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		<title>スモールサンニュース - インタビュー　景気を読む！</title>
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		<copyright>Copyright (C) 2026 スモールサンニュース All rights reserved.</copyright>
		<lastBuildDate>Fri, 20 Feb 2026 10:24:49 +0900</lastBuildDate>
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		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年2月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6340.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「年明け後も足踏む景気<br />
～人手不足と金利上昇で倒産増の懸念も～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>GDP統計は四半期ごとに発表されるものだから、年明け後の状況を見るにはやはり景気ウォッチャー調査に頼るしかない。それを見ると、昨年後半の低迷ぶりが年明け後も続いていることがわかる。/ 「景気の現状判断DI」は10月の48.２をピークに11月48.0、12月47.7、そして年明け後の1月は47.６だ。昨年後半の低下傾向が年明け後も続いている。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >25年10－12月期のGDP<br />
～かろうじてプラス成長ではあったが～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　総選挙も終りました。自民党が衆議院の議席数の3分の2を単独で確保するという前代未聞の結果になりましたが、それついては先生が今月号の論考「“４つの視点”から「高市自民圧勝」を読み解く」で分析されていますからそれを読んでいただくことにして、ここでは去る2月16日に発表された昨年10－12月期GDPについてお話を伺うことから始めたいと思います。10－12月期GDPは前期比0.1%増、それを年率に換算すると0.２%増という結果でした。2期ぶりのプラス成長です(図１)。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/967434e367135ffcc2cdb06e4bf048031cadc0a4d8e0fac69ea1327fa5a95d2c.png" alt="" width="340" height="394">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口　</b>「ブラス成長」といっても、「2.6％もマイナスになった7－9月期」から0.2%しか増えていないわけだから、「ブラスに転じてよかった」などと喜べるような結果じゃないよね。むしろ今回のGDPの発表で「2025年後半、経済は低迷していた」ことが明らかになったと言うべきだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。最初に表1を見た時「住宅投資4.8%増」というのが目に入って、住宅業界も回復してきたのかなあと思ったんですけど、これも「8.4％もマイナスだった前期」の反動に過ぎないんだと気づきました。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/2ce1a2a32186c73b4316998a23c99a2af9019ff1c9615272527c7abc0947dce3.png" alt="" width="340" height="382">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　25年4月に省エネ基準が厳しくなった。そこで、3月まで駆け込み需要が発生し、その反動で7－9期が大幅にマイナスになった。10－12月期はそのまた反動でプラスになった。上下に振れているだけで、残念ながら住宅投資が活発化してきているというわけではない。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >昨年後半の低迷の原因は?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先ほど、「今回のGDPの発表で2025年後半は低迷していたことが明らかになった」と言われましたが、その低迷の原因は主になんだったのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　一番大きいのは、やっぱりGDPの7割を占める個人消費が冴えなかったことだね。7－9月期には0.4％増と少し増えたんだけど、10-12月期には0.1%増とほとんど横ばいだった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　物価高で実質賃金のマイナスが続いていますからね。消費が伸びるのはあまり期待できません。<br />
<br />
<b>山口</b>　それからもう一つは輸出だね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプ関税の影響ですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　それは間違いない。7－9月にはその影響でマイナス1.4%と落ち込んだ。10－12月期にはマイナス0.3%とマイナス幅は減ったけど、依然マイナスが続いている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかインバウンド消費って、GDP統計では「輸出」の項目に入るんですよね。高市発言をきっかけにした日中関係の悪化で、インバウンド消費も減っちゃったんじゃないかと思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。10－12月のGDP統計ではインバウンド消費は0.6%減。輸出減の一要因になっている。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >年明け後も足踏む景気</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　年明け後も経済の低迷は続いているのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　GDP統計は四半期ごとに発表されるものだから、年明け後の状況を見るにはやはり景気ウォッチャー調査に頼るしかない。それを見ると、昨年後半の低迷ぶりが年明け後も続いていることがわかる。<br />
　「景気の現状判断DI」は10月の48.２をピークに11月48.0、12月47.7、そして年明け後の1月は47.６だ。昨年後半の低下傾向が年明け後も続いている。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/a2a3cd6c7b406ca0066cdd28d9072b0ca0dc53759756db408b9cf2af57b366b0.png" alt="" width="850" height="493">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　DI値が基準の50を切っているということは、「3カ月前と比べて今月の方が景況が悪い」という答えが「良い」を上回っているということですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおり。実は24年2月に51.3をつけて以来、今年の1月まで5０を上回ったことが一度もないんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　2年にわたって景気低迷が続いているということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。景気低迷が長引いて多くの人が閉塞感の中にいる。高市氏の「私の積極財政で再び成長できる」という呼びかけに「よし、高市氏に賭けてみよう」という気持ちになった有権者が多かったのも理解できなくはないね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、高市さんが「積極財政」を言い出してから金利がじりじり上がってきていますよね。景気が低迷しているのに金利が上がっていくんじゃ、中小企業にとっては踏んだり蹴ったりじゃないんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　その辺りのメカニズムをよく理解していない有権者が多いんだよね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >人手不足と金利高で倒産件数増加か!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　心配なのは、また倒産が増えるのではないかということです。1月の倒産状況はどうだったんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　東京商工リサーチによると、1月の倒産件数は887件、前年同月比5.59%増。2カ月連続で前年同月を上回っていて増加傾向にある。1月としては4年連続で前年を上回った。今年1月は2013年（934件）以来の高水準だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/eba4f16a09f422aa2d1ff0fb2244352dfb212f85753cbd6887c3b9d1a1926f31.png" alt="" width="2890" height="1058">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　来月は年度末ですから、倒産が増えるんじゃないかと。<br />
<br />
<b>山口</b>　東京商工リサーチも、「物価高、人手不足への抜本的な対応策が取れない中小・零細企業は多いだけに、資金需要が高まる年度末を迎え、息切れ企業が押し上げる形で企業倒産は緩やかな増勢が見込まれる」(東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」2026.2.9)と書いている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　景気が低迷しているのに金利が上がり、物価高によるコスト高があって、さらに人件費の急騰、そして人手不足ですから。倒産件数が増えない方が奇妙です。<br />
<br />
<b>山口</b>　選挙中、高市氏は「積極財政」ということは何度も叫んでいたけど、中小企業対策については具体的なことはほとんど語っていなかった。これはちょっと気になるね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　それから年度末をなんとか乗り切っても、4月には日銀の利上げがありそうだから、中小企業経営者はそのことも頭に入れておく必要がある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市さんは選挙で大勝して「ホクホク」なんでしょうが、中小企業は大変ですね。皆さん、気を引き締めて頑張りましょう。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">インタビュー2026.2.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6340.html</guid>
			<pubDate>Fri, 20 Feb 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年1月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6297.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「2026年経済を読み解く際の留意点<br />
～『解散』で進む円安と金利高～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>高市政権が財政政策を発表した昨年11月17日から国債利回りの上昇が急ピッチになってきているんだけど、図2に明らかなように直近の上昇は1月9日に「首相、解散検討」が報じられた翌週の1月13日朝を起点にしている。高市自民が選挙で勝利するだろうという予測が長期金利を押し上げていることは間違いない。 &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「解散検討」の報だけで1ドル160円近くまで円安が進んだ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年最初の「景気を読む」ですから、足下の景気情勢に加えて、今年の経済見通しについてもお聞きしたいと思っていましたが、政界がいろいろ大変なことになっていて経済見通しも立てにくくなってきたように思います。<br />
<br />
<b>山口　</b>本当にそうだね。想定外のことが次々に起きている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市首相が1月国会の冒頭で衆議院を「解散」するというのも驚きですが、公明党と立憲民主党が合流して新党「中道改革連合」を設立したというのも措定外のインパクトです。<br />
<br />
<b>山口</b>　最大の注目点は新党がどの程度機能するかだよね。新党が公明票や立憲民主支持票をしっかり抱え込めば、与野党逆転、政権交代の可能性も出てくる。仮にそうなれば、経済政策にも方向転換が起きるだろうし、それが日銀の政策運営にも影響を及ぼすだろう。今年の経済動向の予測は選挙結果を見てからにした方がよさそうだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今日はその辺りも踏まえつつお話を伺うことになりますが、まずは足元の経済情勢からお聞きしたいと思います。先生が繰り返し強調されてきた「高市リスク」は“円安”、“金利高”、“人手不足の深刻化”の3つですが、“円安”と“金利高”はすでにはっきりと現れてきていますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市氏が自民党の総裁選で勝利してから円安がどんどん進んでいるんだけど、最近はそれがさらに加速して、一時1ドル159円台をつけるなどいよいよ160円に手が届きそうなところまで来ている。図1で最近の状況を見てみよう。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　1月に入ってから、円安の足取りが早くなっていますね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/fec53c1267c8e6a4c8fcca31315364dc4053462c54ab99134df7f7ecf81486fd.png" alt="" width="862" height="583">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そうなんだ。1月12日の週から円安が急進した。なぜかというと、その前週の金曜日1月9日に何かがあったからなんだけど、分かるかな?</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >「解散」=「積極財政」の信任=「円安」の容認</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　1月9日というと、たしか読売新聞が「高市首相が解散を検討している」と報じた日ですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　正解! &nbsp;読売新聞がオンラインでこんな記事を配信した。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>高市首相（自民党総裁）は９日、２３日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った。衆院選は２月上中旬に実施される公算が大きい。首相は参院で少数与党が続いており、政策実現の推進力を得る必要があると判断したとみられる。…首相は「強い経済」「責任ある積極財政」を主張しており、自身の経済政策について国民の信任を得たい考えだ。<br />
——読売新聞オンライン2026年1月9日、23時配信。</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　選挙に勝てば、高市政権の「積極財政」が国民の信任を得たことになるというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　「積極財政」が——国債の増発を引き起こし、通貨の増発にもつながることから——「円安要因」だというのは今や市場関係者の共通認識になっている。その「積極財政」を国民も支持しているのだとなれば、これは事実上国民が「円安」を容認しているのに等しい。<br />
当時は公明党と立憲民主党で新党をつくるという話も浮上していなかったので、世論調査の内閣支持率から見て自民党は圧勝するだろうと見られていた。そこで、「解散」イコール「積極財政の信任」イコール「円安の容認」という連鎖になって、たちどころに2円ほど円安が進むという事態が生じたわけだ。ちなみに、日経新聞も18日の記事でこんな風に指摘している。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>衆院の解散・総選挙を通じて高市早苗政権が積極財政を進めやすくなるとの観測から、円相場は1ドル=160円台へ下落する可能性が意識されている。<br />
——日本経済新聞2026.1.18　　　　　</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　ということは、仮に新党「中道」の影響で自民党の勝利が危ぶまれることになれば、円安にもブレーキがかかる可能性があるということですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　その可能性はあるね。もちろん。為替はいろんな要因で動くので現実にどうなるかわからないけど、円安への圧力が弱まることは間違いない。こんな具合に、今は政治と経済の動向が絡み合ってしまっているのだけど、これはもう1つの高市リスクである金利についてもいえる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「自民勝利」の予想が長期金利を上昇させている</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　先ほど引用した18日の日経新聞は、金利についてもこう書いている。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>次の衆院選で自民党の議席数が伸びれば、高市早苗政権が一段と財政拡張路線を進みやすくなるとの思惑がくすぶる。財政リスクを反映しやすい超長期債を中心に利回りの上昇が続くだろう。<br />
——日本経済新聞、同上</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　10年物国債の利回りはすでに一時2.25%にまで達しています。およそ27年ぶりの高水準なんですが、こうした長期金利の上昇も次期総選挙で「高市自民が勝つだろう」という見通しによって後押しされているということですね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/d48112cb4719b0a748460daf5037992e3616575d1ab000d702b786b148aea6fe.png" alt="" width="892" height="407">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　高市政権が財政政策を発表した昨年11月17日から国債利回りの上昇が急ピッチになってきているんだけど、図2に明らかなように直近の上昇は1月9日に「首相、解散検討」が報じられた翌週の1月13日朝を起点にしている。高市自民が選挙で勝利するだろうという予測が長期金利を押し上げていることは間違いない。<br />
前回のこのコーナーでも言ったけど、10年物国債の利回りに0.9%上乗せして算出されるのが「長期プライムレート」――大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時の基準金利――。１月現在、これはすでに2.75%まで引き上げられている。この調子で行けば、2月には一気に3％になる可能性もある。そうなると、中小企業の新規の借り入れや更新期の借り入れに適用される金利は3%以上が基準になるわけで、中小企業への影響が大いに懸念される事態になって来たといえる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうだとしたら、もしも次期総選挙で高市自民党の勝利が危ういとなれば、金利上昇に歯止めがかかる可能性もあるということになりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　新党「中道」がどんな国債政策を打ち出すかによるけど、積極財政路線に修正が加われば長期金利は少し落ち着くだろうね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今後は長期金利に加えて昨年12月の日銀の利上げが変動金利に徐々に反映されていきますから、中小企業の経営はさらなる圧力に晒されます。先行きが懸念されますね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >レアアース問題がやがて深刻化する可能性も </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年の景気動向の予測には政治的要因が絡んでくることはここまでのお話でよくわかりました。ところで、その政治的要因という点で、もう一つ気になっていることがあります。それは、先生が「想定外の高市リスク」と言われていた日中関係の悪化です。<br />
高市首相の台湾有事に関する発言で日中関係が冷え込んでいますが、中国政府は日本への渡航自粛だけでなく、いよいよレアアースの対日輸出規制にまで踏み込んできたようです。この影響はどうなるんでしょうか。日本はかつて中国からのレアアースの輸入が出来なくなった経験があって、それを教訓にしてその後「脱中国」を進めてきたから今回の輸出規制の影響はそれほどでもないという人もいますが。<br />
<br />
