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		<title>スモールサンニュース - インタビュー　景気を読む！</title>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年9月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6630.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「AI関連需要で企業の景況感改善も家計とのギャップ広がる<br />
～日銀利上げ、12月、3月と連続する可能性大～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　9月18日に日本銀行が政策金利を0.25%引き上げて1.25%にしました。その発表直後に為替が円安方向に動き、そのあとまた円高方向に少し戻したりしています。今日はまずその辺りのご解説をお願いします。それからサウジアラビアのパイプラインが攻撃を受け稼働停止に追い込まれたようです。それをきっかけに原油価格がまた上昇してきていますが、最近の中東情勢についてお話を聞かせてください。最後に景気についてです。消費者としては景気が良くなっている実感はないのですが、製造業を中心に企業の景況が少し良くなってきているという話を耳にします。ぜひ、ご解説をお願いします。今回も盛りたくさんですが、よろしくお願いします。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日銀利上げでも円安!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋　</b>まずは日銀の利上げについてですが、先生は先月号で9月の利上げはまず確実だろうと言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　7月31日の日米協調介入以降、アメリカのベッセント財務長官が日本に対して円安への政策的対応を強く求めてきた。その内容は２つ。「規律ある財政支出」と「日銀の利上げ」だ。高市政権としてもアメリカのこうした要求を無視するわけにはいかないだろうと市場関係者が認識したことで、それまでの円安傾向がひとまず止まって円高方向へと為替が大きく振れた。そんな中、もし日銀が利上げを先送りしたら、一気にまた大幅に円安に逆戻りしてしまう。だから、9月の利上げは避けられない状態だった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　日米協調介入前は1ドル164円くらいまで円安が進んでいたんですが、介入によって158円くらいまで円高に振れました。でも、介入後1カ月もしないうちにまた160円くらいまで円安が進んでしまったんですよね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/large-acfde5146d710faaa8d03f4f83552b3da844bc23470e5cc3e8aa5ce31e6450f0.png" data-rel="SmartPhoto[6630]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そうそう。それでベッセント財務長官も「こりゃ、いかん」というので、日本に対して政策対応を求める発言を強めたんだ。その効果で、154円くらいまで大きく円高が進んだ。図1がその辺りの経緯をよく示している。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　ところが、図1にも示されていますが、日銀が利上げを発表した途端また円安に振れて、一時は158円まで——日米協調介入直後の水準にまで——戻っちゃいました。これは何故なんですか。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >高市首相が日銀に送りこんだ二人の審議委員が円安を招く</h3>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　日銀が利上げを発表する直前にFRBが利上げを発表したことは知っているよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい、9月16日に0.25％利上げして政策金利を4％にまで引き上げました。<br />
<br />
<b>山口</b>　日銀が0.25%利上げしても、その直前にFRBも0.25%利上げしていたわけだから、日銀の利上げによって日米金利差は埋まらない計算になる。だから、日銀の利上げが円高を引き起こす効果をもたなかったこと自体は理屈が通るよね。でも、利上げを機に円安に為替が動いたのには何か別の説明が必要になる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　今回FRBが利上げを決定した会合(連邦公開市場委員会)では利上げに反対する参加者はゼロ、つまり利上げは全会一致の決定だった。しかも、参加者の多くが今年中にもう1回利上げが必要になるだろうという予測を表明している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　FRBはインフレと闘う姿勢が鮮明なんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　ところが、日銀の方はそうではなかった。日銀の政策委員会は正副総裁の2名以外に6名の審議委員で構成されているんだけど、その審議委員のうちの2名が利上げに反対票を投じたんだ。その2名は高市首相が日銀に送り込んだ学者で、「金融緩和が必要だ」とか、「円安にもメリットがある」とか、高市首相と全く同じことを繰り返し発言してきた人たち。一般に「リフレ派」と呼ばれる学者たちだ。今のところ、少数派ではあるけど、高市首相の意図が日銀の政策決定に影響を及ぼすかもしれないことを懸念させる結果だった。実は来年7月にはさらに2名の審議委員の任期が終わるので、そこにまた高市首相が自分と同じ考えの学者を送りこめば「リフレ派」が6名中4名になる。市場関係者が来年度以降の利上げ継続を不安視したとしても当然だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　円安と闘う日銀の姿勢にちょっと疑念が生じたわけですね。その意味では、今回の現象も「高市円安」の一つと言えそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　その通りだね。利上げ直後の円安進行に慌てた日銀は「レイトチェック」と言って為替介入の前に市場の反応を下調べするような操作をして「介入があるかもしれないよ」ということを意図的にほのめかした。そうやって円安の進行を止めたんだ。今(9月23日現在)は1ドル157円台半ばあたりで推移している。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >12月、3月と利上げが続く可能性</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　今後、日銀はどう動くんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　今のところ日銀内のリフレ派は少数派だし、アメリカからの圧力もあって高市首相も日銀の利上げを抑制するような発言はできないと思われるので、日銀は来年春まで3カ月に1回のペースで利上げを実施していくと思うよ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、今年12月にもう1回0.25%利上げして、さらに来年3月にもう1回0.25%利上げするということですね。3月には政策金利は1.75%に達することになります。中小企業としては厳しいですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。でも、このペースを崩すと、円安が進み、結果としてインフレも進んでしまって、その後追いで大幅利上げを実施しなくてはならなくなる可能性がある。そうなれば、中小企業は金利と物価の両面から大きな打撃を受けることになる。僕は利上げのタイミングは日銀に任せるべきで、政権側からちょっかいを出さないようにすることが肝要だと思っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　日銀の行動を決定づけるものはあくまでも物価動向であって、政府の意向であってはならないということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　その通りだね。消費者物価(CPI)は一見落ち着いているように見える。図2に明らかなように最近は前年比2%を切っている。でも、これは補助金などによって政府が政策的に物価を引き下げているからで、政策要因を除いて物価動向を見た「日銀CPI」は2%超えが続いている(図3) 。これが2％に落ち着くまでは日銀の利上げは——そのテンポは状況によって違ってくるかもしれないけど——続くと思っていなければならない。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/bac5d30b1058c56e935da8a11798fad8573e7a493243ee7f60c4f0a5e43fc95a.png" alt="" width="2072" height="812">
</div>






































