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		<title>スモールサンニュース</title>
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		<copyright>Copyright (C) 2026 スモールサンニュース All rights reserved.</copyright>
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			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>巻頭対談   2010年10月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-2165.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



<!-- テキスト -->

<p><h2>何が韓国経済の躍進を生み出したか<br />
～その5つのキーワード～ </h2>立教大学教授　経済学部長　郭洋春（カク　ヤンチュン）氏<br />
聞き手　立教大学教授　山口義行 </p>









































<!-- テキスト -->

<p>　日本が韓国に抜かれる日はそう遠くないかもしれない――こんな感覚を抱くほど、最近の韓国経済の躍進ぶりが目覚ましい。<br />
<br />
　韓国の本年4－6月期の実質GDP成長率（前期比）は、年率換算で6.0%。日本のそれは1.5%である。企業も急成長を遂げている。現代自動車の本年4－6月期の純利益は、金融危機前の2.5倍にも達した。トヨタ自動車など日本の大手3社の合計は、同時期13％の減少である。同期のサムスン電子の純利益も、前年同期比83%増で過去最高。サムスン電子1社の営業利益は、すでにソニー、パナソニックなど日本電機大手9社の営業利益の合計を上回っている。<br />
<br />
　躍進する韓国経済や韓国企業の強さの秘密はどこにあるのか。そこには、私たち日本人が学ぶべきものも少なくないはずである。そこで、今回は郭洋春（カク　ヤンチュン）立教大学教授に韓国経済の現状やその強さの秘密についてお話しいただき、日本経済や日本企業の活性化のためのヒントを探ることにしたい。<br />
----------------------------------------------------------------------------------------</p>









































<!-- テキスト -->

<p>山口　職場の同僚として「お察しします」が、郭さんは現在「経済学部長」という要職に就かれていてきっと大変お忙しいですよね。そんな忙しい中、スモールサンのために時間をさいていただいて本当に感謝です。今日はお聞きしたいことがいっぱいありますので、ぜひともよろしくお願いします。<br />
<br />
郭　こちらこそ、よろしくお願いします。<br />
<br />
山口　さて、早速ですが、韓国経済は随分好調のようですね。今の調子で行くと、8年後の2018年には1人当たりGDPが日本を上回るそうで、この一事でも最近の韓国経済の好調ぶりがよくわかります。<br />
<br />
郭　たしかに好調ですね。つい最近まで中国の空港を埋め尽くしていたのは日本企業の広告でしたが、今やそれが韓国企業の広告に替わってしまったと言われています。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >“品質向上”による国際競争力アップが韓国経済の好調を生んだ！</h3>








