<b>山口</b>　中国依存が6割とも7割ともいわれているレアアースが本当に入って来なくなったら日本産業への影響は甚大だ。それは間違いない。「脱中国」の施策として念頭にあるのは、オーストラリアからレアアースを調達できるように——日本企業が積極的に投資するなど——対処してきたこと。でも、レアアースにもいろいろあってオーストラリアからの輸入である程度補えるものもあるけど、それができない種類のものもある。それだけをもって「中国の輸出規制に耐えられる」というのはちょっと過大評価だと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　南鳥島近海にはたくさんレアアースがあるから、これを使えば「中国、恐れるに足らず」ということをいう人もいます。今年中にいよいよ試験採掘も始まるみたいですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　あくでも試験採掘だよね。それでやっと技術的なハードルがどんなところにあるかが明らかになるという程度の段階で、レアアースを自前で採って精錬するなどというのはまだまだ先の話。最大の問題はコストだよね。コストの問題を考えると、南鳥島近海のレアアースが活用できるようになるには、早くても10年はかかるというのが多くの専門家の見立てだ。だから、これは残念だけど当面の日中問題には役に立たない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　厳しいですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市さんが発言を撤回すれば当面の問題は解決するんだけど、世論がそれを許さない状態になっているからそれも難しい。現在日本企業がどれくらい在庫を抱えていて、中国の輸出規制がどれくらい続けば様々な分野での生産活動に支障が出てくるのか、それもはっきりしない。それに中国が実際にどれくらい厳しい規制を仕掛けて来るのかも未知数だから、当面は様子を見るしかないね。ただ、レアアースを必要とする部品などの価格がすでに大幅に上がっていると指摘する人もいる。いずれにしても、こうした政治的要因で2026年の経済動向は大きな影響を受けることになる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >消費者の購買力が限界に近づきつつある!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年の景気動向を予測しようとする場合、留意すべき点というと、ほかに何がありますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　景気動向に関して一番注目すべきは、やはり消費者の購買力だよね。最近、消費者の購買力が限界に近づきつつあることを示唆するような統計も散見される。<br />
たとえば、帝国データバンクが昨年の8月頃に実施した調査では、「飲食店」や「旅館・ホテル」など、消費者に近い業種ほど仕入れコストの上昇を価格に転嫁できないでいるという結果が出ている。価格転嫁できた企業の割合は全業種平均では39.4％。ところが、「飲食店」では32.3%、「ホテル・旅館」では24.9％にとどまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「値上げすると、お客さんが離れて行ってしまいそうで怖い」ということなんでしょうか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
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	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/large-276f5b77266f19de78fb27ce2aa707c0f11cc08575fcc7f8745983c514273496.png" data-rel="SmartPhoto[6297]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そうだね。消費者が値上げ分を吸収する余力がいよいよ小さくなってきている——そう感じている業者が多いということだ。図３にあるように、実質賃金が昨年11月で11か月連続のマイナスになった。これじゃあ、そう感じるのも当然と言えは当然だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　消費者の購買力が限界に近づいているという点で、一番実感するのが住宅価格です。東京23区内の新築マンションの平均価格は1億3000万円だそうです。平均年収の18倍ですよ。一体だれが買えるんだろうと思ってしまいます。<br />
<br />
<b>山口</b>　建築資材の高騰や人件費増で膨らんだコスト増を価格に転嫁すると、販売価格が高くなり過ぎて購入できる消費者が減ってしまう。建設・不動産業界ではこういう現象が目立ってきている。この分野では消費者の購買力が限界にきていることが、かなりはっきりしてきているね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　食料品とか建設資材は輸入依存度が高いですから、これからさらに円安が進んだらまた価格が上昇しますよね。価格転嫁が難しくなっている中で、さらなるコスト増はきついです。<br />
<br />
<b>山口</b>　こういう業界から、「円安を促すような政策はやめてくれ」という声がもっと上がってしかるべきだと思うね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日銀は今年中に少なくともあと2回は利上げする!</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年の景気動向についての留意点、ほかには?<br />
<br />
<b>山口</b>　やっぱり日銀の利上げだね。今年の夏にもう1回利上げして、さらに年後半にもう1回利上げするだろう——今のところ、これが市場関係者の共通認識だけど、円安の進行が強まれば、日銀は春にでも利上げして円安を止める必要が出てくる。それでも円安が止まらないとなったら、年3回の利上げになる可能性も否定できない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　現在の政策金利が0.75％ですから、年2回引き上げられれば今年中に1.25％になる。3回だったら、1.5%になるということですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。それくらいまでは日銀は「中立金利」の範囲内——つまり景気を冷え込ませるほどの金利水準ではない——と考えているみたいだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前回先生は政策金利が0.5%を上回ることは30年間なかった。昨年12月の利上げでこの「30年の壁」が破られたということを言われていました。その壁が破られた途端1年で金利がその2倍、3倍になるというのは、かなりのインパクトなんじゃないかという気がするんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。利上げが進めば、とくに投資家の投資行動に変化が起きる可能性がある。先ほど、新築マンションの価格があまりに高くて消費者の手が届かないという話が出ていたけど、それでもマンションが売れているのは、居住目的ではなく、投資目的で購入する投資家がいるからだ。そういうことが盛んに行われてきたのはなんといっても金利が低いから。言ってみれば、長年の極端な低金利政策が生み出した「あだ花」だ。とすれば、金利が正常な水準に戻るにしたがって、いずれはこうした不動産投資の動きにもブレーキがかかる。今年中あるいは遅くとも来年にはそれが起きる可能性があると指摘する不動産専門家も少なくない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうなんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それから留意点といえば、今年11月の中間選挙を控えたトランプ政権の動向も目が離せない。トランプ関税が違憲かどうかを判断する最高裁判決もせまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前半のお話の政治と経済との絡み合い、さらにそれ以外にも今年の経済を見る際の留意点がいろいろあるということで、お聞きしていてちょっと頭がパニックになりかけています。読者の皆さんはどうでしょうか。<br />
そんな今年であればこそ、企業経営には情報収集が欠かせません。今年もこのコーナーをよろしくお願いします、ということで本年最初の「景気を読む」とさせていただきます。ありがとうございました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.1.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6297.html</guid>
			<pubDate>Tue, 20 Jan 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年12月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6265.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「長短金利上昇が中小企業を襲う<br />
～萎み始めた高市政権への“期待”～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>長短金利の上昇が中小企業に襲い掛かって来る。高市政権の積極財政がさらなる金利上昇や円安を引き起こしかねない。そうなると、やっぱり気になるのが景気の先行きですよね。 &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >“30年の壁”崩した日銀 <br />
～政策金利0.5%から0.75%へ～</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/42d18f3f423cd5cbb27c65a4e472ecd306f364bd4a23ddad13a5d84befa83145.png" alt="" width="340" height="374">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　12月18-19日に開催された金融政策決定会合で日銀は政策金利を0.5％から0.75％へ引き上げることを決定しました(図1)。政策金利は30年間0.5％を上回ることがなかったので、この水準は「30年の壁」と言われてきたのですが、今回はこの壁を崩した形になります。なぜ今なのか、今後どのような影響が考えられるかなど、本号ではまずはこの利上げに関するところからお話しいただけたらと思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　日銀は今年(2025年)1月に政策金利を0.5%に引き上げたんだけど、それ以降できるだけ早く——遅くとも25年中には——政策金利を1％にまでもっていきたいと考えていた。ところが、4月にトランプ政権が相互関税を世界中に課すという無茶苦茶なことをしたためにその影響で日本の景気が大きく冷え込む危険性が出てきた。そこで、しばらく様子を見なければならなくなったんだけど、8月の日米合意で税率が引き下げられたりして、関税による景気押し下げの影響もだいたいこんなところかなと見通せる環境になった。というわけで、遅まきながら利上げを決断したというわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　日米合意が履行されたのが8月初旬ですから、もう少し早く利上げを実施してもよかったんじゃないですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。実は、市場関係者の多くは10月に利上げが実施されると見込んでいたんだ。でも、日銀は先送りにした。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　「利上げをするのはアホや」とまで言っていた人が総理大臣になっちゃったからね。日銀は「今利上げして高市政権」と対立的な関係になることを避けようと考えたんだと思う。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >利上げ後も円安が進んでいるのはなぜ?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　でも、日銀が利上げを先送りしている間にどんどん円安が進んでしまいました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そこが問題だね。高市氏が総裁選で勝利したのが10月4日。この日は土曜日だったんだけど、週明けの6日から円安がどんどん進んで、それまでは1ドル147円程度だったドル円相場が11月には一時157円を付けるところまで進んだ。このことは図２——12月19日までの3カ月間のドル円相場の推移を示す——ではっきり確認できる。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/01f9690b1fe24b24e5ed67610c601a5c242d97d312b402c110b3ca0b252644b6.png" alt="" width="700" height="488">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　これこそ、先生の言われてきた「高市リスク」の1つですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。ここまで円安が進むと、さすがに日銀も高市政権に遠慮してばかりいられなくなる。10月の政策決定会合の次は12月だ。そこで、12月の会合で利上げに踏み切ったというわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の利上げは、円安を止める効果はあるんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6241.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>でも言ったけど、もし今月も日銀が利上げを先送りにしていたなら、ドル円相場は即刻160円を突破していた可能性が高い。そのかぎりでは、利上げは円安進行の抑制に寄与したと言えなくはないけど、図3を見てくれるかな。これは12月19日早朝から20日未明にかけてのドル円相場の動きを見たものだ。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/94de678215e412335df8f26507e540a6ffa4b8c6e33af8fdb0bbe2e56bda2d7b.png" alt="" width="1060" height="732">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　16時(図の⑯)前後から円安が急に進んでいますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　植田総裁が利上げについて記者会見を始めたのが15時30分。終了したのが16時30分。つまり、記者会見を開始してから円安が進み、その後一時円高方向に戻したものの終了が近づくとまた円安が進み、終了後はほぼ一直線に円安が進んで結局1ドル157円50銭近辺の水準に至っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　まるで日銀総裁の会見がきっかけで円安が進行したみたいですね、<br />
<br />
<b>山口</b>　実はまさにそうなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どういうことですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　円安への圧力は現在かなり高まってきている。政策金利を0.25%引き上げただけで円安が止まるとは多くの人は考えていない。そこで、市場関係者が注目していたのが会見で植田総裁が今後の利上げについてどれくらい意欲的な発言をするかという点だった。ところが、会見では期待したほどの発言を得られなかった。そこで、「こりゃあ、円安が続くぞ」と判断して、投機筋がドル売り円安を仕掛けた。それで、植田総裁の会見を機に円安が進むという展開になったわけだ。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >高市政権の「積極財政」という“円安圧力” </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先生は今「円安への圧力は現在かなり高まってきている」と言われましたが、先日FRBは利下げを決定しました。それだけでも日米金利差は縮まったわけだから、円安圧力は低下してきているのではないでしょうか。そこにきての日銀の利上げですから、日米金利差はさらに縮まったはずです。とすれば、利上げを機に為替がかなり円高に戻してもいいのではないかと思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　たしかに君が今言ったのとまったく同じ理由で、「今後は円高に戻す」と予測している専門家もいる。実際の為替相場はいろんな要因で動くのでその動向を予測するのは非常に難しいんだけど、1つ忘れてならないことがある。それは、高市政権が実行しようとしている「積極財政」そのものが「円安圧力」になっていること。正確に言うと、そう認識する市場関係者が最近増えてきていること。「円安への圧力は現在かなり高まってきている」と言ったのはことなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「積極財政」がなぜ円安圧力になるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　先日国会を通過した高市政権の「補正予算」は21兆円。積極財政論者の高市氏としては面目躍如というところだけど、この支出の6割が国債発行で賄われることになっている。国債の大量増発となれば、国債価格が下がって利回りは上昇する。つまり、長期金利の上昇だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そこまではよく分かります。<br />
<br />
<b>山口</b>　長期金利が国民生活や企業活動にマイナスの影響を与えるレベルにまで上昇すれば、日銀も放置できなくなる。そこで、増発された国債を日銀が買い取って国債価格の下落を抑え込む——利回りが一定以上に上がらないようにする——必要が出てくる。でも、それによって金利上昇を抑えることができても、そのかわり日銀の国債購入が増えて通貨が増発され、インフレが促進されてしまう。「円」への信任は低下し、為替も円安に振れることになる。要するに、国債増発を引き起こす高市政権の「積極財政」が行き着く先は「円安」だというわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。<br />
<br />
<b>山口</b>　こういう“円安圧力”の下で、それに逆らって為替相場を“円高方向”に切り換えようとするなら、日銀の“連続的”な利上げが必要だ。そう考える市場関係者からすれは、今回の植田総裁の会見はいかにも頼りなかった。そこで会見の最中から円安が進んでしまうという事態が起きたわけだ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >長短金利の上昇が中小企業を襲う</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　次に、利上げの影響についてお伺いしたいのですが、政策金利というのはコール市場と呼ばれる銀行間市場の「翌日物コールレート」のことですよね。これが引き上げられると、まず「短期プライムレート」——大企業に1年未満の貸出をする際に基準となる金利——が引き上げられ、それに連動して中小企業が銀行から短期で借り入れる際の金利も上がるということでよろしいでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。さらに重要なのは、「短期プライムレート」が上がると、すでに変動金利で借り入れている場合の金利が——長期で借りたものか短期で借りたものかに関係なく—— 一斉に引き上げられるという点。<br />
銀行によっては、変動金利の基準を「短期プライムレート」ではなくて、「TIBOＲ(タイボー)」——銀行間で資金を短期で貸し借りする際の平均的な金利——にしているケースもあるけど、これも政策金利に連動して上昇するから同じこと。<br />
変動金利の上昇は中小企業にとって一方的なコスト増だから、小さな変化でも影響は大きい。なお、住宅ローンの変動金利も同様の仕組みで上がるから、住宅関係の仕事をされている方々はその影響をしっかり見て行く必要があるね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　さらにもう一つ、今回の日銀の利上げは長期金利である国債利回りにも直接的な影響を与えた。利上げを機に10年物国債の利回りが2％を超え、26年4か月ぶりの水準に達した。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　“26年4か月ぶり”ということは、私たちが4半世紀以上経験したことのない高い水準だということですよね。これは多くの中小企業経営者の皆さんにとって、金利水準が「未体験ゾーン」に入ったことを意味します。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/33f37edfa5643d110a61f91c49dca03c147874f307edea175c9e3919a94fea22.png" alt="" width="1454" height="633">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　この長期金利の上昇そのものは日銀の利上げではなく、高市政権の「積極財政」に基本的な原因がある。それは今回の上昇局面が、高市政権が財政政策を発表した11月17日(図4の⑰)から始まっていることからも明白だよね。同日を起点に国債利回りは急上昇して日銀の利上げ発表前にすでに1.97%くらいにまで上がっていた。それが利上げ発表ともに若干追加的に上昇して2%台に到達したにすぎない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　これも「高市リスク」の現実化の１つだということですね。<br />
<br />
<b> 山口</b>　10年物国債の利回りに0.9%上乗せして算出されるのが「長期プライムレート」——大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時の基準金利——だ。これは12月初頭にすでに2.6%まで引き上げられている。国債利回りの2.0%超えが今後も続けば、来年1月には長期プライムレートが2.8%を上回る可能性もある。中小企業向け新規貸出や更新貸出の金利は長期プライムレートに個々の企業の「信用リスク」を上乗せして決められる。中小企業にとっていよいよ厳しい金融環境になったと言わざるをえない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　当面は国債利回りが低下する可能性は低いのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市政権が打ち出した「補正予算」は基本的に来年3月までに使い切らなければならないものだから、これから国債増発が本格化していくことになる。そう考えると、少なくとも当面は国債利回りが低下する可能性は極めて小さいと考えざるを得ない。新規の借入れを考えている企業や既存借入れの更新期が近々やって来るという企業はとくに要注意だね。</p>








