<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/31cc0edc66661ea0b5a888c6c69200402df0b8722e43217d8369410ee09912e9.png" alt="" width="2438" height="941">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >原油価格1バレル100ドル超え<br />
～注目浴びるイエメンのフーシ派～</h3>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　その物価動向に大きな影響を与えるのが原油価格です。そこで気になるのが最近の中東情勢。サウジアラビアの原油輸出がストップしちゃったという話を聞いたんですが。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/large-650cea7dd43eae005b2d173516af620f5cbf8e4c3a9681bf0d3864a807603db8.png" data-rel="SmartPhoto[6630]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　図4を見ればわかるけど、アラビア半島の南端にイエメンという国がある。そのイエメンにはイランと兄弟関係にあるイスラム教フーシ派の反政府武装組織がいて、これが結構な軍事力を持っている。このフーシ派がイエメン政府——暫定政府と言われている——を支持しているサウジアラビアに武力攻撃を加え始めた。当初は紅海の南端のバベルマンデブ海峡を通るサウジの船を攻撃して海峡を通さないようにすることにとどまっていたんだけど、最近になってサウジの石油パイプラインを攻撃した。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　だから、サウジアラビアの原油輸出がストップしちゃったわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。サウジアラビアの石油は半島の東側で生産される。それをすぐ近くのホルムズ海峡を通って輸出するケースが圧倒的なんだけど、今イランがホルムズを封鎖しているのでこのルートの輸出ができない。<br />
もう一つはパイプラインを通して石油を半島の西側に運んで、紅海のヤンブー港でタンカーに積み込んで運び出すというルート。このルートの場合、紅海を南に下ってバベルマンデブ海峡を通ることになるんだけど、そのバベルマンデブ海峡を牛耳っているのがフーシ派で、それがサウジの船を通さないようにしているためこれも通れない。残るは、紅海のヤンブー港から北に向かってスエズ運河を経て地中海に出るという方法があるんだけど、これについては大型のタンカーが運河を通れないためにどうしても制約される。それでも、ヨーロッパ向け輸出では一定の役割を果してきたんだけど、今回パイプラインが攻撃されたために、そもそも石油を生産基地から紅海側に運ぶこと自体が出来なくなっちゃったからこれもダメ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　サウジアラビアにとって石油輸出ルートが全滅しちゃった感じですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。それで原油価格(WTI)が１バレル100ドルを超え始めた。<br />
アメリカがイランを攻撃してから一時は１バレル110ドルくらいまで上昇した原油価格が6月の米イランの合意で70ドル台にまで下がった。その後ホルムズ封鎖がまた始まって90ドルくらいまで上がってきていた。それが、今回のフーシ派のバベルマンデブ海峡の封鎖、さらにパイプラインへの攻撃と続いて、とうとう100ドル台に戻ってきたということだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　これからどうなるんでしょうか。トランプ大統領は9月に開催された共和党大会でガソリン価格は11月の中間選挙までは下がらないけど、その後は急落するというよう発言をしていましたが。<br />
<br />
<b>山口</b>　それこそ根拠のないフェイク発言だね。サウジのパイプラインの復旧には3－5週間、場合によっては6週間以上を要する可能性があると報じられているし、現在アメリカの原油国家備蓄がどんどん減っていて、12月には放出そのものができなくなるという専門家の見通しもある。その場合には、１バレル150ドルまで急騰するのではないかと言われている。もし、その事態に対処しようとして、トランプがアメリカの石油輸出に制限を加えれば、今や輸入の4割近くをアメリカに依存している日本の原油調達は大打撃を被る。まさにアメリカ発オイルショックだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　日本のマスコミも一時はオイルショックとかナフサショックとか言われて大騒ぎしていたんですが、最近はそれもあまり聞かれなくなりました。でも、水面下では危機が迫っているとも言えますよね。私たちは中東情勢から目を離さないようにしている必要がありますね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >AI関連投資で活気づく製造業</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　最後に日本の景気情勢についてですが、最近製造業を中心に企業の景況感が改善しているという話を聞きます。本当なのでしょうか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/783a0da07fe1b18e5bca88e69673950979c29c6d039b4bf675381e4ea440ba22.png" alt="" width="1472" height="664">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口　</b>図5を見てくれるかな。これは政府が毎月発表している「景気動向指数」という景気指標なんだけど、赤いラインが今年に入って右肩上がりになっていて、7月にはかなり上昇していることがわかるよね。「景気動向指数」は鉱工業生産指数など企業の生産活動の状況が反映されやすい景気指標なんだ。それが上がってきているということは、君が耳にしているように製造業の活動が活発化してきていることを示している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　活発化の要因は何なのですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　それはいうまでもなくAIだ。AIの需要が今後大きく伸びることを見込んで、データセンターの増設などAI関連投資が急増している。そのため半導体や半導体製造装置の生産が活発化してきている。<br />
北嶋　たしかにこのところ株価が上がってきたのは、AI関連株の急騰が牽引しているからだということをよく聞きました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。これまでは株価の先行が目立っていたんだけど、8月くらいからようやく中小製造業の現場にもAI関連需要の影響が出てきたみたいで、経営者の皆さんからも「忙しくなってきた」という声が聞かれるようになった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　AI関連需要への「一極依存」という感じがして、ちょっと危ういようにも思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　たしかにAIに対する需要(マーケット)が実際のところどれくらいあるのかはけっして明確ではない。もしかしたら今の投資が行き過ぎて「過剰生産」が起きるかもしれない。そうなれば、生産活動も急減速しかねない。現場の経営者も一抹の不安は持っているようだね。ただ、「少なくとも来年1年は活況が続くだろう」という判断のようだ。その辺りは、もう少し時間を経ないとちょっと予想しがたいね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >広がる家計とのギャップ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　消費者の立場からすると、「活況」という言葉にすごく違和感があるんですが。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202609/f24372ddcf83cb8280ed3cf910e685c64e44713f4f50d45c10c547209ade3306.png" alt="" width="2936" height="1645">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そこが問題だよね。表1はこのコーナーでお馴染みの景気ウォッチャー調査だ。8月の調査を見ると、「企業動向関連」は前月比1.6ポイント改善して48.2まで上昇してきている。とくに製造業は5月以降改善が続いていて、8月には48.8にまで至っている。<br />
ところが、「家計動向関連」の方は前月比0.１の改善にとどまっていてほとんど横ばい。水準も45.５と、「改善・悪化」の分かれ目である50にはいまだ程遠い状態だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　企業と家計で景況感にギャップが広がっている状態なんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　今後企業の改善傾向が家計にも広がって全体の景況感が改善されていくことになるのかどうか、注目だね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　金利も上がるし、中東情勢も依然として不安定だし、中小企業経営者の方々もマクロ情勢から目が離せませんね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビューインタビュー2026.9.22</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6630.html</guid>
			<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年8月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6577.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「日米協調介入で日銀利上げ早まる!?<br />
～イランは11月までホルムズ海峡封鎖を続ける戦略か～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　去る17日に4-6月期のGDP速報値が発表されました。3四半期連続のプラス成長だったのですが、今回まずはこれについてお話を伺いたいと思います。それから7月末に円安を止めるために日米協調介入が実施されました。その背景や影響についても解説をお願いしたいと思います。もう一つ、長期金利の上昇が続いています。これについてもお話いただければと思います。そして最後に、米イラン戦争の現状や見通しですね。なんだかさっぱりわけのわからない状態になっていますから、これについてもぜひご解説をお願いします。今回も盛りたくさんで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >見せかけのプラス成長<br />
～4-6月期GDP～</h3>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-c9dfe235db6686bd3f42b07fefd61c417dbf0552815505ae172ed4221c05b423.png" data-rel="SmartPhoto[6577]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　最初に4-6月期のGDPについてですが、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.3%増、年率換算で1.1%増でした(図1)。3四半期連続のプラス成長となりましたが、3月からは米・イラン戦争も始まり、その影響で経済は落ち込むものと思っていましたから、ちょっと意外な感じがしました。<br />
<br />
<b>山口</b>　「意外な感じ」がしたという君の感覚は全く間違っていない。というのは、今期のGDP成長はいわば「見せかけのプラス成長」だから。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どういうことですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　GDPを需要側から見た表１に明らかなように、「プラス成長」といってもそれをけん引したようなプラス要因がまったくない。個人消費(「民間最終消費支出」)はマイナス0.02%で8期ぶりのマイナスだったし、設備投資もマイナス1.2％だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「民間住宅」もマイナス0.5％ですね。それに「公的需要」もマイナス0.８%です。こんな状態でどうして「プラス成長」になったんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　要するに「内需」は全滅だった。ところが、「外需」がプラスだった。そのおかげで「プラス成長」になったんだけど、その「外需」のプラスも輸出が伸びたからじゃなくて、輸入が減ったからなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「外需」は「輸出－輸入」で計算するから、輸出が伸びなくても輸入が減れば「外需」は増えた計算になりますものね。<br />
<br />
<b>山口</b>　表1の1番下にあるように、輸入はマイナス1.5％と今期大きく落ち込んだ。おかげで計算上「外需」が膨らんだために——「内需」のマイナスを補って——「プラス成長」が維持されたというわけだ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-5fde37ce50f3a2c42076fa2f784e55e3512d83fdce97bf63e41e697a100f8465.png" data-rel="SmartPhoto[6577]" data-caption="">
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	</a>
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　どうして輸入が減ったんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　ホルムズ海峡が実質的に封鎖されて、原油などが入って来なくなっちゃったからだよ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そのおかげで「プラス成長」なんて、どう考えてもヘンですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのヘンなことが起きるのが、統計マジック。統計は「実感」と照らし合わせながら見て行くようにしないと判断を間違うよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。先生のご説明で違和感が解消されました。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >米国債の下落を嫌って「協調介入」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2つ目のテーマに話を進めたいと思います。7月末に円安を止めるために日米協調介入が実施されました。協調介入は2011年の東日本大震災直後以来、15年ぶりだそうです。自然災害時除いて通常時の協調介入に限れば、なんと28年ぶりのことだそうです。今回、なぜ協調介入に踏み切ったんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　一言で言えば、日本政府がアメリカ政府に頼み込んだからだよ。前号でも述べたけど、最近の円安は「高市円安」と呼ばれ、高市政権の積極財政が原因だという認識が一般的だった。そんな中1ドル165円を超えて円安が進めば、最近支持率がどんどん落ちてきている高市政権にとっては命取りになりかねない。だから、高市政権としてはなんとしても円安を止めたい。ところが、これまですでに何回か介入してきたのにまた介入が必要になったということは、そもそも介入効果が期待できないということにもなる。そこで、「今度はちょっと違うぞ」という感じを出すために、アメリカ政府に頼み込んで日米で協調して介入するというのを演出した。そうすれば、日本が単独で実施するよりも強力だということで、市場もちょっと驚いて相場が大きく円高方向に動くに違いないと考えたわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　アメリカ政府はなんで日本政府の要請に応えて協力したんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　円安があまり急激に進んで、それをきっかけに世界の金融市場が動揺するようなことがあっては困るとアメリカ政府が判断したからだという説明がされている。だけど、そういう心配をアメリカ政府がどこまで本気で考えていたかはよくわからない。もう一つの理由としていわれているのは、アメリカの国債が下落することを心配したからだというものだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてアメリカ国債が関係してくるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　円安を止めるためにはドルを売って円を買うという介入が必要なんだけど、そのためには日本政府は「外貨準備」として持っているアメリカ国債を売ってドルを手に入れなければならない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど、だから日本政府が介入のためにあまりたくさんのアメリカ国債を売ると、国債価格が急落して利回りが上がってしまうんじゃないかと心配したんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。日本の介入がきっかけとなってアメリカで長期金利が上昇するというのはアメリカとしては避けたい。そこで、そうならないように、日本政府がアメリカ国債を大量売却しなくてもいいように、アメリカも介入に協力して介入効果を高めようとしたわけだ。実は、アメリカの国債を多く保有している国は日本以外では中国なんだけど、その中国が近年国債を売って保有量を減らしてきている。そんな中で日本まで国債を売って保有を減らしたら、アメリカの国債価格が急落しかねない。これをアメリカが本気で心配した可能性はある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　介入効果で一時１ドル150円台半ばあたりまで円高が進みましたが、また最近は159円台と160円に近づいてきています。協調介入と言っても、効果はやっぱり一時的なんじゃないかという気がしますが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。そのためベッセント財務長官は「介入だけじゃダメだ、政策的な対応が必要だ」と日本側に要求している。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >9月にも日銀は利上げに踏み切る!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　アメリカ政府が日本政府に円安対策を求めたということですが、だからと言って高市首相としては積極財政路線をおろすなんてことできませんよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。そこで注目されているのが日銀だ。円安是正策として日銀が利上げに踏み切ることをアメリカが求めている。市場関係者はそう理解しているみたいだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、近々利上げがありそうだと。先生は前月号で10月には利上げがありそうだと言われていましたが。<br />
<br />
<b>山口</b>　それがアメリカの要請に従って1カ月早まりそうだと。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　つまり、9月には日銀が利上げに踏み切るだろうと。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
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	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-c18f1b1dcccc101f4af6b6bd27e9aac8b1599afb6d1d1092f0707acb9604b596.png" data-rel="SmartPhoto[6577]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/c18f1b1dcccc101f4af6b6bd27e9aac8b1599afb6d1d1092f0707acb9604b596.png" alt="" width="340" height="244">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　今市場関係者の多くが9月利上げ説に傾いている。9月にも利上げがありそうだという予想が日本の長期金利を上昇させている。君がテーマの3つ目にあげた最近の長期金利の上昇は、これが背景になっている。長期金利の代表格である10年物国債の利回りは17日には一時2.925％まで上昇した(図2)。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　大手銀行が大企業に1年以上の貸出をする際の基準金利である「長期プライムレート」は、10年物国債の利回りを基準にしています。ということは、この長期プライムレートも上がっていくということになりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　みずほ銀行の長期プライムレートは8月12日に0.1%引き上げられて3.25％になった。これが地方銀行や信用金庫の中小企業向け貸出金利に反映されることになる。日銀の利上げが予想される以上、貸出金利は当面上がることはあっても下がることはないだろうね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前々月号で、先生は「(不動産) 投資家は金利動向に敏感だから、高くなり過ぎた不動産価格が金利の段階的引き上げの過程で調整局面を迎える――センセーショナルな言い方をすれば値崩れを起こす――可能性もある」と言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　首都圏の中古マンション価格が6月、7月と2カ月連続で前年比低下したんだけど、9月に利上げが実施されて、さらに今年中にもう1回利上げもあり得るなんてことになれば、不動産価格の下落傾向がかなり強まる可能性は高いと思うね。そういうことが景気動向に影響を及ぼすことも考えられるから注視が必要だ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >イランは11月までホルムズ海峡封鎖を続けるつもりか!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、最後のテーマである米・イラン戦争についてですが、今どうなっているのかさっぱりわからない状態です。ご解説いただけますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>で米・イラン戦争について解説した時は、6月合意がなされたにもかかわらず双方戦闘行為に入ってしまっていて、このまま全面戦争に逆戻りするかもしれないという状態だったんだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　イランはホルムズ海峡を通過する船にはイラン側を通るように要求していた。それなのにオマーン側を通ろうとした船があったので、それをイランが攻撃した。これに対してアメリカは「イランがホルムズを管理するなんて許さない」ということでイランを攻撃した。こうして戦闘が再開されたと。<br />
<br />
<b>山口</b>　前月号でそういう話をしたんだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前月号で先生は、目の前で戦闘行為が繰り返されてはいるけど、「合意が完全に無効にされて、全面戦争に突入するかと言えば、そうはならないだろう」とおっしゃっていました。その後トランプさんは戦闘行為を「もうやめた」と急に言いだして、現在のところ戦闘行為は止まっていますから、この点は先生のおっしゃった通りになったと思います。<br />
でも、依然としてホルムズ海峡は封鎖状態だし、アメリカも海峡の外でイランの船を通さないように軍艦を置いていますから、結局「合意」前の状態に戻っちゃった状態は続いていることになります。<br />
<br />
<b>山口</b>　ウォールストリート・ジャーナルが8月9日、アメリカ政府当局者の話として「ホルムズ海峡が全面的に再開されれば、核合意に至らなくても戦闘から手を引く用意がある」ことをトランプが側近らに語っていたと報じたんだけど、知ってる?<br />
<br />
<b>北嶋</b>　いや、知りませんでした。<br />
<br />
<b>山口</b>　要するに、「イランさん、お願いですからホルムズを開放してください。それさえしてくれれば、もう何も言いませんから」と言っているわけで、これはトランプの全面降伏だよね。そんなことまで側近に語ったというのだから、いかにトランプが追いつめられているかだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプさんとしては、ホルムズ海峡の封鎖でガソリン価格が高騰している状況を、少なくとも11月の中間選挙までに何とかしたいという思いがあるからですか。それで「核の問題」まで妥協してもいいと。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。アメリカのガソリン価格は再び１ガロン=4ドルを超えてしまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「合意」直後には1バレル=70ドルくらいまで下がっていた原油価格(WTI)も、現在は85ドルくらいまで上昇してきています。<br />
<br />
