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		<title>スモールサンニュース - 別刊「経営実践」</title>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年10月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6639.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第８３回：全国の仲間と学び、つながる一日<br />
〜『自主独立』の経営者達の学びの場〜（全国合同ゼミin広島レポート）」</h2>









































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<p>2026年9月11日、広島に全国各地のスモールサン・ゼミメンバーが集まり、「全国合同ゼミin広島」が開催されました。北海道から沖縄まで、地域を越えて集まった経営者たちは、広島ならではの見学企画や交流を楽しみながら、二つの講演を通じてこれからの経営について学びを深めました。<br />
<br />
前半は、広島修道大学商学部の木村弘教授による「経験・勘を経営の力に変える―アート・クラフト・サイエンスから考える戦略的思考―」。後半は、スモールサン主宰・立教大学名誉教授の山口義行先生による「激動の政治・経済情勢と中小企業～なぜ、中小企業を支援するのか～」です。<br />
経営者自身の経験や勘をどう活かすのか。変化する政治・経済情勢をどう読み、自社の経営に引き寄せて考えるのか。そして、なぜ経営者同士が学び、つながる場が必要なのか。全国合同ゼミならではの一日を振り返ります。</p>








































<hr class="clearHidden">





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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202610/large-a593f70621df8810c5c2a7911bac32f5afdea3b09a1c05c49980a240062e60f2.jpg" data-rel="SmartPhoto[6639]" data-caption="">
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	</a>
</div>

































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<h3 >地域を越えて学び、つながる全国合同ゼミ<br />
〜北海道から沖縄まで全国の経営者が広島に集結〜</h3>








































<hr class="clearHidden">

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<p>2026年9月11日、スモールサン全国合同ゼミが広島で開催されました。全国合同ゼミは、普段は各地域で活動するスモールサン・ゼミのメンバーが一堂に会し、地域を越えてともに学び、交流する機会です。<br />
第1回の石垣島、第2回の札幌に続き、3年目となる今年の開催地は広島！主管を務めてくださったゼミHIROSHIMAでは、2月頃から準備を進め、この日を迎えました。当日は北海道から九州、沖縄まで、全国各地のゼミから70名にのぼる経営者が広島に集結。また、現地会場だけでなくZoomでの同時配信もあり、オンラインでも60名近い参加がありました。<br />
<br />
合同ゼミが始まる前には、広島ならではの特別企画も用意されました。参加者は江田島を訪れる見学組とゴルフ組に分かれて交流し、ゼミHIROSHIMAのメンバーは朝から各企画の運営や会場設営に奔走。地元のゼミがホストとなり、全国から訪れる仲間を迎えるのも、全国合同ゼミならではの光景です。<br />
<br />
そして、夕方からはいよいよ合同ゼミ。今回は、スモールサンニュースでも<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「中小企業コラム」</a>を執筆いただいている広島修道大学商学部の木村弘教授と、スモールサン主宰・立教大学名誉教授の山口義行先生が登壇しました。木村教授からは、経営者の経験や勘をどのように経営の力へ変えていくのか。山口教授からは、激動する政治・経済情勢をどう捉え、中小企業経営にどう引き寄せて考えるのか。それぞれ異なる角度から、経営者が自ら考え、判断するための視点を学ぶことができました。<br />
まずは木村教授による、「経験・勘を経営の力に変える―アート・クラフト・サイエンスから考える戦略的思考―」から、当日の学びを振り返ります。</p>









































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<h3 >経験・勘を、経営の力に変える<br />
〜アート・クラフト・サイエンス〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202610/large-7991c829c521215fface6cfa5a61a27354f4c3595d0ff9fe31fe0d2d47e644cd.jpg" data-rel="SmartPhoto[6639]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































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<p>木村教授の講演は、これまでスモールサンニュースのコラムでも取り上げてきた「経験・勘・度胸」、いわゆるKKDをどう捉えるかという話から始まりました。<br />
中小企業経営では、「うちはKKDだから」と自虐的に語られることがあります。もちろん、どんぶり勘定や放漫経営、思いつきだけに頼る意思決定は避けなければなりません。一方で木村教授は、長年の実践の中で培われた経験や、そこから生まれる勘には、経営者にとっての財産や強みとしての側面もあると言います。<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-6405.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">4月の「中小企業コラム」</a>でも、経験や勘を単なるデータ不足として捉えるのではなく、その中にある固有の価値に目を向けています。<br />
<br />
そこで手がかりとして紹介されたのが、経営学者ヘンリー・ミンツバーグの「アート・クラフト・サイエンス」という考え方です。<br />
「アート」は、洞察力やビジョン、直感などをもとに未来を構想する力。<br />
「クラフト」は、経験や実践を通じて身につけた現場感覚や技。<br />
「サイエンス」は、事実やデータを分析し、判断を支える力です。<br />
木村教授は、この三つのどれか一つが正しいのではなく、経営のさまざまな場面でそれぞれを組み合わせていくことが重要だと説明しました。<br />
例えば、意思決定一つをとっても、「まず見て直感的に判断する」人もいれば、「まず行動して確かめる」人、「データを集めてじっくり考える」人もいます。木村教授は、経営者それぞれに判断の特徴があり、実際の経営では、アート・クラフト・サイエンスを状況に応じて組み合わせながら判断していくことが大切だと説明しました。<br />
<br />
また、講演では「マネジメントは多次元の綱渡り」というミンツバーグの考え方にも触れられました。経営では、どちらか一方だけを選べば済むわけではない場面が数多くあります。その時々の状況に合わせてバランスを取り続けることも、経営者に求められる重要な力です。<br />
この点は、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/column/entry-6629.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">9月の「中小企業コラム」</a>でさらに掘り下げています。そこでは、経営に付きまとうさまざまな「板ばさみ」と向き合いながら、絶えず変化する中でバランスを取り続けることこそがマネジメントだと整理されています。<br />
経験や勘を否定するのでも、データだけを信じるのでもない。それぞれの強みを理解し、経営の場面に応じて活かしていく。木村教授は、そんな経営のあり方を示しました。<br />
そして講演後半では、この考え方をさらに「戦略的思考」へと広げていきます。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「正解」をつくる方法は一つじゃない<br />
〜自社なりの戦略をどう描くか〜</h3>









































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<p>講演後半では、木村教授が「戦略的思考」について話を進めました。ここで紹介されたのが、「6」という答えをどうつくるか、というシンプルな例です。<br />
「6」をつくる方法は、「1＋5」でも「2＋4」でも「3＋3」でもいい。「正解」が一つでも、そこに至る組み合わせはいくつもあります。木村教授は、これを事業経営に置き換えると、「6」は会社が目指す将来像やビジョンにあたり、それを実現する方法は会社によって違うと説明しました。<br />
同じような目標を掲げていても、それぞれの会社が持っている人材や技術、経験、資金、顧客との関係は異なります。だからこそ、他社のやり方をそのまま当てはめるのではなく、まず自社がどうなりたいのかという姿を描き、そこから自社の強みや資源をどう組み合わせれば実現できるのかを考える。その道筋をつくることが、戦略的に考えるということです。<br />
<br />
そして、戦略は最初から完成された計画として存在するとは限りません。経営の現場では計画通りにいかないことも多く、実際には行動し、結果を確かめ、修正しながら進む中で、戦略が形になっていくことも多いと木村教授は語ります。<br />
4月のコラムでも、戦略は未来に向けて「意図するもの」である一方、後から振り返ると「実現されたもの」として捉えられることがあり、行動の積み重ねの中から戦略が見出されていくと整理されています。<br />
だからこそ大切になるのが、最初に描いた方向を持ちながらも、現場で起きていることに応じて柔軟に考え続けることです。経営者自身の経験や直感、現場での実践、そして事実やデータ。それぞれを使いながら、自社にとってのより良い方法を探していく必要があります。<br />
<br />
また、どれだけ経営者の中に明確な構想があっても、それが社内で共有されなければ組織は動きません。木村教授は、結論を示し、その理由を説明し、さらに事実やデータで補強することで、考えをより伝わる形にしていくことにも触れました。そして、自ら会社の立て直しに取り組む経営者と社員のやり取りを目の当たりにした自身の経験からも、「思いを組織のメンバーと共有しながら進めること」の大切さを語りました。<br />
「正解」を探して外から持ってくるのではなく、自社が目指す姿を起点に、自社の強みや経験を生かしながら試し、修正し、自分たちなりの道筋をつくっていく。そして、その考えを社員と共有する。木村教授の講演は、経営者が自社なりの戦略をどう描いていくかを、改めて考える機会となりました。</p>









































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<h3 >激動する情勢を、自社の経営に引き寄せて考える<br />
〜数字の先にある変化をどう読むか〜</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202610/large-fe9abbae6c5fed24f677acbd26948dce90b876bed31e9e59be545c3cad4af349.png" data-rel="SmartPhoto[6639]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>続いて登壇したのは、スモールサン主宰・立教大学名誉教授の山口義行先生です。<br />
講演前半では、その時点での物価や金利、為替、中東情勢などを取り上げながら、それぞれの数字がなぜ今の動きをしているのか、その背景を読み解いていきました。<br />
<br />
まず取り上げたのが、物価と金利。講演日時点で、表面上の物価上昇率には低下傾向が見られる一方、日本銀行はすでに金利を引き上げ、今後も利上げを続ける姿勢を示していました。「物価が落ち着いてきているのに、なぜ金利を上げるのか」。山口教授は、その理由を政府の物価対策との関係から説明しました。<br />
ガソリンなどへの補助金が拡充されれば、その分だけ統計上の物価上昇率は押し下げられます。そこで政策による押し下げ効果を除いて物価の動きを見ると、実際の物価上昇の勢いは表面の数字ほど弱まっておらず、日銀が目標とする2％を上回る状態が続いている――というのが、山口教授の見方でした。<br />
さらに山口教授は、物価が上がっているのに金利を低く据え置くこと自体が、かえって物価上昇を促す要因にもなり得ると説明しました。物価上昇率に対して金利が低ければ、資金を借りてモノを買う動きが強まりやすくなる。だからこそ日銀としても、物価の勢いに合わせて金利を引き上げざるを得ないというわけです。<br />
<br />
もう一つ大きなテーマとなったのが為替です。講演時点で、円相場はそれまでの円安から円高方向への動きを見せていましたが、山口教授はこれを単純に「円安が終わった」とは見ませんでした。背景には日銀の利上げだけでなく、米国からの円安是正への圧力や、日本の財政政策をめぐる動きもあると分析。一方で、円安を生んできた積極的な財政運営そのものが変わらなければ、利上げ後に再び円安方向へ戻る可能性もあると見通しを示しました。<br />
円高になれば、輸入原材料を扱う企業にとっては仕入れコストの低下が期待できます。しかし、その恩恵だけを見ていればいいわけではありません。金利が上がれば、中小企業にとっては借入負担が重くなります。為替や金利の変化は、自社だけでなく、取引先の資金繰りや仕入れ、販売価格にも波及していきます。<br />
<br />
さらに、中東情勢や原油価格、原材料の供給についても触れました。必要なモノが以前より入ってくるようになったからといって、供給の不安定さそのものが解消したわけではありません。国際情勢が変われば、原油価格や物流、原材料価格が再び大きく動く可能性があります。だからこそ、目の前の「価格」や「入手しやすさ」だけで判断せず、その背景にある情勢まで見ておく必要があると指摘しました。<br />
<br />
山口教授が示したのは、物価や金利、為替の数字を覚えることではなく、「なぜ今こうなっているのか」を考えることの大切さでした。そして、その変化が自社の借入や仕入れ、販売先、取引先にどのようにつながるのかまで考える。政治・経済情勢を自社の経営に引き寄せて読むことが、経営判断の土台になるのです。<br />
そして講演はここから、そんな山口教授自身がなぜ中小企業経営者とともに学ぶ場をつくってきたのか、その原点へと話が進んでいきました。</p>









