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<!-- テキスト -->

<h3 >高市政権の成立で一時高まった景気の強気見通しも急速に“後退” </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　長短金利の上昇が中小企業に襲い掛かって来る。高市政権の積極財政がさらなる金利上昇や円安を引き起こしかねない。そうなると、やっぱり気になるのが景気の先行きですよね。その辺りについて判断の参考になる指標はありますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　表1はお馴染みの「景気ウォッチャー調査」なんだけど、いつも見ている「現状判断DI」ではなく、「先行き判断DI」の推移を示したものだ。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/ba14a89effe5e192b649aad19cfa940b04b3cf9cd6c084102df29f67485b69ae.png" alt="" width="944" height="521">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　「先行き判断DI」というのは?<br />
<br />
<b>山口</b>　現在と比べて2-3か月後の景気が「良くなっていると思うか」「悪くなっていると思うか」を聞いて指数化したもの。<br />
注目してほしいのは、10月(図の<font color="red">⑩</font>)のDI値が9月と比べて4.6ポイントと大幅に改善して、53.1にまで上がっていること。なかでも家計動向関連はなんと5.1ポイントも改善して、53.６にまで達している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　10月になって先行きの見通しが急に明るくなったということですよね。強気見通しが増えた理由はなんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　この「景気ウォッチャー調査」を取り上げたニッセイ基礎研究所のレポートではこんな分析をしている——</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>景況感が改善すると判断した回答者のコメントには、期待、政権、首相、株価、年末年始といった単語が多く含まれていることが読み取れる。「新首相による政策への期待、過去にない株高が消費力へプラスに働き、一段と良くなるとみている。期待感も含んでいるが、現状に鑑みて、良い方向へ伸びる要素は大いにある（甲信越・都市型ホテル）」や「我が国の首相が新しく決まり、物価高は継続しつつも、ガソリンの暫定税率廃止の方向など日本が少しずつ変わるというマインドがある（北陸・一般レストラン）」など、高市政権への期待のコメントがみられた。………「ニッセイ基礎研究所レポート」2025.11.12　</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　高市政権に対する高い期待度が10月の「強気の景気見通し」を生んだ要因だったというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。ところが翌11月には、「強気の景気見通し」は一気に後退。「先行き判断DI」は前月比2.8ポイントも下落して50.3——家計動向関連は50.8——と、「好転・悪化の分かれ目である50」スレスレのところまで低下してしまっている。10月には52.4と久々に50を上回った企業動向関連の「先行き判断DI」も、11月には再び49.2と50を下回ってしまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市政権への高い期待も1カ月程度で急速にしぼみ始めたということなんですかね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そういうことだね。注意が必要なのは、長期金利の急騰は11月半ば以降だし、日銀の利上げは12月だから、これらが景気指標に現われて来るのはこれからの先だということ。さらに、「想定外の高市リスク」だった日中摩擦の景気押し下げ効果が本格化するのもむしろこれから。そう考えると、全体の「先行き判断DI」が50を下回るのは時間の問題だということになる。世論調査によると国民の政権支持率はまだ高いようだけど、経営者諸氏は根拠の乏しい期待によって目を曇らされることなく、冷静に景気の先行きを見るように心掛けてもらいたいね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の「景気を読む」は年末でしたので来年の経済予想を主要テーマにしたかったんですが、日銀の利上げがあったためにそれは叶いませんでした。そのあたりは来年早々のこのコーナーで話題にしたいと思います。今回はこれで失礼します。読者の皆様、そして先生、1年間大変お世話になりました。そして、良いお年をお迎えください!</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2025.12.21</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6265.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Dec 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年11月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6241.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「“高市リスク”の顕在化で景気の先行きが不透明に!」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>多くの国民や中小企業が景気回復を実感できるところまで「改善」が続くことを期待したいけど、金利が上がったり、円安によってコストが上昇したり、さらには日中関係悪化の影響で経済が冷え込む可能性が出てきたことなど、様々な“高市リスク”が顕在化してきている状況では先行きを楽観視することはとても許されない。 &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >長期金利が1.77%越え <br />
～顕在化する“高市リスク”～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　「経済対策は17兆円を超える」——片山財務大臣がこんなことを声高に発表するなど、高市政権の積極財政政策がいよいよ動き出した感じがします。でも、それとともに先生が前号で指摘された「高市リスク」も表面化してきているようです。本号ではまずはその辺りからお話しいただけますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　片山大臣の発言は11月17日午後だったんだけど、この発言に誘発されて前日まで1.70%あたりで推移していた10年物国債の利回りがスルスルと上昇し、同日引け値は1.73%。その後も上がり続け、19日には一時1.774%まで上昇した(図１)。これは17年半ぶりの水準だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/73e34034ce455f0e4cde6a42e7a53f7241c4183b6919c555f755f36bac718a67.png" alt="" width="2713" height="1237">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先生は<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6201.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>でこんな風に言われていました。「高市氏はいわゆる積極財政論者で…その高市氏が総理になれば、国債の発行が増える。そうなれば、国債の価格が下がるだろうと市場関係者は予測する」と。国債の価格が下がれば、同じ国債の利子をより少ない投資金額で手に入れることができるわけだから、「利回り」が上昇する。だから、高市政権の誕生で国債利回りが上昇して、中小企業の借入れ金利が上昇するリスクがあると。今や事態はその通りに動いています。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。前月号でも言ったけど、銀行は10年物国債の利回りを基準にして貸出金利を決める。「大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時の基準金利」を「長期プライムレート」というけど、これはすでに2.45％にまで上昇している。長期プライムレートは10年物国債の利回りに0.9%上乗せして算出されるから、この調子で行くと、来月は2.５%ないしは2.55%、再来月には2.6％くらいまで上昇する可能性がある。中小企業向け貸出の金利は長期プライムレートに個々の企業の「信用リスク」を上乗せして決めるから、中小企業の金利負担はさらに大きくなる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今のところ高市政権の支持率は高くて、中小企業経営者の中にも支持者は多いのですが、そういう人たちは高市政権の誕生で銀行借入の金利がこんな風に上昇することを覚悟しているんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　いや、そんなこと何も考えていないんじゃないかなあ。たとえば今や5年前の借入を更新しようとすれば、当時の2.5倍の金利を払わないと駄目になっている。今後それがさらに上昇しそうだという話なんだけど、銀行から利上げを提示されて「頭にくる」経営者は多くても、そのことが自分の支持する高市政権の誕生と関係があるとは気づいていない。もちろん、スモールサン会員はそんなことないと思うけどね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >円安が急進し、1ドル155円台に<br />
～高市氏総裁選勝利以降8円の円安～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先生が前月号で“高市リスク”として指摘された“円安”というリスクも顕在化してきています。<br />
<br />
<b>山口</b>　図2に明らかなように、高市氏が総裁選で勝利した10月4日以降急速に円安が進んでいる。今や155円台。総裁選勝利前は147円程度だったから1か月余りで8円近く円安が進んだことになる。これも高市氏が以前から日銀の利上げを牽制してきたことの結果だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/8697bdba7558dd861c614783c2ac4ed984626667bbeece5acecb45ef148e4ae1.png" alt="" width="1092" height="741">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　円安が進むと、輸入物価が上がってしまいますよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それは避けられないね。高市氏が総裁選で勝利したことで円安が進んだ10月の輸入物価は前月比2.6％も上昇した。7月0.5%、8月0.3%と比べれば、円安の影響は一目瞭然だ。ちなみに「契約通貨ベース」(ドル)でみた10月の輸入物価は0.7%の上昇にとどまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　輸入物価が上がれば、遅かれ早かれ中小企業の仕入コストが上がります。先生の指摘された“高市リスク”はこの点についても現実のものとなりつつあります。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　11月18日に高市首相と植田日銀総裁とが会談したんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　この会談の直前に時事通信社が報じた記事が興味深い。ちょっと引用するね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>市場関係者は、「高市首相から利上げをけん制する発言があれば円売りが進む」（邦銀）と話す。一方、「円安進行で輸入物価の上昇が懸念される中、高市首相から利上げけん制を緩めるような発言が出る可能性もある」（FX会社）との声も聞かれた。<br />
——時事通信2025.11.8</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　市場関係者も円安は高市首相の姿勢次第だと考えているということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　それで、会談後の発言はどうだったんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市首相の発言は報じられていないんだけど、植田総裁が会談後「首相から金融政策で要望はなかった」と発言している。この発言後に円レートは0.3円程度円高方向に戻したけど、その後また円安方向に戻して結局155円台半ばの状態が続いている。高市首相が金融正常化を「黙認」や「了解」するだけでなく、「賛同」する発言をしていれば円安是正も進んだかもしれないね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「30年の壁」が破られる<br />
～政策金利引上げの可能性高まる～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　18日の会談で高市首相が植田総裁に対して利上げを牽制する発言をしなかったとなると、日銀が12月にも利上げする可能性は高まったんじゃないですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　なかなか鋭いね。その点を指摘する市場関係者も多い。これだけ円安が進んできていると、高市首相もさすがに利上げを牽制するような発言はできなかったんだと思う。これは言い換えると、日銀の利上げに「正当性」があるという証左でもある。逆に言うと、もし日銀が12月に利上げをしなければ、これを機に円安が進んでしまって1ドル160円に到達するかもしれない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　仮に利上げするとすれば、現在の政策金利が0.5％ですから、0.25%引き上げて0.75%になるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだろうね。ここで読者諸氏に知っておいてもらいたいのは、政策金利が0.5％を上回ることは「この30年間なかった」ということ。0.5%は「30年の壁」と呼ばれているんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　来月にはいよいよ「30年の壁」が破られる可能性があるということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　重要なのは、金利の上げ幅はこれまで同様0.25％であっても、その持つインパクトはこれまでとは違うということ。「壁」を突破したことで、「一つの時代が終わった」という感覚を多くの人が持つ可能性がある。そうなると、いろいろな変化が起きてくるかもしれない。たとえば低金利を前提にして不動産などに積極投資してきた投資家の姿勢にも変化が起きる可能性がある。その結果、銀行が融資の際に担保とする不動産の価値が下がれば、融資もしにくくなる。そうなると、中小企業にも影響が及ぶ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　要注意ですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >需要拡張策がさらなる人手不足とコスト高につながるリスク</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　ここで“高市リスク”についてあと2点追加しておきたいと思うんだけど、いいかな。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい、お願いします。<br />
<br />
<b>山口</b>　その1つは需要拡張政策のリスクだ。供給過剰で物価も下がってモノが余り気味だとか、失業率が結構高くて人手に余裕があるような状態であれば、政府が財政支出によって需要を作り出せばそれを機にモノや人が動き出して景気が良くなるということがある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　それがケインズ政策と呼ばれるものですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。財政スペンディング政策とも言われてきた。ところが、供給が不足気味でモノの値段が上がっている時とか、失業率が低くて人手が不足しているような時には、政府が財政支出によって需要を新たに作り出したらモノの値段がさらに上がってしまうし、人手不足も一層深刻化してしまう。結局は、経済が悪化することになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　現在は後者の方に近いということですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおり。高市政権の経済政策に期待している中小企業の方々の中には建設業関係の人が多いという話を聞いたことがあるけど、もしそうだとすると、それはそういう人たちが今話した点を理解していないからなのではないかと思う。<br />
建設業界こそ人手不足が深刻だし、建設資材の値上がりも大きい。そんな中で、もし高市政権がさらに建設需要を創り出すような政策を実行したら、多くの中小建設業者はさらなるコスト高と一層深刻な人手不足に悩まされることになる。大手ならコスト増を価格に転嫁することもできるけど、中小工務店などは難しい。例えばそれを住宅の販売価格に転化したら、ますます消費者の手が届かなくなって住宅業界の不況が深刻になる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。<br />
<br />
<b>山口</b>　政府は経済状況をきちんと理解した上で、さまざまな意見に耳を傾けながら慎重に経済政策を進めていくことが必要なんだけど、高市首相は経済財政諮問会議や日本成長戦略会議の民間メンバーに高市首相の持論を後押しするような積極財政派の人たちばかりを揃えた。それを見て、僕は「危ないなあ」と感じた。「積極財政政策」に期待している経営者や国民はたしかに多いけれど、この「危うさ」を理解してもらいたいね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >懸念される高市発言による日中関係悪化の影響</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　最後にもう一つ、これは想定外の“高市リスク”だったんだけど、先日の「台湾有事」に関する高市首相の国会答弁が原因で日中関係が悪化、今や大変なことになっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中国側は中国国民に日本への渡航自粛を呼び掛けていますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　すでにキャンセルが相次いでいる。沖縄で外国客船が入港した際に税関手続きなどの事務を請け負うシップ・エージェンシーの会社を経営している人に聞いたら、寄港予定だった船のキャンセルがどんどん来ていて、もしこの状態が1年続いたら売り上げは例年の3分の１になってしまうと言っていた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　大変深刻ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　野村総合研究所の木内登英(たかひで)氏は、日中関係の悪化が1年続いたら日本の損失は1兆7900億円にのぼり、GDPを0.29％押し下げることになると試算している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そんなに大きな影響があるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　こういう経済的影響や安全保障上の問題を考慮して、歴代首相は台湾有事に関する具体的言及は避けてきた。集団的自衛権に関する法律を通した安倍元首相でさえ、具体的な事態を想定してあれこれ総理が発言することはよくないとして、国会で質問を受けても答弁を「控えたい」と言明してきた。総理としては当然の判断だと思うね。<br />