<b>山口</b>　「合意」前には100ドル近辺だったから、「合意」が今や怪しくなっているという点で言えば、原油価格はもっと上がってしかるべきとも思うよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/large-dd3b7169a463d6838da0ba1e3f1bbd8a99b7c5d51a32082cb79f6a3d37ce49c0.png" data-rel="SmartPhoto[6577]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202608/dd3b7169a463d6838da0ba1e3f1bbd8a99b7c5d51a32082cb79f6a3d37ce49c0.png" alt="" width="340" height="348">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　それにもかかわらず現在80ドル台で抑えられているのは、アメリカ政府が備蓄原油を放出してきたからなんだ。ところが、その備蓄が今や1983年以来43年ぶりの低水準にまで減ってきてしまっている(図3) 。やがて備蓄原油の放出でガソリン価格を抑えるのも限界が来る。そうなれば、ガソリン価格はさらに急騰する。トランプが「核合意なんてどうでもいいから、ともかくホルムズを開放してくれ」とイランに「泣き」を入れはじめたのもわかるよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　イラン側はどういう態度なんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　トランプがこんな発言をするものだから、イランはトランプの足元を見てしまっていて、断然強気になっている。「損害賠償をしなければ、ホルムズを開放しない」とまで言い出している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　それは、さすがにアメリカ側は受け入れないでしょう。<br />
<br />
<b>山口</b>　それを分かった上で、こんな強気の主張をイランはしているんじゃないかな。<br />
ここからは僕の勝手な想像なんだけど、イランはこんな風にハードルを上げて少なくとも11月の中間選挙まではホルムズ封鎖を引き延ばしたいと考えているんじゃないかと思う。そうすることで、ガソリン価格を引き上げて——少なくとも高い状態を維持して——中間選挙で共和党がボロ負けするように追いつめて行く。共和党がボロ負けすれば、トランプ政権はレームダック化してしまう。そうなってから協議に入れば、有利な条件を勝ち取れると。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中間選挙で負けたトランプさんが自棄になってイランに軍事攻撃を仕掛ける可能性はないんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　中間選挙で共和党が負けたら、トランプがそれをしたくても民主党が優勢な議会がそれを許さないと思うよ。議会で軍事的撤退決議でもされたら、いくらトランプが大統領令を出しても、軍は動かないでしょ。<br />
怖いのは中間選挙で共和党が勝った場合だ。その場合は、ガソリン価格の急騰をもう気にする必要はないとばかりに、トランプがイランに対して攻勢を仕掛けるかもしれない。ただ、今アメリカは武器が枯渇していて全面戦争を仕掛けるほどの余力がないと言われているけどね。それでも、後先考えないで無理なことをトランプがやれば、世界経済は更なる混乱に陥ることになる。11月の中間選挙で共和党が大きく負けることを世界のほとんどの国が期待しているというのが現状なんじゃないかな。我々としては、アメリカ国民の「理性」に期待する以外にないね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中間選挙まであと2カ月とちょっとです。アメリカの政治情勢にも目が離せませんね。今後も状況を見て逐次ご解説をお願いします。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビューインタビュー2026.8.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6577.html</guid>
			<pubDate>Thu, 20 Aug 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年7月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「米・イランは全面戦⁠争へ逆戻りするのか?<br />
～中小企業を悩ます円安と金利上昇の同時進行～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　6月17日に米・イランの覚書調印がなされたんですが、最近になってまたドンパチが始まって全面戦争に逆戻りしそうな雰囲気です。今回は何よりもまずその点からお話しいただけたらと思います。その後で、皆さんが気にされている円安や金利の動向についてもお話し頂けたらと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >なぜ再び戦闘が始まったのか</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先月号で先生は、アメリカとイランの「覚書調印」は「和平に直結しないけれど、大きな一歩だ」として前向きに評価されていました。ところが、最近になって双方が空爆を繰り返しています。イランはまたホルムズ海峡を封鎖したと言っていますし、アメリカは再びホルムズ海峡の外側に軍艦を並べてイランの船を通さないよう海上封鎖をしています。「覚書調印」はもう意味を失っちゃったんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　空爆合戦・封鎖合戦がまた始まったという現象面を見る限りでは、「覚書調印」はもはや実質的な意味を失ったといっていい状態だ。しかも、戦闘はだんだんとエスカレートしている。たとえば今回のイランの攻撃によってアメリカの兵士2名が死亡した。その報復としてアメリカ軍はイラン革命防衛隊の部隊そのものを標的にした攻撃を実施した。軍事施設ではなく、部隊そのものを狙うというのはこれまでなかったこと。戦闘が少しずつレベルアップしている感じがする。<br />
でも、こういう戦闘行為をもって6月に合意がなされたことがもはや無に帰してしまったと判断していいかというと、それも単純すぎる気がする。そこで、まずはなぜこんなことになったのか、その経緯や背景についてみておくことにしよう。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　はい、お願いします。<br />
<br />
<b>山口</b>　きっかけはイランがホルムズ海峡を通ろうとした船を攻撃したことにある。これに対して、アメリカが「合意」違反だとして報復攻撃をイランに対して行った。するとそれに対してまたイランが中東のアメリカ軍の基地などを攻撃した。それでまたアメリカがイランを空爆。今はこんなことを繰り返している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　先月号で6月の合意事項について解説いただいたんですが、イラン側は「商船の安全な通航を６０日間に限り無料で確保する」という項目がありました。それなのにイランがホルムズ海峡を通ろうとした船を攻撃したというのは明らかに合意違反に思えるんですが、そういう理解でいいんですか。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >曖昧さを残したホルムズ管理を巡る「合意」</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　それもちょっと微妙なところがある。というのは、イランは船の「安全な航行」を確保するつもりがなかったわけでないからだ。ただ、イランは通航ルートを指定していた。「ホルムズ海峡の中のイラン側を通るように」というのがそれ。ところが攻撃された船はオマーン側を通ろうとしたんだ。それで撃たれた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　オマーン側と言いますと?</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-89a201514537fb59e8a5729c430f6f3ea9882ec65e358d1faa215fd04b3d495a.png" data-rel="SmartPhoto[6545]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/89a201514537fb59e8a5729c430f6f3ea9882ec65e358d1faa215fd04b3d495a.png" alt="" width="340" height="385">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　図1の地図を見て。ホルムズ海峡のイランの反対側に<font color="red">赤い□</font>を付けたんだけど、わかるかな。この<font color="red">赤い□</font>の所はUAEの端っこにあるオマーンの飛び地なんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。それでUAE側じゃなくて、「オマーン側」という言い方をするんですね。そのオマーン側を船が通ろうとしたと。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。「自分たちの管理の下で安全な航行をさせるんだから、イラン側を通れよ」というのがイランの主張。もしも船がオマーン側を勝手にスイスイ通るようになったら、イランがホルムズ海峡を管理していることにはならなくなっちゃうからね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そりゃそうですね。それでオマーン側を通ろうとした船を攻撃して、「勝手なことをするなと脅したんですね」。アメリカはなぜイランのこの行為に報復したんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　アメリカには、「イランにホルムズ海峡を管理されてたまるか」という意図がある。そこで、イランの行為は「安全な通航を…確保する」とした「合意」への違反行為だという理由で報復攻撃に踏み切った。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、前月号で先生は、「合意」はイランがホルムズ海峡を管理することをアメリカが事実上容認したかのような内容になっていると言われていましたよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。ホルムズ海峡についてはイランが「安全な通航を６０日間…確保する」というだけでなく、それ以降についてはイランが「ホルムズ海峡における将来の管理と海事サービスを定めるため、オマーンと対話を行う」となっている。この「合意事項」にアメリカが調印したということは、イランがホルムズ海峡を今後も「管理」することをアメリカが容認したということになる。イランはその解釈に立って、今になってアメリカがイランによるホルムズ海峡の管理を許さないとして攻撃してくるのは、アメリカこそ「合意」違反だと主張している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ホルムズ海峡を巡る「合意」なるものが、元々曖昧だったんです。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。アメリカとしてはホルムズ海峡を管理する権限をイランに与えた覚えはないというんだろうけど、「じゃあ、なんでそれを匂わすような合意事項に調印したんだ」ということになる。この曖昧さが火種になって衝突が再び起きている。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >全面戦⁠争へ逆戻りするのか?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　もともとあった火種に火がついていよいよ赤々と燃え始めたという感じですね。これからどうなっちゃうんでしょうか。また全面戦争に逆戻りするんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　前月号でも言ったけど、アメリカには逆戻りできない事情があることも忘れちゃいけないよね。それがガソリン価格。6月合意が完全に破棄されたとなれば、ガソリン価格が再び急騰しかねない。<br />
戦争勃発後1バレル=110ドルまで上昇した原油価格(WTI)が、6月の「合意」ともに急落して70ドルくらいまで低下した。ところが、この「合意」が危うくなったことで、今やすでに80ドルくらいにまで戻ってしまっている。その結果、ガソリン価格も再び1ガロン=4ドル台に向けて上昇しつつある。さらに忘れてならないのが、アメリカの原油在庫の問題だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/large-8ffb4db17477120a9bcef0badda8501be5f6187aaa6c01aff7ca52b761317a78.png" data-rel="SmartPhoto[6545]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/8ffb4db17477120a9bcef0badda8501be5f6187aaa6c01aff7ca52b761317a78.png" alt="" width="340" height="283">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>で先生は図2を示されて、「ホルムズの代替調達に世界中が走った結果、アメリカの原油は引っ張りだこになった。でも、アメリカの原油生産は増えていない。つまり、在庫を減らして需要に対応してきたということだ。そのため、図2に明らかなように在庫がどんどん減ってきてしまった」と言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。6月にはあと数週間で「歴史的低水準」に達しかねない。もしそうなったら１バレル=150ドルにまで原油価格が上昇するだろうと、アメリカの石油業界から声が上がっていた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そのことを石油業界の人達がわざわざトランプ政権にまで伝えに行ったと言われていました。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はこのことがトランプに6月合意を急がせた大きな要因の１つだと思っている。このままホルムズの封鎖が続けば、この6月の危機的状況が再現されることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、トランプさんはまたどこかで譲歩せざるをえないと。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう思うね。ホルムズを武力で解放できない以上、この勝負はどう考えてもトランプに不利だからね。ただ、6月合意は「事実上のアメリカの降伏」だとして共和党内の強硬派からトランプにかなり批判が出ているので、まだしばらくは軍事パフォーマンスで強気姿勢を示し続けるとは思うけどね。それでもどこか抑制が働いて、再び全面戦争ということにはならないと思っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「合意」に基づく協議が順調に進んでも、経済的なマイナスの影響は秋以降も続くと前月号で言われていましたが、こんなことになってなかなか協議に入れないとなると、さらに影響は長引くことになりそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。石油関係品の仕入れコストや燃料コストはなかなか下がらない。コスト上昇に耐えきれない中小企業が多発して、倒産が増えたりしないか大いに心配だね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >金利が上がっているのになぜ円安?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　中小企業にとってコスト増につながるという意味でもう１つ心配なのが、円安の進行です。とうとう1ドル=162円まで達しました。<br />
<br />
<b>山口</b>　4月末に為替介入が実施されたらしく、一時1ドル=155円台にまで円高に振れたんだけど、その後すぐに円安に戻して今や162円台に達している(図3)。これからもじりじり円安が進んでいく雰囲気だね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/637e5eda08b01682e1b327e9d24639ce2e1a3535a6792ce729e00907f13ae178.png" alt="" width="2129" height="1425">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　6月には日銀が政策金利を引き上げましたし、長期金利の指標とされる10年物国債の利回りも上がってきています。<br />
<br />
<b>山口</b>　10年物国債の利回りは去年11月から上昇テンポを高めて、6月末には2.8%に達した(図４)。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　こんな風に金利が上がってきているのなら、日米金利差は縮小傾向にあるということになりますよね。だったら、為替は円高に戻してもよさそうに思うんです。それなのに円安が進んで行っているのはどうしてなんですか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/07813c883bde9534bf0c101febfd0df2a911427ae51854668da0eadbd93aad34.png" alt="" width="2004" height="1314">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p>山口　読者諸氏の中にも同様の疑問をお持ちの方もおられると思うけど、同じような問題意識で日経新聞が興味深い記事(2026年7月18日付け)を書いている。その記事の見出しは——</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote><strong>「高市円安」の様相じわり　積極財政インフレ懸念</strong></blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p>——というもの。<br />
この記事は、「外為市場関係者を対象とした7月のQUICK月次調査（6～8日実施、60人が回答）によると、高市政権の『責任ある積極財政』が円安要因になっているとの回答が83%にのぼった」として、最近の円安を「高市円安」だと断定している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「高市円安」ですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　「高市円安」という捉え方は、今や市場関係者のコンセンサスになっている。少し論理的に説明すると、①高市政権が進める「積極財政」は財政収支を悪化させ、国債増発を余儀なくさせる。そこで国債の価格が下がって利回りが上昇する。②他方「積極財政」がインフレを促進するから、そのことで円の価値が低下する。この予測が円安を呼ぶ。<br />
つまり、金利上昇と円安は高市政権の「積極財政」という同じ根を持つ１つの現象、その二側面なのだというわけだ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >高市リスクが中小企業を襲う</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先生はかねてから、金利上昇と円安が共存する「高市リスク」について警告を発してこられましたが、そういう認識が市場関係者や日経新聞などにも共有され始めたということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。それが中小企業経営者の間でも共通認識になっているかどうかはわからないけどね。でも、毎日新聞の7月の世論調査では高市政権の支持率が41%まで落ちて、不支持率が4４％に上昇するという逆転現象が起きた。国民の「高市政権」の政策への疑問が広がってきているのかもしれないね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　心配なのは、先ほど先生も触れられましたが、中小企業の倒産が増えるのではないかということです。<br />
<br />
<b>山口</b>　仕入コスト高、金利高、それに人手不足と中小企業にとっては三重苦だからね。力尽きる企業も増えそうだ。中小建設業の間ではこれはもう現実のものとなってきている。商工リサーチによれば、「コスト高や人手不足などでハウスメーカー（木造建築工事業）の倒産が急増している。2026年上半期（1-6月）は118件発生し、前年同期から約9割増えた」(図5)ということだ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/f8841e0919ed1687439e6c20a69b22d112c5bb32208f48e4dc66df8268cad539.png" alt="" width="948" height="618">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　9割増というのはすごいですね。前半にお話を伺ったイラン情勢も含めて、中小企業にとってはしばらく危険な環境が続きそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　景気ウォッチャー調査(表1) を見ると、景気の現状は「下降」というより「低迷」。でも、こうした数値の背後には中小企業を巡っていろんな悲劇的なドラマが起きているかもしれないという気がしてならない。スモールサン会員の皆さんには情報収集に怠らず、「しなやかに」「したたかに」そして「しぶとく」経営実践を積み重ねていってもらいたいね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202607/c3cd42b4d64b8001dc3e8b4371aca7478e89e8578ac122ef2da2e04eddc17e81.png" alt="" width="916" height="547">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.7.20</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6545.html</guid>
			<pubDate>Tue, 21 Jul 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年6月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「トランプがイランに全面譲歩！<br />
～日銀利上げ、今年中に『再利上げ』も～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　今回は6月に実施された2つのビッグイベントを中心にお話を伺おうと思います。その1つは6月16日に発表された日本銀行の金利引き上げです。政策金利が0.75%から0.25%引き上げられて、とうとう１%に達しました。その背景や影響、それから今後の金融動向などについてお話を伺いたいと思います。今1つは17日に行われたアメリカとイランとの和平に向けた覚書の調印です。これで本当に戦争は終結するのか、経済的影響はどうなのかなど、お伺いしたいことは沢山あります。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日銀の利上げで政策金利が１％に<br />
～31年ぶりの金利水準～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、1点目の利上げについてですが、今回なぜ日銀が利上げに踏み切ったのか。まずはそのあたりから教えてください。<br />
<b><br />
山口</b>　利上げの理由はいうまでもなく物価上昇への懸念だ。一般論で言えば、インフレ基調の時に低い金利水準を維持していると、そのことによってインフレが助長されてしまう。インフレ抑制のためには利上げは不可避だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、たしか4月の消費者物価上昇率は前年同月比1.4%でしたし、5月も同じ1.4でした。物価はかなり落ち着いてきていたように見えます。日銀はこれまで2%程度の物価上昇率が望ましいとしてきましたから、「2%を切っている」状態が続く現状で金利を引き上げる必要はないように思うのですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　非常に理にかなった指摘だけど、そもそも4月や5月の「上昇率1.4%」という数字そのものが金融政策の判断基準としてはちょっとあやしい。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どういうことですか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-8894e9724c977df53ad30e0798b6e79681cc29ed1ec68219e075d4a96a138092.png" data-rel="SmartPhoto[6501]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　この数字は物価上昇の基調的な鈍化を示すものではなく、ガソリン補助金や電気・ガス代支援といった政府が4月から実施した政策的な押し下げ効果による面が強い。こういう特殊要因を除けば、4月の上昇率は2.8%に跳ね上がるという試算もある(図1)。そもそも政策による物価押し下げ効果は1年限りだ。来年度にはその効果が剥がれて、一気に上昇率は1%以上底上げされてしまう。その時になって慌てて金利を引き上げても、「手遅れ」になりかねない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。それで日銀は今のうちに金利を引き上げて、物価上昇率の高まりを未然に抑制しようとしたわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それからもう1つ、最近そういう日銀の判断を後押しするような数字が出てきた。それは5月の企業物価だ。これがイラン戦争を背景に前年同月比6.3％と、3年2カ月ぶりの高い伸びを示した。企業物価というのは、言い換えれば「仕入れ価格」だよね。それが高い伸びを示したということは、今後その高い仕入れ価格が徐々に販売価格に転嫁されていくから、やがては消費者物価率を引き上げることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そういうことを見越して、日銀は利上げに踏み切ったということですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >今年10月には再利上げか?!<br />