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<h3 >自分の頭で考える「自主独立」の経営者であるために<br />
〜学びを持ち帰り、またつながる〜</h3>









































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<p>講演後半で山口教授は、なぜ自分が中小企業経営者とともに学ぶ場をつくり、長年支援に関わってきたのか、その原点を振り返りました。<br />
きっかけの一つになったのは、バブル崩壊後の時代。経営者たちから寄せられたのは、経営ノウハウそのものを教えてほしいという声ではなく、「自分たちが今、時代の流れの中でどこに立っているのかを知りたい」という思いだったと語りました。日々会社を経営していても、その背後にある大きな変化が見えなければ、これからどこへ向かえばいいのか判断できない。そこで山口教授は、自らの専門を生かして経済や社会の動きを読み解きながら、経営者とともに考える勉強会に関わるようになりました。<br />
<br />
その学びは、一度話を聞いて終わるものではありません。講演では、ある勉強会で「社員と一対一で話してみよう」という課題が生まれ、参加した経営者たちがそれぞれ会社に持ち帰って実践したエピソードも紹介されました。翌月には、その結果を持ち寄って報告。そこである経営者が社員に「なぜこの会社で働いているのか」と尋ねたところ、「ここだけが、自分を一人の人間として名前で呼んでくれる場所だから」という答えが返ってきたといいます。<br />
学んだことを会社へ持ち帰り、自分なりに試してみる。社員と向き合い、そこで得た気づきをまた仲間と共有する。山口教授が紹介したこのエピソードは、経営者同士で学ぶ場が、実際の経営や組織づくりへつながっていく一つの姿を示していました。<br />
<br />
そして講演終盤で山口教授が強調したのが、「自主独立」の大切さです。誰かの答えをそのまま受け入れるのではなく、さまざまな情報を学びながら、最後は自分の頭で考え、自分で判断する。講演では、大手企業との取引に依存した経営から離れ、自ら新しい道を切り開いていった中小企業の事例にも触れながら、そうした姿勢こそ中小企業経営者の力ではないかと語りました。<br />
経済を学ぶことも、経営の理論を学ぶことも、それ自体が目的ではありません。得た知識を自社に引き寄せ、自分で考え、実践し、その経験をまた仲間と共有する。そうした自主独立の経営者を支える場でありたい――。山口教授の話は、スモールサン・ゼミが大切にしてきた学びのあり方にもつながるものでした。<br />
<br />
二つの講演を終えた後は、場所を移して懇親会へ。全国各地から集まったメンバーが地域を越えて顔を合わせる、全国合同ゼミならではの時間が続きました。<br />
普段はそれぞれの地域で学ぶスモールサン・ゼミ。その学びを自社へ持ち帰り、また次のゼミで考える。そして全国合同ゼミでは、地域を越えて新たなつながりをつくる。広島での一日は、経営を学ぶことと、経営者同士がつながること。その二つを改めて感じる全国合同ゼミとなりました。<br />
</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202610/large-db5fe0229ce900f6e44f5c849f149035bef22d780e2e5b687d0c7e59f6c89444.png" data-rel="SmartPhoto[6639]" data-caption="">
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	</a>
</div>

































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6639.html</guid>
			<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年10号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6640.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































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<h2 >高市政権がアメリカからの圧力で「脱リフレ」を強調しはじめた<br />
～口先だけではアメリカも市場も納得しない～</h2>









































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<p>9月初めには一時1ドル154円程度にまで円高が進んだ外国為替相場が、再び円安方向に動いている(10月4日現在1ドル158円近辺)。「介入で円安を止めればいい」という高市首相の思惑には限界があることを市場が示している。<br />
アメリカも繰り返し円安に対しては介入よりも政策で対応するよう高市政権に求めてきた。円安を止めるには高市政権の積極財政路線の修正が不可欠だというのである。このアメリカからの圧力に応じて、高市首相は突如「私はリフレ論者ではない」などと言い始めている。しかし、下記の記事が指摘するように問題は行動である。口先だけではアメリカも市場も納得しない。<br />
<div align="right">(山口　2026.10.4筆)</div></p>









































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<div class="entry-container"><blockquote><h3>高市政権「脱リフレ」強調　米に対応<br />
対日要求、金融・財政へ　圧力回避探る</h3>日本経済新聞2026年10月2日<br />
<br />
トランプ米政権の日本への要求が貿易から金融、財政にまで広がってきた。高市早苗政権は「脱リフレ」を強調して米国の攻勢をかわす狙いだ。…<br />
<br />
トランプ大統領は9月22日の日米首脳会談で、高市首相に円安への懸念を伝えた。…ベッセント米財務長官に加え、大統領も日本側に懸念を伝えたことで米国の圧力は一段と強まった。<br />
高市政権は説明する必要が生じた。片山さつき財務相は9月23日、首相から「<font color="red">私はリフレ論者ではないから、それを言って</font>」と指示されたことを明らかにした。<br />
片山氏はその後のベッセント氏との電話協議で「高市首相はリフレ論者ではない」と伝えた。<br />
高市政権の「責任ある積極財政」の旗振り役である<font color="red">城内実経済財政相</font>の発言も変わってきた。25日の記者会見で「金融をどんどん緩和し、財政も機動的に取り組む<font color="red">アベノミクス的なリフレ政策の局面は終わっている</font>」と述べた。…<br />
<br />
高市政権がメッセージを発信する背景には米国の要求がある。<br />
ベッセント氏は9月1日、日本は「リフレ政策をやめるべきだ」と表明した。片山氏と日銀の植田和男総裁にも「円安が国内のインフレ圧力を強めている」との認識を伝え、金融・財政政策の転換を求めた。…<br />
<br />
円安は今後も続く可能性がある。政権の姿勢を発信することで米国の要求が収まるかは見通せない。<br />
<font color="red">経済政策を巡り米国は言葉ではなく行動を求めてきた</font>歴史がある。…<br />
(<font color="red">赤字</font>による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
			]]></description>
			<category>知っとこNews</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6640.html</guid>
			<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年9月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6590.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第８２回：『今の商売』を『次の商売』につなげる！発想を広げるビジネスモデルのつくり方（SSゼミFUKUOKAレポート）」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/large-cf0441ccdd064a2621f4f453bd649933f5e90dd370043b215a90f5c5b8211770.png" data-rel="SmartPhoto[6590]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/cf0441ccdd064a2621f4f453bd649933f5e90dd370043b215a90f5c5b8211770.png" alt="" width="340" height="255">
	</a>
</div>


































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今回の「現場に行く！」は、6月に開催されたゼミFUKUOKAの模様をレポートします！<br />
講師は、ゼミFUKUOKAではおなじみのリピーター創出コンサルタント・一圓克彦氏。今回のテーマは、「お客様が増え続ける、減らない」ビジネスモデルのつくり方です。<br />
居酒屋から福祉、警備、製造業、そしてコンサルタントへ——。一圓氏自身のユニークな経営経験をたどりながら見えてきたのは、まったく新しい事業をゼロから始めるのではなく、今ある設備、人材、顧客との接点を生かして、一つの仕事からいくつもの売上を生み出すという発想でした。<br />
「一回動いて、一回の売上」で終わっていませんか？<br />
自社の仕事をいつもとは少し違う角度から見直すヒントが詰まった、今回のゼミFUKUOKA。その一部をご紹介します！</p>









































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<h3 >同じ設備、同じ人で、別の売上をつくれないか？</h3>









































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<p>講演は、一圓氏が20歳の頃に経営していた居酒屋の話から始まりました。<br />
「美味しいものを作ればお客さんは来るだろう」とメニュー開発に励み、お客さんを呼ぶために最後には生ビールを100円に。行列こそできたものの、当然ながら店は大赤字。一圓氏がオーナーになってわずか2カ月ほどで、倒産の危機に陥ったといいます。<br />
そんな中、近くの市役所職員から「高齢者向けのお弁当を作れないか」と声をかけられたことが、一つの転機になりました。行政から受託した弁当事業では、年間でどれだけの売上が上がるのかがあらかじめ見えている。それまで、天候や予約のキャンセルによって毎日の売上が大きく変わる居酒屋を経営してきた一圓氏にとって、「売上が先に決まっているビジネス」の存在は大きな発見だったそうです。さらに、昼間には店舗を使った高齢者向けの会食サービスにも参入しました。<br />
ここで重要なのは、新たに店舗をつくったわけでも、新しい厨房を用意したわけでもないことです。お弁当を作るのは居酒屋の厨房。会食サービスを行うのも、夜は居酒屋として使っている同じ店舗です。スタッフも、昼は高齢者の送迎やサービスを担当し、夜になればそのまま居酒屋の仕事に入ります。<br />
「設備が増えてないのに、売り上げが増える。『これがビジネスか！』と思った」<br />
それまで一圓氏が考えていたのは、繁盛店をつくり、2号店、3号店と店舗を増やしていく方法でした。しかし店舗が増えれば、人件費も管理の手間も増えていきます。それよりも、今すでに持っている設備や人材を使って、別の売上を生み出せないか。考え方をそうシフトさせた一圓氏は、夜間まで働いているスタッフを活かして福祉事業の見守りと、その仕組みを活かして警備業にも参入。やがて、一つの拠点から「飲食」「福祉」「警備」という三つの売上が生まれるようになりました。<br />
新しい事業を始めるというと、つい新しい設備や人材を用意することから考えてしまいます。しかし、今回のゼミで学んだのは、自社の「今あるもの」を見直し、「別の売上に使えないか？」と考える発想でした。</p>









































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<h3 >一度集めたお客様を、次の売上へつなげる</h3>









