ところが、高市首相はなんの戦略的配慮もないまま、質問者とのやり取りの中で自分の考えをついペロッとしゃべっちゃった。「強気の発言」をすれば反射的に喜ぶ一部の保守層からは歓迎されるかもしれないけど、外交や防衛を担う一国の総理大臣としてはあってはならないことだと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市首相にはこの事態を治める責任がありますよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう思うね。外交官を中国に一度派遣したくらいでは解決には程遠い。解決が長引けば長引くほど経済的損失は膨らんでいく。まったく想定外の“高市リスク”だけど、このまま放置すれば経営が行き詰る中小企業も出かねない。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >改善進む景気の現状と先行き懸念の高まり</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　金利、コスト高、日中関係など“リスク”は山積みですが、こういうことを考えると景気の先行きも心配になりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。表１の「景気ウォッチャー調査」の結果を見ると、足元の景気はかなり改善してきている。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202511/343a57cfdf4db2b0f7153b7d265b87df1f1b03fb334aa8690f7f620eddc8bdb8.png" alt="" width="1496" height="854">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　10月のDIが49.1にまで上がってきていますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　この調査は3カ月前と比べて景気が「良くなったか」「悪くなったか」を聞いて指数化したもので、「上昇・下降」の分かれ目が5０。その5０に「手が届きそうな」ところにまで「改善」が進んで来たということだ。<br />
多くの国民や中小企業が景気回復を実感できるところまで「改善」が続くことを期待したいけど、金利が上がったり、円安によってコストが上昇したり、さらには日中関係悪化の影響で経済が冷え込む可能性が出てきたことなど、様々な“高市リスク”が顕在化してきている状況では、先行きを楽観視することはとても許されない。会員諸氏と共に、今後も景気動向をしっかりウォッチしていかないとね。　　<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうですね。今後ともよろしくお願いします。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2025.11.19<br />
一部修正しました。2025.12.24</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6241.html</guid>
			<pubDate>Thu, 20 Nov 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年10月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6201.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「懸念される『円安と金利高の共存』<br />
～“高市政権というリスク”～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>なぜ高市政権の誕生が中小企業にとって“リスク”なのかと言えば、それは高市氏の経済政策が——これまでの同氏の発言にもとづくかぎりでは——基本的にアベノミクスの踏襲であって、アベノミクスを客観的、批判的に総括した上で自身の経済政策を打ち出すという姿勢が同氏にはまったくみられないからだ。 &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >パッとしない景気～改善続くも、依然回復力弱い～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　なんだかんだといろいろありましたが、結局は自民党が維新の協力を取り付けたことで高市政権が成立しました。首班指名国会(10月21日)を見届けてからということで、このコーナーの配信が2日遅れてしまいましたこと、読者の皆さんにはご容赦願いたいと思います。<br />
さて、今回は中小企業にとって高市政権の誕生がどういう意味をもつのかという点についてもお話いただきたいのですが、その前にまずは景気の現状について確認しておきたいと思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　いつものように「景気ウォッチャー調査」(表1)で確認してみよう。会員諸氏にはもはやお馴染みだと思うけど、この調査は3カ月前と比べて景気が「良くなったか」「悪くなったか」を聞いて指数化したもの。DI値の推移を見ると、4月に底を打って以降少しずつ改善してきている。でも、9月になっても未だ47.1と「上昇・下降」の分かれ目である5０を下回っている。つまり、景気が「良くなった」という回答より「悪くなった」という回答の方が多い状態が続いている。それに9月は前月比0.4ポイントの改善にとどまっていて、8月の前月比1.5ポイント改善に比べる回復力が大幅に落ちている。これも心配な点だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/f0b3bb3be2761e122fe714c79a513312399008d6beb8f189fc9707092d24f9f5.png" alt="" width="2267" height="1342">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　一言でいうと、「パッとしない景気」状況と言えそうですね。ところで、表1を見ていて2点気になったところがあります。1つは「住宅関連」が9月に前月比5.3ポイントも回復していること。これは何か理由があるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　それがよくわからないんだ。文書回答をみても納得できる理由は見つからなかった。本年4月から「省エネ」関係の規制が厳しくなるというので駆け込みの需要があって、その反動でこのところ住宅着工件数が落ちていたんだけど、9月になってこの「反動減」がようやく終わったということなのかもしれない。住宅関係についてはスモールサン会員の方々からの情報提供を期待したいね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >製造業の景況感が4カ月ぶりに悪化<br />
～輸出数量の減少が影響か～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　もう1点、気になったのが製造業です。9月の「製造業」DIが46.８と、8月と比べて1.4ポイントも低下しています。製造業の景況感の悪化は4か月ぶりです。この背景にはやっぱりトランプ関税があるんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　表２を見てほしいんだけど、これは日本からの輸出を円建ての「金額」で見たものと、「数量」で見たものを並べて示している。輸出の前年比伸び率は「金額」でみると、トランプが相互関税を打ち出して以降4カ月連続のマイナス｡でも「数量」でみると、7月まではプラスを維持していた。ところが、8月には前年比3.9％のマイナスに陥っている。米国向けに限定すると、12.0％という大幅なマイナスだ。関税の引き上げに対して、輸出企業が値引きで吸収することに限界が来ていることを示している。<br />
輸出「数量」が減れば、遅かれ早かれ輸出品の生産活動も減退することになる。実際、鉱工業生産指数は7月、8月と2カ月連続で低下している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプ関税がじりじりと生産現場に影響を及ぼしてきているということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。ただ、トランプ関税については8月から日米合意が適用されている。その影響が指標に現われてくるのはむしろこれからなので、今後の推移を注視していく必要があるね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/e7eae2c1a222285d7b054d7d1fdb9923748144087b7c6c72228c36c0a4cd08e5.png" alt="" width="1348" height="810">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >高市政権という“リスク” <br />
～インフレ時代にアベノミクスを踏襲しようとすることの危険性～</h3>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　ざっと景気の現状をみたところで、いよいよ話題を「高市早苗政権の誕生」に移したいのですが、先生はこの政権の誕生をどう見ていらっしゃいますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　いわゆるイデオロギー的な問題を別にして、中小企業への経済的影響という点に限定した上での話だけど、高市政権の誕生は一言でいえば「中小企業にとっては大いなるリスクだ」と思っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうして“リスク”なんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　もちろん今はまだ高市早苗氏が総理大臣として指名されたというだけで今後具体的にどういう政策を実際にやっていくかも未知数なんだから、この段階で“リスク”だというのはかなり失礼ではあるよね。高市支持者の読者からは文句が出るかもしれない。<br />
僕が“リスク”だと言っているのは、あくまでも「これまでの高市氏の発言にもとづいて判断すれば」ということなので、まずこの点を押さえたうえで聞いてもらいたいと思う。<br />
その上で、なぜ高市政権の誕生が中小企業にとって“リスク”なのかと言えば、それは高市氏の経済政策が——これまでの同氏の発言にもとづくかぎりでは——基本的にアベノミクスの踏襲であって、アベノミクスを客観的、批判的に総括した上で自身の経済政策を打ち出すという姿勢が同氏にはまったくみられないからだ。<br />
そもそも安倍政権下の時代と現在とでは経済事情がまったく違っている。それを無視して過去の政策をまた持ち出してきてそれを推進するようなことをしたら、結果は悲惨なことになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　安倍政権時代には日本経済はデフレの真っ只中でした。だから政策課題は「デフレの克服」、言い換えると「インフレ推進」でした。でも、今は反対。庶民はインフレに悩まされています。だから、今はインフレの進行を抑えて上手に物価をコントロールするというのが政策課題です。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおり。時代状況が全く違うのにアベノミクスを継承するような発言をしていると、それ自体がリスクになる。その兆候はすでに表れてきている。その1つが円安の急進だ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >仕入コスト上昇という“リスク” <br />
～高市氏の総裁就任とともに急進した円安～</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/large-bbad5abfcfde201d9bf1bafc40a390b3dea7e979c3168dd1df9a7c6025c8d456.png" data-rel="SmartPhoto[6201]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/bbad5abfcfde201d9bf1bafc40a390b3dea7e979c3168dd1df9a7c6025c8d456.png" alt="" width="340" height="321">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　図１はドル円レートの推移を見たものだけど、高市氏が自民党の総裁選で勝利した途端に一気に円安が進んだことが一目瞭然でわかる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。でも、どうしてこんなことになるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　それは高市氏の過去の発言に起因している。たとえば高市氏は石破氏らと闘った前回の総裁選の際に「金利を今上げるのはあほやと思う」と発言して、日銀の金融正常化策を牽制した。アベノミクスの一丁目一番地は「超金融緩和政策」なんだけど、植田日銀はそこからの脱却を目指して金利を徐々に上げていこうとしていた。高市氏はそれを「あほや」と牽制した。そんな人が総理になれば、今後日銀は金利を上げにくくなるにちがいないと少なくとも市場関係者は認識する。そうなれば日銀が金利を引き上げて円高方向に為替を誘導することも難しくなると考えて、投機筋はチャンスとばかりに円安に投機を仕掛けることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　その結果が円安の急進だったわけですね。円安が進行すると輸入物価が上昇するから、中小企業にとっては仕入コストが上がってしまう危険性がありますよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕が高市政権を中小企業にとって「リスクだ」と評価した第1の理由はまさにそれ。さらに、消費者にとっても食料品など輸入に大きく依存している商品の価格が上昇してしまうというリスクがある。これは消費者の購買力を低下させることになるから、BtoCを仕事にしている中小企業は売上げの面からも打撃を受けることになる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >いまだに「円安で輸出が伸びる」と信じている高市氏</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　高市氏は「金利を上げるのはあほや」という発言をされた時、そうした発言が円安を誘導してしまうかもしれないと心配しなかったのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　心配どころか、高市氏は「円安になれば、輸出が伸びるからいいじゃないか」と考えていたみたいだ。実際、「金利を上げるのはあほや」と発言した際、円安についても言及し、円安になれば「輸出産業はどんどん輸出できるチャンスだ」(日本経済新聞2024年9月23日)と語っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　円安になると、本当に輸出は伸びるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　いや、そんなことはまったくない。図2を見てごらん。緑の折れ線グラフがドル円レート、赤い棒グラフが輸出数量指数を示している。安倍政権が誕生した2014年、15年と円安が進んだけど、輸出数量はまったく増えていない。それから2023年、24年と著しく円安が進んだけど、この時は逆に輸出数量が減少している。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/55fe7dac17aade0271f2a771791b5b520470175dce885b2f0d60bc37e6f15fd9.png" alt="" width="1747" height="1197">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　「円安になると輸出が伸びる」と中学や高校の社会科の教科書に書いてあったように記憶していますが、これはまったく非現実的だということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　1ドル=100円の時、1万ドルの自動車を輸出したら売上げは100万円。でも、1ドル=150円に円安が進めば、売上げは150万円に膨らむ。だから、円安が進めば金額的には輸出は増える。でも、だからといって輸出数量が増えるかどうかはまったく別問題だということだね。この場合、輸出業者は同じ1台の自動車を売って50万円も売上げが増えるから大いに儲かる。でも輸出台数が増えたわけではないので、自動車メーカーの下請中小企業の仕事は増えない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　アベノミクスは超金融緩和によって円安を進めれば、輸出が増えて景気が良くなるといって円安を推進したけど、輸出業者が為替利得で儲かるだけで国内景気を引き上げる効果はなかった。だから、アベノミクスでデフレ脱却もできなかったわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　大企業が儲かれば、やがては中小企業にも波及する——いわゆる「トリクルダウン」が起きるのだと当時言われていましたが、輸出数量が増えなければ下請の仕事は増えないわけだから「トリクルダウン」も起きませんよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうそう。当時はあたかも「トリクルダウン」が起きるかのように喧伝されていたけど、そうならないことが実証された。だから僕は、アベノミクスの客観的、批判的な総括が必要だと言ったんだけど、高市氏にはそういう姿勢はまったく見られない。そこが問題なんだ。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >円安と金利高の“共存”というリスク</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　高市政権の誕生で日銀が金利引上げをしにくくなる——少なくともそう市場関係者は見ている——と先ほど先生は言われました。中小企業にとって円安は仕入れコスト増になるからたしかに困りますが、金利引上げが抑制されるというのは中小企業にとってありがたいんじゃないですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう考えて高市政権の誕生を歓迎している中小企業経営者もいると思うけど、これはあまりにも“あまい”見方だね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　日銀がかりに金利引き上げを先送りしたとしよう。その結果どんどん円安が進んで、これが国内物価の上昇を引き起こしたらどうなると思う?<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうなったら、日銀は放置できなくなっていずれは金利を引き上げるでしょうね。<br />
<br />
<b>山口</b>　だよね。結局金利を引き上げることになる。予防的に早めに金利を引き上げて円安の進行を抑えるというのではなく、円安が進んじゃってから慌てて金利を引上げることになる。そうなると、金利を引き上げても為替が元の水準に戻らず、結局円安と金利高が共存することになりかねない。そうならないためには、金利を大幅に引き上げて為替水準を円高方向に強引に引き戻すしかない。それはそれで中小企業にとっては大きなリスクだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >長期金利上昇というリスク</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　高市政権の“リスク”にはもう一つある。それは長期金利が上昇してしまうというリスクだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6150.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月</a>のこのコーナーで、先生は最近長期プライムレートが上昇してきていると指摘されていました。9月には2.3％まで上昇したと。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/large-0a3258b231887e9a3d5e82f43be1f041696780fc900aae9049082585e423cce6.png" data-rel="SmartPhoto[6201]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202510/0a3258b231887e9a3d5e82f43be1f041696780fc900aae9049082585e423cce6.png" alt="" width="340" height="613">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　10月にはそれがさらに2.4%引き上げられた(表3)。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前回そうなるだろうと言われていましたが、やっぱり上がっちゃったんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　長期プライムレートが上昇してきている背後には、10年物国債の利回りが上がってきていることがあると前回話したよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい。長期プライムレートというのは「大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時に基準にする金利」で、これが上がると地方銀行や信用金庫など中小金融機関の新規貸出の金利も一斉に上がる。そして、その長期プライムレートは10年物国債の利回りに0.9%上乗せして算出されると言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市政権の誕生はこの10年物国債の利回りをさらに上昇させるリスクがある。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市氏はいわゆる積極財政論者で、今回の総裁選でも候補者の中では一人だけ赤字国債を発行しても財政支出を増やすべきだというような発言していた。その高市氏が総理になれば、国債の発行が増える。そうなれば、国債の価格が下がるだろうと市場関係者は予測するよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　国債の価格が下がれば、同じ国債の利子をより少ない投資金額で手に入れることができるから「利回り」が上昇することになります。だから、高市政権の誕生で国債利回りが上昇して、中小企業の借入れ金利が上昇するリスクがあるというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　安倍政権の頃には国債を発行しても日銀がそれを翌日にはすべて買い上げていた。だから国債を増発しても、国債価格が低下(利回りは上昇)する心配はなかった。でも、それは当時デフレだからできたこと。インフレ基調の現在、そんなことをすればインフレを促進しかねない。だから、日銀も政府が発行した国債をすべて即買い上げるなんてことはしない。そのため、現在は安倍政権の頃とは違って、積極財政が長期金利の上昇に直結する可能性がある。<br />