<hr class="clearHidden">





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<div class="column-image-right">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/201812/aecf5501f7b04d31d343becfdd85273c.png" alt="" width="250" height="167">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>山口　この好調の要因は何だと思われますか？<br />
<br />
郭　1つは輸出ですね。主要な輸出相手国である中国が、リーマンショックの後も安定していたことが助けになりました。<br />
<br />
山口　でも、「中国要因」は日本などほかの国にとっても同じですよね。お聞きしたいのは、特に韓国の輸出の強さを支えているものは何なのかという点です。<br />
<br />
　日本ではよく「ウォン安」が指摘されます。実際、リーマンショック前と比較してウォンは、例えば円に対して46％も下がっています。こういう「通貨安」効果が輸出の好調を支えているんではないかと。<br />
<br />
郭　たしかに、その要因は否定できません。ただ、今回の場合、輸出の好調を支えているのが、そういう価格競争面での優位性にとどまらないところが、これまでと違う点なのです。<br />
<br />
山口　と、言いますと？<br />
<br />
郭　以前は韓国製のテレビや携帯電話の魅力といえば、何と言っても「安さ」でしたよね。でも、今は違う。今ではただ「安いから売れる」というのではなく、「質の高さ」が評価されて売れている。<br />
<br />
山口　たしかに、「現代」の自動車の「品質向上には目を見張るものがある」という声をよく耳にします。1960年代の日本の高度成長期には、日本製品も「安さ」を強みにして先進国市場に切り込んでいきました。それが今では日本製品といえば、「高いけど、品質がいい」というイメージです。これがまさに「日本ブランド」です。韓国は「安くて、しかも品質がいい」ということになるのでしょうか。たしかに、それは「強い」はずです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >設備投資を活発化させた「高品質化・高付加価値化」への強い指向</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>郭　そういう意味で、韓国の産業は以前よりも強化されてきていると言っていいと思います。このことが今日の輸出の好調を生んでいるし、それを持続させる要因にもなっている。しかも、これが内需に火を付ける役割も果たしている。<br />
<br />
山口　どういうことですか。<br />
<br />
郭　韓国経済が好調な要因の2つ目は、活発な設備投資なんです。これは、今お話ししたことと密接につながっています。<br />
<br />
　韓国企業は、かつては比較的低付加価値の商品を安く輸出することで利益を稼いでいました。その限りでは、設備投資にかけるお金もそれほどではなかった。でも、今は違う。韓国企業は高品質、高付加価値な製品を作って売っていこうとしています。<br />
<br />
　そうなると、レベルの高い最新の設備が不可欠です。そこで、企業は設備投資に積極的にお金をかけるようになりました。今は、設備投資の増加率が、輸出の増加率を上回っているほどなんです。<br />
<br />
山口　統計資料をみると、本年4－6月期の韓国の実質GDP成長率（前期比）は、年率換算で6.0%ですが、設備投資は8.1％増ともっと高い伸びを示しています。輸出が7.1％増ですから、たしかに郭さんの言われるように、設備投資の伸びが輸出の伸びを上回っています。<br />
<br />
　郭さんの解説を踏まえると、この数字からは、韓国経済がより高度な段階へと質的な変化を遂げようとしていることが見て取れます。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >投資増→雇用増→消費増という好循環</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>郭　3つ目の要因は、雇用の増加です。この雇用増は活発な設備投資に裏付けられています。90年代の終わりには7%近くあった失業率が、現在では3%台で推移するまでに好転しました。<br />
<br />
山口　それはすごい。日本では失業率が下がらないことで困っています。菅総理も「重要なのは、第一に雇用、第二に雇用、第三に雇用だ」と。<br />
<br />
郭　しかも、韓国の場合、雇用が増加している業種がサービス業ではなく製造業なんです。日本では考えられないでしょう。<br />
<br />
山口　たしかに、日本ではサービス業従事者は増加しても、製造業従事者は減少の一途をたどっている。<br />
<br />
郭　サムスン電子は本年4－6月期の純利益が前年同期比83%増で、過去最高益を記録しました。現代自動車は金融危機前の2.5倍の純利益をたたきだしています。こういう製造業の「元気」が、雇用の増加を生んでいるのです。<br />
<br />
山口　なるほど。<br />
<br />
郭　好調要因の4つ目は、個人消費が伸びていることです。雇用の増加を受けて、個人消費が拡大している。<br />
<br />
山口　高付加価値製品の輸出が好調だと、その製品を生産するための新たな設備投資が必要になり、それに伴って雇用が増加する。そうすると家計も潤って個人消費が伸びる。しかも、輸出に裏付けられているので外貨も獲得できますね。まさに好循環です。<br />
<br />
郭　リーマンショック後の経済回復は中国への輸出が大きな要因であることは間違いありませんが、それだけではない。韓国は堅調な内需が景気回復を支えた面も大きいんです。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >日本とは“スピード感”が違う</h3>









































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<p>山口　韓国経済が好調な要因はよくわかりました。そこで、もう一歩踏み込んで伺いたいんですが、こういう状況を現実のものにするためには何が必要だったのか。特に日本との比較でいえば、韓国はどこが違っていたのか。日本経済や日本の企業の活性化を促すためのヒントとして、お聞きしたいと思います。<br />
<br />
郭　そうですね。日本との違いという点でいえば、何よりも「スピード感」ですね。日本では議論はするけれどなかなか行動に移さない、考えすぎて行動に移せないというところがあるように思います。<br />
<br />
　これに対して、韓国はメリットがあると思うと即行動です。あとは「歩きながら考えよう」というのが基本姿勢です。<br />
<br />
山口　もう十年以上も前になりますが、日本の金融機関の国際競争力が問題になっていたころ、私はロンドンのシティという金融街で金融マンたちに「国際競争力って何だと思いますか？」と聞いたことがあったんです。そうしたら、たった一言、彼らはすかさず「スピードです」と答えました。</p>








