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<p>「今ある設備や人材から、別の売上をつくる」。そこから一圓氏の話は、さらに「一度つくった顧客接点をどう広げるか」という話へ進んでいきました。<br />
居酒屋を経営していた当時、一圓氏が注目したのが、「領収書をお願いします」と言うお客様でした。個人で飲みに来るお客様よりも、接待や懇親会で利用する法人客の方が客単価が高い。そこで、それまで行っていた広告やポスティングをやめ、近隣の会社や建築現場へ直接営業に出るようにしました。送迎にも対応し、「接待で使ってください」と営業した結果、法人利用が増え、客単価も大きく上がったと言います。<br />
ただ、一圓氏はそこで終わりません。店を出たお客様たちが「次、どこ行きます？」と話しているのを見て、「だったら、その「次」も自分たちで用意できないか」と考えたのです。<br />
そこから二次会の店、さらにその先の飲食店へと店舗を増やしていき、最終的に合計13店舗。各店舗がそれぞれで集客するのではなく、入口となる一つの店にお客様を集めれば、その後は自然と次の店の売上へとつながっていく。お客様が自然と循環する仕組みをつくったのです。「ここにさえ集客してれば、あとは全部流れていく」一圓氏は、そう振り返ります。<br />
新しい売上をつくるというと、新しいお客様を探すことばかり考えてしまいがちです。しかし、一度来てくれたお客様との関係をそこで終わらせず、「このお客様は、この次に何を必要とするだろう？」と考えてみる。そこにも、次のビジネスの入口があります。新規顧客を毎回ゼロから集め続けるのではなく、一度できた接点を次へつなげていく。その視点は、まさに「隣接異業種」の入り口だと感じました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >一回動いて、いくつ売上をつくれるか？</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>続いて一圓氏が紹介したのが、製造業を継いだ後に手がけたリサイクルトナーカートリッジの販売です。<br />
当時、一圓氏は企業へトナーを納品する中で、ある会社の壁一面に積まれた段ボールに目を留めました。中身は、処分を待つ機密書類。「これ、うちが回収したら売上になるんじゃないか」そう考え、機密書類の処理事業にも参入します。すると、一度お客様の会社へ行くだけで、トナーの納品、機密書類の回収・処分料、さらにその紙を再生紙メーカーへ持ち込めば原材料として買い取ってもらえる。一回の訪問で、三つの売上が生まれる仕組みができました。<br />
さらに、トナーを届けるついでに文房具のカタログを置かせてもらう。使い終わったインクリボンを回収する等。今やっている仕事の流れを変えずに、その中へ新しい売上を一つずつ付け加えていく。<br />
「一つのアクションの中で、いくつキャッシュポイントを作れるか」。一回動いて、一回の売上で終わるのではなく、今の仕事の「ついで」にできることはないか。そんな視点で日々の仕事を見直すことが、新しい売上を生み出すヒントになります。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「営業にはお金がかかる」という常識を疑ってみる</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>こうして「一つのアクションから、いくつの売上を生み出せるか」を考えてきた一圓氏。その発想は、コンサルタントとして独立した後の仕事にも、そのまま生かされていきました。<br />
一圓氏が常に念頭に置いたのは、「仕入れはお金をもらいながらやるもの。そして営業も、お金をもらいながらやるもの」という考え方。一般的には、仕入れにはお金を払い、営業にも広告費や人件費などのコストをかけるものと考えます。しかし、機密書類の処理では、お客様から処分料をもらって紙を引き取り、その紙を再生紙メーカーに買い取ってもらっていました。つまり、仕入れそのものから売上が立っていたわけです。<br />
ならば営業も同じようにできないか。コンサルタントとして仕事を始めた一圓氏が目をつけたのが、商工会議所などから依頼を受ける講演の仕事でした。自分でお金をかけてセミナーを開催し、見込み客を集めるのではない。講師として呼んでもらい、講師料や交通費を受け取りながら、多くの経営者に自分のことや考え方を知ってもらう。つまり、講演という一つの仕事そのものが売上であり、同時に次の仕事につながる営業活動にもなっているのです。<br />
今やっている仕事を「その仕事だけ」で見ない。その仕事を通じて誰と出会えるのか。そこから次に、どんな仕事へつながる可能性があるのか。そう考えてみれば、今の本業そのものが、次のビジネスの営業活動になり得る。「営業にはお金がかかる」「仕入れにはお金がかかる」。そんな当たり前を一度疑ってみることが、発想の転換のきっかけになるのかもしれません</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「今やっていること」の中に、次の商売の種がある</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>講演の最後、一圓氏はこれまでの話を自社に置き換えて、新しいビジネスモデルを考えるための「発想テンプレート」を紹介しました。<br />
「何か新しいことできないかな」と、まっさらな状態から考えようとしても、なかなかアイデアは出てきません。そこで必要になるのが、今の事業をいくつかの切り口に分けて考える方法です。<br />
たとえば、「誰に売るのか」という顧客属性だけでも、一般消費者向けのBtoC、法人向けのBtoB、公的機関向けのBtoGなど、いくつもの選択肢があります。さらに、「一対一」なのか「一対多」なのか。提供するものは「物」なのか「サービス」なのか「コンテンツ」なのか…と分けて考えていく。こうした要素を掛け合わせていくことで、今のビジネスに何を足せるか、今の事業の“ついで”に何ができるかを具体的に考えやすくなるといいます。その組み合わせパターンは、なんと640通り！<br />
もちろん、そのすべてが実際のビジネスになるわけではありません。大切なのは、「これできへんかな、これできへんかな……あ、これいけんちゃうか」と、今あるものを組み合わせながら考えてみることだと一圓氏は言います。<br />
今回の講演を通して繰り返し登場したのは、「今やっていることを別転用して、別の売り上げが作れないか」という新しいビジネスモデルを生み出すベースとなる考え方です。<br />
居酒屋の厨房やスタッフを別の事業にも使う。一度来てくれたお客様を、次のサービスへつなげる。いつもの納品の中に、別の売上を生む仕事を加える。今の仕事そのものを、次の仕事への営業活動にする。「一つの仕事を、一つの売上だけで終わらせない」という視点を持つだけでも、普段見慣れている自社の仕事が少し違って見えてきます。<br />
講演後には参加者からも、「今のビジネスをどう展開していくのか、どういう発想で考えていくのかを考えることができた」との声が上がりました。さらにオンライン参加者からも、さまざまな事業を複合的に組み合わせていく考え方が印象に残ったとの感想をいただきました。講師の実体験を聞くだけでなく、「では、自分の会社だったら？」と参加者それぞれが考えてみる。スモールサン・ゼミは、そのための時間であるとも言えます。<br />
皆さんの会社でも、今ある商品、設備、人材、そしてお客様との関係を改めて眺めてみると、その中にまだ気づいていない「次の商売の種」が隠れているかもしれません。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6590.html</guid>
			<pubDate>Mon, 07 Sep 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年9号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6591.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h2 >日銀利上げ、9月、12月、来年3月の可能性<br />
～アメリカからは「リフレ政策を止めるべき」の声も</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>この数日間ドル円相場が急速に円高に振れ、一時１ドル155円台を付ける局面もあった。これは9月の日銀利上げが確実視されていることによるものだが、こうした見方の背後にはアメリカからの円安是正要求の高まりがある。ベッセント財務長官は日銀利上げを支持する発言を繰り返しているだけでなく、高市政権の積極財政路線にも事実上方向転換を求めている。<br />
下記の記事にあるように、今や市場は今年9月、12月、来年3月の利上げを織り込みはじめている。私もその可能性が高いと考えている。これは景気の動向や不動産市況などにも大きな影響を与える。経営者の皆さん、今後の金利動向をしっかり注視していきましょう。<br />
<div align="right">(山口　2026.9.4筆)</div></p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote><h3>日銀利上げペース、市場予想は「3カ月に1回」へ加速</h3>日本経済新聞2026年9月3日<br />
<br />
金融市場で日銀の利上げペースが加速するとの見方が広がる。9月17〜18日の金融政策決定会合で利上げが決まれば前回利上げから3カ月後で、その先については2027年3月などを見据えると「3カ月に1回」との織り込みが金融市場で進んでいる。…/9月会合を巡るOIS市場(変動金利と固定金利を交換するスワップ市場―山口)での利上げ織り込みはすでに98%まで高まっている。その後は…<font color="red">9月、12月、27年3月と1会合おきに、3カ月に1回のペースで利上げ</font>を進めるとの市場の見立てを映しているといえる。…/ベッセント米財務長官からは利上げを後押しするような発言が目立つ。米財務省によれば、ベッセント氏は8月30日に会談した植田氏に対して「円の大幅な過小評価に対処するため、日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持する」と話したという。ベッセント氏は1日の記者会見では「日本に（財政拡張と金融緩和に前向きな）リフレ政策をやめるべきだと伝えた」と明らかにした。<br />
(<font color="red">赤字</font>による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
			]]></description>
			<category>知っとこNews</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6591.html</guid>
			<pubDate>Mon, 07 Sep 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年8月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6557.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第８１回：クロボー製菓株式会社」<br />
</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「山口恵里の“現場に行く！”」は、福岡県久留米市にあるクロボー製菓株式会社さんに伺いました！<br />
<br />
大正9年創業、今年で106年を迎えるクロボー製菓株式会社。全国で販売されている看板商品『黒棒名門』で、その名をご存じの方も多いのではないでしょうか。久留米の郷土菓子として親しまれてきた黒棒を中心に、黒糖菓子を作り続けてきた老舗企業です。<br />
その隣に2014年にオープンしたのが、黒糖創作菓子を楽しめる『黒棒茶寮 Doch（ドッホ）』。黒糖になじみの薄い若い世代にもその美味しさを届けたいという思いから生まれたお店です。<br />
<br />
今回お話を伺ったのは、クロボー製菓の次代を担う岡田宗士さん。黒糖米粉ロールケーキや黒糖カスタードプリンなど、一つひとつの商品に込めた工夫や、黒糖、そして商品づくりへの熱いこだわりについて伺いました。<br />
創業時から受け継がれてきた姿勢を守りながら、新たな可能性を広げるクロボー製菓の挑戦をお届けします！</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-4200def38b4797680946871e7ed9a632c222bd7a1b36c0140f5377509fda49cf.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-35bd0d174606c1e2e9a066851cb2351b4b58ac73dd0c4281b3ae6e2be51adc0c.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<p><b>【会社概要】</b><br />
会 社 名　クロボー製菓株式会社<br />
創　業　大正９年<br />
所 在 地　福岡県久留米市荒木町白口字栗の内1290<br />
製造品目　黒棒・白棒・黒糖丸ぼうろ・他　黒砂糖を使用した和洋菓子<br />
<a href="https://www.kurobo.co.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">久留米黒棒本舗、黒棒茶寮Ｄｏｃｈ（ドッホ）オフィシャルサイト</a><br />
<a href="https://kurobo.stores.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">お取り寄せ</a></p>








































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<h3 >大正9年創業、「作るのが大変な黒棒」を選んだ理由</h3>








