高市氏は果たしてそういうことを理解しているのだろうか。これまでの言動をみているかぎりではどうも怪しい。アベノミクスの継承で高市氏の頭が一杯だとすると、その政策によって長期金利(国債利回り)が上昇し、結局中小企業が苦しむことになりかねない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　総裁選で高市氏を支持した中小企業経営者の皆さんは、今回お話いただいた“リスク”についてちゃんと認識されていたのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　いや、そんなことあまり考えていなかったんじゃないかなあ。でも、これからは「知らなかった」では済まされない。支持者も非支持者も、以上話した“リスク”を踏まえて高市政権の今後の政策運営をしっかり注視していく必要があるね。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2025.10.21</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6201.html</guid>
			<pubDate>Wed, 22 Oct 2025 12:00:00 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年9月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6150.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「長期金利の上昇に要警戒!<br />
～『米価』と『関税』、内憂外患の景気先行き～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>10年物国債の利回りは現在1.64%まで上がってきている。この水準がしばらく続けば、10月には「長期プライムレート」が2.4%とか2.5%に引き上げられる可能性は高い。…ということは、5年前に銀行から借り入れをして今年「更新」するとなったら、支払わなければならない金利は一気に2.5倍くらいに膨らむことになる &nbsp; &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >長期金利17年ぶりの高水準</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　景気動向にも大きく影響すると思うのですが、このところ国債利回りの上昇がすごくて17年ぶりの高水準に達しています。<br />
<b><br />
山口</b>　そうだね。図1は10年物国債の利回りの推移を見たもの。8月に入ってから上がり始めて8月末には16年ぶりの高い水準に達した。そして9月に入って、一時1.64%と17年ぶりの高さをつけた。その後少し下がったんだけど、直近で再び上昇して今はまた1.64％の水準に戻っている。<br />
スモールサンの会員諸氏はすでにご存じの方も多いと思うけど、銀行は10年物国債の利回りを参考にして「新規」や「更新」の際の企業向け貸出の金利を設定している。だから10年物国債の利回りがどう動くかは、中小企業経営に直結する問題だ。経営者は無関心ではいられない。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/25a7a1c09f73294bf04320b4f45ee5661a6b0784d1c59efdf4c4a6bf64c6fd55.png" alt="" width="3241" height="1463">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　8月に入って国債利回りが急騰したのはなぜなんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　7月に参議院選挙があったよね。その際野党は消費税率の引き下げや廃止を主張したし、与党も給付金の支給を公約に掲げた。いずれにしても、国債の発行を増やして財源を確保しなければならないような施策が並んだ。しかも、結果は与党が大敗。今後野党に押される形でさらに財政支出が増えるかもしれない。そうなれば、ますます国債発行が増えることになりかねない。だったら、手持ちの国債を今のうちに売っておこうということになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど、それで国債価格が下がり始めたんですね。国債の価格が下がれば、同じ国債の利子をより少ない投資金額で手に入れることができるから「利回り」が上昇する。こうして8月に入ってから国債利回りが上昇し始めたというわけなんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおり。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >「FRBの利下げ」を機にアメリカの長期金利が上昇</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　9月に入ってその利回りがピークアウトしてその後少し下がったのに、直近になって再び上昇してきたのはなぜなんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　図2は同じ10年物国債の利回りを5日間という短いタームで見たものなんだけど、これを見てわかるように「直近の利回り上昇」と言っても、それは19日になってからのことだ。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　たしかにそうですね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/d94b87221280b6c09b8fc37f4406f6af5b7773c72dc530320af5baa449e4ccfa.png" alt="" width="3486" height="1565">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そこでだけど、引き続き図３を見てくれるかな。これはアメリカの10年物国債の利回りをみたもの。9月18日から利回りが上昇に転じ、19日には大きく上昇している。19日になって日本の国債の利回りが急上昇したのには、このアメリカ国債の利回り上昇が波及したのではないかと推測できる。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/15fa1207e7d8e530e39dd0f529be0a7021e56336edf6c60319f330d583839152.png" alt="" width="3425" height="1567">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　たしかアメリカのFRBは9月17日に政策金利を0.25％引き下げたんですよね。中央銀行であるFRBが利下げしたのに、その翌日から長期金利が反対に上がりはじめるというのは奇妙です。どうしてそうなっちゃうんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そこが今のアメリカ経済を象徴しているんだけど、FRBが今回利下げに踏み切ったのは、最近になって雇用情勢が相当悪化してきたから。でも、他方でトランプ関税の影響で5月以降物価上昇率が高まってきている (図4)。もしかしたら、今回の利下げがきっかけで物価上昇がさらに加速するかもしれない。物価上昇率が高まれば、やがて金利も上昇してくるし、FRBだって物価の上がり具合によっては“利上げ”に転換しなければならなくなる。そういうことを考えると、中長期的な見通しとしては、FRBの「利下げ」はむしろ「金利上昇要因」だと判断できる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/71bc1106ff86bc0fd236e15942a971d786b897e63997c7145b40fd697a1380a3.png" alt="" width="1032" height="682">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　長期金利はFRBが操作する短期金利――政策金利――とは違って、こうした中長期的な見通しを織り込んで動くものなんだ。だから、FRBの利下げを機に10年物国債の利回りが逆に上がり始めたというのは、今のアメリカの状況を鑑みれば、けっして不思議なことではない。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >要警戒! &nbsp;銀行の貸出金利はさらに上がる可能性大</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　トランプ関税の価格への転嫁はまだ始まったばかりで、これからが本番だという見方もあります。そうだとすると、今後物価上昇率の高まりを反映して、アメリカの国債利回りがさらに上昇する可能性もあります。そうなると、日本の国債利回りもこれに吊られて上昇していくかもしれませんね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。君は「長期プライムレート」というのを知っているよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい。「大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時に基準にする金利」です。これが上がると、地方銀行や信用金庫など中小金融機関の金利も一斉に上がるんですよね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/large-b3d3dc95e231ed8c4785d4ba10ff104b1eb3294de58e81420a01fc3805727fed.png" data-rel="SmartPhoto[6150]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/b3d3dc95e231ed8c4785d4ba10ff104b1eb3294de58e81420a01fc3805727fed.png" alt="" width="340" height="568">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　表1は、その長期プライムレートの推移を見たもの。トランプが相互関税の導入を言い出して世界経済が大きく落ち込むのではないかと懸念されていた4月には長期プライムレートも少し下がったけど、以後じりじりと上昇して9月には2.3%にまで上昇している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　以前、先生から「長期プライムレート」は10年物国債の利回りに0.9％上乗せしたものだということを教わりました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。先ほどみたように10年物国債の利回りは現在1.64%まで上がってきている。この水準がしばらく続けば、10月には「長期プライムレート」が2.4%とか2.5%に引き上げられる可能性は高い。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中小企業の場合、借り入れを5年で更新している企業が少なくないと思うんですが、5年前の「長期プライムレート」はどれくらいだったんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　2020年の8月は1.０％だった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、5年前に銀行から借り入れをして今年「更新」するとなったら、支払わなければならない金利は一気に2.5倍くらいに膨らむことになるわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。中小企業の経営には大きな打撃になる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　経営者としては、今後とも金利動向をしっかり注視していく必要がありますね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >“内憂外患”の景気先行き</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/large-c4fb2d05342333fc3022442190ab94a6571755f234cb88cef7af9d8c826c1f83.png" data-rel="SmartPhoto[6150]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　景気の先行きを見て行く上で、金利動向以外に心配なことというとどんなことがありますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　1つはいうまでもなくトランプ関税の影響だよね。輸出の落ち込みがいよいよ生産活動に影響し始めている(図5)。日本の対米自動車輸出が6月までは——金額的には大きく減ったけど——、台数はプラスを維持していた。でも、7月には台数もマイナスになったんだ。そうなると、生産を落ち込ませることになる。8月になってようやく自動車の関税率が27.5％から15%に引き下げられたけれど、それでも関税がかなりの重石であることは違わない。今後の製造業への影響が懸念される。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかにそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　もう一つの懸念は、最近また米価が上がり始めていること。日本経済としては今後輸出の落ち込みを「内需」で補っていく必要があるんだけど、その点で重要なのが個人消費。でも、米価の上昇がその足を引っ張りかねない。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/large-c2f9eb3ba2bce36732d52643f49c007b09e8024267a0ea484b9026b8bbeabd24.png" data-rel="SmartPhoto[6150]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202509/c2f9eb3ba2bce36732d52643f49c007b09e8024267a0ea484b9026b8bbeabd24.png" alt="" width="340" height="604">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　育ち盛りの子供を抱えた家庭ではお米の値段が上がってくると、先行きが心配になって、主婦はなるべく支出を抑えようとしますものね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。米価の動向は個人消費に大きく影響すると思う。新政権がどんな対策を打ち出すか注目だね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　内は「米価」、外は「関税」——まさに内憂外患ですね。金利も上昇傾向だし、当分の間経営者としては気を緩めることができませんね。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2025.9.21</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6150.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Sep 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年8月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6102.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「浮揚力欠く景気<br />
～いまだ履行されない日米合意～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>家計動向関連のDI値をみれば一目瞭然だけど、景気の「善し悪し」の分かれ目である5０を大きく下回った状態が続いている。4月に底を打って以降少しずつ改善はしてきているものの、7月になっても44.８どまり。個人消費の回復力が著しく乏しいことがわかるよね。これが浮揚力に欠く日本の景気局面を生んでいる。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >4-6月期GDPプラス成長をどう読むか </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　内閣府が15日に4～6月期の国内総生産（GDP）速報値を発表しました。物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.3%増、年率換算で1.0%増ということです。こういう結果だけをみていると、日本景気は「大丈夫だ!」と思ってしまうのですが、どうなんでしょうか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/large-a9cd142201c18f4cfecaf99c6e737fc6c3e36a7ad1a8b81a39d2d014265743d4.png" data-rel="SmartPhoto[6102]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　図1をみてもわかるように、実質GDPは5期連続のプラス。その点ではたしかに日本の景気はまあまあ大丈夫だということになるんだけど、よく見ると、いろいろ心配な点が見えてくる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　といいますと。<br />
<br />
<b>山口</b>　図1を見たらすぐに気づくと思うけど、4－6月期の成長率の内訳を見ると、民間需要を示す「グレー」の部分がすっかり消えちゃっていて、ただただ「外需」だけでプラス成長を維持している構造になっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　表1で、需要の内訳をもう少し詳しく見てみよう。個人消費を表す「家計最終消費支出」は前期比0.1%増で前期の0.2%増より伸びが鈍化している。この結果からは消費の力強さを見て取ることはできないよね。それから「民間住宅」、これも前期の1.4%増より減少して0.8%増にとどまっている。「設備投資」は1.3%増で前期の1.0%増より伸びたけど、他方「在庫投資」が減っている。ということで、総合して内需の伸びは“ゼロ”だったというのが、今回の結果だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　GDP成長率はプラスでも、景気の堅調ぶりを示すような結果とは言えそうにないですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　4－6月期のGDPがプラスを維持できたのは、さっきも言ったけど外需(輸出－輸入)が増加したからだ。表1で輸出のところを見ると、前期比2.0%増。これがGDPをプラスに押し上げた。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/8a7b3a791179c77356189cf4c4c4a7a9e01a8560c363a00f86098c4e9d1cafe0.png" alt="" width="700" height="852">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　4月からはトランプ政権が相互関税10％を発動したし、自動車には25%の分野別課税を課しました。そんな中で、日本の輸出が伸びたというのはちょっと信じられないんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだよね。実はこれにはちょっとしたカラクリがあるんだ。4－6月期の輸出額は、君が言うように1－3月期よりも実際に減っている。ただ、この時期トランプが相互関税を打ち出した影響でドルに対する信頼が低下したために為替がドル安円高方向に振れた。そのために日銀が発表している輸出物価指数が低下した。GDP統計上の「実質輸出」は輸出金額を輸出物価指数で割って算出しているので、輸出金額が減ってもそれ以上に輸出物価指数が低下すれば実質輸出はプラスになる。こうして、今期の輸出が2.0%増になったというわけ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、為替が円高に振れていなかったら、4－6月期のGDP成長率はマイナスになっていたということになりますよね。なんだか統計数字にごまかされたような気分になります。<br />