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<div class="column-image-right">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/201812/3c3d3784d1afe5a2a1a8b687377aaa96.png" alt="" width="250" height="167">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>　例えば、外国の企業は現場でどんどん「決定」が下されていく。ところが、日本の企業だと「会社に持ち帰って検討」ということになる。これでは勝てないと。<br />
<br />
郭　「スピード感」の違いは政治や経済の体制的な違いが反映している面もあると思います。韓国は大統領制で、日本に比べると政治的な意思決定や政策執行のスピードが速い。<br />
<br />
　それから経済では、いわゆる財閥と呼ばれる大企業の影響が大きい。その財閥はオーナー一族が牛耳っている。だから、その一族がある方針を決定すると、それがたちどころに全社に浸透していく。<br />
<br />
山口　オーナー支配型の財閥の問題点は、かつて随分話題になりました。財閥解体論が注目された時期もありましたね。でも、少なくとも今は、それが「スピード感」という点でいい方向に出ているということですね。</p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >進出前に1年間社員を「現地」で遊ばせておく～韓国企業の海外進出戦略</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>郭　それから、企業の海外戦略という点でも、日本と韓国とはかなり違うのではないかと思います。<br />
<br />
山口　どんなところが違いますか？<br />
<br />
郭　一言でいえば、徹底した「現地化」です。日本では通常「現地化」というと、現地の人を採用することを意味しますが、韓国企業の場合ちょっと違います。<br />
<br />
　例えば、サムスン電子は10年ほど前に、海外に派遣する自社の社員を「1年間、前もってその国で自由に遊ばせる」ということをしました。前もって社員に言葉や生活習慣を身に付けさせる時間を与え、韓国社員の「現地化」をはかる。その人間を軸にして、1年後には一気にその市場に参入していくという作戦です。<br />
<br />
山口　なるほど、たしかに「戦略的」ですね。<br />
<br />
　去年、韓国がフランスや日本を出し抜いて、アブダビの原子力発電所の建設契約を獲得したということが話題になりました。その際、李明博大統領が現地に出向くにあたって、アラビア語の通訳を連れて行くことを提案したそうですね。通常は、英語の通訳を連れて行く。日本もそうでした。<br />
<br />
　もちろん、現地の人たちは英語もしゃべれますから、それでも不便はありません。それにもかかわらず、李大統領はアラビア語の通訳を連れて行った。まさに「現地」重視です。そういう心遣いは、現地の人たちの心を動かします。<br />
<br />
郭　そういった意味では、日本は海外戦略を立てるのがあまり得意ではないという感じがします。 </p>









































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<h3 >「日本と中国に挟まれている」ことで生まれる“危機意識の高さ”</h3>









































<!-- テキスト -->

<p>郭　それから「危機意識の高さ」、これも日本とはかなり違います。<br />
<br />
　何か問題が起こった時には、持ち前のナショナリズムで国民が一致団結します。例えば、今回のリーマンショック時には、みんなで外貨や金を拠出しあいました。<br />
<br />
山口　危機感を国民みんなが共有する。この点は、たしかに韓国は日本よりはるかに強いように思います。<br />
<br />
郭　韓国は経済的には「見上げれば日本、下を見れば中国」というサンドイッチ状態で長年やってきました。<br />
<br />
　早く日本の技術力に追いつかなければならないのに、なかなか追いつけない。ボーっとしていると中国に追いつかれ、追いぬかれてしまう。そんな危機感を常に持っています。<br />
<br />
　韓国国民は、団結して協力せざるを得ない環境の中で生活しているんです。これが、韓国経済の高度化や企業の国際競争力の強化に結実しているように思います。</p>









































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<h3 >リスクを恐れぬ実行力～思い切りの良さも韓国のパワー</h3>








































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		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/201812/b07ada9e14b1900fb9b11c6e2ece31af.png" alt="" width="250" height="167">
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>郭　もう一つは、実行力。これも韓国は日本と少々違うと思います。<br />
<br />
山口　と、言いますと？<br />
<br />
郭　日本は慎重で、リスクをとりたがらないところがあります。韓国は違います。例えば、最近、韓国政府は自国の農業の衰退を見越して、韓国国土と同等面積の土地をアフリカで購入しました。<br />
<br />
山口　国土と同じ大きさの土地を買ってしまった。ちょっと信じられないですね。それに、アフリカでしょ。たしかに土地はたくさんあるかもしませんが、政変などが起きる可能性もある。リスクが高くはありませんか？<br />
<br />
郭　今メリットがあると考えられるならば、将来のリスクに目をつぶってでもやる。この思い切りの良さも韓国と日本の違いだと思います。<br />
<br />
　たしかに、アフリカの情勢が悪化して、そこで作った農産品を輸入できなくなる可能性はあります。でも、今メリットがあると思ったら実行する。問題は起こった時に解決していけばいい。これが韓国流なんですね。<br />
<br />
山口　なるほど。たしかにリスクを負うことなしに成果を期待することが、ますます難しい時代に入ったのかもしれません。</p>









