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<div class="column-image-right">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/954647986390efc553fc18f218dfad79fdfe459bb5279bb5a3c89e6b38ebc399.jpg" alt="" width="402" height="305">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　『黒棒名門』といえば、今や全国で食べられる定番の黒糖菓子です。クロボー製菓さんは、今年でなんと創業106年ということで。<br />
<br />
<b>岡田</b>　創業は1920年、大正9年です。現在の社長である父が4代目になります。創業当時は、黒棒や飴玉などを作って売る個人商店のような形だったと聞いています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　黒棒は、もともとこの地域で親しまれてきたお菓子なのですか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　そうですね。この辺りでは昔、小麦が採れて、サトウキビも少し作られていたそうです。農家の方が仕事の合間に食べるおやつとして、各家庭で小麦粉を練り、黒糖蜜につけて食べていたのが始まりだと聞いています。ですから、うちが最初に作ったというよりは、もともと地域の家庭で作られていたお菓子なんです。<br />
<br />
<b>恵里</b>　そこから商品として製造し、販売するようになったのですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　最初は自転車で売り歩いていたそうです。その後、1966年にクロボー製菓という会社になり、流通を通して黒棒を全国へ展開するようになりました。創業当時は飴玉やせんべいなども作っていたようですが、祖父の代に黒棒を中心にしていったと聞いています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　いくつか商品がある中で、なぜ黒棒を選んだのでしょうか。<br />
<br />
<b>岡田</b>　「黒棒が、一番作るのが大変だったから」と聞いています。作るのが大変だからこそ、ほかの人が簡単にはやらない。簡単なものだと、みんなが作るので競争相手も増えますから。それで黒棒に絞っていったそうです。<br />
黒棒の主な原料は、小麦粉、卵、黒糖蜜と非常にシンプルです。こねた生地を帯状に絞って焼き上げ、斜めに切った後、周りに黒糖蜜をつけます。しかし、材料や工程がシンプルだからこそ、その一つひとつが味や食感を大きく左右します。<br />
当社では、現在も黒棒の蜜付けは、機械でまとめて蜜に浸すのではなく、人の手で一本ずつ行ってるんですよ。蜜に浸す時間が長いと中まで染み込みすぎるし、短ければ十分に蜜がつかない。表面だけにちょうどよく蜜をまとわせることで、外側はザクッと、中は柔らかい独特の食感が生まれます。手間はかかりますが、手作業だからこそ、ちょうどよく蜜をつけることができるんです。この蜜付けが当社の黒棒の原点であり、一番の特徴だと思います。ベテランの担当者は、1分間に80本くらい仕上げるんですよ。<br />
<br />
<b>恵里</b>　全国へ展開されてるお菓子なのに、手作業で仕上げされてるんですか！作るのが大変だからこそ、あえてそれを選ぶ。それがクロボー製菓さんの商品づくりの源流なんですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >家業へ戻った次代の担い手に、父が勧めた『洋菓子』</h3>









































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<p><b>恵里</b>　岡田さんはこれから5代目を受け継いでいくわけですが、以前から家業は継ぐつもりで考えていたんですか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　いえ、私は大学から北海道に行き、そのまま現地で就職しました。お菓子とはまったく関係のない業界です。当時は家業を継ぐことは全然考えていませんでしたね。<br />
<br />
<b>恵里</b>　そうなんですか。そこから久留米へ戻ろうと思われたのは、何かきっかけがあったんですか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　これというきっかけがあったわけではないんです。向こうで7年ほど働き、仕事にもある程度慣れてきた頃に、このままずっと今の会社で働いていくのかと考えるようになりました。それと同時に、父が会社のことをすごく大事にしているのを見ていました。親が大事にしてきたものは、自分も大事にしたいという思いがあって、戻ろうと決めました。それで家業へ入る決意を父に伝えたところ、言われたのは「まずお菓子の勉強をしてきなさい」ということでした。当時、製菓についての知識は全くありませんでしたから。そこで東京の日本菓子専門学校へ通い、1年目に和菓子、洋菓子、パンの基礎を学び、2年目には洋菓子科で学びました。<br />
<br />
<b>恵里</b>　黒糖がメインなので、てっきり和菓子を専攻されたのかと思いました。<br />
<br />
<b>岡田</b>　黒糖やあんこを使った商品があるので、私もてっきりそうだろうと思っていました。ところが父からは、「洋菓子の方へ行きなさい」と言われたんです。後から考えると、その頃から黒糖を使った新しいお菓子を作りたいという構想があったんだと思います。それで洋菓子科で1年間学んで、久留米へ戻ってクロボー製菓に入社しました。それから約1年後の2014年にオープンさせたのが、黒糖創作菓子のお店『黒棒茶寮Doch（ドッホ）』です。</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-0bb18680aa87da8537cf0a76bd87c015802164edc2b2fc63882ff26d5f01b4c7.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<h3 >若い世代に黒糖を届ける、黒糖創作菓子店『黒棒茶寮Doch（ドッホ）』</h3>








































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<p><b>恵里</b>　本店である『久留米黒棒本舗』は黒糖菓子専門店、『黒棒茶寮Doch（ドッホ）』はカフェスタイルで黒糖創作菓子を楽しめるお店としてお隣にオープンされたんですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　はい。洋菓子を中心に、黒糖や含蜜糖を使ったお菓子を作っています。かつて黒糖は、白砂糖よりも身近な存在でした。特に九州では、家庭で日常的に使われていました。しかし、時代とともに白砂糖の方が一般的になり、若い世代にとって黒糖は、次第になじみの薄いものになっていきました。そういった世代が増えてくるというのは、黒糖菓子を専門に扱ってきた当社にとっては大きな問題です。そこで、若い世代にも親しまれやすい洋菓子を入口にして、黒糖の美味しさを知ってもらい、そこから当社の原点である黒棒や他の黒糖菓子にもつながっていけば、と。<br />
<br />
<b>恵里</b>　「Doch（ドッホ）」というのは「やっぱり」という意味のドイツ語ですね。<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-5983.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">山口教授がよく講演で話している</a>のを聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。物事を「わかる」というのは、それを一度否定して、それをさらにもう一度否定すること。「やっぱり○○だ」という言葉が出てやっと本当にそれをわかったと言える。「『わかる』とは“Doch（ドッホ）”だ！」と。<br />
<br />
<b>岡田</b>　実はこの店名は、父が先生の講演でその話に共感して、「うちのコンセプトにピッタリだ」と言って決めたんですよ。黒糖に馴染みのないお客様にも、「来てみて“やっぱり”良かった」と思ってもらえるように。うちのお菓子を食べて、「“やっぱり”黒糖は美味しい」と思ってほしい。また、いつも来てくださっているお客様にも、「黒棒屋さんが変わったことを始めたけど、“やっぱり”黒糖にこだわってるんだね。美味しいね」と。そんな「最上級の“やっぱり”」を感じて頂けるようにという想いを込めています。<br />
また、店舗自体も随所にこだわって設計しています。家具には1960年代のデザインを受け継ぐ「カリモク60」を採用し、窓の配置にもこだわりました。店の奥に大きな窓があって、その向こうに広がるのは、この店のために整備された「ドッホの森」です。もともとは芝生の小山だった場所に木々を植え、苔を育て、長い時間をかけて現在の景観をつくり上げました。春には桜、夏にはセミやカブトムシ、秋にはどんぐりを目当てに子どもたちも訪れるんですよ。<br />
<br />
<b>恵里</b>　お店でゆっくりと過ごす体験も含めて、黒糖のお菓子を味わってもらう。従来とは異なる空間と商品を通して、新しいお客さんとの接点を生み出したんですね。</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/f12572964ba74f16b52349a99c4f08572e9db29efc6b56bf277f18fa614ee66e.png" alt="" width="340" height="222">
</div>






































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	</a>
</div>

































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<!-- テキスト -->

<h3 >「黒糖を使う」のが目的ではなく、より美味しくするために黒糖を使う</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/7e52a19bb493eea37cbf6c3be7c06a33ff7f6afb5aa57fb7843e2b5e97d880e1.jpg" alt="" width="340" height="292">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　でも、洋菓子で黒糖ってあまり使われないですよね。商品開発が大変だったんじゃないでしょうか。<br />
<br />
<b>岡田</b>　そうですね。単純に洋菓子の砂糖をそのまま黒糖に変えればいいかと言うとそうではありません。黒糖って栄養価が高いんですよ。カルシウムやミネラル、カリウムなどが豊富に含まれていて、それが独特のコクや旨味になっています。でも、洋菓子作りにおいては、それらの成分が不純物になってしまい、例えばスポンジが膨らみにくくなったり、食感が重くなったり、洋菓子の仕上がりに影響することがあります。かといって黒糖の量を減らせば、今度は風味も色も弱くなり、「黒糖のお菓子」としての特徴が出ません。とにかく試行錯誤の繰り返し、ようやく完成したのが『Doch（ドッホ）』の看板商品の一つである黒糖米粉ロールケーキです。<br />
<br />
<b>恵里</b>　取材にかこつけて食べさせていただいたのですが、めちゃくちゃ美味しいです！生地に米粉ならではのもちっとした弾力がありつつ、重たくなくて、ふわふわ軽い食感。甘さ控えめのクリームの中にある黒糖ゼリーと一緒に食べると、グッと黒糖の風味が際立って、生地とクリームと黒糖ゼリーの絶妙なバランスが完成されます！まさに黒糖創作菓子の看板商品という感じですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　ありがとうございます。生地には白砂糖を使わず、黒糖を使用しています。最初はクリームにも黒糖を使ってみたのですが、正直なところクリームは白砂糖の方が味のバランスが良くて美味しいんです。それでクリームにはあえて黒糖を使わないことにしました。ただ、生地だけだと黒糖の風味が少し弱い。そこで、クリームの甘さを控えめにして、ロールケーキの中心に黒糖ゼリーを入れています。このゼリーにたどり着くまでにも、わらび餅や黒糖カスタードなど色々試行錯誤しました。ゼリーの硬さも、柔らかすぎれば存在感がなく、硬すぎれば一体感が失われてしまいますので、何度も調整をして、生地とクリームと一緒に食べることで最高のバランスになるようにしています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　ただ黒糖を使うのではなく、より美味しくするためにどう黒糖を使うのか、とても考えられているのが味から伝わってきます。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-9109985e4d1b758ba8f9f7a12e27509cf1ffffc846adff8ab2de7deba3e488af.jpg" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/9109985e4d1b758ba8f9f7a12e27509cf1ffffc846adff8ab2de7deba3e488af.jpg" alt="" width="340" height="298">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>岡田</b>　同じく看板商品の黒糖カスタードプリンは、下がカスタードプリン、上が黒糖プリンという二層仕立てになっています。これも最初から二層にしようと考えていたわけではなく、最初は普通のプリンの砂糖を黒糖に変えるところから始めました。でも、それだけではいまひとつで、色々と試していくうちに今の形になりました。単純に黒糖だけのプリンにするのではなく、二つを重ねることで、味の違いと黒糖らしさをより分かりやすくしています。しかも、凝固剤で固めて重ねるのではありません。まずカスタードプリンを緩い状態まで蒸し焼きし、その上に黒糖プリンを重ねて、もう一度蒸し焼きしています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　上の黒糖プリンはやさしい甘さと黒糖の香り。下のカスタードプリンはとろりと柔らかな口当たり。二つの層が味だけでなく食感も異なっていて、別々に味わっても、一緒にすくっても楽しめますね。上に添えられた黒糖ゼリーと、底の自家製カラメルが加わるとさらに味の輪郭がはっきりして、黒糖のコクとカスタードのまろやかさがちょうどよく重なってすごく美味しいです！</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-7983bfb6fe95e24721ec258a7ad70ba1a748f10cd088cee751e686b585991e8f.jpg" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/7983bfb6fe95e24721ec258a7ad70ba1a748f10cd088cee751e686b585991e8f.jpg" alt="" width="340" height="275">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>岡田</b>　ありがとうございます。生菓子ではもう一つ、黒糖生シュークリームがあります。こちらも中のクリームにはあえて黒糖を使わず、フレッシュな生クリームをブレンドした濃厚なカスタードクリームに仕上げました。その代わり、焼き上げたシュー生地に黒糖蜜をかけ、さらにもう一度焼く製法を選びました。黒糖が最初に舌へ触れるため、使用量が多くなくても風味がしっかり伝わります。<br />
<br />
<b>恵里</b>　二度焼きされたシュー生地のやや硬めな食感と表面の香ばしさが、黒糖蜜の風味としっかり合わさって、濃厚なカスタードクリームとの相性が抜群ですね！どれも何度でも食べたくなる美味しさです。ただ、こだわって作られている商品だけあって、賞味期限が当日中ということでお取り寄せはできないのですが、福岡県に来られた際には、ぜひお店で味わっていただきたいです。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>岡田</b>　福岡市内にある黒棒本舗の高宮店でも販売していますのでぜひ。また、焼き菓子の人気商品の黒糖リーフパイは全国からお取り寄せいただけます。詳しい製法は非公開なのですが、フレッシュバターの風味を最大限に活かし、香ばしく焼き上げたざっくりと厚みのあるバター生地が特徴です。焼き上げたパイに塗る黒糖蜜は、毎回パイが焼き上がる時間に合わせて、その都度蜜を炊いて、一枚ずつ手で塗っています。<br />
<br />
<b>恵里</b>　こちらも手作業なんですね！ちょっと硬めのザクっとしたパイと黒糖のコクと甘味がこれ以上ないくらいマッチしていて、しかもサイズが大きめなのも嬉しいところです。どこに、どのように使えば黒糖の魅力が最も伝わるのか。その答えを探し続けた結果が、『Doch（ドッホ）』の商品一つひとつに表れていますね。</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</a>
</div>






