<br />
<b>山口</b>　そんな感じはするけど、実質輸出がプラスだったということは「価格ベースでは輸出は減ったけど、数量ベースでみたら増加した」ということでもあるから、実質輸出の増加が実際に景気に良い方向に作用したことはまちがいない。まんざら統計数字のマジックというわけでもない。ただ、7月以降はふたたび為替が円安方向に戻しているから、価格ベースで輸出が減れば、そのまま実質輸出が減少することになる可能性が高い。そうなれば、輸出によるGDPの押し上げ効果はなくなる。内需に元気がない状況で果して今後プラス成長が維持できるかどうか、危なっかしい状況であることは間違いないね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >日米合意は反故にされたのか?!</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　輸出の話が出たのであわせてお伺いしようと思うのですが、<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6055.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>のスモールサンニュースが配信された翌日、「トランプ関税について日米合意が成立した」というニュースが流れました。内容については、すでにスモールサンの<a href="https://youtu.be/9AWI9JdyXtY" target="_blank" rel="noopener noreferrer">動画「ワンポイント・スタディー」</a>で先生がわかりやすく解説されていますからそれを見ていただきたいのですが、関税そのものに関する合意事項は２つでしたよね。<br />
１つは「8月1日から25％にするとしていた相互関税を15％に引き下げる」というもの。その際政府は、従来の税率に相互関税が追加されても上限は15％にとどまると説明していました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　それからもう１つは自動車関税に関するもの。自動車はもともと2.5%の関税がかけられていたのですが、4月からはそれに25%の分野別追加関税が加えられたために27.5%になっていました。これについても、日米合意では全部ひっくるめて「15％にまで引き下げる」ということでした。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおり。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　この2つの合意事項が発表されたことで“一安心”という感じだったんですが、あれからもうひと月経つというのに、アメリカ政府は未だにこの合意を実行に移していないんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。たとえばもともと6%の関税が課されていたものであれば、それに15%の相互関税が上乗せされて今は21％になっている。上限を15％にとどめるとした日米合意はまったく守られていない。自動車についても、関税は未だに27.5%のままだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の合意については、トランプさん自身もOKしたんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　もちろん。そうでなければ、そもそも合意には達しないからね。ところが、そのトランプがその後日米合意をまったく無視したかのような大統領令を発出したんだ。そこで、赤澤経済再生担当大臣がすぐにアメリカに飛んでラトニック商務長官らと会談した。そうしたら、大統領令は事務的なミスによるものだから適時「修正する」と。そして8月7日以降日米合意を上回って徴収された関税については「返還する」とアメリカ側は説明した。そこまで言ったんだから、日米合意はすぐにでも実行に移されるだろうと思うよね。ところが、未だに音沙汰なし。トランプ政権というのは、本当にもう無茶苦茶だね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　政府間で合意したことをこんな風に平気で無視しているんだから、日本の政府や国民はトランプ政権に怒ってしかるべきですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　もちろんだよ。このままじゃあ、合意事項は反故にされかねない。「保守系」と呼ばれ、ナショナリストを自称しているような国会議員たちはアメリカに行って文句の一つも言ってきたらいいと思うけど、みんなダンマリ。トランプにムチャクチャにされて経済の現場は随分困っていると思うけど、政治家たちはそんなことはお構いなしで「石破おろし」という名の権力闘争に明け暮れている。日本は「大丈夫か」と思っちゃうよね。石破総理には再度日米交渉に本腰を入れて局面打開をはかる義務がある。「こんな状況で辞任なんて言わせないぞ。責任を果せ!」というのが、経済の現場の声じゃないかと思うけどね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >アメリカの生産者物価指数が3年ぶりの大幅上昇</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　そんなトランプさんの暴走ぶりを止められるのは、やっぱりアメリカの国民しかいないみたいですが、その国民が関税政策にノーを突き付けるのは関税で物価が上昇してきた時だと先生は繰り返し強調されてきました。その可能性は高まってきているんでしょうか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/large-85ea82948047e778f73f8aee2793ecfa49e907d1e2299e4a3c689ce9f7ddd0c8.png" data-rel="SmartPhoto[6102]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/85ea82948047e778f73f8aee2793ecfa49e907d1e2299e4a3c689ce9f7ddd0c8.png" alt="" width="340" height="296">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　かなり高まってきているように思う。先日7月の生産者物価指数(PPI)が発表されたんだけど、その前月比上昇率が0.9%だった (図2)。22年6月以来の3年ぶりの高い伸びだ。前年同月比でみても3.3%と、6月の2.4％から上昇率が大幅に高まっている。この急上昇は、企業がいよいよ関税分を価格に転嫁し始めたことを示している。ロイターは「今後数カ月間でインフレが広範に加速する可能性が示唆された」(2025.814)として、「関税措置で国内価格は影響を受けないと考えていた人にとって大きな打撃だった」(同上)という専門家の声を紹介している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　消費者物価の方はどうだったんですか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/13e9b648f4c6a87de7e234bcfd098c4d4486547e03a50e62d427f556e5d0da0e.png" alt="" width="340" height="448">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　7月の消費者物価(CPI)上昇率は前年同月比2.7%、6月と同じ水準だった。ただ、これはエネルギー価格が前年同月比1.1%下落したことが影響したからで、エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は3.1%と、6月の2.9%から0.2ポイント高まっている(図3)。その限りでは、関税の価格転嫁は徐々に進んできていると言えそうだけど、今後は生産者物価の急上昇が消費者物価に反映されていくだろうから、物価上昇の加速はいよいよこれからが本番だといえる。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　トランプ政権に日米合意をきちんと履行させるだけでなく、関税率のもう一段の引下げに向けて日本政府が粘り強く交渉を続ければ、アメリカの物価環境と相まってトランプさんが関税政策を転換する可能性もないわけじゃないということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そういう交渉を粘り強く重ねることこそが、日米合意を取り結んだ石破政権の責任だと思うね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >浮揚力欠く国内景気</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、足もとの日本の景気とその先行きについてですが、まず今回注目した輸出について現状はどうなんでしょう。<br />
<br />
<b>山口</b>　先日7月上中旬の貿易統計が発表されたんだけど、それをみると円ベースの金額は前年同月比で2.8％も減少している。6月には同0.5％減だったから、これと比較してもかなりの落ち込みだよね。この時期の輸出物価指数は前年比では低下しているけど、5月や6月の低下幅と比べると小さいから、まだ統計は出ていないけど7月については数量ベースでも輸出が減っている可能性が高い。そうだとすると、輸出の鈍化が国内の生産活動にマイナスの影響を与えていることになる。　<br />
<br />
<b>北嶋</b>　個人消費の状況はどうですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　これについては、いつものように「景気ウォッチャー調査」(表2)で確認してみよう。家計動向関連のDI値をみれば一目瞭然だけど、景気の「善し悪し」の分かれ目である5０を大きく下回った状態が続いている。4月に底を打って以降少しずつ改善はしてきているものの、7月になっても44.８どまり。個人消費の回復力が著しく乏しいことがわかるよね。これが浮揚力に欠く日本の景気局面を生んでいる。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202508/75a6fe879074e7f532904b6e0d81da7c5ad6c9fecd55180b47fdffa8795a49b3.png" alt="" width="2481" height="1481">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　個人消費に力強さがないことは先ほどの4—6月期GDP統計からも確認できましたが、その状態が7月になっても続いているということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　気になるのは、この暑さだ。7月は例年にない酷暑続きだったけど、その影響で人手が減って商店街などの売上げが減少しているという声が「景気ウォッチャー調査」でも上がっている。実際、表2を見ても、7月の小売関連のDI値が悪化しているよね。もちろん暑さで売り上げが増えたという声もあるけど、こうしたマイナスの影響の方が大きいとすれば、酷暑が続く8月も消費の回復はあまり期待ではないことになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中小企業には消費者向けの仕事をしているところが多いですから、ちょっと心配ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　最後に一言、この調査の「製造業」のDIが7月に若干改善しているけど、この背景には日米合意の成立で少し安堵感が広がったことがあるのではないかという指摘がある。もしそうだとすれば、日米合意がちっとも実行に移されない状態が続いていることで、再び景況感が悪化してしまう可能性もある。いずれにしても、「トランプよ、いい加減にしろ」と言いたいね。　　　　　　　　</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">———インタビュー2025.8.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6102.html</guid>
			<pubDate>Wed, 20 Aug 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6055.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「消費は改善傾向も、トランプ関税の影響深刻化」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>8月1日に予定通り「相互関税」の上乗せが実施されれば、その影響で日本の景気が押し下げられるだろうことは覚悟せざるをえない。それから、これまで値引きで対応していた自動車メーカーもアメリカでの販売価格を引き上げ始めている。そうなるとアメリカでの売れ行きが落ちてくるから、国内の自動車生産も縮小を余儀なくされる可能性がある。…/<b>北嶋</b>　いずれはトランプさんが“chicken out”する可能性は高いけれど、当面は日本の製造業の景気は厳しいし、これからその厳しさが増すことになりそうだということですね。製造業以外についてはどうですか。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >トランプが「相互関税」の発動を8月1日まで延期 ! </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　日本景気の現状についてお話をお聞きする前に、今回もトランプ関税についてお伺いする必要がありそうです。トランプ政権は4月に決定した「相互関税」の発動を3カ月間延期——発動延期の期限を7月9日に設定——したんですが、これを1か月弱再延期して8月1日に発動することにしたと発表しました。高率な関税の発動が1か月弱にしても再延期されたのはよかったのですが、トランプさんは「もうこれ以上延期することはない」と明言しています。果たしてこれからどうなるんでしょうか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202507/large-216c78d3df0bcdfae91b62f4f2abe6c8dfed86885982cbe5da1a7c0af2471688.png" data-rel="SmartPhoto[6055]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　表1はその「相互関税」の比率を記したもの。日本の場合は4月に発表されたものよりどういうわけか1%増えてしまっていて、関税率は25%になっている。「相互関税」の基礎部分とされる10％の関税はすでに発動されているので、このままだと8月1日以降の対米輸出品には関税がさらに15%上乗せされることになる。<br />
発動までまだ10日間あるにはあるけど、この短い期間ではたして劇的に日米が合意に達するなんてことがありえるのか。これまで交渉を繰り返したにもかかわらず実質的な進展がなかったのだから、それは難しいだろうと考える方が普通の感覚だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　ただ、日本政府も参議院選挙が終わってようやく有権者の目をあまり意識しないで米国との交渉にあたることができるようになったから、アメリカ側にかなり思い切った譲歩案を示してなんらかの合意に漕ぎつける可能性もないわけじゃない。あるいは、これはかなりひねくれた見方だけど、日本政府はもうとっくにアメリカ側に譲歩案を提示していて日米はすでに合意に近いところまで来ているんだけど、選挙への影響を配慮して公表しないでいたという可能性もある。仮にそれが実際だとすれば、10日間という残された期間でスピード合意に達して、関税率の引き下げ、あるいはそこまでいかなくても関税発動の再々延期くらいは実現するかもしれない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。<br />
<br />
<b>山口</b>　いろんなケースを考えることはできるけど、いずれにしてもこれは交渉事だからあれこれ予想してみてもしょうがない。むしろ重要なのは、8月1日にどうなるかということよりも、トランプ政権を取り巻く環境を客観的に分析してもう少し長い目でみて今後どういう展開がありうるかを考えてみることの方が有意義だと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　その際、重要だと思われるポイントは?</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >トランプのタコ(TACO)ぶり</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　やっぱり注目すべきは、最近目立つトランプのタコ(TACO)ぶりだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「タコぶり」って、なんだか寿司ネタみたいですが、その「タコ」というのは?<br />
<br />
<b>山口</b>　TACOというのは、「Trump Always &nbsp;Chickens Out」の頭文字をとったもの。トランプは「最初は強気でも、いつも途中で (鶏みたいに)怖気づいてやめちゃう」という意味。たしかに最近はこの言葉がぴったりするような言動が増えてきている。それで、トランプの「タコTACOぶり」が目立っていると言ったんだけど…。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たとえばどんな言動ですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そもそも4月9日に「相互関税」を発動しておきながら、その13時間後にそれを急停止して発動を3カ月も延期したというのはその典型だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　この時は、トランプさんは何に怖気づいて“chicken out”したんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　金融市場の反応だ。世界中に高率の関税をかけるという政策だから、そんなことをすれば世界経済が急速に冷え込んでしまうと市場関係者は考えた。そのためまず株価が急落した。そこまでは想定内だったんだけど、それに連動してアメリカ国債の価格までも急落しはじめたんだ。ファンドが株価急落で負った損失を補おうとして、手持ちの国債を売り始めたからだ。「銀行は大量の国債を保有しているから、国債価格の暴落で銀行の経営も危うくなるかもしれない。そうなると、金融パニックが起きて大混乱に陥る」——ベッセント財務長官がトランプにこんなことを言ったらしい。トランプはそれに怖気づいて、「じゃあ、やめよう」ということになって、たった13時間で「相互関税」の発動が急停止された。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　まさに“chicken out”ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それから5月21日に実現した米中合意も典型的なTACOといえる。トランプ政権が中国に課していた145％の関税を、この合意でほとんど何の交渉成果も得られないまま115%も引き下げて30%にしちゃったんだからね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　この時は、何に“怖気づいた”んですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　一言で言えば、中国の強気の姿勢だ。特に決定的だったのは、中国がトランプの高関税に反発して、レアアースの輸出を規制しはじめたこと。アメリカのレアアース輸入の7割は中国からのものだ。レアアースがなかったら半導体がつくれない。半導体がなければ、スマホも自動車も家電製品も軍需品も作れない。トランプが関税によって「アメリカ国内の製造業を元気にするのだ」といくら叫んでも、その意図とは反対にその関税が中国の反発を誘発して結局はアメリカのモノづくりは壊滅的状態に陥ってしまう。そのことに怖気づいて、「関税を引き下げなければ、協議には一切応じない」と言明していた中国に「白旗」を上げて、115%の関税引き下げを実施した。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかにこれも“chicken out”ですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >不法移民の強制送還でも「TACOぶり」を発揮</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　ちなみにトランプの「TACOぶり」は、関税関係だけに見られる現象ではないんだ。「鳴り物入り」で強行してきた不法移民の強制送還でも起きている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　えっ、そうなんですか。トランプさんは大統領になってからかなり強引なやり方で不法移民の強制送還を実施してきましたよね。そのため反発が強くなって、6月には全米で反対デモが起きました。それに対してもトランプさんは「一歩も引かないぞ」という感じで、たとえばロサンゼルスのデモに対して州兵を派遣して抑え込むなど「強気の姿勢」を堅持してきました。そしてまた、そういうところをトランプ支持者は「さすがトランプだ」と拍手喝采するという状況だったように思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだ。ところが、そのトランプが7月になって農業部門やホテルで働いている不法移民については摘発から除外するという方針を打ち出したんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　不法移民の多くが働いている分野が農業とかホテルなんでしょ。そういう分野の人たちを除外するとなったら、移民排除政策は相当大きく縮小されることになると思うんでが。トランプさん、今度は一体何に“怖気づいた”んですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　業界からの反発だ。米経済政策研究所によると農業労働者のうちの4割が不法移民。ホテルでも従業員のおよそ1割が不法移民だ。ところが、トランプ政権の強権的な排除政策のために、そういう人たちが怖がって職場に来なくなっちゃっている。今農場は収穫期なんだけど、野菜や果物は手つかずのまま放置され、畑で腐り始めている。「いいかげんにしてくれ」と農業経営者の間でトランプへの反発がすごく強まっている。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　そりゃあ怒りますよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　農業関係者にはもともと共和党支持者が多くて、そのうちの多くがトランプ支持だ。そういう人たちを怒らせるのは「ヤバイ」とトランプも思うよね。そこで、「アメリカ人農家が働き手として身元を保証する場合」には、その不法移民を取り締まりの対象から外すとトランプが表明した。その際、ホテル業界へも同様の配慮をするような発言をしている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　やっぱり“chicken out”だ。先生はトランプ流移民排斥政策はいずれ行き詰ると、かねてより指摘されていましたよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　今は農業部門とかホテル業界が「除外」対象になっているけど、不法移民が労働者の14%ほどを占めると言われている建設業界でも同様の措置を求める声が強まってくるだろう。仮にそこも「除外」対象にしたら、トランプ政権が構想した移民排斥政策は事実上崩壊してしまいかねない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　さらにいうと、この数カ月の強引な強制送還の影響で、新規の移民が合法・非合法を問わず入って来なくなってきている。去年アメリカの人口は前年比300万人増えているのだけど、そのうちのどれくらいの割合が移民流入による増加だと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　2～3割くらいですか?<br />