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<h3 >強力なリーダーシップで危機に対処する</h3>









































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<p>郭　最後に、リーダーシップの強さ。これも強調すべきでしょう。先に述べたように、韓国経済を引っ張っている財閥企業では、オーナー一族の強いリーダーシップが発揮されていますし、政治では大統領が強いリーダーシップを発揮します。<br />
<br />
　こういう強力なリーダーシップが、リーマンショック後の経済危機を生き抜く上で、いい方向に作用したんだと思います。<br />
<br />
山口　日本でも今、「政治主導」ということが盛んに言われています。これは、官僚任せではだめだ、政治家が10年後、20年後の日本を見据えてしっかりとリーダーシップを発揮しなければならない。そういう国民の思いや危機感がそこには反映されているんだと思います。<br />
<br />
　また、日本の大企業でも経営陣の「官僚化」が進み、社内力学に長（た）けた人ばかりがリーダーになったり、長期的な視点を持って経営戦略をつくることが希薄になっている。この辺は、韓国に大いに学ぶべきところがあると思います。<br />
<br />
郭　韓国経済は好調だとはいっても、多くの問題や弱みを抱えています。例えば、財閥主導で力のある中小企業が育ちにくいとか、たしかに先端技術を導入することは一生懸命にやっているが、自前で新しい技術を開発する力が不足しているとか。国民の間に拡大した格差がなかなか埋まらないという問題もあります。<br />
<br />
　でも、現在の韓国経済の好調さの根拠を見極め、それを参考にしていくことは、日本にとっても十分に価値あることだと思います。<br />
<br />
山口　そうですね。ここで、郭さんが列挙してくれたキーワードを整理しておくと――<br />
「スピード感」「綿密な海外戦略」「危機意識の共有」「リスクを恐れぬ実行力」「強力なリーダーシップ」、ということになります。<br />
<br />
　これらはたしかに日本社会のみならず、日本の中小企業にとっても忘れてならない経営上のキーワードのように思います。大変参考になりました。 </p>








































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<div class="column-image-left">
		<img class="columnImage" src="https://www.smallsun.jp/archives/002/201812/825015097b589c6f90a6b16de4cbe5e0.png" alt="" width="150" height="130">
</div>


































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<p>郭洋春（かく・やんちゅん）<br />
<br />
 立教大学経済学部教授。 1959年生まれ。法政大学経済学部卒業。立教大学経済学研究科博士課程単位取得退学。立教大学経済学部助手、経済学科専任講師、助教授を経て、2001年4月より教授。専攻は、アジア経済論。著書に『アジア経済論』（中央経済社）、『韓国経済の実相』（つげ書房新社）、『開発経済学』（法律文化社）などがある。 </p>








































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</div>


































<!-- テキスト -->

<p>山口義行（やまぐち・よしゆき）<br />
<br />
立教大学経済学部教授<br />
1951年名古屋市生まれ。立教大学大学院修了。東邦学園短期大学専任講師、名城大学商学部専任講師を経て、1993年より立教大学経済学部助教授、95～96年経済学科長。専門は金融論。スモールサンでは、エグゼクティブプロデューサーを務める。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>対談</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/taidan/entry-2165.html</guid>
			<pubDate>Wed, 20 Oct 2010 18:31:47 +0900</pubDate>
		</item>
		<item>
			<dc:creator>山口恵里</dc:creator>
			<title>コラム「山口義行のコレが言いたい」2010年10月号</title>
			<link>https://www.smallsun.jp/smallsun_news/ronkou/entry-2162.html</link>
			<description><![CDATA[
				
				



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<h2 >“政策への過度の期待”は現実を見誤らせる！<br />
～中小企業経営者は「政策効果」を冷静に分析する姿勢を持とう～ </h2>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-right js_notStyle acms-col-sm-6">
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	</a>
</div>


