<!-- 画像 -->
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	</a>
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >変え続けるから、百年続く<br />
〜ぶらさないのは「黒糖」と「大変だからこそ、それを選ぶ」という軸〜</h3>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>恵里</b>　『Doch（ドッホ）』では新しい商品を次々と開発されていますが、昔から作り続けている黒棒も、製法は変わらないのでしょうか。<br />
<br />
<b>岡田</b>　黒棒や黒糖丸ぼうろなど、どの商品も日々ブラッシュアップしています。新しい機械や粉、製法、オーブンなどが出てくるので、その都度、一番いいものを作るために見直しています。厳密に言えば、味も少しずつ変化していると思います。<br />
また、小麦粉も農作物なので、毎回同じではありません。去年の同じ時期に、どのくらいの数値の粉を、どの配合で使って、どんな生地ができたのかというデータもあります。それを見ながら、実際の生地に合わせて少しずつ変えています。黒糖も同じ。沖縄では複数の島で黒糖が作られていますが、島によって色や味が異なり、年によっても出来が変わります。そのため毎年状態を確かめ、必要な量を確保できる産地の中から、商品に合うものを選んでいます。<br />
<br />
<b>恵里</b>　一番美味しい状態にするために、変えていくことも必要なんですね。<br />
<br />
<b>岡田</b>　もちろん絶対に変えない部分もあります。例えば、当社では黒糖は大きなブロックの状態で仕入れ、必要な分だけその都度自社で砕きます。あらかじめ粉砕されたものを仕入れる方が当然効率はいいのですが、砕いてから時間が経てば経つほど風味が落ちていってしまいます。焼き上げた黒棒に使う黒糖蜜も、一度に大量に作って保管するのではありません。これも時間が経つと風味や状態が変わるため、作業中に何度も炊いて、出来たての蜜を製造現場へ運びます。原料がシンプルなので、一つひとつが仕上がりに大きく影響するんです。<br />
<br />
<b>恵里</b>　効率だけを考えれば、省ける工程は少なくない。それでも、仕入れや製造の効率だけを優先せず、原料の状態を見極め、必要な工程には人の手をかける。創業以来の黒棒から、『Doch（ドッホ）』で生まれた新しい商品まで、「手間をかけて、ここにしかないものを作る」という一貫した姿勢を感じます。今後、新しい店舗や事業を広げていく構想はありますか？<br />
<br />
<b>岡田</b>　今のところ、新しいお店を出すことはそこまで考えていません。どちらかというと、これまでお世話になってきた地元の方に来ていただきたいという思いがあります。当社が100年以上続いてきたのは、黒糖が好きな方がいて、求められるものに応えてきたからだと思います。時代の変化には対応しながらも、黒糖や健康志向という大きな軸はぶらさず、これからも作っていきたいと思っています。<br />
実は2年ほど前に、『Doch（ドッホ）』の店内に『黒棒茶寮 Gesund（ゲズント）』というパン工房をオープンしました。ゲズントは、ドイツ語で「健康的」という意味です。白砂糖を基本的に使わず、黒糖や含蜜糖を取り入れたパンを展開していて、うちの黒糖蜜を使った出汁に漬け込んだ明太子で作る明太フランスが一番人気です。<br />
<br />
<b>恵里</b>　変わり続けることと、変えないこと。その両方を積み重ねてきたからこそ、クロボー製菓の味は100年以上にわたって愛され続けているんですね。本日はありがとうございました！</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-2a90614708311ab94a2d125446de1c83e5e5ee04b93ddf76a4da3e845f040396.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
</div>






































<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-f8aa199cb74fd2066936cfa98f3b04458e9b606eae0aa1bd49dbb6bec224e18f.png" data-rel="SmartPhoto[6557]" data-caption="">
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	</a>
</div>

