<br />
<b>山口</b>　いやいや、実は“8割”にあたる280万人が移民による増加だ。移民を本気で排斥してしまったら、アメリカの活力は大きく削がれてしまうのは間違いない。人手不足で物価も上がるだろう。そうなれば、遅かれ早かれ産業界からも国民からも反発も強まる。トランプ流移民排斥政策が今後さらに行き詰まりをみせるのは目に見えているといってもいいんじゃないかな。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >始まった関税転嫁による物価上昇</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　これまでのお話を伺っていると、トランプの「TACOぶり」はトランプさんが「弱い」からではなくて、もともと「無理な政策」を強引に推し進めるから、進めれば進めるほど反発が強くなって結局は撤回や修正を余儀なくされることになる——そういうところに本質があるように思えてきます。<br />
<br />
<b>山口</b>　まさにそのとおりだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうだとすると、8月1日から発動される「相互関税」もはたしていつまで続けられるか、ちょっと怪しい感じがしますね。いずれ修正されて、またまた“chicken out”ということになりかねない気がします。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はそういうことになる可能性が高いと思っているけど、今のところはまだまだトランプはかなり強気だね。EUに対する相互関税も、4月に発表されたものより10%高い30%の関税 を8月1日から課すとしているし、すでに実施している自動車、鉄鋼、アルミに対する50％の分野別課税も新たに「銅」にまで拡大して8月1日から実施するとしている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプさんが強気でいられるのには、何か理由があるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　関税政策を強引に推し進めているトランプ政権にとって、一番恐いのは関税の所為で国内物価が上がってアメリカ国民が「いいかげんにしてくれ」と怒り始めること。来年秋には中間選挙もあるし、この怒りが大きくなって選挙に影響が出そうだということになれば、トランプは“chicken out”を余儀なくされる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、トランプさんが今も強気姿勢を維持できているのは、まだ物価があまり上がって来てないからだということですか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202507/ea0e8ff838938269010d83a8822a536b674da9dad0e75187f3e0a2d68cbed471.png" alt="" width="2349" height="1436">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　先日6月のアメリカの消費者物価指数が発表されたんだけど、いよいよ「関税の価格転嫁によって物価が上昇する」動きが始まったことを示すものだった。図1をみてもわかるように、5月には0.１％だった前月比上昇率が6月には3倍の0.3％になった。前年同月比で見ても、伸び率は5月の2.4％から2.７%にまで上昇している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、日本の6月の消費者物価上昇率が年率3.3％ですから、それと比べてもアメリカの物価上昇率の水準は国民が「怒り出す」ほどのレベルではありませんね。<br />
<b><br />
山口</b>　そうなんだ。まさにそのことが、トランプが強気でいられる大きな理由だ。でも、来月以降物価上昇が加速していくことは間違いない。というのは、先月のこのコーナーでも言ったけど、関税前に仕入れた在庫がもはやほぼ枯渇しているし、輸出業者の側が値引きによって関税の影響を抑えようとする動きもいよいよ限界にきているからだ。 </p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-center">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202507/246dc1910d29b81c4dc68b235961287788e117fa92fc0c858c32bfdf14d1d8e4.png" alt="" width="500" height="586">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>図２を見てごらん。日本の自動車メーカーがいかに値引きしてきたか一目瞭然だよね。年初と比較して20％くらいアメリカ向け自動車の価格は下がっている。日本の自動車に対して課された関税が25％だから、その大部分は日本のメーカーの値引きで吸収されたことになる。これでは、アメリカの自動車価格が上がってこないのも当然だ。でも、表２をみてごらん。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202507/5cc7a622a438d11b643bc75ab95ee1b362120e45915703bd199feac771483f09.png" alt="" width="500" height="625">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　とうとう日本の自動車メーカーが値上げに踏み切り出していますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　この動きは今後じりじりと広がって行くと思われる。さらに、8月からほとんどの輸入品に一斉に相互関税がプラスされる可能性が高いし、多くの部品の材料になっている銅までも50%の関税がかけられる。そうなってくると、企業が関税分を吸収して値上げを抑えるのにも限界がくる。はたしていつまでトランプが強気でいられるか。関税について、トランプが秋、遅くとも年末までに“chicken out”する可能性は高いと思う。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >当面の日本の景気<br />
～消費は改善傾向も、トランプ関税の影響が深刻化～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　最後になっちゃいましたが、トランプ関税の動向を踏まえて、当面の日本の景気動向についてお話しいただけますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　先ほど話したようにトランプは今のところまだ強気だ。8月1日に予定通り「相互関税」の上乗せが実施されれば、その影響で日本の景気が押し下げられるだろうことは覚悟せざるをえない。それから、これまで値引きで対応していた自動車メーカーもアメリカでの販売価格を引き上げ始めている。そうなるとアメリカでの売れ行きが落ちてくるから、国内の自動車生産も縮小を余儀なくされる可能性がある。結果として下請企業の仕事が減って、経営難に陥る中小企業も出てくるかもしれない。さらに言えば、こんな風に先行き不安が増してくると、設備投資を控える傾向が強まる。実際、そういう分野では注文減という形ですでに影響が出てきている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　いずれはトランプさんが“chicken out”する可能性は高いけれど、当面は日本の製造業の景気は厳しいし、これからその厳しさが増すことになりそうだということですね。製造業以外についてはどうですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　個人消費を対象にしている内需の分野では、今は少し回復傾向にある。その背後には、春の賃上げの影響が出てきて消費者の「財布のヒモ」が緩んできていることがある。これからボーナスの影響も出てくるから、この傾向は若干強まると予想される。それから、消費者にとって最大の懸念材料だったお米の価格がピークアウトしたことも、消費者心理に影響していると思う。<br />
ただ、トランプ関税の影響で今後日本の景気が悪くなるという見通しから、現在為替市場で円売りが進んで円安傾向が強まっている。円安が進めば、日本の輸入物価が上がり、消費者物価が一段と上がってくる。それが、せっかく回復傾向を示し始めた消費に冷や水をかけてしまう可能性もある。しんどいけど、まだまだ中小企業経営者としては油断できない状況が続く——そう言わざるをえないのが現状だ。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">———インタビュー2025.7.19<br />
※7/23一部修正</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6055.html</guid>
			<pubDate>Tue, 22 Jul 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6036.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「製造業の景況が大幅に悪化<br />
～日本の製造業を襲うトランプ関税～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>4－6月期の製造業のDIがマイナス10.9と、前期に比して13.5ポイントも低下した。これは新型コロナウイルスの感染拡大が影響した22年1〜3月期（16ポイント低下）に次ぐ下げ幅だ。/北嶋　いよいよトランプ関税が日本の製造業に襲いかかってきているという感じですね。　……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >アメリカの物価上昇が加速しない３つの理由 </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　日本景気の現状についてお話をお聞きする前に、先生にぜひ一つお伺いしたいことがあるんですが、いいですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　いいですよ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　先日アメリカの労働省が5月の消費者物価指数(CPI)を発表したんですが、前年同月比で2.4％の上昇でした。4月は同2.3％でしたから、0.1ポイント増えただけ。物価上昇がトランプ関税の影響で加速してきているという感じはあまりしません。ちなみに、前月比でみると、5月の上昇率は0.1％。4月は0.2％でしたから、物価上昇はむしろ鈍化してきているようにも見えます。トランプさんがどんどん関税を引き上げているのに、物価上昇率がこのように比較的安定しているのはなぜなのか。今後のトランプ関税の行方や日本への影響を見て行く上でも、アメリカの物価動向は重要だと思うので、まずはこの点について先生のお考えをお聞かせいただけたらと思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。その要因は3つほど考えられる。<br />
1つは、ガソリン価格が低下してきていること。ガソリン価格は12か月連続で下落しているんだけど、最近はとくにトランプ関税が世界経済を冷え込ませるという懸念から原油価格が大きく下落してきていた。その影響で5月のガソリン価格は12.0％も下落している(4月は11.8%下落)。これが物価上昇率の安定的な推移に大きく貢献している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ガソリン価格の低下は運送コストなどの低下にもつながりますから、影響は大きいですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　2つ目は——これまでにも、繰り返し指摘してきたことだけど——、5月時点だとまだ多くの企業が関税前に仕入れた商品を販売しているため、トランプ関税の影響が顕然化してきていないこと。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに前回のこのコーナーで、先生は関税前に仕入れた在庫が尽きてくるのは6月くらいだろうと言われていました。3つ目は?<br />
<br />
<b>山口</b>　これは今後の物価動向を占う上で非常に重要な点だと思うんだけど、企業が関税分を販売価格に転嫁することに未だ慎重だということ。関税分を上乗せして販売価格を高くすることで消費者の購買意欲を削いでしまうことが怖い。「関税分は自社の損失として飲み込んで、しばらく様子を見ていよう」——少なくとも5月時点では、多くの企業がそういう段階だったんじゃないかと考えられる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　関税上昇分を値下げして販売価格が上がらないように維持しているということですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。トランプ関税そのものが今後どうなるかわからないから、さしあたりはそうやって様子を見ている。でも、これも「いつまでも」というわけにはいかないから、やがては企業も漸次価格転嫁を進めていかざるをえなくなる。そうなれば消費者物価も上がり始めだろうけど、それがいつになるか、言いかえると企業がいつまで耐えられるかはまだはっきりとはわからない。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >アメリカの物価上昇はいずれ加速する</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　6月4日に鉄鋼・アルミに対する関税率が2５%から50％へと倍に引き上げられました。こんな具合ですから、企業の我慢にもいずれ限界が来そうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　一部ではすでに価格転嫁が始まっている。たとえば、5月の消費者物価指数でいえば、大型家電は前月比4.3％と、2020年8月以来の大幅な伸びになった。これは鉄鋼とアルミニウムに対する関税引き上げに起因するものとみられている。それから、玩具も同1.3％上昇と、23年２月以来の大幅な伸びになった。これは対中国向け関税の影響ではないかと思われる。玩具は中国からの輸入品が多いからね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　つい数日前にイランとイスラエルの間でドンパチが始まっちゃいましたよね。その影響で最近は原油価格が急騰してきています。そうなると、これまでのガソリン価格低下による物価押し下げ効果も今後はあまり期待できなくなります。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。さらに、先ほど言ったように関税前に仕入れた在庫がそろそろ底を突き始めてきているから、これからいよいよ関税の物価への影響も本格化し始める。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そういったことをいろいろ考慮すれば、アメリカの物価上昇はいずれ加速しはじめと見るべきですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はそう思っている。7月の物価統計が注目なんだけど、その発表は8月になってからだ。だから、トランプ政権は物価動向を統計的に確認する前に、4月に3カ月発動延期を決定した相互関税上乗せ分をどうするか決めなきゃならない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　期限はたしか7月9日でした。<br />
<br />
<b>山口</b>　場合によっては、足元で物価が急騰し始めている中で——でも統計的にはまだそれが確認できない状況で——世界各国のからの輸入品に対して一斉に関税引き上げが発動されることになりかねない。そうなると物価上昇も大きく加速する。トランプ政権に対する批判も大きく高まることになる。ベッセント財務長官はすでに再延期の可能性を匂わせているみたいだけど、果たしてどうなるか。7月がトランプ政権の今後の命運を決する時期になるかもしれない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ありがとうございました。状況がよくわかりました。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日本の製造業の景況が大幅に悪化</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、日本の景気についてですが…</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202506/large-7ece2f736659d63094e991e84166de497a3f145f73bb8aace11ed8ac1df8ffb4.png" data-rel="SmartPhoto[6036]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　日本の景気状況を確認するためにまず図１を見てほしい。これは会員に自動車関連の企業が比較的多い名古屋商工会議所が3カ月ごとに実施している景況調査だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　製造業の景況判断DIが急下降していますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　すごい落ち込み方だよね。DIは景況感が「好転」したと回答した企業の割合から「悪化」したと回答した企業の割合を引いた値。4－6月期の製造業のDIがマイナス10.9と、前期に比して13.5ポイントも低下した。これは新型コロナウイルスの感染拡大が影響した22年1〜3月期（16ポイント低下）に次ぐ下げ幅だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　いよいよトランプ関税が日本の製造業に襲いかかってきているという感じですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　まさにそんな感じだね。製造業の景況感の悪化は、全国規模の調査でも鮮明に現れてきている。<br />
表1は、このところこのコーナーで毎回のように取り上げている「景気ウォッチャー調査」の結果だけど、5月の製造業は「好転」と「悪化」の境目である50を大きく下回って43.２にまで低下した。4月から3ポイントも急下降している。</p>








