～日銀は来年には1.75%まで引き上げるつもり?～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　政策金利の引き上げは、中小企業からすれば変動金利で借りた借入金の利払費が膨らむことを意味しますから、一方的に経営が圧迫されます。そこで、気になるのがこれからの見通しです。日銀の利上げは今回をもって「打ち止め」なのか、それとも今年中にまた上げるのか。先生の予想はどうですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　はっきり言えば、今年中にもう1回引き上げを実施するのではないかと予想している。今回植田総裁が政策決定会合に病気で欠席したので、替わって内田副総裁が記者会見をしたんだけど、その際内田副総裁は今後も「利上げを続けて基調的な物価上昇率を2%に着地させる」と強調した。この会見を受けて、多くの市場関係者は今年10月の政策決定会合で日銀はさらに0.25%引き上げて1.25％にするのではないかと予想している。その点は僕も同じだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中小企業にとっては厳しいですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　10月にも「再利上げ」がありそうだという予測の背景には、円安基調が止まらないということがある。円安が進めば、輸入物価が上がって、やがて消費者物価が上がることになる。だから、日銀としては円安を止め、できれば円高方向にもっていきたいんだけど、0.25％の引き上げを一度実施しただけでは為替の基調を変えるのは難しい。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の利上げによっても、為替はほとんど動いていませんものね。むしろ直近では少し円安が進んでいます。<br />
<br />
<b>山口</b>　だから、日銀は「今後も継続的に利上げを実施していきますよ」と言わざるをえないんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。今後、政策金利はどれくらいまで上がっていくとお考えですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　今年中に1.25％まで引き上げて、来年にはさらに2回利上げを実施して、1.75％までもっていく、そういう見方が強まっているね。そうなると、注目されるのが不動産価格の行方だ。投資家は金利動向に敏感だから、高くなり過ぎた不動産価格が金利の段階的引き上げの過程で調整局面を迎える——センセーショナルな言い方をすれば値崩れを起こす——可能性もある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「ゼロ金利政策」が終わって日本は「金利のない社会」から「金利のある社会」に移ったと言われましたが、最近になってそれがさらに「金利が頻繁に上がる社会」に移行したという感じですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　まさにそうだね。これからは金融情勢に詳しい経営者じゃないと、会社に思わぬ負担を背負わせることになりかねない。スモールサンでしっかり学んでいってもらいたいね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >トランプがイランに全面譲歩<br />
～覚書調印なければ、米ガソリン価格は暴騰しかねなかった～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　さて、2つ目のテーマである「米イランの覚書調印」に話を進めたいと思います。「6月19日にスイスで調印」と発表されていたんですが、それが2日早まって17日にリモートでの調印となりました。いずれにしても、6月中に終戦に向けて大きな一歩を踏み出したことになります。そのニュースを見て、最初に頭に浮んだのは「6月タイムリミット」説を唱えられていた先生の予想が「見事に的中したな!」ということです。<br />
先生は<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6406.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">4月号</a>ですでに「こんなことを言うと『見通しが甘すぎる』と批判されそうだけど、僕はタイムリミットは6月末なんじゃないかと思っている」と発言されています。<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6444.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">5月号</a>でも「6月タイムリミット」説に立って、トランプ側がイランに譲歩を重ねて行く様子を述べられていました。メディアによると、今回の「合意」もその延長線上でやはりトランプ側の大幅な譲歩によって成立したといわれています。この間、先生が述べられていた通りの展開だったように思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はニュースだけでなく、講演でも「6月中に和平に向けて大きく一歩踏み出す」と繰り返し言ってきた。でも、皆さん疑心暗鬼で「先生が言うようになればいいんですけどねえ」という感じでちょっと冷たくあしらわれてきた。皆さん「あんまり甘い見通しを持たない方がいい」と自重されていたのかもしれないけどね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、今回の合意は最終的な「和平合意」というわけではないんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。60日の停戦期間を置いて、そのうちに「どういう問題を課題として議論するか、その最終的な到達点はおよそどのようなものであるべきか、またどういうプロセスを経てそこに到達すべきか」といった点について、双方で「覚書」を交わしたにすぎない。　<br />
<br />
<b>北嶋</b>　この「合意」がきちんと履行されるかどうかを不安視する声もありますが。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/large-f71b9d75f2aa4f5d8a48aa40f246d2f1cf88e0dca67c5a5a0c62f6570c58713b.png" data-rel="SmartPhoto[6501]" data-caption="">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　その点については、僕はあまり心配していない。まずアメリカ側について言うと、仮に合意をぶち壊すようなことをすれば、せっかく下落した原油価格が再び急騰してトランプは決定的な窮地に立たされてしまう。だから、少なくとも11月の中間選挙までは、アメリカ側は合意の履行に尽力せざるをえない。図2を見てごらん。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　アメリカの原油在庫ですね。4月以降すごい勢いで減っています。<br />
<br />
<b>山口</b>　ホルムズの代替調達に世界中が走った結果、アメリカの原油は引っ張りだこになった。でも、アメリカの原油生産は増えていない。つまり、在庫を減らして需要に対応してきたということだ。そのため、図2に明らかなように在庫がどんどん減ってきてしまった。このままだと、あと2、3週間もすれば「在庫が歴史的な低水準」に達して原油価格が1バレル160ドルくらいにまで暴騰するかもしれない。アメリカの石油業界はそう訴えていた。「そうなりそうだ」ということを、わざわざトランプに進言に行くということまでやっていた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　仮にそうなったらガソリン価格も暴騰してしまいますから、どうしてもトランプさんは6月中の調印に漕ぎつけなければならなかったというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。だから仮に今回の「合意」を壊すようなことをアメリカがすれば、ガソリン価格は暴騰してトランプは一体何のために大幅に譲歩してまで「6月合意」を成立させたのか分からなくなってしまう。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >ほぼ要求を通したイラン</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　イランの側はどうなんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　今回の「合意」を読むと、イラン側の要求はほとんど受け入れられている。だから、イランが自らこの「合意」を壊す理由がない。<br />
たとえば、アメリカはホルムズ海峡の外側に軍艦を置いてイラン船の通航を武力で止めてきたけど、今回の覚書では「本覚書の署名後直ちに、米国はイランに対する海上封鎖、ならびにあらゆる妨害行為や障害の除去に着手し、３０日以内に海上封鎖を完全に終了する」となっている。実際、調印翌日の18日には、アメリカはこの封鎖を解除した。<br />
他方、イラン側はホルムズ海峡について「商船の安全な通航を６０日間に限り無料で確保する」ことに合意したけど、それ以降については「ペルシャ湾の他の沿岸諸国と協議しつつ、ホルムズ海峡における将来の管理と海事サービスを定めるため、オマーンと対話を行う」としている。つまり、イランが今後ホルムズ海峡を「管理」することを容認するかのような内容になっている。「よくもまあトランプがこれを認めたなあ」と思うね。何が何でも「合意」に持ち込みたかったトランプ側の事情が透けて見える内容だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「トランプの敗北、イランの勝利」とマスコミが書くのも分かりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　さらに、アメリカがイランに課してきた「制裁措置」についても、「合意」文書には「米国は…イランに対するあらゆる種類の制裁を解除することを約束する」と記されている。しかも、「米国は、凍結または制限されているイランの資金および資産を完全に利用可能にすることを約束する」という文言もある。この文言を素直に読めば、アメリカの銀行に預けてあるイランの預金だけでなく、イランが各国の銀行に預けたドル預金——これらは各国銀行の名義でアメリカの銀行の預金になっている——も「署名後直ちに」使えることになる。要するに、数百億ドルに及ぶとされる凍結資産(図３)がすべてイランの手に戻される。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202606/5ff7a5f64ec757fb9dd6d007cc0d4214eecb2abf705629b83873f2efea499ff5.png" alt="" width="808" height="605">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　それはイランにとって大歓迎ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それだけじゃないんだ。今回の「合意」文書の中には「米国は地域のパートナーと共に、イランの復興と経済開発のため、少なくとも３０００億ドルの規模で、確定的かつ相互に合意した計画を策定することを約束する」という文言もある。「凍結資産」はもともとイランのお金なんだけど、この「合意」はそれとは別にアメリカが各国に呼び掛けて新たな「復興資金」を用意しましょうというもの。本当に「至れり尽くせり」という感じだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そう言えば、先生は5月号で「たとえば、ホルムズ海峡を多用する国々が復興資金を出し合ってイランの今後を支援するといった仕組み」をイランに提案すれば、終戦に向けた合意も可能になると発言されていました。その通りになったということですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかにこんな好都合な「合意」をイランの方から潰しにかかるというのはちょっと考えにくいですね。ところで、大きな争点になっていた濃縮ウランの廃棄問題や今後のウラン濃縮については今回の「合意」ではどうなっているんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　事実上の「先送り」だね。その辺りを突っ突きはじめたら、いつまでたっても「合意」には至れないからね。濃縮イランについては「ＩＡＥＡの監督下で現地において希釈（ダウンブレンディング）を行うこととする」とあるけど、濃縮ウランをイランがどれくらい保持しているかをどうやって調べるのかとか、今後のウラン濃縮についてどんな規制を加えるのか——未来永劫ウランを濃縮しないということなのか、たとえば今後20年間はやらないといった「期間」の取り決めにとどめるのか——、こういうことは何ら明記されないまま「合意」が結ばれた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　先生のお話を伺っていると、先送りした重要問題はあるけど、だからといって今回の「合意」が破棄されてしまうということはなさそうですね。その意味では今回の「合意」によって戦争終結に向けて大きな一歩が踏み出された感じはします。<br />
<br />
<b>山口</b>　ただ1点懸念されるのはイスラエルの動きだね。合意項目の中には「レバノンを含む全て‌の前線での軍事行動を即時かつ恒久的に終了することを宣言する」とある。ところがイスラエルは「自分には関係ない」とばかりにレバノンのヒズボ攻撃を続けている。「アメリカはイスラエルに武力攻撃を辞めさせろ」という抗議をこめて、イランが「合意」にもとづく話し合いをボイコットするということが度々起こるかもしれない。まあ、それでもアメリカもイランも「合意」を壊して「元の木阿弥」にしてしまうようなことははしないだろうけどね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >すぐには戦争前に戻れない</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　最後にお聞きしたいのは、今後の経済的影響についてです。1バレル100ドルを超えていた原油価格(WTI)が、この「合意」発表後は70ドル台にまで下がっています。これからもこの調子で下がっていって、戦前の60ドル程度の水準まで下がるとみていいのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　ペルシャ湾内にとどまっていたタンカーがすでにホルムズ海峡を少しずつ通過しはじめているし、今後もタンカーの通航は増えて行くと思われる。だから、傾向としては原油価格は下落していくだろうとは思う。でも、戦前の状態にもどるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　まず原油の需要面で言えば、各国政府が減ってしまった在庫を補充しようとするし、各国企業も在庫の補充を急ぐ。とくに中国が減った在庫を戻そうとすると、これはかなりの需要増になる。<br />
それから供給面だけど、中東諸国の石油関連施設のいくつかがイランの攻撃で破損していて、その修復に時間がかかる。これが供給ネックになる。それから先にも言ったようにアメリカの在庫が減少してしまっているから、それを補充しようとすればアメリカは原油輸出を減らしはじめる。さらに、イスラエルの動き次第でイランが再びホルムズを封鎖する可能性も否定できない。こういう要素を勘案すると、今年原油価格は1バレル70～80ドル程度で高止まりないしは「下がってもまた上がる」ということを繰り返すことになって、今年一杯は戦前の状況に戻れないということも考えられる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >価格転嫁はこれからが本番</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　日本の中小企業への影響という点ではどうでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　モノが入って来ないという状態は急速に解消されていくと思うけど、元売りが原油を戦前の5割高とか場合によっては2倍近い値段で仕入れてしまったから、その高い在庫を使う以上石油製品はまだしばらくは高い状態が続く。石油由来の材料や燃料を高い値段で購入した中小企業もそのコスト増を販売価格に価格転嫁して行かざるをえない。それが上手く行かないと、中小企業経営は相当厳しくなる。そう思うと、価格転嫁はむしろこれからが本番なんじゃないかという気がしてくる。それから、こうした価格転嫁の動きは消費者物価を上昇させることになるから、消費者の購買力が減少して景気が悪くなる可能性もあることを頭に入れておく必要がある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「合意」には至ったものの、経済的にはまだまだ安心できないということですね。今後の景気動向、しっかり注視していきたいと思います。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.6.20</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6501.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Jun 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年5月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6444.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「急速に冷え込む景気<br />
～長期金利が29年ぶりの水準に!～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>最近は「石油ショック」というよりも「ナフサショック」という言葉が広がっている。図2は塗装工事業の倒産件数を見たものだけど、2026年の1-4月の倒産件数は48件。各年の1-4月の倒産件数を見てみると、今年は1989年以降、2002年の49件に次ぐ4番目の高い水準になった。ナフサ由来であるシンナーの不足など、イラン戦争の影響が倒産増を引き起こしつつあることがわかる。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >冷え込む景気</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　前回はイラン情勢についてかなり詳しく説明していただきましたが、今回は日本の景気の現状からお話を伺えればと思います。前回先生は「景気ウォッチャー調査」の「先行きDI」の動きから「先行き悪化」の見通しが強まってきているとおっしゃいました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。「予想通り」と言わざるをえないんだけど、景気は急速に冷え込んできているみたいだ。まずは「景気ウォッチャー調査」の「現状判断ＤＩ」からそのことを確認しておこう。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/2a57002a170c588712ae8d6eff6d89a0f45089815cbbfdb5457e1fda868d74d0.png" alt="" width="2181" height="1230">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　3月の調査結果は「良し悪し」の境目である5０を大きく下回って、40.８まで低下していますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　「家計部門」は前回調査から1.2ポイント低下して40.5、「企業部門」は1.6ポイント低下して41.５といずれも惨憺たる状態だ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前回38.4とすでに40を切っていた「飲食関係」が、3月はさらにそこから3.8ポイントも低下して34.8になっています。<br />
<br />
<b>山口</b>　もっと悲惨なのが「住宅関係」。前回の38.5からなんと7ポイントも低下して31.5にまで低下している。戸建て住宅を扱っている工務店さんに聞くと、建設コストは上がるし、それを価格に転化しようにもすでに高くなりすぎているから消費者がついてこられない。だから価格転嫁もできないと。その上、イラン戦争の影響で資材や部品が調達できなくて工事そのものが止まってしまっているというケースも出てきている。「この状況があと数カ月続いたら、会社の存続が危うくなる」と、かなり切羽詰まった感じで話される経営者も少なくない。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >「節約志向の強まり」で消費減退</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　「飲食関係」が34.８、「小売関係」も40.9と低迷していますが、この背後にはやっぱり個人消費の落ち込みがあるということでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　総務省の家計調査によると、3月の「2人以上世帯の消費支出」は実質で前年同月比2.9%減(図1)。4カ月連続のマイナスだ。総務省は「中東情勢で消費マインドが低下している」と見ている。「食料は物価高を受けて2.9%減と2カ月連続で減った。うち酒類は19.8%減と12カ月連続の減少が続く。交際費などを含む「その他の消費支出」は8.0%減で6カ月連続のマイナスとなった」(日本経済新聞2026.5.12)と、日経新聞も「節約志向の強まり」を裏付ける数字に注目している。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/583ab042b57e7f85103fee9a973f2b66f50f6c04df2c73214c97eec0cde11cf1.png" alt="" width="479" height="345">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　いろんなモノの値段がどんどん上がってきていますし、イラン戦争の影響でこれからもっと上がることが予想されます。電気代などの光熱費も上がると見られています。さらに原材料が入手できなくて仕事を縮小している企業も現れてきていて、そんな会社で働いている人たちはこれからどうなるかという不安を抱えています。こんな状況では「ぱっと景気よくお金を使う」なんてことできませんよね。「節約」を強めることが消費者にとって最大の「生活防衛」。その結果消費支出が減退してきているというのはよくわかります。総務省の担当者の方がおっしゃる通りだと思います。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >ナフサショックで倒産増も</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　「原材料が入手できなくて仕事を縮小している企業」が出て来ていることを君が指摘したけど、仕入れ困難や尋常じゃない仕入れコストの上昇で経営が窮地に陥っている企業も出てきている。実際、倒産も増えてきているようだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　イラン戦争の影響がいよいよ「倒産増」まで引き起こし始めていると。<br />
<br />
<b>山口</b>　最近は「石油ショック」というよりも「ナフサショック」という言葉が広がっている。図2は塗装工事業の倒産件数を見たものだけど(緑のラインに注目)、2026年の1-4月の倒産件数は48件。各年の1-4月の倒産件数を見てみると、今年は1989年以降、2002年の49件に次ぐ4番目の高い水準になった。ナフサ由来であるシンナーの不足など、イラン戦争の影響が倒産増を引き起こしつつあることがわかる。このデータを掲載した東京商工リサーチは「シンナーなど資材価格の高騰や在庫不足が長びくと、塗装工事の受注にも支障を来たすため、年間では過去最多に迫る可能性もある」(2026.5.13)と記している。まさに「ナフサショック」だよね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/80a1dece322e1cc5eb3ec7171906bb41c5c5882439ceffd278bc78c37d349964.png" alt="" width="1748" height="916">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　価格高騰や品不足というのは競争力の高い大企業は乗り越えられるかもしれませんが、中小企業には逃れようのない大きな打撃となりますから、昨今の状況は中小企業にとって本当に深刻です。何らかの政策支援が必要になりそうですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　スモールサンではホームページ上に<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/extra/etc/entry-6417.html/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「中東情勢による中小企業への影響 &nbsp;情報共有ページ」</a>というのを開設していて、そこには「影響」だけでなく「政策要望」も記す欄がある。たとえば「体力順に工務店が消えていきます」と深刻な現状を記された方は、「雇用調整助成金」や「永久劣後ローン」の実施を要望されている。いろいろの業界の方がたくさん情報を発信したり、政策要望を言葉にすることが大切だよね。このページの書き込みを踏まえて僕も政治家諸氏に中小企業対策を求めて行くつもりなので、皆さんにはぜひどんどん<a href="https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdQoLTnjGvZ8jdZ7C6tMfSFrSdR_hwaBPVCApWV5lILFyR52A/viewform?usp=header" target="_blank" rel="noopener noreferrer">書き込んで</a>もらいたいと思っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうですね。中小企業がバタバタ倒れてしまってから行政が対策を打つのでは手遅れになりますから、早め早めに声を上げて行くことが大切ですよね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >長期金利が29年ぶり高水準に </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　中小企業にとっての深刻な問題という点で、もう1つ見落とすわけにいかないのが長期金利の上昇だよね。図3は、10年物国債の利回りについてこの半年間の推移を示したものだけど、5月18日には一時2.8%にまで上昇した。これは29年半ぶりの高水準だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/325907a667e2659c4b5880ef020db72aa703b20d54416aff3e81343c87d28a01.png" alt="" width="1324" height="685">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　29年半ぶりですか。先生がよく使われる言い方をすると、まさに「未体験ゾーン」ですね。ほとんどの中小企業経営者にとって金利水準が「未体験ゾーン」に入って来たと言えますが、その背景はやっぱりイラン戦争ですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。最近の長期金利の急騰は日本だけでなくて世界的な現象になっている。イラン戦争で石油化学製品の価格が急騰し、これがインフレを亢進させる。その結果金利が上昇するに違いない。そういう予測が国債の利回り上昇を引き起こしている。さらに国民に向けて、あるいは企業に向けて政府が何らかの財政的な支援策を打たなければならなくなれば、このことで国債の増発が起きる。そうなると、国債の価格が下がって利回りが上昇するだろう。そういう予測も、現在の国債の利回り上昇をもたらしている。<br />