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6557.html</guid>
			<pubDate>Wed, 05 Aug 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年8号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6556.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h2 >トランプに妥協を迫るアメリカの事情<br />
～アメリカの戦略的原油備蓄が1983年以来の低さに～</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">先月号の「景気を読む」</a>で、「6月の米イラン合意が無に帰したかのような激しい戦闘が続いているが、遠からずトランプは大幅な妥協を余儀なくされる」という見通しを述べた。その根拠の１つとして挙げたのが、アメリカの原油在庫の減少である。日本をはじめ多くの国が中東原油の代替措置としてアメリカからの原油輸入を拡大し、その結果アメリカの民間在庫が減少。アメリカのガソリン価格が再び急騰しかねない状況に至っている。その価格急騰を少しでも抑制しようと、アメリカ政府は備蓄原油を放出してきたが、下記の記事はその備蓄がとうとう43年ぶりの低い水準にまで低下してしまったことを報じている。<br />
この状態が長引けば、ガソリン価格が再び急騰し、11月の中間選挙でトランプ共和党は大敗を喫することになる。とすれば、遅かれ早かれトランプはイランに大幅に譲歩してもホルムズのタンカー通航を再開させ、ガソリン価格を引き下げようとするだろう。下記の記事はそんな私の「読み」を後押ししてくれるものである。アメリカの原油在庫のひっ迫は日本の原油調達にも多大な影響を及ぼす。日本の中小企業経営者としても今後の動向から目を離せない。<br />
<div align="right">(山口　2026.8.4筆)</div></p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote><h3>米戦略石油備蓄、43年ぶり低水準　日本の輸入にも影響か</h3>日本経済新聞2026年7月31日<br />
<br />
米エネルギー情報局（EIA）が29日発表した週間の米石油在庫統計で、戦略石油備蓄（SPR）の原油在庫が減少し、1983年以来43年ぶりの低水準を更新した。減少は18週連続。民間の商業在庫も減った。…<br />
<br />
SPRの原油在庫は24日までの週が3億765万バレルと、1983年3月以来の低水準に落ち込んだ。減少は3月下旬から毎週続いている。調査機関の石油アナリストは「<font color="red">もはや在庫の余裕がない状況だ</font>」と指摘する。…<br />
<br />
<img src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/1c21897926a023a9656e6a2457cd0d495323509926a14c538f1efb6287903bb6.png" class="alignrleft" width="500"><br />
<br />
<font color="red">米国内の民間企業の商業在庫も減っている</font>。EIAによると24日までの週は4億450万バレルと、<font color="red">18年9月以来の低さ</font>だった。…<br />
<br />
米国からの原油の輸出が減ることによる、<font color="red">日本のエネルギー供給への影響</font>も意識されている。中東情勢の緊迫を受け、日本は米国からの輸入を増やしている。経済産業省がまとめた5月分の石油統計速報によると、5月の原油輸入量は中東依存度が73.9%で、前年同月から16.6ポイント下がり、8カ月連続で前年を下回った。米国の比率は22.4%で、4月の7.7%、昨年5月の7.9%と比べても大きく上昇した。<br />
(赤字による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
			]]></description>
			<category>知っとこNews</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6556.html</guid>
			<pubDate>Wed, 05 Aug 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6525.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「第８０回：中東不安・AI革命と世界・日本の経済と市場（SSゼミKYOTOレポート）」</h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-a6e6b4f2113d74173224da50c23630c59236fadad76471d9cbbdd73070f7169d.png" data-rel="SmartPhoto[6525]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/a6e6b4f2113d74173224da50c23630c59236fadad76471d9cbbdd73070f7169d.png" alt="" width="340" height="225">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
<br />
今月の「現場に行く！」は、6月16日に開催されたスモールサン・ゼミKYOTO第13期初回講義の模様をレポートします！<br />
<br />
今回の講師は、国際金融市場や地政学リスクに詳しいリサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社代表の倉都康行氏。折しも国内では日銀が政策金利を1％へ引き上げ、中東情勢をめぐっても停戦合意に関する報道が相次ぐなど、世界経済が大きく動くタイミングでの開催となりました。<br />
<br />
講義で取り上げられたのは、中東情勢、AI、インフレ、金融市場など、いま経営者が押さえておきたい複数のリスクです。個々のニュースを追うだけでなく、それらがどのようにつながり、自社の仕入れや物流、価格、資金繰りに影響していくのか。そうして見えてきたのは、不確実な時代にこそ、経営者が自社の判断軸を持つことの大切さでした。<br />
タイムリーな情勢を経営の視点で学ぶ、ゼミならではの講義の様子をレポートします。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >いま起きていることを、経営の目線で学ぶ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>2026年6月16日、スモールサン・ゼミKYOTO第13期の初回講義が開催されました。<br />
講義冒頭、ゼミ長からは「今日一日だけでも、株価やホルムズ海峡など、いろいろなニュースがあった」として、それらを日々の行動や企業運営に役立てていきたいという言葉がありました。<br />
<br />
この日の開催は、まさに情勢が大きく動くタイミングでした。<br />
国内では、日本銀行が政策金利を0.75％程度から1.0％程度へ引き上げることを決定。政策金利が1％台に乗るのは約31年ぶりのことであり、「金利のある社会」へと移行した日本経済が、さらに新たな段階に入ったことを印象づける出来事でした。<br />
また、開催前後には、トランプ大統領が停戦合意に関する発言を行ったとの報道が出て市場が反応。17日にはアメリカとイランが和平に向けた覚書に署名したとのニュースが報じられました。<br />
<br />
こうした情勢の変化は、すでに多くの経営者が自社への影響として実感しているテーマでもあります。その背景には、原油価格の変動は燃料費や物流費に、円安は輸入価格に、金利上昇は資金繰りや設備投資に影響するという構造があります。世界のどこかで起きた出来事が、時間を置いて自社の仕入れ、販売価格、顧客の購買力、金融機関との関係にまでつながってくる。いま経営者に求められているのは、個々のニュースに一喜一憂することではなく、それらがどのように自社の経営環境へ波及していくのかを考える視点です。<br />
<br />
おりしも、この日講師に招いていたのは、国際金融市場や地政学リスクに詳しいリサーチアンドプライシングテクノロジー株式会社代表の倉都康行氏。テーマは、中東情勢、AI、インフレ、金融市場など、いま世界経済を揺さぶる複数のリスクをどう捉えるかというものでした。<br />
<br />
スモールサン・ゼミでは、決まったテーマを体系的に学ぶだけでなく、その時々に経営者が押さえておくべき情勢をタイムリーに取り上げることがあります。今回のゼミKYOTOも、中東情勢、AI、インフレ、金融政策という複雑なテーマを、経営者の目線で捉え直す機会となりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >中東情勢、AI、インフレをつなげて見る</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>倉都氏が講義の冒頭で示したのは、世界経済の注目テーマが「関税」から、「地政学」「AI」「インフレ」へと移っているという見方でした。<br />
この三つのテーマは、それぞれ別々のニュースとして報じられることが多いです。中東情勢は国際政治のニュースとして、AIは技術革新や業務効率化のニュースとして、インフレは物価や金利のニュースとして扱われます。しかし、倉都氏はこれらを個別に見るのではなく、互いに影響し合うものとして捉える必要があると強調しました。<br />
<br />
たとえば、地政学リスクはエネルギー価格や物流コストに影響します。中東情勢が緊迫すれば、原油や石油製品の供給に不安が生じ、海運や保険、輸送ルートにも影響が及びます。それは結果として、燃料費や原材料費、物流費の上昇につながり、企業の仕入れ価格や販売価格にも関わってきます。地政学は、遠い地域の政治問題にとどまらず、インフレを押し上げる要因にもなるのです。<br />
<br />
一方、AIもまたインフレと無関係ではありません。AIの進展は、企業にとって新たな成長機会であり、業務効率化や新サービスの創出につながる大きな可能性を持っています。しかしその裏側では、データセンターの建設、半導体需要の拡大、膨大な電力消費など、さまざまな資源需要を生み出しています。AI投資が拡大すれば、電力や設備、関連部材への需要が高まり、それがコスト上昇の一因にもなります。<br />
<br />
さらに、インフレが進めば金利が上がりやすくなります。金利が上がれば、AI関連投資に必要な資金調達コストも高くなります。つまり、AIは経済成長への期待を高める一方で、インフレや金利を通じて金融市場にも影響を与え、その金融市場の変化が再びAI投資の環境を左右するという関係にあります。<br />
倉都氏は、このように地政学、AI、インフレが三角形のように絡み合っていると説明しました。<br />
<br />
新聞やテレビでは、日々さまざまなニュースが個別に流れていきます。しかし経営者にとって重要なのは、そのニュースがそれぞれどのように関わっているのか、そして自社を取り巻く市場や経営環境にどのようにつながるのかを考えることです。今回の講義は、個別の情勢を詳しく知ること以上に、複雑に絡み合う出来事をどう整理し、経営の視点で捉えるかを学ぶ時間となりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ニュースの先にある、仕入れ・物流・価格への影響</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>中東情勢をめぐっては、アメリカとイランの和平に向けた覚書署名のニュースを受け、金融市場ではひとまず安心感が広がりました。株式市場は終戦ムードを織り込み、原油価格も一時的に下落しました。しかし倉都氏は、そこで楽観しすぎることへの注意を促しました。<br />
<br />
金融市場は、ニュースに素早く反応します。しかし、実体経済はそれほど単純には動きません。ホルムズ海峡の通航が再開されるとしても、船舶の運航、保険、港湾や海運の調整、石油関連施設の修復、各国の在庫補充など、実際にモノが流れ、価格に反映されるまでには時間がかかります。金融市場が見ている原油先物の価格と、企業活動に直接関わる石油製品の価格は分けて考える必要があると倉都氏は指摘しました。<br />
<br />
新聞やニュースでは原油先物価格が取り上げられることが多く、そこだけを見ると「原油価格が下がったから安心だ」と受け止めてしまいがちですが、企業が実際に負担するのは、ガソリン、軽油、重油、ジェット燃料、石油由来の原材料などの価格です。原油先物が下がったとしても、すでに高値で仕入れられた在庫が使われている間は、石油製品の価格がすぐに下がるとは限りません。<br />
この時間差は、中小企業にとって重要な意味を持ちます。原材料や燃料、物流費が高い状態で残れば、そのコストは仕入れ価格に反映されます。仕入れ価格が上がれば、企業は販売価格にどう転嫁するかを考えなければなりません。価格転嫁ができなければ利益が圧迫され、転嫁すれば顧客の購買力や受注への影響も考えなければならない。つまり、国際情勢の変化は、やがて現場の見積もりや価格交渉、資金繰りの判断にまでつながっていくのです。<br />
<br />
質疑応答でも、参加者からエネルギー供給や物不足に関する質問が出されました。中小企業の経営者にとって、中東情勢は遠い国の出来事ではありません。特に石油製品や原材料、物流に関わる業種では、「本当に供給は戻るのか」「どのくらいの期間、影響が続くのか」「自社はどこまで備えるべきか」という問いが、現実的な経営課題になります。<br />
倉都氏は、供給が正常化するまでには時間がかかる可能性を示しながら、川上から川下までモノが流れるには段階があると説明しました。原油が動き、精製され、製品となり、物流を経て、最終的に企業や消費者のもとに届く。そのどこかで目詰まりが起きれば、末端に届くまでの時間はさらに長くなります。だからこそ、表面的な価格の上下だけでなく、供給の流れ全体を見る必要があります。<br />
<br />
今回の講義で印象的だったのは、国際情勢を予測すること以上に、その影響がどのような経路で自社に届くのかを考える視点でした。世界情勢が大きく動く時代には、経営判断の前提も変わります。だからこそ、遠くで起きているニュースを自社の現場に引き寄せて考えることが、これまで以上に重要になっているのだと感じました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >AI時代の期待と不安をどう捉えるか</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>今回の講義では、AIも重要なテーマとして取り上げられました。AIというと、業務効率化や省人化、新しいサービスづくりなど、企業がどう活用するかという実務的な関心が先に立ちます。実際、中小企業にとっても、AIをどう取り入れるかは避けて通れない課題になりつつあります。<br />
しかし、倉都氏が示したのは、AIは一つの便利な技術であると同時に、世界経済や金融市場を大きく動かす存在にもなっているという視点です。<br />
<br />
特にアメリカでは、巨大IT企業によるAI関連投資が急速に拡大しています。データセンターの建設、半導体の確保、クラウド基盤の強化、人材獲得など、AIをめぐる投資は非常に大きな規模になっています。こうした投資は、短期的にはアメリカ経済を押し上げる力になります。<br />
一方で、期待が大きいからこそ、そこには不安も生まれます。AI関連企業の株価が大きく上昇すれば、それは成長への期待を反映したものとも言えますが、同時に「期待が先行しすぎていないか」という懸念も出てきます。巨額の投資に見合う収益が本当に得られるのか。投資が過熱し、株価が実態以上に膨らんでいないか。そうした問いが、金融市場ではすでに意識され始めているのだといいます。<br />
AI関連投資が拡大するには、多額の資金が必要になります。その資金は株式市場や社債市場、ファンドなど、さまざまな金融の仕組みを通じて調達されます。投資が順調に進み、期待どおりの成長が続いている間は問題が見えにくくても、どこかで収益見通しが崩れたり、金利上昇によって資金調達コストが高まったりすれば、金融市場に不安が広がる可能性があります。倉都氏は、AIと金融が結びつくことで、これまでとは違う新しいリスクが生まれていると指摘しました。<br />
<br />
中小企業にとって、AIはもちろん活用すべき技術です。人手不足への対応、事務作業の効率化、情報収集、企画や営業の支援など、実務に役立つ場面は今後さらに増えていくはずです。しかし、AIを「自社でどう使うか」という視点だけではなく、「AIによって経済全体がどう変わるのか」という視点も持つことで、これからの経営環境を読み解くための重要な切り口になります。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >供給不足の時代に、自社の判断軸を持つ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>講義の終盤で倉都氏が示したのは、日本経済が直面しつつある新しいリスクでした。それは、これまでのような「需要不足」ではなく、「供給不足」が経営の前提になっていくのではないかという視点です。<br />
<br />
長く日本経済では、需要をどう増やすかが大きな課題とされてきました。個人消費をどう伸ばすか、企業の投資をどう促すか、景気をどう下支えするか。そうした問題意識のもとで、金融緩和や財政支出が繰り返されてきました。<br />
しかし、これからの経営環境では、そもそも必要なものが十分に手に入らない、あるいは調達に時間とコストがかかるという供給側の制約が大きくなっていく可能性があります。石油製品、労働力、水、食料品、AI技術、リスクマネーなど、倉都氏はさまざまな不足の可能性を挙げながら、経営者がその変化を実感として捉える必要があると語りました。<br />
<br />
供給不足は、単に「モノが足りない」という問題にとどまりません。原材料が足りなければ仕入れ価格は上がり、人手が足りなければ賃金や外注費が上がります。エネルギーの供給に不安があれば燃料費や物流費に影響し、AIを活用しようとしても技術や人材、投資資金が不足すれば、思うように進められないこともあります。必要なものを、必要な時に、これまで通りの価格で調達できるという前提が揺らぎ始めているのです。<br />
<br />
この変化に対して、経営者が考えるべきことは一つではありません。重要なのは、目の前のニュースに反応するだけでなく、自社にとってどのリスクがどの経路で影響するのかを整理しておくことです。中東情勢はエネルギーや物流へ、AI投資は電力や金融市場へ、インフレは金利や仕入れ価格へ、そして供給不足は人材や原材料、資金調達へとつながっていきます。個々の出来事は別々に見えても、経営の現場では一つにつながって表れてくるのです。<br />
<br />
スモールサン・ゼミでは、経営に関する知識を学ぶだけでなく、いま起きている出来事を自社の経営にどう結びつけるかを考える機会があります。情勢は日々変わります。だからこそ、特定の予測に頼るのではなく、複数の可能性を想定しながら、自社の判断軸を持つことが欠かせません。<br />
今回のゼミKYOTOは、世界情勢を読み解く講義であると同時に、不確実な時代に経営者がどのような視点を持つべきかを考える時間となりました。遠くのニュースを、自社の明日の判断につなげる。その積み重ねこそが、変化の激しい時代を生き抜くための力になっていくのではないでしょうか。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6525.html</guid>
			<pubDate>Mon, 06 Jul 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6524.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h2 >「高市積極財政」で長期金利が30年ぶりの高さに!</h2>









