<!-- テキスト -->

<p>　TVや新聞などのメディアがつくる「世論」に押されて、政府は為替介入を実施した。結果はどうだったか。効果は、ほんの数日間円の対ドル相場が1ドル85円台で推移したというだけ。円相場は半月もしないうちに80円台前半に戻ってしまった。 </p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「政策への期待」と「政策の有効性」は全く別物 </h3>









































<!-- テキスト -->

<p>　政府の為替介入に強い期待を寄せていた人たちは、介入が実施されたことをもって、「これで円は80円台後半、あわよくば90円台前半にまで下落するのではないか」と予測したかもしれない。「政策への過度の期待」が現実を見誤らせる結果になったといえる。 <br />
<br />
　そもそも「政策への期待」と「政策の有効性」とは全く別物である。言ってみれば、前者は「心」の問題だが、後者は冷静かつ客観的な分析を要する「頭脳」の問題である。日々厳しい経済環境の下で戦っている中小企業経営者は、「政策への期待」が強くなりがちであるが、それが強すぎて現実を見誤ることがあってはならない。 <br />
<br />
　もちろん、政府や自治体に対し、正当な政策要望を行うことは当然であり、それは日本経済を担う中小企業経営者の重要な役割でもある。しかし、同時に、「政策への期待」は別にして、「政策がどの程度有効に機能するか」をも見据えながら、経済の「先を読む」冷静さが必要なのである。 <br />
<br />
　実際今回の為替介入に対しては、TVや新聞に煽（あお）られた「世論」の強い要請があった。メディアは円高是正の必要を毎日のように訴え、介入をなかなか実施しようとしない政府に対して、「無策」「無能」と厳しい批判を投げつけた。また、経団連をはじめとする経済界も為替介入の必要性を強く訴え、それをTVや新聞が報じ続けた。 <br />
<br />
　しかし、政策への強い期待があったからといって、その政策が有効に機能することにはならない。政策の有効性については、「強い思い」は別に置いて、あくまでも冷静に客観的に分析することが必要なのである。　 </p>









































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<h3 >為替相場を見る際に欠かせない視点 </h3>









































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<p>　本年8月25日、「１ドル 83 円台入り、日経平均9000円割れについての私見」と題して、私はスモールサン会員向けに一斉メールを配信した。その際、次のように記した。 <br />
<br />
----------------------------------------------------<br />
<br />
　アメリカ経済の低迷が長期化する一方、中国をはじめとする新興国がその地位を高めてきています。いわゆる「BRICs全体の経済規模は2018年に米国を追い越す、個別でもブラジルは2020年にイタリアを追い越し、インドとロシアの経済規模もスペイン、カナダ、イタリアを上回るようになる」と言われています。ですから、今回アメリカが体験している（バブル崩壊後の）「失われた10年」は、世界経済の大きな構造変化=アメリカ経済の地位低下とともに進行していることになります。 <br />
<br />
　ドルの下落はそういう世界の構造変化を反映したものです。したがって、これは日本政府や日銀の小手先の政策で是正できるものではありません。 <br />
<br />
　政府や日銀に「なんとかしろ」と対策を要求する人たちはたくさんいますし、そう言いたい人たちの気持ちもわかりますが、世界の構造変化の大きな流れを一国の政府や中央銀行に「変えろ」といっても無理なことです。このことを頭に入れて、マスコミや一部エコノミストの主張を冷静に聞く姿勢をもたないと先を見誤ることになります。 <br />
<br />
---------------------------------------------------------<br />
<br />
<br />
　実体経済の構造変化を反映して相場の水準変更が起きているのであれば、政府の人為的介入でそれを阻止したり、相場を逆方向に持って行くことは基本的には無理である。 <br />
<br />
　これに対し、相場変動がそういう性質のものではなく、投機によってあるべき水準から一時的にぶれている（オーバーシュートしている）だけであれば、介入は効果を発揮する。 <br />
<br />
　重要なのは、現在の相場変動がこのどちらなのかを判断することである。そのためには、米国をはじめ世界経済の状況を冷静に分析してみる必要がある。私は、今回の円高は明らかに前者に当たると考えている。 <br />
<br />
　もちろん、だからといって、政府は「手をこまねいて見ていればいい」と主張するつもりもない。私は、上の一斉メールの翌日、「円高対策――私のシナリオ」と題する一斉メールを配信し、私が考える円高対策を呈示した。しかし、それはあくまでも急激な相場変動を和らげるための施策であり、相場の方向性自体を変えてしまおうというものではない。 </p>









