日本の場合は高市首相が積極財政に踏み込んだことで昨年11月から利回りが急上昇してきた。その結果利回りの水準が切り上がってしまっていたんだけど、そこからさらに追加的に上昇が進んだわけで、結果として29年ぶりの金利水準に至ってしまったんだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　10年物国債の利回りを基準にして、銀行は新規あるいは更新期の貸出の際の金利を決めるんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。だから、国債利回りの上昇は中小企業に直接的に影響する。新規の借り入れは控えることができても、多くの場合更新期の借入れはしないわけにいかない。だから過去の借入れが更新期を迎える企業は、金利上昇の影響を不可避的に浴びることになる。こうして中小企業は金融面からも圧迫を受けることになるわけで、今後倒産がますます増えないか大いに心配だ。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >ホルムズ「代替ルート」での調達が本格化しはじめたが…</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　こういう現状を知れば知るほど、イラン戦争が早く終結して、ホルムズ海峡が開放されることを願わずにはいられません。イラン情勢について現時点で指摘しておくべき点というと、どういうことがありますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　政府がホルムズ海峡を通らない「代替ルート」での原油調達を拡大すると言っていたけど、それが現在どの程度機能しているのかという点。これは読者諸氏も気になっているところだと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　図４は、中東の原油やLNGを載せたタンカーが日本に向かっている様子を示したもの。5月5日現在で、15隻のタンカーが日本に向かっている。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202605/0d841899f4f9138db6e1d6f4ffc975d1be487334ff1a1deb43cc26fbdbefe6af.png" alt="" width="2000" height="1257">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　でも、ホルムズ海峡は封鎖されているんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　図4に示された15隻のうちホルムズ海峡を通ってきたのは出光丸の1隻のみ。残りはホルムズ海峡の外側にあるUAEの港や紅海の港などで原油やLNGを積んで日本に向かっている。これが、いわゆる「代替ルート」を経たものということになる。<br />
もう１つ「代替ルート」として大きく期待されているのが、アメリカからの調達。4月にはアメリカを出発して日本に向かっているタンカーが13隻確認されている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「代替ルート」での調達もいよいよ本格的に動き出したという感じですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　たしかにその感はあるね。ただ、日本の1日あたりの原油消費量は大型タンカー1.5隻分だ。つまり、15隻が日本に到達しても10日分にしかならない。こういう「代替ルート」の調達を継続しつつ、さらに増やしていくことが必要になる。でも、そこには懸念もある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　といいますと。<br />
<br />
<b>山口</b>　たとえばアメリカの原油は今世界中から引っ張りだこでアメリカの石油輸出量は急増しているんだけど、その割に今のところ生産施設を拡大する兆候がみられない。戦争が終わったら原油が反対に過剰になる可能性があるから、新たな設備拡張は控えているというわけだ。そのため現在は在庫が急減している。在庫がある限度を超えて減ってしまったら、アメリカの石油メーカーはアメリカの国内消費を優先して輸出を絞る可能性がある。そうなると、日本の「代替調達」も大きな影響を受けることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　念のために指摘しておくと、想定される「代替調達」が予定通り機能したとしても、それでは原油の年間消費量の3分の1程度を賄えるだけだと言われている。つまり、備蓄分の放出に頼らざるを得ない状況に変わりはないということ。このことも頭に入れておく必要がある。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >トランプの「20年で十分」発言</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　となると、やっぱり戦争終結を期待するほかないんですが、その点で最近注目すべきニュースはありましたでしょうか。先生の「6月タイムリミット」説に立てば、5月半ばも過ぎた今、トランプさんはかなり焦っていると思いますが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。相当焦っているね。それでも「為す術無き」まま、アメリカとイラン双方が「我慢比べ」を続けている。今のところ新たな展開を示唆するようなニュースはないけど、ちょっと気になったのが5月15日のトランプの発言だ。ウラン濃縮の停止期間についての記者の質問に答えて、トランプが「20年で十分だ」と発言したこと。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前回の先生のご解説では、アメリカは20年を要求し、イランは５年なら受け入れると言っていて、この違いをどう埋めるかが現在の最大の争点になっているということでした。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだけど、この「20年云々」の話はあくまでもメディア情報に基づくものであって、トランプ自身はイランにウラン開発の「完全放棄」を求める発言を繰り返してきた。ところが、今回トランプが初めて自身の口で「20年で十分だ」と言ったわけで、これはトランプ自ら公の場で方針転換――端的に言えば「譲歩」――を認めたことになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプさんとしてはメンツを守りながら一刻も早く終戦に持ち込みたい。今回の発言はその表れだということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。あとはイラン側が「20年停止」を受け入れるかどうかだけど、僕はその可能性はないわけじゃないと思っている。そもそもオバマ政権との間で「15年停止」で合意していたんだから、5年長期化したからといって実質的には大した問題じゃない。これもいわばメンツの問題だ。それに核兵器に頼らずとも、ホルムズ封鎖さえ実行すれば世界中を危機に陥らせることが可能だということも知ったしね。あとはイラン側が降伏したような印象にならないように、イラン側のメンツが立つような何か――たとえば、ホルムズ海峡を多用する国々が復興資金を出し合ってイランの今後を支援するといった仕組みの提案など――を提示できるかどうかにかかっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　双方のメンツのために、私たちが経済苦に晒されるというのもなんだか理不尽ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。ともかく動向をしっかり注視していくことが大事だね。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.5.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6444.html</guid>
			<pubDate>Wed, 20 May 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年4月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6406.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「終戦の“兆し”が見えては来たが…<br />
～イラン戦争があと数カ月続けば戦後最大の経済危機に!～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>戦争が長びいて切削油が無くなったら、金属加工業の多くで仕事ができなくなってしまう。その結果、部品が出来てこない。そうなると、今度はその部品使って製品を作っている他の製造業でも仕事が止まってしまう。連鎖的に多くの業界で大幅な生産調整、業務縮小を余儀なくされることになるわけだ。/ナフサ不足とその価格急騰でプラスチック加工に関する業界が窮地に陥っているだろうことはわれわれ部外者でも想像がつく。でも、切削油一つ入って来ないだけでも、製造業が広範囲に大打撃を蒙るということはなかなか外からは分からないよね。でも、今や同様のことがあちこちで起き始めている。…戦争があと何カ月も続いたら、本当に戦後最大の経済危機になってしまう。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >イラン外相が「ホルムズ海峡開放」を宣言も、1日で撤回</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　今回はイラン情勢からお話を頂きたいと思います。というのは、驚きのニュースが報じられたからです。4月17日にイランの外相が、アメリカとイランの間で合意した停戦期限の22日まで「ホルムズ海峡の完全開放」を宣言したというニュースです。<br />
このニュースを見て「いよいよ雪解けか」と思ったんですが、この宣言の後トランプ大統領が米軍に海上封鎖を続けさせると言ったものだから、イラン側もそれなら自分たちもホルムズ海峡を封鎖すると言って、結局は「元の木阿弥」になっちゃいました。すごくがっかりしたんですが、でもこんな風に混乱していること自体、イラン戦争にも何か変化が起きつつあることの兆しかもしれないと感じたんです。先生は最近の状況についてどんな印象をお持ちですか?<br />
<br />
<b>山口</b>　ホルムズ海峡を巡る今回のゴタゴタ劇を見て、変化の兆しを感じとったというのはなかなか鋭いね。<br />
まず、イランはどうして急にホルムズ海峡を開放すると言い出したのか。それは、イスラエルとレバノンが10日間の停戦で合意したからだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　イスラエルがレバノンを攻めているのはそこにいるヒズボラを「敵」だと認識しているからですよね。だから、レバノン政府と停戦合意しても、ヒズボラがそれを納得していなければ意味がないんじゃないかと思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　ヒズボラ幹部は「停戦合意に従うかはイスラエルが敵対行為を停止するかどうかにかかっている」と言っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　ということは、イスラエル次第ということになりますね。でも、そもそもイスラエルはどうして一時的にせよ戦闘行為を停止することにしたんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　それはトランプがイスラエルに圧力をかけたからだ。今回のイスラエルとレバノンの停戦合意で一番大事なところはここなんだ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >正念場迎えるイラン戦争</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　トランプは少しでも早くイランとの戦争を終わらせたいと考えている。できれば4月22日以降も停戦期間を延長して、その間に終戦に向けて何らかの合意に漕ぎ着けたい。仮に明確な合意には到達できなくても「合意に向かって進んでいることをアピールできれば」というのがトランプの思いなんだと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そういうアピールができれば、それだけでも原油価格は下がり、アメリカ市民を悩ましているガソリン価格も下がるだろうと考えているから。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。ガソリン価格が下がれば、アメリカ市民の自分に対する批判も減ると。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。でも、そういう合意に向けた動きを阻害する大きな要因がイスラエルのレバノン侵攻なんだ。イランからすれば、自分たちの仲間であるレバノンのヒズボラがイスラエルから激しい攻撃を受けているのに、それを放置したままでアメリカとの協議に入るわけにはいかない。そんなことをしたら、イランは仲間であるヒズボラを裏切ったことになっちゃうからね。そこで、「まずはイスラエルに攻撃をやめさせろ」と、イランはトランプに要求した。「そうじゃないと協議に入れない」と。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプさんがそれを受けてイスラエルに圧力をかけたわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕はそう推測している。イスラエルは武器の7割をアメリカに依存している。だから、アメリカの要求を無視するわけにもいかない。かといって、ヒズボラと交渉して自分たちが何か妥協するというのも嫌だ。そこで、ヒズボラではなくてレバノン政府との間で停戦合意するという、ちょっと中途半端なやり方でトランプの顔を立てたわけだ。<br />
今イスラエルでは「ネタニアフ首相がトランプの圧力に屈した」というので政権批判が高まっている。だから、世論に押されていつイスラエル軍が戦闘行為を再開するかはわからない。でも、大切なのはこの停戦合意に「アメリカがイランとの終戦協議を真剣に望んでいる」ことが反映されているという点だ。その意味では、これは終戦が近づいている１つの“兆し”と見ることもできる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >アメリカのタイムリミットは6月末か?!</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先ほど先生は「トランプは少しでも早くイランとの戦争を終わらせたいと考えている」と言われましたし、イスラエルとレバノンの停戦合意もその一つの現われだとも言われました。トランプさんには終戦を急がなければならないどういう事情があるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　先月号のスモールサンニュースの<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/ronkou/entry-6371.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「論考: アメリカによるイラン攻撃の不合理とその影響」</a>の中で、戦争を終結に導く「2つの圧力」があるという話を書いた。現在その「２つの圧力」が強まってきているというのが、トランプが終戦を急がざるをえない理由だ。<br />
その「圧力」の１つは、「中間選挙」。戦争突入後トランプ政権の支持率はますます低下してきている。さらに、地方選挙での敗北も続いている。「論考」ではこの1年余りで民主党が全米各地の州議会選挙で共和党が保持していた「28議席を奪取した」と書いたけれど、その後3月28日にもまた共和党の議席が民主党に奪われることが起きた。しかも、その選挙区はトランプの邸宅があるマール・ア・ラーゴ周辺を含む地域。かつては辞任した前職の共和党議員がなんと19ポイントという大差で当選していた選挙区だ。それくらい共和党が強かった地域で今回負けたということは、共和党への支持がいかに低下してきているかが端的に示されている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　共和党が負け続けている背後には、ガソリン価格の高騰など国民の生活苦がある。ちなみにフロリダ州南部は農業地域だけど、イラン戦争以降耕運機などの燃料であるディーゼルの価格も高騰している。さらに中東依存が強い肥料の価格も上昇している。トランプも「そろそろ戦争をやめないと、中間選挙でボロ負けするぞ」という危機感を抱いていることは間違いない。<br />
こんなことを言うと「見通しが甘すぎる」と批判されそうだけど、僕はタイムリミットは6月末なんじゃないかと思っている。というのは、7月4日がアメリカの独立記念日だから。それまでに戦争を終わらせて、独立記念日には戦争の成果を国民に訴えたい。これが、トランプが描いているシナリオなんじゃないかと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「論考」で先生がもう1つの「圧力」として指摘されていたのは、たしか「武器の枯渇」でしたよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　アメリカの武器の枯渇もかなり深刻みたいで、3月には一部の軍事専門家が「攻撃ミサイルや迎撃ミサイルの多くが4月中や5月半ば頃には枯渇するのではないか」と予測していた。トマホークとかパトリオットも6月には枯渇するだろうと。こういう事情からしても、6月末がアメリカにとって戦争継続のリミットなんじゃないかと考えられる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 > “兆し”は見えてきたが… </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　トランプさんがいくら戦争を終わらせたいと思っても、イラン側も合意しなければ終わらせることはできませんよね。今のところ、終戦の条件に関する双方の主張には大きな隔たりがあって、合意に至るのは難しいといわれていますが。<br />
<br />
<b>山口</b>　最大の争点はウラン濃縮の問題だね。トランプ政権は一貫してウラン濃縮の「放棄」をイランに求めてきた。イランはそれだけは「絶対に無理」と断ってきたんだけど、最近になって状況が少し変わってきた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　といいますと。<br />
<br />
<b>山口</b>　アメリカのメディアによると、アメリカの要求がウラン濃縮を「放棄せよ」から、「一定期間停止せよ」というように変わったということなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　アメリカが「放棄せよ」と言い、イランが「いやだ」と言う。これでは交渉の余地がないけど、「一定期間停止せよ」というのであれば、期間を巡る話し合いになるから交渉の余地が出てきますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。アメリカ側が重要なところで譲歩したわけで、これも終戦に向けた一歩、その“兆し”だといえる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。その停止期間に関して、現在双方はどんな要求を出しているんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　アメリカ側は「20年間停止せよ」といい、イランは「5年間なら受け入れる」と言っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　だったら、間(あいだ)を取って「10年」で決着というわけにはいかないんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうできない事情がアメリカ側にあるんだ。2015年にオバマ政権がウラン濃縮についてイランと合意を交わしていて、それは「15年間にわたり、軍事転用が疑われる濃縮度3.67%を超すウラン生産を禁じる」というものだった。<br />
トランプは一次政権の時にこんな合意は「甘い」と言って、この合意から離脱した。だから、今回「停止期間10年」で合意したら、トランプがオバマ政権よりも後退したことになるし、何のために戦争までしたんだということになってしまう。だから、これは受け入れられない。そこで、なんとかイランに妥協させようと、ホルムズ海峡の外側を海上封鎖してイランの石油収入を絶つということまでしているわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　おかげで一度は「完全開放する」ことになったホルムズ海峡がまた封鎖されちゃって、世界中が大迷惑しているというわけですね。なんとか折り合うところを見つけてもらいたいですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >中小企業からは悲鳴にも似た声が</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　イラン戦争の影響は日本の中小企業の間にもどんどん広がってきているみたいです。<br />
<br />
<b>山口</b>　読者諸氏はご存じだと思うけど、スモールサンでも会員向けに<a href="https://forms.gle/KJ9w86ZMysSS6E9K9" target="_blank" rel="noopener noreferrer">アンケート調査</a>を実施した。その結果の詳細は4月24日に開催が予定されているスモールサン主催<a href="https://www.smallsun.jp/seminar/entry-6402.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「中東情勢を踏まえた緊急オンライン解説＆情報共有会」</a>の際に発表されるから、読者諸氏もぜひこの会合に参加してもらいたいと思う。現在の集計段階で少しだけ調査結果に触れると、たとえば影響の「ある・なし」を尋ねた設問1の回答分布は図1のようになっている。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/2c74cb4ff93a2103c607b510cc5d3846d66ff6459dc7b8a69ddf83f92041b144.png" alt="" width="790" height="355">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　「大きなマイナス影響がある」が42.6％、「ややマイナス影響がある」が36%。合わせると78.6％にも達しています。<br />
<br />
<b>山口</b>　8割近くの企業がマイナスの影響を受けているというのは、コロナ禍並みだよね。具体的にどんな影響があるかは業種業態によって区々だけど、なかには当事者じゃないとわからない、気づかない影響も多々ある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たとえば?<br />
<br />
<b>山口</b>　これはゼミ横浜の講演の際にゼミメンバーから教えてもらったんだけど、金属加工をしている製造業では今「切削油」が足らなくて困っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　切削油って何ですか?<br />
<br />
<b>山口</b>　金属を削る時に使う油のことで、摩擦を少なくして工具を守ったり、摩擦熱を抑えたりする役割をする。これがないと、そもそも金属加工ができない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　それが不足しているというのは大変な事態ですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　戦争が長びいて切削油が無くなったら、金属加工業の多くで仕事ができなくなってしまう。その結果、部品が出来てこない。そうなると、今度はその部品使って製品を作っている他の製造業でも仕事が止まってしまう。連鎖的に多くの業界で大幅な生産調整、業務縮小を余儀なくされることになるわけだ。<br />
ナフサ不足とその価格急騰でプラスチック加工に関する業界が窮地に陥っているだろうことはわれわれ部外者でも想像がつく。でも、切削油一つ入って来ないだけでも、製造業が広範囲に大打撃を蒙るということはなかなか外からは分からないよね。でも、今や同様のことがあちこちで起き始めている。たとえばシンナーが深刻な不足に陥っている。シンナーがないと塗料を薄めることができないから、塗装ができなくなってしまう。そうなれば家具や建物は完成できない。販売はストップだよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そういえば、ユニットバスの受注が一時停止されたという話を聞きました。お風呂のない住宅を売るわけにはいきませんから、住宅は未完成のままということになりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　住宅資材は大変な値上がりと入手困難が起きている。建設業界の中小企業からは悲鳴に近い声が聞こえてきている。<br />
石油ショックの時は主に燃料の価格急騰が問題だったんだけど、今回は石油化学製品がそもそも入ってこないという問題を伴っているから、石油ショック時よりも影響は深刻だ。戦争があと何カ月も続いたら、本当に戦後最大の経済危機になってきてしまう。</p>








