<!-- テキスト -->

<p>高市政権は「骨太の方針」から「財政健全化」の文言を消してしまった——そんな高市政権の「積極財政」姿勢を懸念して10年物国債の利回りが上昇、7月3日には2.81％と30年ぶりの高さに至った。この水準が続けば、大手銀行が大企業に貸し出す際の基準金利である「長期プライムレート」は現行の3.15％からさらに大きく上昇する。それにつれて中小企業向けの貸出金利も上昇することになる。今後新規借入や過去の借入の更新をしなければならない中小企業は昨今の人件費や仕入コストの上昇に加えて、金利コストの上昇によっても経営が圧迫されることになる。<br />
「インフレ基調下での積極財政は金利上昇と物価高を引き起こす。これは誰も否定できない経済法則なんです」と、私はかねてより「高市リスク」を訴えてきた。それを聞いても高市政権に大きな期待を寄せて来た人たちは、「そんなことは覚悟の上の支持だった」ということなのかもしれない。そうならば、もはや私には何も言うことはないのだが…<br />
<div align="right">(山口　2026.7.4筆)</div></p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote><h3>長期金利一時2.81% 30年ぶり高さ リスク意識で債券売り</h3>日本経済新聞2026.7.4 <br />
<br />
3日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、2.81%に上昇（債券価格は下落）した。1996年10月以来およそ30年ぶりの高水準だ。<font color="red">高市早苗政権下での積極財政による財政悪化リスクを意識した債券売り</font>が広がっている。<br />
<br />
96年当時は売買高の多い指標銘柄が長期金利とされていた。政府が6月30日にまとめた「経済財政運営と改革の基本方針（骨太の方針）」の原案で<font color="red">「財政健全化」の文言が消え財政規律が悪化するとの懸念</font>が強まっている。<br />
<br />
同方針では日銀に対し「適切な金融政策運営を行うこと」も求めた。日銀の金融政策が政府の意向に左右されやすくなり、物価高に利上げが追いつかない「ビハインド・ザ・カーブ」に陥るリスクへの警戒感も債券売りにつながった。終値では2.785%と前日より低下した。<br />
(赤字による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
			]]></description>
			<category>知っとこNews</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6524.html</guid>
			<pubDate>Mon, 06 Jul 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>山口恵里の“現場に行く！”2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6468.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「第７９回：三重化学工業株式会社（ゼミOSAKA見学会）」</h2>









































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<p>皆さん、こんにちは！スモールサン事務局の山口恵里です。<br />
今月の「現場に行く！」は、ゼミOSAKAで開催された三重県松阪市の三重化学工業株式会社の工場見学の模様をレポートします！<br />
<br />
三重化学工業株式会社は、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-4291.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2022年3月号の本刊ニュース対談</a>にもご登場いただいた企業です。当時は、コロナ禍のなかで始まった「ミエラボ」という取り組みを中心に、社外人材や副業・兼業人材を巻き込みながら、新しい商品開発や働き方に挑戦する中小企業の姿をお届けしました。<br />
<br />
そこから数年が経ち、今回は実際に現地へ。<br />
ゼミOSAKAの皆さんとともに松阪を訪れ、三重化学工業の山川大輔社長にご案内いただきながら、会社の歴史や事業内容、製造現場、そして現在のミエラボの取り組みについてお話を伺いました。<br />
そうして見えてきたのは、変化を恐れず、外部の知恵や地域の人たちを巻き込みながら進化し続ける中小製造業の姿でした。</p>








































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<h3 >創業70年、松阪から“守るもの”をつくる三重化学工業</h3>








































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		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/4c8c7481d3737a63e52351c9c76725c560eb331e2603d64784006929ee542fea.png" alt="" width="340" height="248">
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<p>三重化学工業は昭和31年創業。今年でちょうど70周年を迎える老舗企業です。<br />
同社の事業を一言で表すなら、「“守るため”のモノづくり」。<br />
<br />
<b>代表取締役社長 山川大輔氏：</b>何のために三重化学があるのか。それは、“守るため”です。作業者の手を守る工業用の手袋、それから食品の鮮度を守る業務用保冷剤、そして人の命を守る医療用の罨法製品。この 3つが当社の核としてあって、これらで三重から“守るもの”をつくっていきたいと思っています。<br />
<br />
ミエローブを代表とする作業用手袋は、防寒や耐油・耐切創など工場や作業現場で働く人の手を守るもの。保冷剤は、ケーキや惣菜など、私たちが普段何気なく持ち帰っている食品の鮮度を守るもの。特に「スノーパック」のパッケージは多くの人が見たことがあるのではないでしょうか？そして医療分野の商品は、医療やリハビリの現場で人の身体を冷やしたり温めたりすることで、患者さんを支えるものです。<br />
日頃何気なく手にしている保冷剤や手袋。普段の生活の中で、その背景にある会社のことまで考える機会はあまりないかもしれません。しかし、その一つひとつの製品には、長年積み重ねてきた技術と、時代の変化に合わせて事業を変化させてきた中小企業の歩みがありました。</p>








































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<h3 >混ぜる技術で洗濯糊から硬くならない保冷枕、そして日本初の小型保冷剤へ</h3>








































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<p>三重化学工業のものづくりの出発点は、現在の主力商品からは少し意外な「洗濯糊」でした。<br />
今ではあまり使う機会が少なくなりましたが、昔は衣類をパリッと仕上げるために洗濯糊が広く使われていました。山川社長がスライドに映し出したのは、創業当時につくられていた白い液体の洗濯糊。そこから同社は、「混ぜる」という技術を応用し、硬くならない保冷枕へと展開していきます。</p>








































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	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-12d20f688c4bcb09fd0108b58a57a4a79b8bb41a5a86493a3357845dee61b078.png" data-rel="SmartPhoto[6468]" data-caption="">
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	</a>
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<p>さらにその技術は、今では私たちの生活に欠かせなくなっている「小型保冷剤」へとつながっていきました。なんと三重化学工業は、小型の保冷剤を日本で初めてつくったメーカーなのだそうです！<br />
今でこそ、ケーキ屋さんやデパ地下で商品を買うと、ごく当たり前のように保冷剤が入っています。しかし、かつては氷やドライアイスが主流で、小型の保冷剤というものはまだ一般的ではありませんでした。同社は、保冷枕で培った技術とその端材を活かし、小さな保冷剤を開発。テイクアウト文化の広がりとともに、その需要は少しずつ大きくなっていきました。<br />
「すごくニッチな市場をやっている」と山川社長は言います。確かに、保冷剤だけで大きな売上をつくるメーカーは全国で10社もないくらいだと言います。けれども、ニッチだからこそ、そこには専門性があります。温度、持続時間、素材、袋の強度、用途に応じた形やサイズ。見た目にはシンプルな保冷剤も、実はお客様の使い方に合わせて細かく設計されているのです。<br />
<br />
ただし、この事業も決して順風満帆だったわけではありません。<br />
かつてドラッグストアなどの店頭向けに保冷枕を展開していた頃、某大手メーカーの商品との競争で「めちゃめちゃ負けた」と山川社長は振り返ります。「しかもこの業界って、夏場に一生懸命つくったやつが、シーズン過ぎると売れないからって返品されてくるんです。知名度で負ける中小企業にはかなり厳しい。」<br />
そこで、保冷枕に関しては、培った技術やノウハウを活かしてOEMへと大きく舵を切ったのだそうです。現在、大手製薬メーカーやスポーツ用品メーカー、ファッションブランドなど、さまざまな企業の商品を三重化学工業が企画・製造しています。なかには、誰もが名前を知っているような有名企業の商品も。表に出るブランド名は別の会社であっても、その中身には三重化学工業の技術が使われている。そうしたOEMの取り組みは、同社にとって今も大切な収益の柱になっています。</p>









































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<h3 >雇用を守るための新規事業。冬場の作業用手袋、そして医療分野へ</h3>









































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<p>同社の事業展開は、単に「新しい商品を作った」という話だけではありません。そこには、地方の中小製造業として、社員の雇用をどう守るか、会社をどう継続させていくかという切実な課題がありました。<br />
テイクアウトが盛んな今でこそ冬場にも使用することはありますが、保冷剤といえば基本的には暑い時期に需要が高まる商品です。暑い季節には忙しくても、秋から冬にかけて仕事が減ってしまう。そうなると、夏の繁忙期に働いてくれた社員やパートさんに、冬になると辞めてもらわなければいけない。<br />
<br />
そこで、雇用を安定させるための「冬にできる仕事」としてたどり着いたのが、作業用手袋。特に力を入れたのが、冬の現場で使われる暖かい生地やボアがついた防寒機能の高い手袋でした。<br />
現在では、大手自動車メーカーをはじめとする工業系の現場で使われる耐油手袋や、刃物で手を切らないようにする耐切創手袋など、さまざまな作業用手袋を扱っています。今でも防寒手袋については、手袋業界の中でも高いシェアを持っているそうです。<br />
<br />
さらに三重化学工業は、医療分野へも事業を広げていきました。<br />
というのも、時代の変化とともに、作業用手袋の生産は中国へと移管することになったのです。手袋で冬場の仕事をつくっていたものの、国内で担う仕事がまた減ってしまう。そこで、年間を通じて取り組める新しい分野として、医療分野の商品開発に挑戦するようになったのです。<br />
ここで活かされたのが、三重化学工業が長年培ってきた「冷やす」「温める」技術でした。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>保冷枕や保冷剤で培ったノウハウは、医療やリハビリの現場でも活用できます。しかし、市場が全く分からない。販売先もない。そこで、OEMの取り組みを始めた時と同じように、とにかく病院や整骨院に足を運び、「どんなアイシング剤が必要ですか」「どんな保温材だったら患者さんに使ってもらえますか」と、現場の声を聞いて回りました。<br />
<br />
そうして様々な罨法製品が開発され、まだ他部門より売上げは少ないながらも、目立つ部門になってきているといいます。2017年には医療機器ブランド「メディアン」を立ち上げられました。<br />
透析時の血管痛や化学療法における痛みの緩和などを目的に、透析現場の看護師の声から誕生した温熱パックの「バリアホット」。タオルウォーマーで温めるだけで使用でき、温めると身体に柔らかくフィットします。また、「ぷるCUREアイスパック」は、マシュマロのように柔らかい特殊なふわぷるゲルで、発熱時や乳腺炎、術後の患部、スポーツ後など、敏感な箇所や患部にやさしくフィットするのが特徴です。どれも、単に「冷やす」「温める」だけではなく、医療や介護の現場で実際に使う人の声をもとに、形状や柔らかさ、使いやすさまで考えられた製品です。<br />
<br />
洗濯糊から始まり、保冷枕、小型保冷剤、工業用手袋、医療分野の商品へ。扱う商品は変わっても、その根底にあるのは、目の前の課題に向き合い、自社の技術をどう活かせるかを考え続ける姿勢。そしてその変化の中心には、いつも「人」がありました。</p>








































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<h3 >社員の幸せを起点に、人が活きる会社へ。ミエカガクの働き方と人づくり</h3>








































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<p>三重化学工業は、創業者が立てた経営理念を現在も踏襲しています。しかし、山川社長が就任する際、一つだけ修正した部分があるのだそうです。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>昔はお客様の利益や満足というのが一番に来ていたんです。でも私が社長になる時に、「社員の幸せを高めていく」ということを一番に持ってきました。会社はお客様のためではなく、社員のためにある。それを、社長就任の時に皆さんの前で話しました。<br />
<br />
世の中の多様化が進む中で、幸せの形も人それぞれ同じではありません。とにかく稼ぎたい人もいれば、休みが欲しい人、趣味が生きがいの人など、全てを100％満たすことは難しい。けれど、給与、休日、働き方など全部の水準を上げていくことで、80％満たすことはできると言います。実際に、給与面はもちろん、少なかった休日も毎年少しずつ増やしてきました。働き方についても非常に柔軟で、子育て中の時短勤務など、それぞれの事情に合わせた働き方を取り入れています。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>本来、製造業は朝から夕方まで時間が決まっている方が効率はいいと思います。でも、地方で人に働いてもらおうと思うと、それくらい柔軟な時間配分をしないとなかなか集まらないんです。<br />
<br />
松阪市には大手企業もあり、優秀な若い人材は県庁や銀行、市役所、あるいは愛知県の大手企業へと流れやすい。山川社長も、かつては「会社の知名度が上がれば人が来てくれるのではないか」「規模が大きくなれば応募が増えるのではないか」と考え、メディア露出や地域向けの発信にも力を入れてきたそうです。しかし、それでも思うように人が来ない。</p>








