<hr class="clearHidden">





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<div class="column-image-center">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202506/41e67b7677e98d4a4768f36a698fca0547fe7648321411f837909df374dfceb8.png" alt="" width="964" height="628">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　この点に関連して一点付け加えておきたいんだけど、先ほどアメリカの物価について見た際、企業が自ら値引きすることで関税による販売価格の上昇を抑える傾向があるという話をしたよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい、されました。<br />
<br />
<b>山口</b>　実はこの傾向がもっとも著しいのは日本の自動車メーカーなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　えっ、そうなんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　乗用車の北米向けの価格が4月以降急落してきていて、5月の価格は3月と比べると17.7％も下落している。アメリカ向け以外では0.4%の低下と横ばいに近い状態だから、アメリカ向け輸出価格の低下は明らかに関税への対応によるものだとわかる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そんなに値引きしているんじゃ、輸出も伸びませんよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　もちろん、大きく減少している。5月の自動車の対米輸出(円ベース)は前月比24.7%も減少している。3月に関税前の駆け込み需要で自動車輸出が伸びたこと——といっても4.1%増だったけど——の反動が続いているという面もあるから、今後もこの調子で落ち続けるとは限らないけど、自動車輸出の減少は日本の製造業にとって大きな打撃であることは間違いない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　心配なのは、自動車メーカーが値引きで負った損失を下請け中小企業に負担転嫁しないかということ。大手自動車メーカーはこの数年円安による為替利得で大儲けしてきたので内部留保もしっかりあるからいいけど、下請け中小企業にはそんな余力はない。それにもかかわらず、親会社からの値引き圧力が強まれば、経営はかなり苦しくなる。そういうことが起きないように、政府には監視を強化してしっかり対応してもらいたいね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　アメリカの自動車産業が頑張っていい車を作った結果として日本の自動車産業が押されてきたというのならまだ納得がいきますが、トランプさんの突然の関税引き上げの所為で、コツコツ頑張って来た日本の中小企業が泣かされるというのはまったく納得いきません。<br />
<br />
<b>山口</b>　同感だね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >コメ価格の落ち着きで消費者心理が改善!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　ところで、先ほどの表1の「景気ウォッチャー調査」をみて気づいたんですが、年明け以降悪化が続いていた「家計動向関連」のDIが5月には少し持ち直しましたね。<br />
<br />
<b>山口</b>　4月には41.6まで低下していたDI値が5月には44.１まで持ち直した。依然として低水準ではあるけど、悪化傾向が底を打って若干改善した形になった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「飲食」は前月よりも悪化していますが、「小売」、「サービス」、「住宅」は好転しています。消費者心理が少し改善したということでしょうか。そうだとすれば、何が理由ですか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202506/large-e85fc6dc6c386e7d267f037c30735173aebe2a7c12763af157292f43bb8df9d8.png" data-rel="SmartPhoto[6036]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　春の賃上げの影響が少しずつ出始めているのかもしれないね。それから消費者心理の改善に大きく影響したのは、上昇し続けていた米の価格がピークアウトして少し落ち着いてきたこともあるかもしれない(図2)。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかにお米の値段は消費者心理、とくに主婦の心理に大きく影響しますものね。<br />
<br />
<b>山口</b>　育ち盛りの中高生を抱える家庭などでは、お米の消費量はすごくて、日々見る見るうちにお米が減っていく。そんな家庭では、お米の値段が前年比に2倍にまで上昇し、それがさらに上がり続けるかもしれないとなると、どうしてもいろいろなモノへの支出を抑えようということになる。米の価格がピークアウトして、多少とも下がり始めたとなれば、警戒的な気持ちがかなり和らぐかもしれない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でもまだまだ高くて、銘柄米の価格は下がるというよりも高止まりしているという感じです。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。君が先ほど指摘したように、5月の「景気ウォッチャー調査」でも「飲食関連」だけは景況感の悪化が続いている。これは飲食店では食材のコスト高でまだ厳しい経営を強いられているからだと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　お米の価格が下がっていくこと、それからトランプさんが少しでも早く関税政策の抜本的な見直しをすること、この2つが実現して日本の景気が上向いて皆さんの気持ちが明るくなることを強く期待したいですね。</p>









































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<p><div align="right">———インタビュー2025.6.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6036.html</guid>
			<pubDate>Fri, 20 Jun 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年5月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-5985.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >「景況感が一段と“悪化”<br />
～トランプ関税がさらなる重石に～」</h2>









































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<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































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<p>4月の「景気の現状判断DI」は前月の45.1から2.5ポイントも悪化して42.６になった。これはロシアのウクライナ侵攻が始まった22年2月(37.7)以来の低い水準だ。とくに「家計動向関連」は前月比2.8ポイント減の41.6。そのうち「小売関連」と「住宅関連」はDIがとうとう4０を切ってしまった。こういった業種では企業倒産も増えてきているみたいで……(以上、本文より抜粋)</p>









































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<h3 >トランプが白旗!?<br />
～米中合意で関税115%減～</h3>









































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<p><b>北嶋</b>　スモールサンの動画「ワンポイント・スタディー」が先日配信されました。テーマは「どうなるトランプ関税～米中合意の内容とその影響～」です。すでにご覧になった方も多いかと思いますが、ここでもう一度5月12日の米中合意について簡単にお話しいただけますか。国内の景気についてはその後でお話しいただければと思います。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202505/large-9222055d6730d1c44b0f6780bc75f4e163ab7b064c4f3d0eae49c618fe2cafa0.png" data-rel="SmartPhoto[5985]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　図１に示されているように、米中合意の内容は米中双方が115%関税を引き下げるというもの。アメリカは中国からの輸入品に対して145％の関税をかけていたので30％に、中国は125%かけていたので10％になる。ただし、115%のうちの24％は関税を撤廃したのではなく、90日間発動を延期しただけ。だからこのまま行けば、91日後にはアメリカの対中関税は54％に、中国の対米関税は34％に引き上げられる。そういうことを含んだ合意だということだ。もちろん、90日後に発動を再延期する可能性もあるけどね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/radio/ex/onepoint/entry-5977.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「ワンポイント・スタディー」</a>を観ていて一番印象深かったのは、今回の米中合意は一方的にアメリカが中国に対して「白旗を上げたもの」だと断じている点です。</p>








































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<p><b>山口</b>　そうだね。その点が一番重要なところだ。よく「トランプはディールがうまい」と言われ、「さすがビジネスマンだ」などと評価する人もいるけど、その実体はディールというほど品のいいものではなくて、まず「脅し」によって相手を跪かせて、その上で交渉して有利な結果を得るというやり方だ。これはとても正当なビジネスとはいえない。ビジネスの交渉は基本的にはお互いがwin -winの関係になるように一致点を見出していくものだからね。<br />
今回の場合、その「脅し」が145％という高率関税だったんだけど、中国側は「我々にそんな脅しは効かない」として、「まずは関税を引き下げなさい。協議はそれからだ」という姿勢を貫いた。結果的にはまず関税を115%引き下げ、貿易交渉については今後協議体を作って進めていくことになった。中国が主張していたとおりになったわけで、まさにトランプ側が完全に折れた形だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　だから「白旗」だと。<br />
<br />
<b>山口</b>　今回の場合、「白旗説」は僕だけじゃなく、多くの専門家の共通の認識だ。</p>








































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<!-- Video -->
<div class="column-video-center js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</div>
</div>






















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<h3 >「脅し」を効かせられなくなったトランプ</h3>









































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<p><b>北嶋</b>　トランプ側が一方的に折れた形になったことで、今回の合意はトランプさんの今後の交渉力に大きな影響を与えることになると動画で先生は強調されていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　詳しくは動画を見てほしいんだけど、トランプが「白旗」を上げざるをえなかったのはアメリカ経済が中国に大きく依存しているからだ。145％なんて高い関税は事実上中国品の輸入を全面禁止するようなもの。これはアメリカの産業にとってもアメリカ国民にとっても耐えられない。「最後はトランプが頭を下げて来る」と中国は見込んでいたんだろうね。だから、強気の姿勢を崩さなかった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。<br />
<br />
<b>山口</b>　各国経済が強い相互依存関係で結ばれているグローバル経済下では関税政策は大きな限界がある――今回の米中合意はこのことを明瞭に示した。その成り行きを見ていた他の交渉相手国は、「トランプに対しても強気で挑めば何とかなるぞ」と感じたに違いない。そうなると、トランプの交渉力は大きく削がれることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「脅し」があまり効かないということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　トランプの「脅し」が効かないことが実証されたのは、実は今回で2回目だ。今年3月、ウクライナのゼレンスキー大統領がレアアースに関する協定締結のためにアメリカを訪れた際、トランプと言い合いになって会談が決裂するという事件があったよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい。衝撃的なニュースでよく覚えています。<br />
<br />
<b>山口</b>　その時も、トランプはウクライナへの軍事支援を止めれば、困ったゼレンスキーが「ごめんなさい」と言って頭を下げてやってくるに違いない。そうなれば、もっと有利な条件でレアアースの協定を結べると考えていた。でも、ゼレンスキーはいつまで経っても頭を下げてこない。反対にウクライナを支持する声が世界中で高まり、ヨーロッパも「防衛力の脱アメリカを進めよう」という方向で団結が強まるという事態を招いた。結局トランプが折れて軍事支援が再開され、あらためてウクライナとアメリカが対等な形でレアアース協定を結ぶことになった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　アメリカの威信が落ちてきているんですかねえ。<br />
<br />
<b>山口</b>　というよりも、トランプのやり方に「無理がある」ことが主因だね。関税問題に話を戻すけど、6月あたりからアメリカの企業が関税前に輸入していた在庫が底を突きはじめ、関税分を上乗せした価格で取引が行われるようになる。そうなると、いよいよアメリカの国内物価が上昇しはじめ、アメリカ国民のトランプ批判が高まらざるをえない。そういうことも併せて考えると、あと2－3カ月のうちにトランプは関税政策の抜本的見直しを迫られる可能性が高い。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　日本もそのあたりを見越して、対米交渉にあたるべきだということになりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。急いで合意に達しようなどとしないことが肝要だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうなると気になるのが、日本の景気です。<br />
<br />
<b>山口</b>　相互関税のうちの10％、それから鉄鋼やアルミに対する2５%、さらに自動車やその部品に対する25％の関税がすでに発動されている。こうしたトランプ関税が長びけば、それが原因で日本の景気がさらに下押しされることになるからね。</p>









































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<h3 >一段と悪化した景況感</h3>









































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<p><b>北嶋</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-5957.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前回の「景気を読む」</a>は、景気が浮揚してこない状況を強調して「低迷続く景気」<br />
という表題がつけられました。その後はどうなんでしょうか。今も低迷を脱することができていないのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　「低迷を脱し切れない」どころか、景況感は「一段と悪化してきている」。そのことを前回同様、景気ウォッチャー調査で確認してみよう。表１は「景気の現状判断DI」を示したもの。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　景気ウォッチャー調査ではDI値が50を超えると「3カ月前と比べて景気がよくなった」と感じている人が多くて、50を下回ると「景気が悪くなった」と感じている人が多いことを示すんですよね。</p>








































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		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202505/55f2e0daa65dcd58698e9a563321a767bdc13603f4a860fee2fea7a28b4530e7.png" alt="" width="1332" height="824">
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<p><b>山口</b>　4月の「景気の現状判断DI」は前月の45.1から2.5ポイントも悪化して42.６になった。これはロシアのウクライナ侵攻が始まった22年2月(37.7)以来の低い水準だ。とくに「家計動向関連」は前月比2.8ポイント減の41.6。そのうち「小売関連」と「住宅関連」はDIがとうとう4０を切ってしまった。<br />
こういった業種では企業倒産も増えてきているみたいで、東京商工リサーチの4月の産業別倒産状況によると、「小売」は前年同月比32.5%増の106件だった。「建設」は前年同月比4.1％増の152件だったけど、負債総額でみると同35.3%も増えている。倒産が中小だけでなく、中堅クラスにまで広がっていることが推測できる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　表1をみると、各項目のDIが軒並み悪化していますから、こうした業種をはじめ中小企業の現場はかなり厳しくなってきていることが推測できます。スモールサンでは「『景気を読む』を読む」という情報交換会を毎月開催しています。会員の方は無料で参加できますし、他業種や他地域の景気状況を知ることができますから、ぜひそこに参加して情報を得るとともに、積極的に情報を提供していただきたいと思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。このまま悪化が続くと、いずれはなんらかの行政的な支援策が必要になるかもしれない。政策要求の声を上げるためにも、中小企業経営者の方々がまずは情報を持ち寄ることが必要だね。僕も皆さんの声を大いに参考にしたいと思っている。</p>








































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<h3 >企業物価は4月も前年同月比4%上昇<br />
～輸入物価が前年同月比7.2%も低下したのに～</h3>









































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<p><b>北嶋</b>　業況感悪化の背景にあるのは、やっぱり物価上昇ですか。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202505/large-0a5690808b5fc3977b462f1de7f634b79ee27f08f602a472a0309c3e973ccb9c.png" data-rel="SmartPhoto[5985]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































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<p><b>山口</b>　それは間違いないね。図2は企業物価指数——企業間で取引する際の物価、買い手からすれば仕入コストを意味する——の推移を見たものだけど、4月は前年同月比4%の上昇だった。4％台はこれで5カ月連続だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　最近は為替が円高方向に振れていましたから、輸入物価は下がっているように思いますが…<br />
<br />
<b>山口</b>　その通り。4月の輸入物価は前年同月比7.2%も低下している。それにもかかわらず企業物価が上がっているのは、やっぱり農産品の上昇が強く影響している。米価の高騰のほか、鳥インフルエンザの影響で鶏卵の値上がりも続いていて、4月の企業物価指数について言うと、農林水産物は前年同月比42.2%も上昇した。それから、電気・ガス料金に対する政府の支援額が縮小されたことも響いている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　消費者物価も上がっているんですよね。</p>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　消費者物価は3月の統計しか発表されていないんだけど、3月は前年同月比3.2%の上昇だった。こうした消費者物価の上昇が消費者の購買力を削ぐ結果になって、企業の売上げの足を引っ張る。他方で企業物価の上昇によって仕入れコストが上昇しているわけだから、企業の景況感が悪くなるのも当然だね。そんな中、人件費コストも上昇している。今や企業としては雇用を増やしたくてもコスト面で増やせなくなってきている。表1の景気ウォッチャー調査で、これまで人手不足を背景に50近くを推移していた「雇用関連」DIが4月には44.１まで低下してきているのはその所為だ。</p>









































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<h3 >今後の景気動向を決する2つの要因</h3>









































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<p><b>北嶋</b>　景気の先行きはどうなるんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　期待できるのは、春の賃上げの影響。これが消費者の財布のひもを幾分緩めてくれる可能性がある。賃上げの影響は6月くらいから消費行動に現われるので、それを期待したい。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　他方、懸念材料もある。それは、先ほども述べたトランプ関税の影響だ。4月の景気ウォッチャー調査で、「製造業」の「景気判断DI」は46.2と各項目の中で一番高い数値だった。でも、3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は40.３と大幅な悪化となっている。これは製造業関係者がトランプ関税のマイナスの影響を強く懸念しているからにほかならない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　少しでも早くトランプ関税が抜本的な見直しとなることを期待しないわけにはいきませんね。国際情勢も含めて、これからも景気動向をしっかり注視していきたいと思います。</p>









































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<p><div align="right">———インタビュー2025.5.19</div></p>








































				
				
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			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-5985.html</guid>
			<pubDate>Tue, 20 May 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
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