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<!-- テキスト -->

<h3 >政府は「大丈夫」というけれど…</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　政府はさかんに「大丈夫、心配ない」と言っていますよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市首相はナフサについては現状で「国内需要の4カ月分を確保できている」とSNSで表明した。どうしてこういう重要な情報を記者会見でなくてSNSで表明するのかね。いろいろ質問されると困るからなのかと勘繰ってしまう。本気で国民に安心を提供する気があるのなら、ちゃんと記者会見を開くべきだと思うけどね。<br />
それから、原油そのものについては、政府は年明けくらいまでは大丈夫だとしている。高市首相は4月7日に「日本には約8か月分の石油備蓄があり、代替調達の進展の結果、備蓄放出量を抑えながらも年を越えて石油の供給を確保できるめどがついた」と表明している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今は政府を信じるしかないですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それは僕も同じ気持ちだ。でも、アメリカの海上封鎖が長びいてイランを怒らせたためにイエメンのフーシ派が“紅海”の海峡を事実上封鎖するようなことをすれば、高市首相のいう代替ルートの一角が崩れることになる。それから、アメリカからの原油調達を増やすみたいだけど、アメリカ産の原油は中東産の原油より質が悪くて、日本で精製するのには新た設備投資が必要だと指摘する専門家もいる。そうなると、時間がかかるよね。不安材料はいっぱいある。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　そういう不安感が払しょくできないと、景気の見通しも明るくなりませんね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202604/55245496059f1cb5a98821179ae6bed36bf7a159a36525f55194ac6e4773e883.png" alt="" width="2221" height="1236">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　表1は、景気ウォッチャー調査の「先行き判断DI」――3カ月先の景気が現在より「良くなっていると思うか」「悪くなっていると思うか」を尋ねたもの――だけど、3月調査では軒並みDI値が4０を下回ってしまっている。とくに「企業関連動向」DIは2月調査に比して13.0ポイントもの大幅な悪化となった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　中東情勢が好転しない限り、今後景気が大きく悪化することは避けられませんね。<br />
<br />
<b>山口</b>　今中小企業がやれることは、まずは情報を持ち寄って現状把握に努めること、それからそうした情報を踏まえて政府に対して必要な対策を求めていくことだと思う。僕もできる限りのことはやるつもりだけど、会員の皆さんもできることから始めてもらいたいね。まずは4月24日開催の<a href="https://www.smallsun.jp/seminar/entry-6402.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「中東情勢を踏まえた緊急オンライン解説＆情報共有会」</a>にぜひ参加してもらって、現状を訴えてもらいたい。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　緊急事態だからということで、今回は参加費も無料にしました。皆さん、ぜひ参加してくださいね。　</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.4.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6406.html</guid>
			<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年3月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6372.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「製造業に回復の兆しも、中東情勢で先行き不透明に<br />
～中小企業からは『賃上げ限界』の悲鳴も～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>「製造業の景気に改善の兆し」ということなんだけど、ヒヤリングから確認できたことでいえば、背景は主に２つあるみたいだ。1つは半導体製造装置関連で動きが活発化してきていること。これは世界的な状況のようだね。それからもう1つは工作機械関係。データセンターとか、造船とか、油圧関係のところで仕事が増えそうな兆しが見えるということだった。…こういう改善の機運がアメリカとイスラエルのイラン攻撃で一気に萎んでしまわないか、それが心配だね。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >イラン情勢次第の景気先行き</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　正直言って、今回のこのコーナーはあんまりやる気が出てこないね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　えっ、なぜですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　現在公表されている景気指標はすべてアメリカとイスラエルがイランを攻撃する前のものだよね。その指標でいろいろ分析しても、イラン情勢の成り行き次第で状況ががらりと変わってしまう可能性があるから。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　冒頭から何を言い出すのかとちょっとびっくりしましたが、言われてみると確かにその通りですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　しかもそのイラン情勢の先行きが現時点ではなかなか読めない。たとえば、トランプは「早期撤退」を言い始めているけど、他方で中東への派兵を増やすとともに強襲揚陸艦も配備しようとしていて、いよいよイランに地上軍を入れるつもりなのかと思える動きをしている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプさんは「地上軍は投入しない」と言っていましたよね。もしそんなことをしたら、それこそ戦争が泥沼化してしまいませんか。<br />
<br />
<b>山口</b>　その可能性は高い。仮に地上軍の投入によって泥沼化・長期化することになれば、エネルギーの不足や価格急騰がさらに進むし、中東を経由するサプライチェーンが寸断されて世界経済は大混乱に陥る。現時点でいろいろ景気を分析しても、ほとんど意味をなさなくなるくらいの大きな変化が起きることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど、それでやる気が出てこないというわけですね。まあでもそんなこと言わないで、現時点で言っておくべきことを短めでもいいですからお話し下さい。<br />
ちなみに、読者のみなさんには今月号の「論考:アメリカによるイラン攻撃の不合理とその影響」をぜひお読みいただきたいと思います。今回の戦争について、先生がかなり詳細に分析されています。<br />
それから、スモールサン会員企業でもある株式会社パセリが配信している先生のユーチューブ動画「【イラン戦争】ガソリンだけじゃない？私たちの生活を直撃する全理由」も大変分かりやすい解説ですから、ぜひ観ていただきたいと思います。<br />
この動画、随分大きな反響があったみたいで、3月22日時点で視聴回数が1万4000回を超えています。なんだか宣伝みたいになっちゃいましたけど、皆さんよろしくお願いします。</p>








































<hr class="clearHidden">

















<!-- Video -->
<div class="column-video-auto js_notStyle acms-col-sm-12">
	<div class="column-iframe">
		<iframe width="700" height="405" src="https://www.youtube.com/embed/PrB6r6z6hus?wmode=transparent&rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
	</div>
</div>






















<!-- テキスト -->

<h3 >回復の兆しを見せていた製造業</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　今回は君が言うように「現時点で言っておくべきこと」を2点だけ指摘しておくにとどめたい。<br />
その1つは、最近になって製造業に回復の兆しが見え始めてきたということだ。それを「景気ウォッチャー調査」で確認してみよう。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「景気ウォッチャー調査」は「3カ月前と比べて景況が良くなったと思うか、悪くなったと思うか」を尋ねて、DI値が5０を上回ったら「良くなった」という答えの方が多くて、5０を下回ったら「悪くなった」という答えの方が多いという、そういう調査なんですよね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202603/0c85075080d8ec1deedf0ec27ac2264dc18803cf885e7bba0f5044638155d5e1.png" alt="" width="1915" height="1088">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そのDI値が24年2月に51.3をつけて以来、ずっと5０を下回ったままだ。1月調査でも47.６と前月比0.3ポイント下落していた。そこで、先月号では「年明け後も足踏む景気」という表題をつけた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　図1で2月調査の結果を見ると、前月比1.3ポイント改善して48.9になっています。多少改善したけど、やっぱり50を下回っていますから、まだ「景気低迷を脱するには至っていない」ということになりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。ただ注目したいのは製造業だ。2月のDI値が50.3と久しぶりに50を上回った。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　僕は、愛知中小企業家同友会が3カ月ごとに会員向けに実施している景況調査の分析の仕事をしているんだけど、その2月調査でも製造業の経営者からは先行き好転を見通す声が目立ってきていた。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうなんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　「製造業の景気に改善の兆し」ということなんだけど、ヒヤリングから確認できたことでいえば、背景は主に２つあるみたいだ。1つは半導体製造装置関連で動きが活発化してきていること。これは世界的な状況のようだね。それからもう1つは工作機械関係。データセンターとか、造船とか、油圧関係のところで仕事が増えそうな兆しが見えるということだった。<br />
いずれも海外からの注文が中心のようだけど、こういう改善の機運がアメリカとイスラエルのイラン攻撃で一気に萎んでしまわないか、それが心配だね。<br />
<br />
<b> 北嶋</b>　「トランプさん、何てことをしてくれたの! 」と言いたくなりますね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >中小企業は「賃上げ」に苦しんでいる</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　今回指摘しておくべきもう１つの点は、最近中小企業経営者から「賃上げを実施するのが経営上限界に近付いている」という、悲鳴にも似た声をよく聞くようになったこと。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　メディアからは、今年の春闘も「満額回答続出」という記事が流れてきますが。<br />
<br />
<b>山口</b>　それはあくまでも大企業の話。高市さんが自民党総裁に選出されて以降、じりじりと円安が進んできた。円安で為替利得をたくさん手にした輸出型大企業はまさに「濡れ手に粟」状態で儲かっている。だから、賃上げもどんどんできる。でも、円安による仕入れコストの上昇で経営が圧迫されている中小企業は全く逆。大企業のように「賃上げをせよ」といわれても、置かれている条件が全く違うんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　その点、高市首相はわかっているんですかね。<br />
<br />
<b>山口</b>　「円安ホクホク」とか言っているくらいだから、あまり深刻には受け止めていないみたいだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、中小企業の方が大企業より雇用している人の数は多いんですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そう。雇用の7割は中小企業。だから、賃金問題は事実上中小企業問題だし、それはまた円安が引き起こす企業所得の格差拡大をどう是正するかという問題でもある。<br />
高市首相は「積極財政」しか言わないけど、重要なのはむしろ財政の所得再配分機能をどう強化・活用するかという点にある。わかりやすく言えば、大企業の所得をどうやって中小企業に再配分するかという問題だ。こういう視点からの政策論議が、先の衆議院選挙でもほとんど行われなかった。野党がもっとしっかりこの点を論点にしていれば、高市自民が3分の2も議席を占めるなんてこともなかったかもしれない。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >1ドル160円突破は不可避か</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　イラン攻撃以降、また円安が勢いづいてきています。<br />
<br />
<b>山口</b>　日本は原油の9割を中東に依存しているんだから、中東情勢の悪化で円が下落するのは当り前だよね。現在は1ドル159円台だけど、160円突破は不可避になってきている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　円安の進行を食い止めるために日銀がまた利上げするということもあるんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　4月には日銀は利上げに踏み切るだろうと見られていた。1ドル160円ともなれば、なおさらだ。でも、中東情勢次第で世界経済も日本経済も壊滅的打撃を受けかねない。そんな状況下で利上げはちょっと無理だよね。<br />
一方、アメリカも原油高でインフレがさらに進行することが予想されるから、FRBは利下げに踏み切ることができない。つまり、日米金利差が政策的に縮まることが考えにくいわけだ。となれば、円安の進行が放置されることになる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。<br />
<br />
<b>山口</b>　円安が進めば、また大企業は為替利得を得て、中小企業はコスト高で苦しむことになる。この状態を放置して、中小企業も「賃上げをせよ」というのはもはや理不尽とさえいえるね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　政府には本気で中小企業の所得を底上げする政策を考えてもらいたいですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。それに、日本政府も「イラン戦争の早期終結」をヨーロッパやアジア諸国と一緒になって本気でアメリカに申し入れてほしい。それが日本の中小企業を守ることにもなる。</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.3.22</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6372.html</guid>
			<pubDate>Mon, 23 Mar 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年2月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6340.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「年明け後も足踏む景気<br />
～人手不足と金利上昇で倒産増の懸念も～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>GDP統計は四半期ごとに発表されるものだから、年明け後の状況を見るにはやはり景気ウォッチャー調査に頼るしかない。それを見ると、昨年後半の低迷ぶりが年明け後も続いていることがわかる。/ 「景気の現状判断DI」は10月の48.２をピークに11月48.0、12月47.7、そして年明け後の1月は47.６だ。昨年後半の低下傾向が年明け後も続いている。……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >25年10－12月期のGDP<br />
～かろうじてプラス成長ではあったが～</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　総選挙も終りました。自民党が衆議院の議席数の3分の2を単独で確保するという前代未聞の結果になりましたが、それついては先生が今月号の論考「“４つの視点”から「高市自民圧勝」を読み解く」で分析されていますからそれを読んでいただくことにして、ここでは去る2月16日に発表された昨年10－12月期GDPについてお話を伺うことから始めたいと思います。10－12月期GDPは前期比0.1%増、それを年率に換算すると0.２%増という結果でした。2期ぶりのプラス成長です(図１)。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/967434e367135ffcc2cdb06e4bf048031cadc0a4d8e0fac69ea1327fa5a95d2c.png" alt="" width="340" height="394">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口　</b>「ブラス成長」といっても、「2.6％もマイナスになった7－9月期」から0.2%しか増えていないわけだから、「ブラスに転じてよかった」などと喜べるような結果じゃないよね。むしろ今回のGDPの発表で「2025年後半、経済は低迷していた」ことが明らかになったと言うべきだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。最初に表1を見た時「住宅投資4.8%増」というのが目に入って、住宅業界も回復してきたのかなあと思ったんですけど、これも「8.4％もマイナスだった前期」の反動に過ぎないんだと気づきました。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/2ce1a2a32186c73b4316998a23c99a2af9019ff1c9615272527c7abc0947dce3.png" alt="" width="340" height="382">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　25年4月に省エネ基準が厳しくなった。そこで、3月まで駆け込み需要が発生し、その反動で7－9期が大幅にマイナスになった。10－12月期はそのまた反動でプラスになった。上下に振れているだけで、残念ながら住宅投資が活発化してきているというわけではない。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >昨年後半の低迷の原因は?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先ほど、「今回のGDPの発表で2025年後半は低迷していたことが明らかになった」と言われましたが、その低迷の原因は主になんだったのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　一番大きいのは、やっぱりGDPの7割を占める個人消費が冴えなかったことだね。7－9月期には0.4％増と少し増えたんだけど、10-12月期には0.1%増とほとんど横ばいだった。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　物価高で実質賃金のマイナスが続いていますからね。消費が伸びるのはあまり期待できません。<br />
<br />
<b>山口</b>　それからもう一つは輸出だね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　トランプ関税の影響ですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　それは間違いない。7－9月にはその影響でマイナス1.4%と落ち込んだ。10－12月期にはマイナス0.3%とマイナス幅は減ったけど、依然マイナスが続いている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかインバウンド消費って、GDP統計では「輸出」の項目に入るんですよね。高市発言をきっかけにした日中関係の悪化で、インバウンド消費も減っちゃったんじゃないかと思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。10－12月のGDP統計ではインバウンド消費は0.6%減。輸出減の一要因になっている。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >年明け後も足踏む景気</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　年明け後も経済の低迷は続いているのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　GDP統計は四半期ごとに発表されるものだから、年明け後の状況を見るにはやはり景気ウォッチャー調査に頼るしかない。それを見ると、昨年後半の低迷ぶりが年明け後も続いていることがわかる。<br />
　「景気の現状判断DI」は10月の48.２をピークに11月48.0、12月47.7、そして年明け後の1月は47.６だ。昨年後半の低下傾向が年明け後も続いている。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/a2a3cd6c7b406ca0066cdd28d9072b0ca0dc53759756db408b9cf2af57b366b0.png" alt="" width="850" height="493">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　DI値が基準の50を切っているということは、「3カ月前と比べて今月の方が景況が悪い」という答えが「良い」を上回っているということですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおり。実は24年2月に51.3をつけて以来、今年の1月まで5０を上回ったことが一度もないんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　2年にわたって景気低迷が続いているということですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。景気低迷が長引いて多くの人が閉塞感の中にいる。高市氏の「私の積極財政で再び成長できる」という呼びかけに「よし、高市氏に賭けてみよう」という気持ちになった有権者が多かったのも理解できなくはないね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　でも、高市さんが「積極財政」を言い出してから金利がじりじり上がってきていますよね。景気が低迷しているのに金利が上がっていくんじゃ、中小企業にとっては踏んだり蹴ったりじゃないんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　その辺りのメカニズムをよく理解していない有権者が多いんだよね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >人手不足と金利高で倒産件数増加か!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　心配なのは、また倒産が増えるのではないかということです。1月の倒産状況はどうだったんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　東京商工リサーチによると、1月の倒産件数は887件、前年同月比5.59%増。2カ月連続で前年同月を上回っていて増加傾向にある。1月としては4年連続で前年を上回った。今年1月は2013年（934件）以来の高水準だ。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202602/eba4f16a09f422aa2d1ff0fb2244352dfb212f85753cbd6887c3b9d1a1926f31.png" alt="" width="2890" height="1058">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　来月は年度末ですから、倒産が増えるんじゃないかと。<br />
<br />
<b>山口</b>　東京商工リサーチも、「物価高、人手不足への抜本的な対応策が取れない中小・零細企業は多いだけに、資金需要が高まる年度末を迎え、息切れ企業が押し上げる形で企業倒産は緩やかな増勢が見込まれる」(東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」2026.2.9)と書いている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　景気が低迷しているのに金利が上がり、物価高によるコスト高があって、さらに人件費の急騰、そして人手不足ですから。倒産件数が増えない方が奇妙です。<br />
<br />
<b>山口</b>　選挙中、高市氏は「積極財政」ということは何度も叫んでいたけど、中小企業対策については具体的なことはほとんど語っていなかった。これはちょっと気になるね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　それから年度末をなんとか乗り切っても、4月には日銀の利上げがありそうだから、中小企業経営者はそのことも頭に入れておく必要がある。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市さんは選挙で大勝して「ホクホク」なんでしょうが、中小企業は大変ですね。皆さん、気を引き締めて頑張りましょう。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><div align="right">インタビュー2026.2.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6340.html</guid>
			<pubDate>Fri, 20 Feb 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2026年1月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6297.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「2026年経済を読み解く際の留意点<br />
～『解散』で進む円安と金利高～」</h2>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>高市政権が財政政策を発表した昨年11月17日から国債利回りの上昇が急ピッチになってきているんだけど、図2に明らかなように直近の上昇は1月9日に「首相、解散検討」が報じられた翌週の1月13日朝を起点にしている。高市自民が選挙で勝利するだろうという予測が長期金利を押し上げていることは間違いない。 &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「解散検討」の報だけで1ドル160円近くまで円安が進んだ</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年最初の「景気を読む」ですから、足下の景気情勢に加えて、今年の経済見通しについてもお聞きしたいと思っていましたが、政界がいろいろ大変なことになっていて経済見通しも立てにくくなってきたように思います。<br />
<br />
<b>山口　</b>本当にそうだね。想定外のことが次々に起きている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市首相が1月国会の冒頭で衆議院を「解散」するというのも驚きですが、公明党と立憲民主党が合流して新党「中道改革連合」を設立したというのも措定外のインパクトです。<br />
<br />
<b>山口</b>　最大の注目点は新党がどの程度機能するかだよね。新党が公明票や立憲民主支持票をしっかり抱え込めば、与野党逆転、政権交代の可能性も出てくる。仮にそうなれば、経済政策にも方向転換が起きるだろうし、それが日銀の政策運営にも影響を及ぼすだろう。今年の経済動向の予測は選挙結果を見てからにした方がよさそうだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今日はその辺りも踏まえつつお話を伺うことになりますが、まずは足元の経済情勢からお聞きしたいと思います。先生が繰り返し強調されてきた「高市リスク」は“円安”、“金利高”、“人手不足の深刻化”の3つですが、“円安”と“金利高”はすでにはっきりと現れてきていますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市氏が自民党の総裁選で勝利してから円安がどんどん進んでいるんだけど、最近はそれがさらに加速して、一時1ドル159円台をつけるなどいよいよ160円に手が届きそうなところまで来ている。図1で最近の状況を見てみよう。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　1月に入ってから、円安の足取りが早くなっていますね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/fec53c1267c8e6a4c8fcca31315364dc4053462c54ab99134df7f7ecf81486fd.png" alt="" width="862" height="583">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そうなんだ。1月12日の週から円安が急進した。なぜかというと、その前週の金曜日1月9日に何かがあったからなんだけど、分かるかな?</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >「解散」=「積極財政」の信任=「円安」の容認</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　1月9日というと、たしか読売新聞が「高市首相が解散を検討している」と報じた日ですよね。<br />
<br />
<b>山口</b>　正解! &nbsp;読売新聞がオンラインでこんな記事を配信した。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>高市首相（自民党総裁）は９日、２３日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った。衆院選は２月上中旬に実施される公算が大きい。首相は参院で少数与党が続いており、政策実現の推進力を得る必要があると判断したとみられる。…首相は「強い経済」「責任ある積極財政」を主張しており、自身の経済政策について国民の信任を得たい考えだ。<br />
——読売新聞オンライン2026年1月9日、23時配信。</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　選挙に勝てば、高市政権の「積極財政」が国民の信任を得たことになるというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　「積極財政」が——国債の増発を引き起こし、通貨の増発にもつながることから——「円安要因」だというのは今や市場関係者の共通認識になっている。その「積極財政」を国民も支持しているのだとなれば、これは事実上国民が「円安」を容認しているのに等しい。<br />
当時は公明党と立憲民主党で新党をつくるという話も浮上していなかったので、世論調査の内閣支持率から見て自民党は圧勝するだろうと見られていた。そこで、「解散」イコール「積極財政の信任」イコール「円安の容認」という連鎖になって、たちどころに2円ほど円安が進むという事態が生じたわけだ。ちなみに、日経新聞も18日の記事でこんな風に指摘している。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>衆院の解散・総選挙を通じて高市早苗政権が積極財政を進めやすくなるとの観測から、円相場は1ドル=160円台へ下落する可能性が意識されている。<br />
——日本経済新聞2026.1.18　　　　　</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　ということは、仮に新党「中道」の影響で自民党の勝利が危ぶまれることになれば、円安にもブレーキがかかる可能性があるということですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　その可能性はあるね。もちろん。為替はいろんな要因で動くので現実にどうなるかわからないけど、円安への圧力が弱まることは間違いない。こんな具合に、今は政治と経済の動向が絡み合ってしまっているのだけど、これはもう1つの高市リスクである金利についてもいえる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「自民勝利」の予想が長期金利を上昇させている</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　先ほど引用した18日の日経新聞は、金利についてもこう書いている。</p>









