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<p>そこで、「自社に足りない人材を採用する」のではなく、「やりたいことに必要な知恵や経験を、外部の人に借りる」という発想から生まれたのが、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-4291.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2022年3月号のスモールサン・ニュース</a>でも取り上げた共創の拠点づくり『ミエラボ』です。<br />
ミエラボは、三重化学工業が社外の人たちと一緒に新しい商品や事業を考えるためにつくった共創の場です。社内だけでは足りない知識や経験を取り入れるために、大手企業で働く人材や専門家、学生、大学関係者など、さまざまな人がプロジェクトごとに関わっています。コロナ禍には、副業人材がオンラインで商品開発やマーケティングに参加し、社員と一緒に新しいアイデアを生み出してきました。<br />
この取り組みは、単純な人手不足対策にとどまりません。ミエラボを通じて集まった多様な人材との協働は、「こんな考え方があるのか」「自分たちももっと挑戦してみよう」と社内で新たな視点や発想が生まれ、自分たちの仕事の進め方や考え方を見直す機会になっているのだと言います。<br />
<br />
<b>山川社長：</b>これまでは、自分たち数人で商品を開発して、提案して、通るか通らないかというやり方でした。でも、そこに外部人材で第三者の意見が入ってくるんです。大手企業の方の市場調査やプレゼン資料を見ると、本当にレベルが高いんですよ。それを見て、社員たちもすごく刺激を受けたんです。研修に何回も行くより、一回そういう方々とセッションする方が大きいんじゃないかと思うくらい。ミエラボは人手不足をきっかけに始めた取り組みでしたが、結果的に社員が育ち、自分で考えて主体的に動ける人が増えてきたと感じています。<br />
<br />
人手不足をきっかけに始まった取り組みが、新規事業の創出や商品開発、社員の成長、そして社外とのネットワークづくりへと広がっていく。ミエラボは、単なる外部人材活用の仕組みではなく、三重化学工業の未来をつくる共創の場として機能しているのだと感じました。<br />
<br />
同社では、現在年齢も国籍もさまざまな人が働いています。最年長は75歳ほどで、午前中だけ働くベテランの方もいれば、高校卒業後に入社した若い社員もいます。さらに、中国、ベトナム、タイ、台湾など、海外出身の社員も加わっています。<br />
山川社長は、ダイバーシティを早く進めたかったと言います。多様な人が関わることで、自由な発想や新しいアイデアが生まれやすくなる。だからこそ、年齢や国籍、働き方の違いを会社の力に変えようとしているのです。</p>









































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<h3 >視線を変えれば、視点が変わる。新社屋に込められた経営の仕掛け</h3>









































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<p>さて、ここまで三重化学工業の取り組みを伺った後、山川社長に工場と新社屋を案内していただきました！<br />
<br />
三重化学工業では、2022年に現在の本社を購入し、30年ほど経った建物をフルリノベーションしました。中に入ってまず驚いたのは、一般的な製造業の事務所とは少し違う、開放的で自由な雰囲気です。<br />
天井は抜かれ、床も素材を活かした仕上げ。フリーアドレスの席に加えて、畳のコーナーやスタンディングで話せる場所、少しこもって考えられるスペースなど、場所ごとに雰囲気が変わるつくりになっていました。<br />
<br />
山川社長がこの空間づくりで意識したのは、「視線を変えること」だそうです。<br />
社員の皆さんは毎日同じ場所に座るのではなく、違う場所で仕事をします。今日は見える景色が違う。隣にいる人も違う。そうして物理的に視線を変えることで、考え方や会話にも変化が生まれるのではないか。そんな狙いが込められています。<br />
実際、約20人が働く空間に対して席は80席ほどあるそうで、「結局いつも同じ場所に座ってしまう」ということが起きにくいように設計されています。</p>








































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<p>また、社屋の中には開発室もあり、保冷剤のサンプルづくりや検査などを行う様子も見せていただきました。通常、開発室というと奥まった場所にあるイメージですが、三重化学工業ではあえて人の動線上に配置されています。営業や事務の方、お客様が通りながら自然に開発の様子を目にできることで、ちょっとした会話やアイデアが生まれやすくなるのだそうです。<br />
<br />
開発室では、色や形の違う保冷剤のサンプルも見せていただきました。保冷剤といえば青色のイメージが強いですが、企業カラーや商品のイメージに合わせて色を変えたり、用途に応じて形を変えたりすることもできるそうです。また、素材によって水分の抜けやすさや持ちの良さも違うとのことで、普段何気なく使っている保冷剤にも、細かな品質の違いや工夫があることを知ることができました。<br />
さらに、保冷剤は冷やすだけでなく、お湯で温めて保温材として使えるものもあると聞き、参加者からは驚きの声も上がっていました。</p>








































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	</a>
</div>

































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<p>新社屋は、ただおしゃれなオフィスというだけではありませんでした。<br />
社員同士が自然に交わること。開発の現場が見えること。来客や外部人材とも一緒に考えられること。そして、工場ともオンラインでつながり、離れた場所にいてもリアルタイムで情報を共有できること。<br />
ミエラボや柔軟な働き方と同じように、この新社屋にも「人がつながり、アイデアが生まれる」ための仕掛けが随所に込められていました。</p>








































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<h3 >質疑応答から見えた、地域と人材を巻き込む中小企業の可能性</h3>








































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	</a>
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<p>新社屋や開発スペースを見学した後は、ゼミOSAKAのメンバーからも次々と質問が上がりました。<br />
<br />
ミエラボについては、「外部人材を集める基準はあるのか」「プロジェクトありきで人を呼ぶのか、それとも外部から提案が来るのか」といった質問がありました。<br />
山川社長によると、最初の頃は「海外展開をしたいから英語ができて人脈のある人」「この分野の商品開発をしたいから専門性のある人」というように、プロジェクトごとに必要な人材を探すことが多かったそうです。一方で、現在では外部からの商品開発の相談が、通常のコラボレーションとして広がるケースも増えているといいます。<br />
ここから見えてきたキーワードは、やはり「共創」です。<br />
社内に足りないものを補うためだけでなく、社内外の人が同じプロジェクトメンバーとして一緒に考える。その関わり方が、三重化学工業の商品づくりや社員の成長につながっていました。<br />
<br />
また、地域貢献についても話が広がりました。<br />
山川社長は、最初の5年は会社が生き残るために利益率を高めることに集中し、その後、共創の取り組みへ進んできたと振り返ります。そして今は、地域や社会にどう価値を返していくかを考える段階に入っていると話されました。<br />
子どもたちにものづくりを体験してもらうこと、学校や大学で授業を行うこと、地域企業や行政と連携すること。会社が持つ技術や場、人とのつながりを地域に開いていくことが、三重化学工業らしい地域貢献なのだと感じました。<br />
<br />
人材の話では、リファーラル採用にも触れられました。社員の友人や知人が入社につながることもあるそうで、ゼミメンバーからは「友達を呼ぶというのは、相当職場が好きでないとできないことですよね」という声も上がりました。<br />
外部人材を巻き込むだけでなく、社員自身が人を呼びたくなる会社であること。それもまた、三重化学工業の大きな力なのかもしれません。<br />
<br />
さらに話は、若い経営者や事業承継にも及びました。山川社長は、「会社を大きく変えるタイミングとして、社長交代はとても大きい」と話されます。そこから、伊勢神宮の式年遷宮にも通じる「常若」という言葉も出てきました。<br />
古いものをただ残すのではなく、大切な技術や思いを次の世代へ受け継ぐために、新しく作り替えていく。三重化学工業の変化も、まさにその考え方と重なるように感じました。<br />
洗濯糊から保冷剤へ、手袋へ、医療分野へ。そして、社内だけで完結する会社から、社外人材や地域、海外人材を巻き込む会社へ。<br />
<br />
今回の工場見学では、三重化学工業の製品や製造現場だけでなく、変化し続ける中小企業のあり方を学ぶことができました。<br />
現場を見て、経営者の言葉を聞き、参加者の問いかけからさらに話が深まっていく。ゼミOSAKAの工場見学は、まさにスモールサン・ゼミらしい「現場で学ぶ」機会となりました。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>山口恵里の”現場に行く！”</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/yamaguchi/entry-6468.html</guid>
			<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 12:00:59 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>知っとこNEWS・2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/other/know_news/entry-6469.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<p>メディアが流す情報から「中小企業に関わるニュース」を選び出し、スモールサンで若干のコメントを付して紹介するコーナー。中小企業経営者であれば、せめてこれくらいのニュースは「知っておこう!」という意味を込めて、このコーナーを「知っとこニュース」と名づけました。<br />
　<br />
今月は下記のニュースです。</p>









































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<h2 >シンナー不足の影にも高市首相「台湾発言」<br />
～野党はなぜ追求しないのか～</h2>









































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<p>イラン戦争ばかりに目が行って、高市発言をきっかけにした日中関係悪化の影響については今やメディアもほとんど取り上げない。しかし、事態は深刻である。たとえば、中国からのタングステンの輸入が途絶え、現在日本の業者はほとんど入手不可能な状態になっている。タングステンは金属加工に不可欠。このまま推移すれば、日本の製造業にとって大打撃になる。また、ホルムズ封鎖の影響でシンナー不足が深刻になっているが、「石油化学大国」といわれる中国から代替調達ができれば、不足はかなり緩和されるはずである。<br />
ところが、高市発言以降中国からシンナーを輸入することはまったくできなくなっている(下記記事参照)。高市首相はどう責任を取るつもりなのか。高市首相が「だんまり」を決め込むのは当然かもしれないが、不思議なのは野党がこの点に関する追求をほとんどしていないことである。苦しむのは中小企業ばかりである。<br />
<div align="right">(山口　2026.6.4筆)</div></p>









































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<div class="entry-container"><blockquote><h3>塗料用シンナーも「軍民両用」　在中国の日本企業、在庫融通できず</h3>日本経済新聞2026.4.24 <br />
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「その理由でダメになるのか」。3月下旬、中国東北部。建築関連事業を手掛ける日本企業の現地法人社長は肩を落とした。<br />
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検討していたのは塗料用シンナーの輸出だ。相手は日本の本社。ホルムズ海峡の事実上封鎖で品薄になり、工事を止めないためにも「中国の在庫をまわしてくれ」と相談された。<br />
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NOを突き付けてきたのは輸出手続きの代行業者だった。「<font color="red">シンナーは軍民両用（デュアルユース）品だ。税関が通さない。</font>申請しても無駄だ」と告げられた。<br />
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中国は1月上旬、高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を念頭に軍民両用品の対日輸出規制を強化した。<font color="red">管理品目の一覧にはシンナー自体の記述はない。ただ原料のトルエンやキシレンが「毒化学品の生産に使える」として指定されている。</font><br />
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輸出規制について中国側は「民生用は影響せず」との立場を取る。中東情勢の緊迫は、その言葉に対する疑義を改めて浮かび上がらせた。<br />
(赤字による強調は山口)</blockquote></div>








































				
				
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			<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 12:00:58 +0900</pubDate>
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