<!-- テキスト -->

<h3 >「デフレを退治するために国民世論で日銀を動かせ！」と煽（あお）る勝間和代氏の無責任 </h3>









































<!-- テキスト -->

<p>　繰り返すが、中小企業経営者には、「政策に期待する心」とともに、「冷静にその有効性を分析する頭脳」が求められている。このことは、国民を煽（あお）り、そのことで耳目を集めんとする評論家諸氏が増えてきている昨今であれば、なおさら重要である。 <br />
<br />
　例えば、勝間和代氏は、『SAPIO』2010年6月6日号で、「デフレを退治するために国民世論で日銀を動かせ！」とさかんに煽（あお）っている。 <br />
<br />
　その主張はこうである。 <br />
<br />
　デフレは国民を不幸にするから、デフレを早く終わらせることが必要である。では、「デフレを早く終わらせる方法」はあるのかと問えば、「ちゃんと」あるのだと勝間氏はいう。 <br />
<br />
　それはいったいどんな方法なのか。 <br />
<br />
　日銀が「長期国債を含めた形での固定資産の買い取りなどで、20兆円、30兆円のマネーを市中に流すんです」（同誌78ページ）――びっくりするほど単純である。 <br />
<br />
　しかし、日銀が資金を流す相手（勝間氏が「市中」という言葉で何を指しているかはわからないが）は企業や家庭ではなく、民間の銀行である。したがって、日銀が「20兆、30兆円のマネー」を流しても、直接にはそれは銀行の手元に貯（た）まるだけである。 <br />
<br />
　景気が良くなり、デフレが終わるためには、その銀行に貯（た）まった資金が民間の企業や個人に貸し出されて、モノやサービスの購入に使われなくてはならない。果たしてそうなるかどうか、それが問題なのである。 <br />
<br />
　実際、銀行の手持ち資金はすでに過剰で、銀行は貸出先がなくて困っているのが現状である。預金に対する貸し出しの比率を「預貸率」というが、どの銀行もその低下に悩まされている。 <br />
<br />
　また、借り手である企業も将来の見通しが立たないからと、たとえ金利が安くてもなかなか借りようとはしない。これがまさにデフレの現実であり、こういう現状をどのようにして打破するかが問われているのである。 <br />
<br />
　例えば、銀行が貸し出しをしやすいように、公的な信用保証を拡充したらどうか。中小企業のビジネスマッチングを支援して、「仕事づくり」を推進してはどうか。「仕事」がなければ、銀行から資金を借りようとする企業も増えないからである。あるいは、国内需要だけでは仕事が足りないないから、中小企業にも海外進出を促したらどうか…など。 <br />
<br />
　私たちが中小企業支援のためにさまざまな活動や政策提案をしているのは、まさにそこが問題の核心だと考えるからである。 <br />
<br />
　銀行が資金不足に陥っていて、そのために貸し出しが増えないのであれば、日銀が銀行に対し、「20兆円、30兆円」と資金を流し込んでやれば問題は解決する。しかし、そうではないからこそ、多様な施策と地道な努力が必要なのである。 <br />
<br />
　こういう現状を無視して、日銀が銀行に資金をつぎ込めば、たちどころにデフレが解消するかのように言い、国民の金融緩和への期待を煽（あお）るのは、国民の目を問題の本質からそらすだけでなく、現実を冷静に分析しようとする思考をも閉ざすことにもなる。中小企業経営者諸氏に注意を促したい。 <br />
<br />
<br />
2010.10.9執筆</p>








































<hr class="clearHidden">





<!-- 画像 -->
<div class="column-image-left">
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</div>


































<!-- テキスト -->

<p>山口義行（やまぐち・よしゆき）<br />
1951年名古屋市生まれ。立教大学大学院修了。東邦学園短期大学専任講師、名城大学商学部専任講師を経て、1993年より立教大学経済学部助教授、95～96年経済学科長。専門は金融論。スモールサンでは、エグゼクティブプロデューサーを務める。</p>








































				
				
			]]></description>
			<category>論考</category>
			<guid isPermaLink="true">https://www.smallsun.jp/smallsun_news/ronkou/entry-2162.html</guid>
			<pubDate>Wed, 20 Oct 2010 00:37:58 +0900</pubDate>
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