<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>次の衆院選で自民党の議席数が伸びれば、高市早苗政権が一段と財政拡張路線を進みやすくなるとの思惑がくすぶる。財政リスクを反映しやすい超長期債を中心に利回りの上昇が続くだろう。<br />
——日本経済新聞、同上</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　10年物国債の利回りはすでに一時2.25%にまで達しています。およそ27年ぶりの高水準なんですが、こうした長期金利の上昇も次期総選挙で「高市自民が勝つだろう」という見通しによって後押しされているということですね。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/d48112cb4719b0a748460daf5037992e3616575d1ab000d702b786b148aea6fe.png" alt="" width="892" height="407">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　高市政権が財政政策を発表した昨年11月17日から国債利回りの上昇が急ピッチになってきているんだけど、図2に明らかなように直近の上昇は1月9日に「首相、解散検討」が報じられた翌週の1月13日朝を起点にしている。高市自民が選挙で勝利するだろうという予測が長期金利を押し上げていることは間違いない。<br />
前回のこのコーナーでも言ったけど、10年物国債の利回りに0.9%上乗せして算出されるのが「長期プライムレート」――大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時の基準金利――。１月現在、これはすでに2.75%まで引き上げられている。この調子で行けば、2月には一気に3％になる可能性もある。そうなると、中小企業の新規の借り入れや更新期の借り入れに適用される金利は3%以上が基準になるわけで、中小企業への影響が大いに懸念される事態になって来たといえる。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうだとしたら、もしも次期総選挙で高市自民党の勝利が危ういとなれば、金利上昇に歯止めがかかる可能性もあるということになりますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　新党「中道」がどんな国債政策を打ち出すかによるけど、積極財政路線に修正が加われば長期金利は少し落ち着くだろうね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今後は長期金利に加えて昨年12月の日銀の利上げが変動金利に徐々に反映されていきますから、中小企業の経営はさらなる圧力に晒されます。先行きが懸念されますね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >レアアース問題がやがて深刻化する可能性も </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年の景気動向の予測には政治的要因が絡んでくることはここまでのお話でよくわかりました。ところで、その政治的要因という点で、もう一つ気になっていることがあります。それは、先生が「想定外の高市リスク」と言われていた日中関係の悪化です。<br />
高市首相の台湾有事に関する発言で日中関係が冷え込んでいますが、中国政府は日本への渡航自粛だけでなく、いよいよレアアースの対日輸出規制にまで踏み込んできたようです。この影響はどうなるんでしょうか。日本はかつて中国からのレアアースの輸入が出来なくなった経験があって、それを教訓にしてその後「脱中国」を進めてきたから今回の輸出規制の影響はそれほどでもないという人もいますが。<br />
<br />
<b>山口</b>　中国依存が6割とも7割ともいわれているレアアースが本当に入って来なくなったら日本産業への影響は甚大だ。それは間違いない。「脱中国」の施策として念頭にあるのは、オーストラリアからレアアースを調達できるように——日本企業が積極的に投資するなど——対処してきたこと。でも、レアアースにもいろいろあってオーストラリアからの輸入である程度補えるものもあるけど、それができない種類のものもある。それだけをもって「中国の輸出規制に耐えられる」というのはちょっと過大評価だと思う。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　南鳥島近海にはたくさんレアアースがあるから、これを使えば「中国、恐れるに足らず」ということをいう人もいます。今年中にいよいよ試験採掘も始まるみたいですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　あくでも試験採掘だよね。それでやっと技術的なハードルがどんなところにあるかが明らかになるという程度の段階で、レアアースを自前で採って精錬するなどというのはまだまだ先の話。最大の問題はコストだよね。コストの問題を考えると、南鳥島近海のレアアースが活用できるようになるには、早くても10年はかかるというのが多くの専門家の見立てだ。だから、これは残念だけど当面の日中問題には役に立たない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　厳しいですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市さんが発言を撤回すれば当面の問題は解決するんだけど、世論がそれを許さない状態になっているからそれも難しい。現在日本企業がどれくらい在庫を抱えていて、中国の輸出規制がどれくらい続けば様々な分野での生産活動に支障が出てくるのか、それもはっきりしない。それに中国が実際にどれくらい厳しい規制を仕掛けて来るのかも未知数だから、当面は様子を見るしかないね。ただ、レアアースを必要とする部品などの価格がすでに大幅に上がっていると指摘する人もいる。いずれにしても、こうした政治的要因で2026年の経済動向は大きな影響を受けることになる。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >消費者の購買力が限界に近づきつつある!?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年の景気動向を予測しようとする場合、留意すべき点というと、ほかに何がありますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　景気動向に関して一番注目すべきは、やはり消費者の購買力だよね。最近、消費者の購買力が限界に近づきつつあることを示唆するような統計も散見される。<br />
たとえば、帝国データバンクが昨年の8月頃に実施した調査では、「飲食店」や「旅館・ホテル」など、消費者に近い業種ほど仕入れコストの上昇を価格に転嫁できないでいるという結果が出ている。価格転嫁できた企業の割合は全業種平均では39.4％。ところが、「飲食店」では32.3%、「ホテル・旅館」では24.9％にとどまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「値上げすると、お客さんが離れて行ってしまいそうで怖い」ということなんでしょうか。</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
	<a href="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/large-276f5b77266f19de78fb27ce2aa707c0f11cc08575fcc7f8745983c514273496.png" data-rel="SmartPhoto[6297]" data-caption="">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202601/276f5b77266f19de78fb27ce2aa707c0f11cc08575fcc7f8745983c514273496.png" alt="" width="340" height="390">
	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　そうだね。消費者が値上げ分を吸収する余力がいよいよ小さくなってきている——そう感じている業者が多いということだ。図３にあるように、実質賃金が昨年11月で11か月連続のマイナスになった。これじゃあ、そう感じるのも当然と言えは当然だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　消費者の購買力が限界に近づいているという点で、一番実感するのが住宅価格です。東京23区内の新築マンションの平均価格は1億3000万円だそうです。平均年収の18倍ですよ。一体だれが買えるんだろうと思ってしまいます。<br />
<br />
<b>山口</b>　建築資材の高騰や人件費増で膨らんだコスト増を価格に転嫁すると、販売価格が高くなり過ぎて購入できる消費者が減ってしまう。建設・不動産業界ではこういう現象が目立ってきている。この分野では消費者の購買力が限界にきていることが、かなりはっきりしてきているね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　食料品とか建設資材は輸入依存度が高いですから、これからさらに円安が進んだらまた価格が上昇しますよね。価格転嫁が難しくなっている中で、さらなるコスト増はきついです。<br />
<br />
<b>山口</b>　こういう業界から、「円安を促すような政策はやめてくれ」という声がもっと上がってしかるべきだと思うね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日銀は今年中に少なくともあと2回は利上げする!</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　2026年の景気動向についての留意点、ほかには?<br />
<br />
<b>山口</b>　やっぱり日銀の利上げだね。今年の夏にもう1回利上げして、さらに年後半にもう1回利上げするだろう——今のところ、これが市場関係者の共通認識だけど、円安の進行が強まれば、日銀は春にでも利上げして円安を止める必要が出てくる。それでも円安が止まらないとなったら、年3回の利上げになる可能性も否定できない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　現在の政策金利が0.75％ですから、年2回引き上げられれば今年中に1.25％になる。3回だったら、1.5%になるということですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。それくらいまでは日銀は「中立金利」の範囲内——つまり景気を冷え込ませるほどの金利水準ではない——と考えているみたいだね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前回先生は政策金利が0.5%を上回ることは30年間なかった。昨年12月の利上げでこの「30年の壁」が破られたということを言われていました。その壁が破られた途端1年で金利がその2倍、3倍になるというのは、かなりのインパクトなんじゃないかという気がするんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。利上げが進めば、とくに投資家の投資行動に変化が起きる可能性がある。先ほど、新築マンションの価格があまりに高くて消費者の手が届かないという話が出ていたけど、それでもマンションが売れているのは、居住目的ではなく、投資目的で購入する投資家がいるからだ。そういうことが盛んに行われてきたのはなんといっても金利が低いから。言ってみれば、長年の極端な低金利政策が生み出した「あだ花」だ。とすれば、金利が正常な水準に戻るにしたがって、いずれはこうした不動産投資の動きにもブレーキがかかる。今年中あるいは遅くとも来年にはそれが起きる可能性があると指摘する不動産専門家も少なくない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そうなんですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　それから留意点といえば、今年11月の中間選挙を控えたトランプ政権の動向も目が離せない。トランプ関税が違憲かどうかを判断する最高裁判決もせまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　前半のお話の政治と経済との絡み合い、さらにそれ以外にも今年の経済を見る際の留意点がいろいろあるということで、お聞きしていてちょっと頭がパニックになりかけています。読者の皆さんはどうでしょうか。<br />
そんな今年であればこそ、企業経営には情報収集が欠かせません。今年もこのコーナーをよろしくお願いします、ということで本年最初の「景気を読む」とさせていただきます。ありがとうございました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　</p>









































