたんです。3年間で12人採用し、そのうち3年以内で辞めた子は一人だけで、そこからグッと雰囲気が変わりました。ちょうど建築バブルのようなものが起きていたこともあって仕事が取れていましたから、その利益をIT投資や設備投資に回してアナログな環境の改善も進めました。それでまた社内の雰囲気が変わって・・・という繰り返しです。<br />
<br />
<b>山口：</b>15年をかけて少しずつ、でも劇的に改革されたんですね。<br />
<br />
<b>三井：</b>2013年に課長になって、そこで「社員の幸福」を基本方針の一番上に持ってきました。それで社員一人ひとりに「あなたの幸福って何？」と聞いて回ったんです。「給料を上げて」は分かってるので、それ以外のことで。そうしてヒアリングした内容から、お金のかからないところはすぐに改善して、お金のかかるところは採択しながら毎年一個成長させるというのを今でもやっています。それで社員専用のスポーツジムもつくったんですよ。プロ用のマシンを一通り入れて、シャワールームもあって、休みの日でもスマホでピッとやったら入れるという。お金がなかったので最初は見送ったんですが、2年前にやっと実現できました。<br />
<br />
<b>山口：</b>めちゃくちゃ本格的なジムですね！<br />
<br />
<b>三井：</b>そういった福利厚生の部分と、並行してIT化、DX化もやってきました。初めはお金がなかったので、アナログ業務を全部エクセルで作り替えたりしていって、社長になってからは三重県の中小企業で最初にRPAを導入してニュースで取り上げられたりもしました。（RPA：ロボティック・プロセス・オートメーション。人がパソコン上で日常的に行っている定型業務を、ソフトウェアロボットを使って自動化するもの）現在は新しい基幹システムも完成して運用できていて、今はそれと連動させた見積システムを開発しています。最終的には、全ての業務がパソコンとスマホのアプリでできるようにするのを目指しています。<br />
<br />
<b>山口：</b>本当に劇的な変化ですが、社内での反発はなかったんですか？<br />
<br />
<b>三井：</b>最初はすごくありましたね。当時は年齢的にも上の人ばかりでしたし、「手書きの方が早いし楽だ」って。そんなわけないんですけどね。実際最初は力技でとにかく一回やってみようと、取り敢えずやってみてから考えようと言っています。採用もITに詳しい子を採るようにして、その子達には「うちはITリテラシーが低いから、悪いけど聞かれたら何回でも教えてあげて」と話しました。それで自分が使えるようになると、コロっと手のひら返すんですよ（笑）。「社長これめっちゃ便利やん、もっと早く使っておけばよかったわ」って（笑）。半分が使い出したらもうこちらの勝ちです。みんな使いだしたら「俺もちょっとやろうかな」ってなるし、やってみたら案外使えるんですよ。うちが基本的に自社開発にこだわってるのはそれが理由で、誰でも使えるような操作性で、かゆいところに手が届かないと続かないと思っているからです。<br />
結果として業務効率が劇的に上がりました。今は19時以降会社には誰もいませんし、サービス出勤もない。有休消化率も向上しました。うちは年間休日105日で、求人媒体からは最低110日はないとダメだって言われるんですが、私は有休消化率100％の方が優先だと社員には言ってるんです。だって決められた休みより、好きに休める方がいいじゃないですか。実際好評で、うちは社員が持ち回りでブログを書いてるんですが、最近は旅行のことばっかりです（笑）。<br />
<br />
<b>山口：</b>ブラック企業からの脱却どころか、正反対の会社へ変貌を遂げてますね。</p>









































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<h3 >人と地域を活かす持続可能な未来戦略</h3>









































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<p><b>山口：</b>最後に今後の展望などをお教えいただけますか？<br />
<br />
<b>三井：</b>今年2025年1月に「ミツイバウ・ホールディングス」を設立し、その傘下に「ミツイバウ・マテリアル」、その下に「ミツイバウ・ベトナム」が入る形でホールディングス化しました。ミツイバウ・マテリアルの中では、一級建築士事務所と太陽光の合弁会社があります。でも業務を多角化しようというわけではなくて、全部本業でやっていたことを法的にもきちんとできるようにしようという感じです。例えば、今施工は大手の仕事も増えてきていて、大手さん相手だとやっぱり図面の精度も求められるんです。でも普通に採用しても設計士さんは来てくれないので、それなら設計事務所をつくった方がいいと。実際にそれで何名か入ってくれて、そうするとお客さんの増改築の相談なんかも自社で受けれるようになります。<br />
<br />
<b>山口：</b>こうしてお話を聞いていると、次の展開はM&amp;Aなのかなという感じがしますが。<br />
<br />
<b>三井：</b>M＆Aはめちゃくちゃ言われますね。ただ、うちは人には困ってないですし、M&amp;Aをするとその会社を管理しなきゃいけないですよね。今もう社員が80人近くいますし、さらに拠点が違ったら余計管理できないと思ってるんです。なので、M&amp;Aで規模を広げるよりも、信頼できる仲間や地域の職人さんと共存共栄していくほうがうちのやり方に合ってると思っています。実際に県外の同業他社さんとも助け合って、お互いの地元案件を協力してこなしています。<br />
<br />
<b>山口：</b>M&amp;Aで自社を大きくするよりも、地域の中で共存しながら自分の業界や業種でやれることをやっていくと。<br />
<br />
<b>三井：</b>その為にもやはり信頼関係が欠かせないですよね。お客さんや職人さんも高齢化していますので、「もうできないから頼む」と仕事を引き継ぐというケースも増えています。私は「下請け」という言葉が一番嫌いなので、社員にも「協力会社」という呼び方を徹底して、対等で長続きする関係を築くよう心がけています。いい関係性の相手とは、いい仕事ができます。その土台があるからこそ、社員も気持ちよく働くことができる。<br />
今実は経営指針なども一度見直していて、これができたら皆で10年ビジョンをつくろうと思っています。私がやりたいことが皆とイコールであれば一番いいんですけど、やっぱり彼らがやりたいことを叶えてあげた方がいいなと思っているので。私自身はあんまり規模を追っていないなくて、東海一番くらいは目指そうかと思っていますが、結果は後からついてくると思っているタイプなので、やっぱり松阪市で「ミツイバウに就職して良かった」と言ってもらえる会社を皆とつくっていきたいと思っています。<br />
<br />
<b>山口：</b>本日はありがとうございました！</p>








































				
				
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			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
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			<pubDate>Tue, 05 Aug 2025 12:00:59 +0900</pubDate>
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