<!-- テキスト -->

<p><div align="right">——インタビュー2026.1.19</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6297.html</guid>
			<pubDate>Tue, 20 Jan 2026 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>インタビュー／景気を読む　2025年12月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6265.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<h2 >「長短金利上昇が中小企業を襲う<br />
～萎み始めた高市政権への“期待”～」</h2>









































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<p><div align="right">聞き手　北嶋詩穂（スモールサン事務局）</div></p>









































<!-- テキスト -->

<p>長短金利の上昇が中小企業に襲い掛かって来る。高市政権の積極財政がさらなる金利上昇や円安を引き起こしかねない。そうなると、やっぱり気になるのが景気の先行きですよね。 &nbsp;……(以上、本文より抜粋)</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >“30年の壁”崩した日銀 <br />
～政策金利0.5%から0.75%へ～</h3>








































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<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/42d18f3f423cd5cbb27c65a4e472ecd306f364bd4a23ddad13a5d84befa83145.png" alt="" width="340" height="374">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　12月18-19日に開催された金融政策決定会合で日銀は政策金利を0.5％から0.75％へ引き上げることを決定しました(図1)。政策金利は30年間0.5％を上回ることがなかったので、この水準は「30年の壁」と言われてきたのですが、今回はこの壁を崩した形になります。なぜ今なのか、今後どのような影響が考えられるかなど、本号ではまずはこの利上げに関するところからお話しいただけたらと思います。<br />
<br />
<b>山口</b>　日銀は今年(2025年)1月に政策金利を0.5%に引き上げたんだけど、それ以降できるだけ早く——遅くとも25年中には——政策金利を1％にまでもっていきたいと考えていた。ところが、4月にトランプ政権が相互関税を世界中に課すという無茶苦茶なことをしたためにその影響で日本の景気が大きく冷え込む危険性が出てきた。そこで、しばらく様子を見なければならなくなったんだけど、8月の日米合意で税率が引き下げられたりして、関税による景気押し下げの影響もだいたいこんなところかなと見通せる環境になった。というわけで、遅まきながら利上げを決断したというわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　日米合意が履行されたのが8月初旬ですから、もう少し早く利上げを実施してもよかったんじゃないですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。実は、市場関係者の多くは10月に利上げが実施されると見込んでいたんだ。でも、日銀は先送りにした。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どうしてですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　「利上げをするのはアホや」とまで言っていた人が総理大臣になっちゃったからね。日銀は「今利上げして高市政権」と対立的な関係になることを避けようと考えたんだと思う。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >利上げ後も円安が進んでいるのはなぜ?</h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　でも、日銀が利上げを先送りしている間にどんどん円安が進んでしまいました。<br />
<br />
<b>山口</b>　そこが問題だね。高市氏が総裁選で勝利したのが10月4日。この日は土曜日だったんだけど、週明けの6日から円安がどんどん進んで、それまでは1ドル147円程度だったドル円相場が11月には一時157円を付けるところまで進んだ。このことは図２——12月19日までの3カ月間のドル円相場の推移を示す——ではっきり確認できる。</p>








































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<div class="column-image-left js_notStyle acms-col-sm-12">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/01f9690b1fe24b24e5ed67610c601a5c242d97d312b402c110b3ca0b252644b6.png" alt="" width="700" height="488">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　これこそ、先生の言われてきた「高市リスク」の1つですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうだね。ここまで円安が進むと、さすがに日銀も高市政権に遠慮してばかりいられなくなる。10月の政策決定会合の次は12月だ。そこで、12月の会合で利上げに踏み切ったというわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の利上げは、円安を止める効果はあるんでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　<a href="https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6241.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前月号</a>でも言ったけど、もし今月も日銀が利上げを先送りにしていたなら、ドル円相場は即刻160円を突破していた可能性が高い。そのかぎりでは、利上げは円安進行の抑制に寄与したと言えなくはないけど、図3を見てくれるかな。これは12月19日早朝から20日未明にかけてのドル円相場の動きを見たものだ。</p>








































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<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/94de678215e412335df8f26507e540a6ffa4b8c6e33af8fdb0bbe2e56bda2d7b.png" alt="" width="1060" height="732">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　16時(図の⑯)前後から円安が急に進んでいますね。<br />
<br />
<b>山口</b>　植田総裁が利上げについて記者会見を始めたのが15時30分。終了したのが16時30分。つまり、記者会見を開始してから円安が進み、その後一時円高方向に戻したものの終了が近づくとまた円安が進み、終了後はほぼ一直線に円安が進んで結局1ドル157円50銭近辺の水準に至っている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　まるで日銀総裁の会見がきっかけで円安が進行したみたいですね、<br />
<br />
<b>山口</b>　実はまさにそうなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　どういうことですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　円安への圧力は現在かなり高まってきている。政策金利を0.25%引き上げただけで円安が止まるとは多くの人は考えていない。そこで、市場関係者が注目していたのが会見で植田総裁が今後の利上げについてどれくらい意欲的な発言をするかという点だった。ところが、会見では期待したほどの発言を得られなかった。そこで、「こりゃあ、円安が続くぞ」と判断して、投機筋がドル売り円安を仕掛けた。それで、植田総裁の会見を機に円安が進むという展開になったわけだ。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >高市政権の「積極財政」という“円安圧力” </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　先生は今「円安への圧力は現在かなり高まってきている」と言われましたが、先日FRBは利下げを決定しました。それだけでも日米金利差は縮まったわけだから、円安圧力は低下してきているのではないでしょうか。そこにきての日銀の利上げですから、日米金利差はさらに縮まったはずです。とすれば、利上げを機に為替がかなり円高に戻してもいいのではないかと思うんですが。<br />
<br />
<b>山口</b>　たしかに君が今言ったのとまったく同じ理由で、「今後は円高に戻す」と予測している専門家もいる。実際の為替相場はいろんな要因で動くのでその動向を予測するのは非常に難しいんだけど、1つ忘れてならないことがある。それは、高市政権が実行しようとしている「積極財政」そのものが「円安圧力」になっていること。正確に言うと、そう認識する市場関係者が最近増えてきていること。「円安への圧力は現在かなり高まってきている」と言ったのはことなんだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　「積極財政」がなぜ円安圧力になるんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　先日国会を通過した高市政権の「補正予算」は21兆円。積極財政論者の高市氏としては面目躍如というところだけど、この支出の6割が国債発行で賄われることになっている。国債の大量増発となれば、国債価格が下がって利回りは上昇する。つまり、長期金利の上昇だよね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　そこまではよく分かります。<br />
<br />
<b>山口</b>　長期金利が国民生活や企業活動にマイナスの影響を与えるレベルにまで上昇すれば、日銀も放置できなくなる。そこで、増発された国債を日銀が買い取って国債価格の下落を抑え込む——利回りが一定以上に上がらないようにする——必要が出てくる。でも、それによって金利上昇を抑えることができても、そのかわり日銀の国債購入が増えて通貨が増発され、インフレが促進されてしまう。「円」への信任は低下し、為替も円安に振れることになる。要するに、国債増発を引き起こす高市政権の「積極財政」が行き着く先は「円安」だというわけだ。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　なるほど。<br />
<br />
<b>山口</b>　こういう“円安圧力”の下で、それに逆らって為替相場を“円高方向”に切り換えようとするなら、日銀の“連続的”な利上げが必要だ。そう考える市場関係者からすれは、今回の植田総裁の会見はいかにも頼りなかった。そこで会見の最中から円安が進んでしまうという事態が起きたわけだ。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >長短金利の上昇が中小企業を襲う</h3>









































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<p><b>北嶋</b>　次に、利上げの影響についてお伺いしたいのですが、政策金利というのはコール市場と呼ばれる銀行間市場の「翌日物コールレート」のことですよね。これが引き上げられると、まず「短期プライムレート」——大企業に1年未満の貸出をする際に基準となる金利——が引き上げられ、それに連動して中小企業が銀行から短期で借り入れる際の金利も上がるということでよろしいでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　そのとおりだね。さらに重要なのは、「短期プライムレート」が上がると、すでに変動金利で借り入れている場合の金利が——長期で借りたものか短期で借りたものかに関係なく—— 一斉に引き上げられるという点。<br />
銀行によっては、変動金利の基準を「短期プライムレート」ではなくて、「TIBOＲ(タイボー)」——銀行間で資金を短期で貸し借りする際の平均的な金利——にしているケースもあるけど、これも政策金利に連動して上昇するから同じこと。<br />
変動金利の上昇は中小企業にとって一方的なコスト増だから、小さな変化でも影響は大きい。なお、住宅ローンの変動金利も同様の仕組みで上がるから、住宅関係の仕事をされている方々はその影響をしっかり見て行く必要があるね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　たしかに。<br />
<br />
<b>山口</b>　さらにもう一つ、今回の日銀の利上げは長期金利である国債利回りにも直接的な影響を与えた。利上げを機に10年物国債の利回りが2％を超え、26年4か月ぶりの水準に達した。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　“26年4か月ぶり”ということは、私たちが4半世紀以上経験したことのない高い水準だということですよね。これは多くの中小企業経営者の皆さんにとって、金利水準が「未体験ゾーン」に入ったことを意味します。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/33f37edfa5643d110a61f91c49dca03c147874f307edea175c9e3919a94fea22.png" alt="" width="1454" height="633">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>山口</b>　この長期金利の上昇そのものは日銀の利上げではなく、高市政権の「積極財政」に基本的な原因がある。それは今回の上昇局面が、高市政権が財政政策を発表した11月17日(図4の⑰)から始まっていることからも明白だよね。同日を起点に国債利回りは急上昇して日銀の利上げ発表前にすでに1.97%くらいにまで上がっていた。それが利上げ発表ともに若干追加的に上昇して2%台に到達したにすぎない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　これも「高市リスク」の現実化の１つだということですね。<br />
<br />
<b> 山口</b>　10年物国債の利回りに0.9%上乗せして算出されるのが「長期プライムレート」——大手銀行が大企業に1年を超える貸出をする時の基準金利——だ。これは12月初頭にすでに2.6%まで引き上げられている。国債利回りの2.0%超えが今後も続けば、来年1月には長期プライムレートが2.8%を上回る可能性もある。中小企業向け新規貸出や更新貸出の金利は長期プライムレートに個々の企業の「信用リスク」を上乗せして決められる。中小企業にとっていよいよ厳しい金融環境になったと言わざるをえない。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　当面は国債利回りが低下する可能性は低いのでしょうか。<br />
<br />
<b>山口</b>　高市政権が打ち出した「補正予算」は基本的に来年3月までに使い切らなければならないものだから、これから国債増発が本格化していくことになる。そう考えると、少なくとも当面は国債利回りが低下する可能性は極めて小さいと考えざるを得ない。新規の借入れを考えている企業や既存借入れの更新期が近々やって来るという企業はとくに要注意だね。</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<h3 >高市政権の成立で一時高まった景気の強気見通しも急速に“後退” </h3>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　長短金利の上昇が中小企業に襲い掛かって来る。高市政権の積極財政がさらなる金利上昇や円安を引き起こしかねない。そうなると、やっぱり気になるのが景気の先行きですよね。その辺りについて判断の参考になる指標はありますか。<br />
<br />
<b>山口</b>　表1はお馴染みの「景気ウォッチャー調査」なんだけど、いつも見ている「現状判断DI」ではなく、「先行き判断DI」の推移を示したものだ。</p>








































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<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/202512/ba14a89effe5e192b649aad19cfa940b04b3cf9cd6c084102df29f67485b69ae.png" alt="" width="944" height="521">
</div>

































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　「先行き判断DI」というのは?<br />
<br />
<b>山口</b>　現在と比べて2-3か月後の景気が「良くなっていると思うか」「悪くなっていると思うか」を聞いて指数化したもの。<br />
注目してほしいのは、10月(図の<font color="red">⑩</font>)のDI値が9月と比べて4.6ポイントと大幅に改善して、53.1にまで上がっていること。なかでも家計動向関連はなんと5.1ポイントも改善して、53.６にまで達している。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　10月になって先行きの見通しが急に明るくなったということですよね。強気見通しが増えた理由はなんですか。<br />
<br />
<b>山口</b>　この「景気ウォッチャー調査」を取り上げたニッセイ基礎研究所のレポートではこんな分析をしている——</p>








































<hr class="clearHidden">

<!-- テキスト -->

<div class="entry-container"><blockquote>景況感が改善すると判断した回答者のコメントには、期待、政権、首相、株価、年末年始といった単語が多く含まれていることが読み取れる。「新首相による政策への期待、過去にない株高が消費力へプラスに働き、一段と良くなるとみている。期待感も含んでいるが、現状に鑑みて、良い方向へ伸びる要素は大いにある（甲信越・都市型ホテル）」や「我が国の首相が新しく決まり、物価高は継続しつつも、ガソリンの暫定税率廃止の方向など日本が少しずつ変わるというマインドがある（北陸・一般レストラン）」など、高市政権への期待のコメントがみられた。………「ニッセイ基礎研究所レポート」2025.11.12　</blockquote></div>









































<!-- テキスト -->

<p><b>北嶋</b>　高市政権に対する高い期待度が10月の「強気の景気見通し」を生んだ要因だったというわけですね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そうなんだ。ところが翌11月には、「強気の景気見通し」は一気に後退。「先行き判断DI」は前月比2.8ポイントも下落して50.3——家計動向関連は50.8——と、「好転・悪化の分かれ目である50」スレスレのところまで低下してしまっている。10月には52.4と久々に50を上回った企業動向関連の「先行き判断DI」も、11月には再び49.2と50を下回ってしまっている。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　高市政権への高い期待も1カ月程度で急速にしぼみ始めたということなんですかね。<br />
<br />
<b>山口</b>　そういうことだね。注意が必要なのは、長期金利の急騰は11月半ば以降だし、日銀の利上げは12月だから、これらが景気指標に現われて来るのはこれからの先だということ。さらに、「想定外の高市リスク」だった日中摩擦の景気押し下げ効果が本格化するのもむしろこれから。そう考えると、全体の「先行き判断DI」が50を下回るのは時間の問題だということになる。世論調査によると国民の政権支持率はまだ高いようだけど、経営者諸氏は根拠の乏しい期待によって目を曇らされることなく、冷静に景気の先行きを見るように心掛けてもらいたいね。<br />
<br />
<b>北嶋</b>　今回の「景気を読む」は年末でしたので来年の経済予想を主要テーマにしたかったんですが、日銀の利上げがあったためにそれは叶いませんでした。そのあたりは来年早々のこのコーナーで話題にしたいと思います。今回はこれで失礼します。読者の皆様、そして先生、1年間大変お世話になりました。そして、良いお年をお迎えください!</p>









































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<p><div align="right">——インタビュー2025.12.21</div></p>








































				
				
			]]></description>
			<category>インタビュー　景気を読む！</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/interview/entry-6265.html</guid>
			<pubDate>Mon, 22 Dec 2025 12:00:57 +0900</pubDate>
		</item>
	</channel>
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